東方天眼史記~The Clairvoyant eye Historical Memoirs~ 作:水咲光
終業式の朝はお馴染みの40分間の大掃除から始まった。
俺が配属されているのは教室掃除部隊ほうき掃き科である。いつもの得物を装備するため教室の廊下側にある掃除道具入れを開ける。いつも通りながらこの道具入れはホコリ臭い・・・こんな機会だから後で掃除しておこうかね。
教室の床を箒で掃き清めながら俺はうつらうつらと夏休みの部活の合宿について思考を巡らす。
たしか部活の合宿は7月29日から8月1日までだったか、
今回は京都の蓮台野に行くんだっけ・・・先輩達は「京都有数の墓地かつ心霊スポットで境界の切れ目を探すわよ!」や「あそこは強い結界が触れ合うように乱立してるから私の眼の能力を使えば多分発見出来ると思うなぁ」と賑やかに話していたけど、俺は思う。
そんな青春で大丈夫か?
俺の参加していると言うか、スカウトされて断ろうと思っていたら既に入部届けが先輩達の手によって提出されており強制的に入部することになった我が忌むべき部「オカルト研究部」(通称オカ研)は少々というか聞いたら耳を疑うような活動をしている部活である。
その活動《境界の謎を解き明かす》というものである。
まず一般的に境界って何それおいしいの?と言う話であるが、俺は家、つまり天海一族の仕事関係で境界を知っている。
この世には様々な場所に結界というものが存在する。大小はあれど強い弱いはあれどたしかに存在する。例えば神社、お寺、遺跡、そして蓮台野のような墓地などには必ずと言っていいほど結界がある。つまり、《信仰》《人の願い》などが集まる場所には自然現象の様に形成されるのである。
しかし、この結界というものには時々バランスが崩れたり突然として消失してしまうことがある。結界に何かしらの欠陥が現れた状態、それこそが《境界》である。
境界は通常この世界とは別の空間に繋がっているとされている。俺も部活や、天海家の仕事関係で境界に入ったことがあるが内容は様々でまとまりがない。
道路標識が縦横無尽に乱立する空間。紅色の巨大な館と霧が覆う湖。
どこまでも、まるで果てが無いような草原。
そして大抵は、境界は開いていても結界自身の自動修復効果により機能が回復すれば何もなかったかのように閉じる。
だがである、自動修復効果が機能しなくなるほど壊滅的に壊れた結界の影響で発生した境界はその異界の門を閉じることなく周囲の空間に牙を剥き侵食していく。
そうなった場合、境界の侵食を止める方法は唯一つしかない。
その方法、新しき結界を形成することである。
そして、それが天海一族が古くから行ってきた仕事である。
平安時代から天海一族は陰陽術、その中でも結界術に重点を置き研究してきた一族として日本の呪術界では有名らしい。
掃除道具入れの中を雑巾を使って綺麗に仕上げる。
ふと、教室の時計に視線を向ける。
時刻は9時14分を指し、後数分でお馴染みの音声が掃除の終わりを告げる。
外は依然として、太陽光が無慈悲に降り注ぎ、温度も上昇している様な気がする。
太陽光は教室の窓を通って侵入し、窓際の席を煌々と照らしている。
俺の席は窓際の後ろから2番目の席である。つまり太陽光がダイレクトに降り注いでいるわけで・・・
春とかの日差しなら、日向ぼっことか、昼寝に最適なのだが、夏の日差しはあらとあらゆる作業を妨害する熱波でしかない。
あーあ、席に座りたくねぇ。家に戻って、甘い物食べながら涼しい部屋でゲームしたい。
俺はそんな怠惰の権化とも言える思考に陥っていく。
教室の時計は怠惰の権化と化した俺とは真反対の正確さでカチリ、カチリと秒針を進め清掃の終了を告げるチャイムは狂うことなく正確に鳴り響いた。
とてもグダグダした気がする・・・。作者的には天海くんがいろいろ動いて風景とかが変わると文章ホイホイ書けるんだけど・・・←なら動かせろよ!!
あ、そう言えば、オカ研の先輩達はもちろんあの二人です。分かる方はニヤニヤしてください。
次は天海くんいろいろ動いてくれるはず!