お久しぶりです。第六話となります、どうぞ。
「――き…… ――ぶき…… 吹雪――」
机に突っ伏す少女を優しく揺り起こすものがいた。サンバイザーと朱色の道着が印象的な艦娘、航空母艦龍驤である。
「……ん、う……。……んあ、あと三十分……」
一方で、寝ぼけながらこのようにのたまうセーラ服の少女は、特型駆逐艦のネームシップ、吹雪だ。龍驤は吹雪の寝言に呆れつつ、優しく身体を揺らしてやるが、一向に起きる気配がない。業を煮やした龍驤は、手を止めて深呼吸をすると、一喝した。
「起きんかい!!」
「ハッ、ハイィ!」
飛び跳ねる勢いで立ち上がる吹雪。がたんと椅子が後ろに倒れ、ごんと鈍い音。先ほどの勢いはどこへやら、そこには鈍痛に身悶えする吹雪の姿があった。机の引き出し部分に、太ももを強打したのだ。龍驤は苦笑する。
「フフ、大丈夫か吹雪。何度起こしても起きないもんやからつい大声だしてもうたわ。許してな、な?」
「……ハイ。もうだいじょうぶれす……」
「だいぶ、アカンそうやけど……」
吹雪は双眸に煌めく光を湛えながら、太ももを擦る。
「いえ、バッチリ目覚めました」
「なんか含みのある言い方やな……まあ、ええわ」
「すみません机を勝手に使ってしまって……私ってどれくらい寝てました?」
吹雪は申し訳なさそうに尋ねる。龍驤は手をあげて応えた。
「や、構わへんよ。長旅疲れたろ、しゃーなしな。そんな時間も経ってへんよ。一時間くらいやね、まだ午前中や」
それを聞いた吹雪は、安堵の表情を見せた。
「よかった~。着任早々爆睡してしまったんじゃないかって、心配だったんです……」
「まあ別に今日は予定もないし、旅の疲れを癒やすためにも爆睡でもよかったんやけどね」
龍驤は冗談交じりに言う。吹雪はあっけらかんとして答える。
「あ、そうなんですか?」
「って、真に受けんなや。冗談に決まっとるやろ」
「あ、そうですか……」
今度は残念そうに目線を落とす吹雪。龍驤は正直な――いや、過ぎる――娘だなと感じた。呆れつつも、提案をする。
「ま、寝る寝ないはとりあえず置いといて、これから鎮守府を案内しようと思っとったんやけど、ええかな」
「はい、ぜひお願いします!」
「じゃあ、行こか」
「はい」
龍驤と吹雪は自室を出て、古き良き学舎の面影残る廊下を並んで歩いてゆく。大きく取られた窓ガラスから差し込む陽光が、板張りの壁面に影を落としていた。二人はしばらく無言で突き進むと、少し広まった空間に出た。装飾されたガラスの嵌めこまれた大きな木戸の後方に、幅の広い階段がある。吹雪はまだ記憶に新しかった。なにぶん、ここから鎮守府へと足を踏み入れたのだから。龍驤は足を止めて、言う。
「ここは、今朝も通ったと思うけど、一応説明しとくわ。ここは鎮守府の正面玄関。そこに見える大部屋は、昔は学校教諭が詰めとったらしいで」
龍驤は少し進んだ箇所に見える空き部屋をさして言った。
「職員室ってことですか?」
「せや。まあ、机も機材も運びだして、がらんどうとしているからわからんわな」
「ええ、やけに広い部屋だな~とは思いましたが……」
「ウチもせやったわ。じゃあ、外、出てみよか」
龍驤は木戸を指さしてから、歩き出した。吹雪も追従する。木戸の向こう側には整備された砂地、運動場のようなものが広がっていた。隅の方には錆びた鉄棒が寂しそうに己を主張していた。
「ということは、やっぱりこれって校庭だったんですね」
「そうだね。正直、要らんけどな……。規模も直線百メートルを取れるか取れないかってところやし、単に玄関口と道路の距離が開くだけ、なんよなあ……」
そうやって愚痴を零す龍驤に吹雪は苦笑した。
「まあまあ、いいじゃいないですか龍驤さん。それなりのスペースがあるんです、何か使えるときがやってきますよ!」
「そうだとええなあ……。って校庭を見せたかったわけやないんや、次は隣回るで」
