本文中にどうやって、主人公のキャラ像を盛り込もうか考えましたが無理だったので、ここに記します。
主人公:渡部智也(わたなべともや) 男 22歳 会社員
長所:空気が読める 勉強もスポーツも割とできる 意外と冷静 一般常識がある
短所:面倒くさがり 黒髪ロングに目がない ヘビースモーカー
特筆事項:重度の変態だが、決してそれを表にも口にも出さない
「艦これの世界で生活したいなぁ」
艦これをプレイしながら俺はこんなことを呟いた。
ただ毎日の仕事をこなし、風呂入って飯食って艦これやって寝る。
こんな毎日では張り合いがなくてつまらない。
艦これの世界で提督となり艦娘たちとご飯を食べたり、
お話をしたり、たまにはラッキースケベ的な事もあったり
ケッコンカッコカリしてみたり、性活したり、
こんなまったりとした生活を送ってみたいと常々妄想している。
でもそんなことは起こらないので少しでもその気分に浸れるように、いつものように秘書官をクリックする。
「…っあぁ、めっ! 艦載機が落ちちゃいますからぁっ!」
あぁ^~こころがひりゅひりゅするんじゃぁ^~
飛龍の体まさぐって「めっ!」て言われたいんじゃぁ^~
やっぱ……CV上坂すみれ……最高やな!飛龍くんもうまそうやな~ほんま
普段は黒髪ロングしか興味ない俺だが、飛龍は別。ほんと可愛い。
でも、飛龍が一番か?って聞かれたらそういうわけじゃない。みんな可愛いからね、しょうがないね。ラブライブでも、最初はことりちゃんだったけど、最終的にはみんなかわいい。みんな好きってってなるあの現象と一緒だよ。
おっと、少し興奮してしまった。たばこでも吸ってリラックスしようと思い箱を開けるが、箱にはたばこの臭いと葉っぱのカスしか残ってない。
「めんどくせえなぁ、買いに行くか」
外出用の服に着替え、厚手のコートを羽織り外へ出ると、冬特有の冷たい空気と匂いが顔や鼻を突き刺した。
でもこの感じ嫌いじゃないなと俺。散歩がてらに遠回りしてコンビニへ行こうと歩を進めた。
しばらく歩くと見慣れない道に入った。珍しそうに辺りを見渡しながら歩くと、立派な鳥居が目に入った。
「へぇ、こんなところに神社なんてあるのか」
神社なんてここ数年行ってなかったし、いい機会だ。行って拝んで来るか。なんて考えながら、古くなっているが立派な鳥居をくぐって、拝殿を目指した。
石畳の道を抜けるとそこには、小ぢんまりとしていながらも厳かな雰囲気のある拝殿があった。
なかなか雰囲気のあるいい拝殿だな、壁は所々古くなっているが柱や梁もしっかりしているじゃないかと、昔、父が紹介してくれた大工屋さんのバイトで学んだ薄い知識をひけらかした。一人だったが。
ふと、横を見るとおみくじが引ける箱がある。
運試しでもするかと、一回十円と書かれている箱に十円を入れる。
パサっと音がし、箱の下の取り出し口からおみくじを取り出す。どれどれ?とおみくじを開封すると、そこには
大大凶
の文字が。
ん?いや待て待て、なにかがおかしい。普通は凶とか大凶だよな?もう一回冷静になってしっかり見てみよう。さっきはさらっと流して見たからな。よし。目を擦りしっかりとした状態で見よう。
大大凶
見間違いでは無いようだった。
「まぁなんて言うの?こんなこともあるよね...」
あまりの衝撃に北上様が中破した時のようなセリフを口走っていた。
もう拝むのとかどうでもいいやとブルーになり拝殿に背を向け、当初の目的であったコンビニへ歩きだそうとした。
その刹那、強烈な光が飛び込んできて俺を包み込んだ。
「」
声も出せなかった。
それどころか、全身を貫く痛みで身体さえも言うことを聞いてくれなかった。
ゆっくりと倒れこむ体をよそに、俺死ぬんだな、走馬灯ってないんだなとか、頭は意外と冷静のようだった。
