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空から女の子が落ちてくると思うか?
俺はある特殊な所で9歳の時から15歳まで生活していたから知り合いに空から女の子が物理的に落ちてきそうな知り合いに何人か心当たりがある。
そんな事は置いておいて普通に日常生活を送る上で女の子が空から落ちてくる経験なんてする訳がないと思っていた。
「ほら、ソコのバカ。さっさと頭を上げなさいよ。」
「このチャリには爆弾が仕掛けられている。お前こそどっか離れていろ。」
これが俺と神埼=H=アリアとの出会いで会った。
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その日はいつものように普通の朝だった。寮の部屋で一人で朝ごはんを食べながら新聞を読み、家を出る。
しかし、いつもより少し家を出るのが遅かったのか7時58分発のバスに乗り遅れてしまったと言う訳だ。
まあ、なんて事はない。バスがダメならチャリで行くだけだ。
寮のチャリ置き場まで行き、自分のチャリに何の注意もせずに乗る。
今日から新学期だ。俺がこの学校に入ってもう一年過ぎたのかぁ。
曲がりなりにも友達もある程度はいるし、成績もソコソコだ。
実技は感覚が鈍らないように現状維持に努めているつもりだが、周りから見ると膨大な訓練をしているらしい。
らしい、と言うのは、この間訓練をしていたら周りでコソコソ話していた女子が言っている内容をたまたま耳にしたのだ。
「遠山ってさぁ、いつも無駄に多い訓練してるよねぇ。」
「それね、アタシも思った。もう充分強いんだからそんなに訓練しなくても良いのねぇ?」
「ランク落としたくないんでしょ、どうせ。全くSランク武偵って名前がそんなに重要なのかね?」
「いつも任務でいなにのにようやるよね。任務でどんだけ稼いでるんだかねぇ。」
俺がその場に居る事も気づかないでそんな話しをしていた。
別段Sランク武偵という肩書きに興味があった訳ではない。
だが、周りからそんな風に見られていたという事実の方がショックだった。
世界には俺より強い奴なんか沢山いる。
イギリスにはMI6、アメリカにはCIAやグリーンベレー、シールズ、中国には有機的に組合わさった武闘派のマフィアと特殊警察が、ヨーロッパに蔓延るリバティメイソン、イタリアのバチカン、ドイツの旧ナチス党の残党、日本にだって公安0課や武装検事、CRFなど俺なんかとは比べ物にならない超人の巣窟が存在する。世界に7人しか存在しないRランク武偵や妖怪や鬼、吸血鬼に人狼、など人間に似た化け物達。強い戦士達がありふれて存在するのだ。そんな奴らに狙われても最低限自分の身を守れるように成らないとこの武偵という職業はヤっていけない。俺は当たり前の事をしているだけだ。自分の将来を考えたら俺のしている事の方が圧倒的に正しい。
そんな自問自答を繰り返していると後ろから何かが迫ってくる気配を感じて後ろを振り返る。
そZこには、セグウェイとそこにくくりつけられたUZIがせまりきていた。
UZIとは十発の9ミリパラべラム弾をぶっ放つ傑作短機関銃だ。
なぜ、そんなものが?考えても答えがでない。
「そのチャリには爆弾がしかけて ありやがります」
ボーカロイドで作られた音声が聞こえてきた。
慌ててサドルの下に手を触れるとそこには確かに爆弾らしきものが着いていた…!!
「チャリを降りやがったり、減速させやがると爆発しやがります」
減速爆弾<ノンストップ>かよ…!!
加速爆弾<ハリーアップ>じゃないだけましか…
この爆弾を作ってたのはツァオツァオのはずだ。
しかし、アイツは今香港で抗争やってるはずだから奴じゃない。
ということは誰がやってるんだ?巷で噂に成ってる武偵殺しか?
「助けを求めてはいけません。携帯を使用した場合も爆発しやがります」
ちくしょう、マジかよ…
さっき触った感じで言うとこの大きさなら自転車どころか自動車すら跡形なく消し飛んじまう大きさだぞ…!!