「隣?」
そう言って見やれども、鎮守府の隣は鬱蒼と生い茂る木々が邪魔をして、不鮮明な空間になっている。かろうじて、木々の間から何かしらの建造物があることが吹雪にはわかった。
「……あ、何か建ってますね」
「ようわからんやろ? 鎮守府の本当にごく周辺は整備したらしいんやけど、そこはほったらかしでな。これから行くのは、その建物――工廠や」
「工廠! そういえば、私の艤装は届いてるのかな?」
「ああ、今朝というより、昨日の深夜の時分かな。キミが来るよりも一足早く搬入されてたで」
「本当ですか! なんだか急に、本当に着任したんだなあっていう実感が湧いてきました」
目をかがやかせる吹雪に龍驤は微笑んだ。
「ふふ、今更かいな……。よし、工廠の見学がてら、艤装のテストも行ってみよ。宿毛の海に脚をつけりゃ、もっとその感覚の輪郭は色濃くなるはずやから」
「……はい!」
二人は、足早に工廠へと向かった。
吹雪が目にしたのは、防風林に囲まれた大きな、体育館だった。
「えと、体育館……ですよね?」
「元はな。中身はちゃうで? 設備の整っとるちゃんとした工廠や」
龍驤はそう言うと、「入るでー」と一声かけてから工廠へ踏み入れた。
工廠の中は、しんと静まり返っていた。人の気配がまるで感じられないのだ。LED照明によってほの明るく照らされる工廠は、未来的なデザインのロボットアーム機器の間にベルトコンベアーがおさまった、ライン生産方式のようであった。しかし、人の姿は依然としてない。完全に無人化されているのだろうか。吹雪は横目に龍驤をちらと見やったが、龍驤はいつもの通りといった感じにずかずかと壁添に突き進み、柱に取り付けてあったタブレット型端末を手にとって、画面をいじりながら呼びかける。
「明石ー、おるかー?」
すると、工廠内の照明はかすかに明るさを増し始め、どこからともなく女性の声が響きだした。
「はいは~い、只今只今」
その澄んだ声音に吹雪が振り返った時には、彼女は既にそこにいた。
「よ、明石。どんな調子や」
明石と呼ばれた桃髪の少女は、セーラー服にミニスカートのように裾を短く切り詰めた袴、と言った出で立ちであった。首元でまとめられたおさげの片房をそっと撫でると、明石は微笑んだ。
「私はバッチシですよ、龍驤さん! そして、あなたの艤装もね?」
急に自分へ向けられた言葉に吹雪は瞬間驚いて、しどろもどろになりながら言った。
「はっ、ありがとうございます! ――あっ、と、わ私、吹雪です! 本日付で当鎮守府に配属になります!よろしくお願いたします!」
途中で気付き、慌てて敬礼する吹雪。明石は笑いながら返礼する。
「ふふ、私は、工作艦の明石です。まあ、正しくは、工作艦明石を模してプログラミングされた人工知能――AIなんですけどね」
「えっ、人工知能?」
素っ頓狂な声を上げる吹雪を置いて、明石は続ける。
「龍驤さんたら、人工知能に調子はどうなんて聞くんだもの。そりゃ吹雪ちゃんだって勘違いしちゃいますよ」
「そんなん言ったってなあ。ウチかて、未だに信じられんわ明石がAIなんて。どっからレーザー出しとるんや?」
「さあ? そこは門外漢なので……」
明石はわざとらしく肩をすくめる。訳の分からない言葉を陳列され、吹雪の頭はパンク寸前であった。
「れーざー? AI? 何がなんだかわからなくなってきちゃった……」
龍驤は笑った。無理もない。自分はおろか、ホログラム通信をよく行っているはずの古賀でさえもひどく驚いていたのだ。龍驤は吹雪に詳しく説明してやる。ここに存在する明石は3Dホログラムによって投射された立体的な映像であるということ。その正体は、帝国海軍属の工作艦、明石をモデルに設計された人工知能プログラムであるということ。龍驤は加えて、この明石の異質さに言及する。従来のホロ投射に必要なレーザー光線や、3Dホログラムには必須であるスクリーンパネルさえ見当たらず、本当にそこに居るかのような錯覚に陥ることも少なくないという。明石は龍驤の説明に付け足して言う。