それでもなんとか一言残したいと、体に鞭をいれ気合を入れる。
そしてなんとかして言葉を紡ぎ出した。
「たばこ……吸いてぇな……」
もっと他に言うことあっただろと、薄れゆく意識の中で自分にツッコミを入れた。
でもそうだよな、たばこ買いに来たんだもんなと、妙な納得をしながら
冷たい土の感触を感じ、
俺は静かに瞳を閉じた。
ーーーーーーーーーー
「ん……」
ゆっくりと目を開けるとそこには上には白い天井、そして周りは白いカーテンで覆われていた。
アルコール的な匂いと、遠くからピー、ピーという無機質な機械音が聞こえた。
どうやらここは、病室のようだ。
「あれ?そういえば俺……」
目覚める前の記憶を探る。
たばこ買いに行く途中、神社を見つけておみくじ引いて、大大凶で。光に包まれて……よし、覚えてる。
名前は?渡部智也。22歳。会社員。身長175cm。体重60kg。よしよし。
「OK、記憶も大丈夫だ」
声もしっかり出ているし、体の末端まで力を入れてみるが問題なく動く。いつもどおりの俺だ。
ゆっくりと体を起こしベットから降りる。
真っ白で清潔感のあるカーテンを開けると、そこはやはり病室だった。
壁に備え付けられていた時計を見ると午後一時を回っていた。
まずは、体が無事でよかったな。多分、神社の人が倒れた俺を見つけて病院まで運んでくれたんだろうと考え、菓子折りでも持ってお礼しにいかなきゃななんて考えながら背伸びをして、空気を肺いっぱいに詰め込む。
すると、急におならがしたくなった。なんだよ急にと、俺は呟きながら尻に力を入れる。
ぷぅ
と、なんとも気の抜けたおならだった。ハハッ、なんて乾いた笑いを浮かべながら
あ、まだ出ると思い、さっきよりも強めに尻に力を入れた。
そして出た音は……
ガシャン、ガシャン
え?なんで?ガシャン、ガシャン?どう考えてもおかしいよ。これ。俺、鉄とかアルミとか一回も食ったことないよ。こんなの絶対おかしいよ。やっぱ耳おかしくなってたんだ。再検査してもらお。
なんて考えているとズシリと体に重みを感じた。
恐る恐る、その重みを感じる部位を見てみるとそこには、
腕には、なんか大砲のちっちゃいやつバージョンが、
太ももには、なんか四連装してる筒状のやつが、
足の裏には、なんかスケート靴みたいなやつが、
極めつけに背中には、なんかピラミッドみたいなやつがついていた。
これ、俺、見たことあるよ。
それもつい最近。えっとたしか艦これの………
「アイエエエエ!連装砲!?魚雷ナンデ!? コワイ!」
情けない悲鳴をあげていた。渡部はしめやかに混乱した。
そう、これはまさしく、駆逐艦の艤装のそれだ。12.7cm連装砲、61cm四連装魚雷だ。駆逐艦の艦娘が深海棲艦を滅ぼすためのまさしく兵器なのだ。
一旦落ち着こう。まだ慌てるような時間じゃない。そうだ深呼吸をしてと、ふぅ。
もう一度じっくり、艤装を見渡す。やっぱり付いてるなぁ。恐る恐る触ってみると、やはりそれは固く冷たい何かでできているようだ。しっかりと体にフィットしていて外れる様子もない。
勘弁してくれよと、深呼吸のおかげで少しばかり冷静になった頭で考える。
俺の付けている艤装これは間違いなく駆逐艦のものだ。ということはここは、鎮守府?あの光のせいで艦これの世界に移動してしまったということか?など、様々な疑問が頭の中で回る。
いろいろな疑問があるが、とりあえずこの艤装がどうにかならないか、いろいろと試してみることに。
思いっきり力を入れて魚雷を引っペがしてみる、がダメなようだ。
小さなボタンがあってそれを押すと、解除できるのかと思い、ボタンを探すが見つからない。
あれだ、心の中で唱えるんだ。偽装解除!みたいな感じで。
(いくぜ!偽造解除だ!)
