ハイスクールD×D 僕だけの小猫   作:ハロルド

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予約投稿は2話目以降からしか出来ないのでしょうか、もしそうなら不便ですね……

あ、2話です。お楽しみいただければ幸い



第2話

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日は一緒にゲームをしようよ!」

 

 

 

宵闇に満月が浮かび上がる十五夜に、いつもの様に私は彼に喚び出された。今夜の願いは今言った通りのゲームの相手、たまに誘われるため彼の持つゲームはたいてい把握してしまっていた……不本意ですが。

 

 

「……またムリオカートですか? それともスカブラ(スカッシュ・ブライト)ですか?」

 

 

しかし彼は、そんな私の予想を甘いとでも言いたげにチッチッと口にしながら指を振る……とても様になりません。そういったポーズは、祐斗先輩の様な人がして初めて様になると思います。

 

 

「ふふん、それが違うんだなぁ小猫ちゃん。今日のゲームは……これだッ!!」

 

 

デデーン、と自前で用意したらしい効果音が、何処からともなく聞こえてくる。どうやらわざわざコンポを用意していた様で、前まではなかったそれに思わず眼が行く。……相変わらず高価そうな代物です、あまり詳しくはありませんが高音質を提供してくれた事から良い物なのだろうと思うのは想像に難くないです。

 

 

「……おーい、小猫ちゃーん。そろそろこっちを見てくれたら、僕はとっても嬉しいなー?」

 

 

そんな悲しそうな声に同情心を刺激された訳ではありませんが、これ以上無視を決め込むといじけてしまい対応が面倒になります。なので仕方なく彼の方へと視線を戻せば、先程より若干元気なく、私に向けて件のゲームを渡すので目を通す。タイトルは「どうぶつの村」……略して「どう村」です。

 

 

「……そういえば、こないだFii版が出ていましたね。私もTS版ならやったことがあります」

 

 

私が興味を示した事で、多少は気分が高揚したのか打って変わって彼は饒舌に語り出す。

 

 

「そうそう。小猫ちゃんと一緒にやるのって、何時もバトル系だからね……僕がほとんど負けるし……だから、心機一転って訳じゃないけど、ほのぼの系をやろうかなーって買ってみたんだー♪」

 

 

対戦は出来ないけどねー、と笑いながら言う彼に思わずため息が漏れる。何時も何時も、私のために時間とお金を惜しみなく使って……彼は確か18歳、学校や仕事などは良いのでしょうか。それにお金だって無尽蔵ではないはずです。もしも私のために無理をして、時間やお金を捻出していのだとしたらーーー

 

 

「ほらほら小猫ちゃん、起動したから早くやろう?」

 

 

ーーーいえ、いくら何でもそれはないでしょうね。

そう結論付け、私は彼と共にゲームを始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これ、1人用ですよね。どうするんですか?」

「実はさ、僕は既に少しだけやっちゃったんだ。だから、今日は小猫ちゃんがどーぞ」

「ですが……いえ。では、お言葉に甘えます」

(なんだかんだでやりたかったんだろうなー、ふふっ)

 

 

 

 

 

「……なんで、私と同じ名前のキャラが作成されてるんですか」

「どう村だからねー、『こねこ』って名前はピッタリでしょ? ふふん」

「……最低です」

 

 

 

 

 

「おー、見事にネコ化したねぇ。名は体を現す……『こねこ』も例外じゃないみたいだよ?」

「……『ネコ耳』なんてアクセサリーを付ければ、皆そうだと思いますけど」

「『ネコ尻尾』もあるけど付けてみるかにゃ~?」

「遠慮します」

「即答ッ!?」

 

 

 

 

 

「……ッ!」

「あ、セーブ失敗しちゃったね。しかもゲーム終了。うわぁ、これは次回起動時に『ポチっとさん』に怒られるかなー」

「……最悪です……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして『どう村』をある程度プレイした後、彼が最後に私に勝つんだと意気込んだために『マーフィーのエアライド』で勝負しました。………勝敗は、言わぬが花です。相変わらず、ゲーム初心者の私より弱いのはどうかと思いますが、彼が満足している様なので構わないでしょう。

 

 

そんな風に無邪気な彼を見て……私は、つい先程まで思っていた疑問が口をついて出てしまった。

 

 

「……大丈夫なんですか?」

 

 

「えっ?」

 

 

言ってから、しまったと思う。私と彼は所詮、悪魔と契約者。契約者の個人情報を勝手に詮索するだなんて、悪魔としては失態も良いところ。即座に私が謝罪の言葉を口にしようとすると。

 

 

「……あぁ、もしかして僕の事を心配してくれてるのかな?」

 

 

彼が時折覗かせる聡明さ、それが私の言わんとする事を正確に読み取ってしまったらしく……私に向けてはかなげな微笑を浮かべた。それを見て、胸をえぐられる感覚。もし彼が「私の秘密」を詮索してきたら……少なくとも、お互いに良い気分にはならないと、そう考えてしまう。しかしそれも一瞬のことで、即座にいつもの温かい笑顔に転じた彼が口を開き言う。

 

 

「いやー、大丈夫大丈夫! 僕の父さんも母さんも、この歳になって未だラブラブな所謂おしどり夫婦でね? よく2人で旅行に出かけちゃったりするから、1人で留守番している事が多いんだ。あっ、もちろん生活費は振り込まれてるし親子仲も良好だから安心してね? それに父さんが宝石商だから、お金とか余った宝石を代価に払ってるんだ。どう? 分かってくれたかな?」

 

 

そう一息にまくし立てる彼の勢いに、思わず私はコクリと頷く。私のその対応に満足したのか、彼はその後も終始ニコニコと笑顔で私に接してきた。……私の考えすぎだったのでしょうか?

 

 

だから私は気付かなかった。

 

 

 

 

 

 

「……昔は、ね」

 

 

 

 

そう、彼が先の台詞の最後に呟いていた事に。この時の私はーーー気付けなかったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『感想:今日も小猫ちゃんと一緒に過ごせて楽しかったです。僕は……』。ふふ、小猫ちゃんも愛されてますわね。………? お名前が、瀬留…………何処かで、聞いた様な気が……」

 




※11月25日12時06分、「子猫」→「小猫」に修正
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