「つまり、私は単なる映像ということなんですよ。この通りに」
明石は吹雪に手を差し出す。吹雪は釣られてその手を握ろうとするが、すかっと空を掴むばかりで、一向に触れることができなかった。戸惑う吹雪に明石は「ほら、ね?」と微笑む。
「映像とは、画像の連続性から来るもの。その映像を電気信号に変換し、映像信号としたものをレーザーとして射出。ホログラム用の感光材料を用いたパネルに投射して、初めてホログラムとして成立する。マッピング技術との違いは、マッピングの立体感がレーザー対象物の立体性に依存するのに対して、ホログラムは対象物が平面でも平面上に立体を表すことができる……、ざっとこんなもんやったかな」
「はぁ~スゴイですね龍驤さん、博識です」
明石は手を軽く叩いて感心する。
「なに、ただ技術アーカイブをちょろまかして朗読しとっただけやで」
龍驤がタブレットの持った手をひらひらと振ってネタばらしをする。
「じゃあ、明石さんは何にも触ることができない、ってことですよね」
いやいやそこはご心配なく!と明石が胸を叩く。そこに感触を認知できる肉体があるわけでもないのに、胸を叩く音がする。吹雪は甚だ不思議であった。すると、明石は空を指で切ったり、押してみたりして、更に吹雪を不思議がらせた。そして胸の前方に手を置くと、不気味に指のみを動かし始めた。吹雪が困惑の色で龍驤に振り向くと、龍驤は明石の手元を指さして、「よく見てみ、ほら」と促す。吹雪が目をこらすと、ようやく不思議の根源が見えてきた。ほの明るく光を放つ、半透明なキーボードパッド、のようなものがそこにあったのだ。吹雪がそれに気付くと同時に、明石の指は動きを止めていた。明石が言う。
「私にはこの通り、物体に触れる肉体がありませんが、ここ工廠の機材ならばいくらでも私のネットワークから動かすことが可能なんですよ、ほら!」
明石は大げさな動きで腕を振るう。さながら老練した大物指揮者のようだ。その指揮に合わせて、工廠の機材たちに火が灯ってゆく。ひときわ大きなベルトコンベアーを内包した機械が駆動音を轟かせ始めたところで、明石の背後からカチャカチャと軽い金属音を響かせて、近づくものがあった。吹雪は思わず身構えた。龍驤もそれに倣う。明石もその音に気付いたのか、振り返るとその音を発する存在の小さな背丈に合わせて、しゃがみこむ。
「よーしよしよし、いい子だね」
鋼を思わせるメタリックなカラーに不釣合いにも思える有機的な楕円の形態をしたそれは、まるで昆虫のような鋭く太い四肢を持ち合わせていた。蜘蛛のように床を這うそれを明石は目を輝かせて撫でている。龍驤はぞっとした。
「あ、明石それ、なんや?」
「ヒラガさんが作ってくださったのが、ようやく届いたんですよ、ほらいい感じでしょう?」
「ヒラガ……? ああ、本部にいる……ってあいつの専門は造船やろ? なんでそんなロボット……なのかわからんけど、そんなもんを」
ヒラガ。吹雪も舞鶴で名前だけは聞いたことがあった。横須賀の艤装研究所の所長であり、艦娘たちやその艤装設計の中心人物である、と大淀は言っていた。
「気分転換の一環らしいですよ。それでこんなに役立つものを作ってくれるんですもの、さすがね」
「役立つ? ただの愛玩ロボットとちゃうんか?」
「愛でるにしてはちょっと悪趣味過ぎるでしょう? まあ、見ていてくださいよ」