と、心の中で唱えてみた。するとどうだろうか、みるみるうちに偽装が消えていったではないか。
2発目のおならをしようと強めに力を入れる前の状態にすんなりと戻ることができたようだ。素直に良かったと思った。
「てことは、逆も然りか」
今度は尻に力を入れることはせず、心の中で唱える。
(いくぜ!偽装開放!)
と、唱えると、体に重みを感じながら、さっきの偽装が開放された。
ほんとによかったわ。毎回、偽装出すたびに屁なんかしてたら艦娘たちに、あの人のお尻ガバガバなのです!とか言われて、変な目で見られるハメになってたわ。まだ艦娘がいると決まった訳でもないが。
艤装を解除し、艤装に関しては一段落した。安心し時計を見てみると、あれから30分ほど経っていたようだ。
次は、ここの施設に詳しそうな人にいろいろと訪ねてみよう。まだ分からないことだらけだしな。
病室の扉を開けると、そこには病院とは思えない風景が広がっていた。
こげ茶色の木材で建てられているであろう、壁や廊下、長々と続く廊下の中央には赤絨毯が敷かれていて、それはそれは厳かな雰囲気を漂わせていた。壁には広々とした窓が設けてあり、どこまでも見渡せるような綺麗さが見て取れる。
ゆっくりとした足取りで、どこか部屋がないかと散策してみる。するとそこには、
提督室
と書かれた、プレートがある扉があった。あっ……ふーん。さっき説明しなかったが、窓からクレーンや大きな艦船、工廠が見えていたのだ。提督室というプレートを見て、それは確信に変わった。
ここは鎮守府だと。
恐る恐る提督室の扉を、握りこぶしを作り、軽くノックをする。
すると中から、
「はい、どうぞ」
と、鈴の音を響かせたような可憐な女性の声が聞こえてきた。
俺は姿勢を正し、失礼しますと扉を開けた。
そこには、白い軍服を身にまとった女性がいた。腰まで伸びている艶のある黒髪、目鼻立ちのくっきりとした顔、まるで大和撫子をそのまま内包したような女性だった。凛とした雰囲気が伝わってきた。
「あら、もう起きていらしたんですね」
「はい、おかげさまで。ありがとうございます。もしかしてあなたが私を助けてくて たんですか?」
と、尋ねる。普段は自分のことを俺と呼んでいるが、初対面の人にはそれなりの礼儀をとる常識もある。
「あなたが岬で倒れているのを見つけて、叢雲とふたりで鎮守府まで連れてきまし た」
ん?待て待て、今大事な言葉が二つも出てきたぞ?叢雲?鎮守府?
「本当にありがとうございます。急ですが質問してもいいですか?」
「いいですが、先にお互いの自己紹介を済ませましょう?」
そりゃそうだ。自己紹介もせずに質問とは、全く失礼だもんな。
「私は、渡部智也と言います。会社員をしております」
「私は、夏目綾子と言います。この横須賀鎮守府の新人提督です」
はい、聞いた。今、横須賀鎮守府の新人提督ですって言ったよね。もうこれほぼ確定だよ。ここは艦これの世界で間違いない。あとひと押しが欲しい。叢雲についてだ。
「質問いいですか?」
「どうぞ?」
「あの?叢雲っていうのは?」
ついに核心に迫る時が来た。
すると夏目提督は壁掛け時計を一瞥すると、
「そろそろ執務が始まる時間なので、叢雲もここに来るはずです。その時に紹介しますよ」
すると、コンコンと控えめに扉がノックされ扉が開かれた。
「失礼するわ」
可愛らしいが、それでいて刺のある少女の声が聞こえ、すごい勢いで振り返るとそこには、
タイトめなセーラー服来た少女がいた。気の強そうな赤っぽい色のつり目、前髪を横に真っ直ぐに切りそろえ、長い綺麗な銀髪を携え、そこにいた。
夢にまで見た艦娘だ。いつもはモニターの前からでしか見れなかった彼女だが、今こうして目の前にいると思うと、筆舌に尽くしがたい思いが滾ってくる。
「あら、起きたのね」
話しかけられた?今、叢雲に、艦娘に話しかけられたんだよな。もう俺の人生ここで終わっていいよ。閉廷!
