ハイスクールD×D 僕だけの小猫   作:ハロルド

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第3話

 

 

 

 

 

 

狗王学園オカルト研究部、そこで2人の女性が相対している。

 

 

「瀬留 銀太郎……小猫のお得意様ね、彼がどうかしたの? 朱乃」

 

 

紅く長く美しくと三拍子揃った艶やかな髪がしなっているかの如くに波打つ。常人場慣れした美貌と、世の女性が羨むようなスタイルを携えて問うはリアス・グレモリー。

このオカルト研究部の部長という仮の姿を持つ、悪魔だ。付け加えるならば冥界ーー悪魔などの住む異世界ーーにて上級悪魔と称えられる、グレモリー家の長女でもある。その戦闘力は折り紙付き、付いた二つ名が『紅髪の滅殺姫』。

 

 

「……リアス。『瀬留』という苗字に、聞き覚えはないかしら?」

 

 

凛とした鈴の音が辺りに響き渡ったと、そう錯覚させる声音で問いを問いで返すは姫島朱乃。まるで黒蜜の様に魅力的な長髪はポニーテールとなっていて、普段は温和にして柔和な笑顔を引き締めている。これまた先に負けず劣らずな美女。更にスタイルも引けを取らず、戦闘力もやはり高い。転生悪魔と呼ばれる存在で、後天的な悪魔。こちらは『雷の巫女』の名で知られている。

 

 

片や椅子に身体を預ける紅。片や書類を手に紅に詰め寄る黒。そんな2人が交わす内容は、姫島朱乃が手にした書類に記された人物ーー瀬留 銀太郎についてだった。

 

 

「……? いえ、私は聞いたことがないと思うわ」

 

 

紅のその一言に寄って、黒は明らかな落胆。そして困惑の表情を浮かべた。先とは違い、まるで蚊が鳴いたような声で話を繋げる。

 

 

「そう……リアスが分からないとなると、やっぱり私の勘違いかしら。ごめんなさい、忘れて」

「えぇ……でも念のため、私の方で彼について調べておくわ。貴方がそこまで言うから、私も気になってきちゃったし」

「……ふふ、ありがとう。リアス」

 

 

(朱乃がそんな表情をするなんて……あの件以外では初めてかしら。瀬留銀太郎……彼に何が?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「小猫ちゃんこんばんわー」

「……こんばんは」

 

 

今日も今日とて契約日和。そんな訳ではありませんが、今宵も彼の喚び出しに応じて契約しています。本日の内容は「料理」……どうやら、私に手ほどきを頼みたいらしく、調理器具一式に食材が揃っていました。部屋に冷蔵庫まで持ってくる徹底ぶり、なんと水道やガスも引っ張ってきたとの事……何やら執念を感じます。

 

 

「小猫ちゃん……いや、小猫先生! 今日はよろしくお願いしまーす!」

 

 

直角90°で頭を下げて教えを請われる……あまり人には見られたくない光景ですね、お互いに。しかし私も鬼ではないですし(悪魔ですから)、契約でもあるのでキチンと教えるとしましょう。

 

 

……決して、私に教えを請う彼に喜びを感じただなんて事はありません。えぇ、有り得ません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の用意したエプロンと三角巾を身につける。

エプロンは黄色を基調とした可愛らしいモノで、一部に猫の足跡が押されている。

三角巾もやはり黄色で、中央にデフォルメされた白と黒の猫がプリントされていて……とても、私の過去を刺激する。

 

 

「……黒歌姉さま。私は……」

「…………おーい、小猫ちゃーん?」

 

 

ッ!? 彼が、着替えのためと言って部屋の外へと移動していたのに、いつの間に戻ったのでしょうか……私の呟きを聞かれてしまった……?

しかしそんな私の危惧も、彼の格好を見て一瞬忘れてしまう程に軽く見惚れる。

 

 

「コック……?」

「あ、うん。まずは形から入ろうかなって思ったから着替えてきたんだけど」

 

 

……何故、無駄に似合っているのでしょう。ヨーロッパに修業に行ってきたと言われても違和感がないくらいに箔があり、それでいてまるでベテランの料理人の様な貫禄を身に纏っていて……しかし結局、要約すると「似合っている」の一言に尽きます。

 

 

どうやら彼は先の私の呟きは耳にしていなかったらしく、ひたすら頭に疑問符を浮かべながら首を傾げる。良かった……何故かは分からないけれど、私は今そう感じている。

それは単に私の秘密を知られたくなかったから? または事情を知ってしまった彼に介入されるのを、私が良しとしていないから?

 

 

……分かりません。自分で自分が理解できず、把握できない。私が私でない様な感覚。

 

 

でも、これだけは分かる。

柄にもなく緊張しているのか、生唾を飲み込んで深呼吸して、彼に問う。

 

 

「瀬留さんーーー何があっても、私の事、好きですか?」

「そりゃもちろん」

 

 

この人は、何があっても私のそばにいてくれると。

間髪入れずに即答してくれる彼……瀬留さんに、私は確かな実感を得た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……それはそうと、料理は何が作りたいんですか?」

「あれ? 僕の告白スルー? ……んまぁ、ちょっとケーキとかチョコとかクッキーとか。お菓子類が作りたくてね」

「ふむ、そうですか。……そういえば瀬留さんは甘党でしたね」

「小猫ちゃんの全裸チョコとか食べたいな」

「……死んでください変態!」

 

 

 

 

ちなみに、瀬留さんには後日改めて指導する事になりました。……何故か(・・・)、いきなり、気絶したためです。

 




今回の出来はいささか以上に不服なので、時間を見つけて手直しを加える予定です
なら投稿するなよとツッコまれると痛いですね……

そしてストック切れです
ではでは

※11月25日12時09分に追加・修正しました
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