そこは否定しないのだなと感じた吹雪を置いて、明石は蜘蛛型ロボットに背を向けて立つ。すると、なんということだろうか。蜘蛛型ロボットは四足の力強い四肢のうち、後ろの二つのみを起用に動かして直立したではないか。腹を見せる形となったロボットであるが、その姿は間の抜けたどころか、神聖なオブジェクトにすら思われるほど整然としていた。その腹には何らかのジョイント部分と思われるような文様が刻み込まれていたが、二人にはそこまでの余裕はなかったし、明石に隠れて見えなくなってしまっていた。機械の予測不能な動きに吹雪と龍驤がぎょっとしていると、ロボットは更なる変化を見せつけてきた。蜘蛛型ロボットの楕円の体を支える後ろ足が、根本からぱっくりと割れ始め、接地部分を中心として弧を描くように地面へ倒れたかと思えば、脚の根本に収納されていた先端部分から繊細な機械義手に近いパーツが明確な生気を以って現れた。それが地面をむんずと掴む――力が入ったように見える――と、後ろ足が割れるまで先端部分であると思われていた箇所が、まるで人の肘のようにぐぐぐと折れ曲がっていき、人間の脚部とそう変わらない長さにまで伸縮していた。はたから見れば脚だけが長い気持ちの悪い虫型の何かである。その通りはたからその光景を目の当たりにしていた龍驤と吹雪は言葉を失っていた。
「…………」
その様子に明石が苦笑いする。
「あ、あれ、ドン引きさせちゃいましたかね……。まあ私も初めて見た時にはえげつのない変形だなあと思ったものですが、かなり参考になる箇所も多数あって……これがまた……」
「あー、あーわかったわかった明石。で、これなんなんや結局……」
龍驤はアクセルの入りだした明石の思考にブレーキをかけると同時に疑問を投げかける。これではただ単に本物同様に不気味な蜘蛛型ロボットの変形機構を見せつけられただけだ。明石はどうやら見てもらえば察してもらえると考えていたらしいが、吹雪と龍驤にはちんぷんかんぷんな印象しか残さなかった。
「いきなり言うのは無粋かなって思ったんですってば。ヒラガさんのためにも。まっいっか、これは人工知能搭載ホログラムヴィジョン用に(曰く息抜きで)開発された蜘蛛型変形ロボットアーム。平たく言えば、私に四本の腕が生えることになります。こんな感じに」
明石が楽しげに語ると、それまで動きの止まっていた蜘蛛型ロボット――ロボットアームは再び動き始めた。まず、楕円形の身体に刻み込まれた幾何学的な文様が淡く光りだし、ゆっくりと明石に近付いていった。明石は映像である。なんら質量を持たない彼女に蜘蛛型ロボットアームは"触れた"のである。否、ただ直前で止まっただけかもしれない。だが、文様の光がいっそう輝きを増すと、それまで身体を支えていた蜘蛛型ロボットアームは徐々にハの字に開き始め、完全に地上から浮いた。
「明石さんにくっついた!?」
吹雪は思わず声を上げた。さっき、握手すらできなかった彼女にロボットアームは装着されていたのだ。矛盾である。
明石の腰の辺りに装着された――完全に接着されているというよりも、文様の放つ光を軸に浮いているという方が正しいかもしれない――ロボットアームは、今まで上方へ突き上げられていた"前脚"に当たる四肢も変形を始め、"後ろ脚"と同じように長く伸び、ハの字へ開いた。龍驤はその姿にほうと息がひとつ漏れた。
「すごいなこりゃ。どうやってくっついてるんや?」
「龍驤さんが扱う陰陽術や、魔術に近しい処理をこの子に与えているらしいんですが、門外漢なもので詳細についてはわからないんですよ。ただこうやって私と同調させてやれば……」
明石はそう言って、「リンク」と小さく呟いた。すると、ロボットアームが明石の腕そのものになったかのように動き始めたのである。捻ったり、曲げたり、伸ばしたりと自在に動く腕部と、豆粒ですら掴んでしまいそうなほど繊細な指の動きを可能にした先端の鉄製手部。これが明石という人工知能の意思ひとつで自由に動かせるのだ。しかも、ホログラムヴィジョン用と言う。実体の無い映像に本体を固定装着させ、明石のネットワークと直に接続するというその技術。それを息抜きで作り上げたヒラガという男は、一体何者なのだろう、と吹雪は思った。