なんて考えていたせいか、叢雲の問いには答えることができなかった。
「こら叢雲、その前にこっちに来て自己紹介しなさい」
「わかったわ」
「特型駆逐艦、5番艦の叢雲よ」
なんともそっけない、彼女らしい自己紹介であった。
そろそろ正気に戻らないといけない。熱くたぎる鼓動を押し込め、俺も冷静に言葉を返す。
「渡部智也です。君が私を助けてくれたんだよね。ありがとう」
「当たり前のことをしたまでよ。お礼なんか言われる筋合いはないわ」
初対面の俺に対しても流れるように出てくる、辛口のコメント。
気持ちええんじゃぁ^~
一通りの自己紹介を終え、夏目提督から俺に対して質問があるようだ。
「渡部さんはどうしてあんな場所に?」
至極真っ当な質問である。嘘を言ってもしかたがないので、それに対し俺は真実を話して聞かせた。
「大大凶のおみくじですか……」
「にわかには信じがたい話ね」
それぞれから、予想通りの答えが返ってくる。まぁ、普通そうだよな。
でも、これから俺はもっと信じられないものを君たちに見せなければならないんだよ。
神様、あのさぁ……
俺、提督になって艦娘たちとお話したりだとか、そういうことはずっと考えてたよ?
でもこれはないよ。まさか、俺自身が艤装を着けて深海棲艦と戦えって言うのか?だいたい俺はなんの艦船が憑依したんだ?もう、わけがわからないよ。そのままの俺なんだもん。
意を決して俺は二人に対して言葉を放つ。
「これから、あなたがたに見せなければいけないものがあります」
極めて真剣な顔で二人に告げる。もうやけくそだよ。
「な、なんですか?」
「な、なによ」
二人は俺からにじみ出る、ただならぬ雰囲気に身を強ばらせた。
だが俺は、そんな二人を気にも止めず、心の中で例の呪文を唱える。
(いくぜ!艤装開放!)
すると、例のごとくガシャンと鈍い音を立て
腕には、例の連装砲と、
太ももには、例の四連装魚雷、
足には、例のスケート靴みたいなやつ、
背中には、例のピラミッドみたいなやつが俺にプッピガンした。
「な、な」
「は?え?」
夏目提督と叢雲が順に言葉にならない言葉を発し、その可愛らしく整った目と口を、これでもかというくらいに開け、
まるで世界の終わりか何かを見届けるような、諸行無常感を漂わせた表情で、こちらを窺っていた。
だがここでは終わらない。この時俺は、多分テンション上がっちゃってたんだと思う。
ここで最高にクールなセリフを一発かましてやろうと頭がフル回転していた。
練りに練ってやっと最高にクールなセリフが決まった。
未だ、絶望と驚きと恐怖とがごっちゃまぜになったような顔をしている二人を差し置いて、
俺は言い放ってやったんだ。最高のキメ顔でな。
「渡部型駆逐艦1番艦、渡部です!
大きな体に大きな魚雷!お任せください!(大潮並感)」
「「んな、アホなぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」」
その二人の奏でる大きな大きな旋律は、穏やかなる大海原を超え、遥か遠くの鎮守府まで届いたそうです。
この日。
そう、この始まりの日は、
艦息子、
駆逐艦渡部が、爆誕した、その日だったのです。
ここまでが、この物語の導入です。
次回からは、ほのぼの編です。
最終的に全ての艦娘との、お話が展開できればいいなと考えています。
それでは、読んでくださったそこのあなた。本当にありがとうございました。
また、見てくださいねノノ