どこに向かう?
とりあえず、人気の無いであろう第二グラウンド辺りにこのまま突っ込もう。
周りに被害が出ない所までいったら飛び降りて後ろのヤツを撃退する。
ちょうど俺は死にそうな状況だしな…!!
そのまま第二グラウンドを目指してコーナーを曲がった時にちょうど上を見上げると女の子がちょうど七階建てのマンションーー女子寮の上の縁に腰かける女の子を見た。
武偵校のセーラー服。
遠目からでも目立つ長い、ピンクのツインテール。
(飛び下りた…!!!!!!)
その女の子は飛び下りたと思うとパラグライダーを開いて旋回しながらこっちに迫ってきた。
「ほらソコのバカ!さっさと頭を下げなさいよ!」
「このチャリには爆弾が仕掛けられている。お前こそどっか行けよ!」
そんな口論をしながらでも彼女は俺の後ろにいるセグウェイに銃弾を浴びせていく。
すごい命中率だ。拳銃の平均射撃距離はおよそ7メートル。今彼女と目標であるセグウェイの距離はそれの倍近くある。それなのに銃弾は魔法のように目標にあたる。
「ほら、バカ、全力で漕ぐ。」
そういいながらさっきまで手で操っていたブレークコードのハンドルに爪先を突っ込んで凄い速さでこっちに突っ込んでくる。その意図を理解して思う。
(バカはそっちじゃねえか!もう少しマトモな助け方があるだろうに!!)
しかし、彼女はもう目の前にまで突っ込んできていた。
仕方がなく、俺はそのまま上下互い違いのまま少女と抱き合った。
そして、そのまま少女に空へさらわれる。
下で爆弾が爆発し、俺のチャリが消し飛んだ。
やっぱりあの爆弾は本物だったか…
そこで俺は重大な事実に気づく。
少女に密着している事で少女の体臭に気づく。
甘酸っぱいクチナシの香り。
ああ、ノルマーレにも成れてしまいそうだ。
爆風に巻き込まれて体育倉庫に突っ込んだ。
跳び箱の中に少女を抱きかかえる形になってしまっていた。
少女の顔を見る。
(カワイイーー!!)
思わず声を上げそうになるくらいだった。それほどまでに少女は可愛く、美しかった。
そして、同時に見覚えのある顔だった。
(神崎=H=アリアか…!!)
イギリスのエリート武偵
教授<プロシオン>のひ孫で拳銃と抜刀術、バリツの達人。
身長142センチの小柄の体で有りながら、そこから放たれる技の応酬に耐えきれる者は数少ない。
なんでこんなエリート武偵がこんな所に?
そんな事を考えていると神埼さんがモゾモゾと動き出した。
「起きたかい?助けてくれてありがとう。神崎さん。」
この口調からするともう成ってしまったようだ。
神埼さんをそのままお姫様だっこで近くの跳び箱の上に座らせてあげる。
彼女はポカンとした表情でこちらを見上げている。
少しするとようやく自分の状態を認識したのか真っ赤になってこちらを見上げてくる。
「あ、あ、あ、あんた、い、今私の事、だ、だだだ、ダッコし…」
「お話は後でしよう。巻き込んでしまったからね。取り合えず、敵の追撃は俺がどうにかしよう。」
そう言うと俺は入り口の方に目を向けると、追撃にきたセグウェイ達がきていた。
敵の残りの数は7
敵の射撃を簡単によける。そしてUZIの銃口に向かって一発づつ発砲する。
敵は簡単に沈黙した。
「あんた、何者?」
神崎さんは問い詰めるような目でこちらを見てきた。
「女性のお願いには極力答える事にしているんだけどね。そんな質問なら簡単に答えてあげるよ。ただの男子高校生さ、ちょっと偏差値低めの荒っぽい学校のね。」
彼女にウインクしつつ俺はその場を去った。