「確かに本体部分にあるこの文様は魔法陣に近いものを感ずるが、よくこんなん実用化したな……。ヒラガさんは天才ってやっちゃな」
「そうですね。私も工作船の端くれとして、ただただ驚かされるばかりですよ。でも、これで皆さんをもっともっとサポートすることができますよ!」
「まだサポートらしいサポートは受けてへんけどな」
龍驤は笑う。明石は口をすぼめて、「それはそうですけど、艤装の維持管理とかいろいろありますもの!」と抗議した。
一方、吹雪は抗議する明石に合わせて揺れるロボットアームを眺めながら、舞鶴にいた頃を思い返していた。上下にハの字、X状に伸びる機械腕部を見て、似たような艤装を持った艦娘が居ることを思い出していた。そう、彼女と舞鶴で何度かすれ違ったり、演習を見学したことがある。そう思いだした瞬間には口からぽろっと名前が漏れ出ていた。
「それ、金剛さんの艤装みたいですね」
「金剛? ああ、金剛型戦艦艤装の展開時の姿にそういえば似ているかもしれないわ。格好いいわよね」
明石は龍驤への不満顔から一転、にっこりと気を良くしていた。秋空のようにころころと移り変わる人だなと吹雪は感じた。そこに龍驤が怪訝そうな顔をして口を挟む。
「吹雪、キミ金剛のこと知ってたんか?」
「はい! 舞鶴に居たころに何度か演習を見学させてもらったり、嚮導して頂いたことがあります! とても強くて、格好いいお姉さんでした……」
「アイツが格好ええお姉さん……ね……」
龍驤は乾いた笑いを含ませつつ言い、そして思い出したように続けた。
「……というより、アイツ舞鶴に戻ってたんやな」
「龍驤さんもお知り合いなんですか?」
「まあね。欧州戦線で一緒だったんよ。まだ向こうにおるかと思ってたんやけど戻ってきてたとはね」
「え?」
吹雪は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして龍驤を見ていた。あまりの驚きように逆に龍驤が動揺していたほどだ。
「どした? う、ウチ変なことでも言ったか?」
「い、いや、欧州って……?」
「何を言うとんのや、ウチらは大西洋でも……――」
その時であった。今まで静かに二人の会話を聞いていた明石が、「さて」と口を挟んだのだ。龍驤は明石の言動に言いかけた言葉を止めて、困惑の表情を浮かべた。吹雪も明石への違和と、龍驤の言葉の意味に困惑していた。が、しかし、明石はそのまま何事もなかったかのように言葉を続けて。
「今日こちらにいらっしゃったのは、吹雪ちゃんの"艤装の件"でしょう? わかりますよわかります。やっぱり着任したら、いの一番に確認しておきたいですよねー」
「お、おう、せやったせやった。じゃあ吹雪の艤装の準備、してもらってもええかな」
「はい、よろこんで!」
明石は今日一番の笑みを浮かべた。吹雪も、先ほどの会話の意味深さよりも、艤装を装着することへの心の高鳴りが勝ったようで、少し頬を紅潮させていた。ようやく、宿毛の海に立つことができるのだ。はやる心を抑えて、吹雪はせわしなく動き始めた明石の映像とロボットアームとを眺めていた。
どうもです。お久しぶりです、めだるです。書いているうちに行き詰まってしまって、約二ヶ月少しも間があいてしまいました。次のお話はなるべく早いうちに投稿していきたいですね。
今回は宿毛湾泊地、オーシマ鎮守府の工廠からお送りしました。当世界の明石さんは、元となるオリジナルの艦娘がいますが、彼女ひとりではすべての工廠を管理できるわけではないので(一応、同じ艦娘は複数いないという設定です)、それを元にしたAIに工廠の一括管理をさせている形です。質量はありませんが(人々を熱狂の渦にも巻き込みませんが……)、そこに存在するかのように投影することも可能です。
ちなみに、明石さんの話にもあった"あの人"はいずれストーリー上に出てきます。
それではまた次回まで、さようなら。