地上では大きな轟音や爆発音による振動が起こっている。
くらい下水道を走る3人組。2人の男の後ろを必死に息を切らしながらついていく少女。
だがついにその足は止まり腐臭漂う水に座り込んでしまう。
「ゲホッゲホッゲホッゲホッ……。」
「瑠璃!!大丈夫か?」
2人の少年のうち背の高い方の少年が急いで戻る。
「酸欠になりかけている、ユート先に行っていてくれ。俺は瑠璃をおぶっていく。」
「いや、どうやら先に行くのはお前たちのようだ。」
ユートが振り向く方向には黒い制服を着た集団が数人跡を追いかけてきていたのだ。
「俺が片付けておくからその間に。」
「ハァッ……ハァッ……無理よ……その腕では……。」
「もう治ったさ。さぁ瑠璃、兄さんと一緒に行くんだ。」
そう言った後隼は瑠璃をおぶって先に進んでいった。
「我らシャドール・フォースに一人で勝てると思ったか?」
「一人じゃないわ!!」
するとすぐ頭上のマンホールの蓋を蹴破ってセーラさんが飛び降りてきた。
「セーラさん!!」
「行くわよユート君!!」
セーラさんとの協力によりギリギリではあるがなんとか勝利することができた。疲労は少しずつユートの体を蝕みついに倒れ込んでしまった。セーラはユートの元に駆け寄る。
「ユート君無理よ。君は先に行きなさい。」
「大丈夫です……、急いで隼の元に……。」
(それにしてもすごい子だわ。あれだけの大怪我をしてここまで回復している。
あの突然の激怒と関係あるのかしら?)
数分ほど休んだのちユートは立ち上がって走り出した。無我夢中でくらい下水道を駆け抜けると隼が登ったとみられるマンホールの隙間明かりが見えてきた。
登り切るとそこには崩れ落ちる隼の姿があった。
「隼!!」
ユートは鬼の形相で対戦相手を見た。
その相手はまさしくコウライだった。
「お義兄さん……あなたは瑠璃の実の兄ですからカード化するのだけはよしておきましょう。
さぁ!!瑠璃来るんだ!!」
「いやっ!!兄さん起きて!!兄さん!!」
嫌がる瑠璃の手を無理やり掴み自分の方へ引きずり寄せていくコウライ。そしてその汚い舌が瑠璃の首筋を何度も流れ始める。嫌がる瑠璃の目には大粒の涙が溢れていた。
「瑠璃君は僕のフィアンセになるんだ!!このくらい慣れておかなくては!!」
「いや……止めて……助けて……。」
「ゴホッゴホッ……やめろ……。」
「瑠璃瑠璃瑠璃瑠璃瑠璃瑠璃瑠璃瑠璃!!
君は素敵だよおお!!
さぁ、誓いの口付け……!!」
コウライの動きが止まった。その表情は一点を見つめて恐怖の表情で固まっている。
隼は一瞬焦った。その表情はまさに蛇に睨まれたカエル……いや、カエルを睨んでいるのは巨大な龍だ。
何故なら彼は背中からとてつもない殺気を感じていた。
恐る恐る、ゆっくりと振り向く。
そこには怒りの形相をしたユートが立っていた。その目は白く光り輝きその奥の真の眼差しが見えなくなっていた。
「ユート!!どうしたんだ!!」
「ゆ……ユート……なんだよその顔……。」
「コウライ……言ったはずだ……。
次会った時は殺すと。」
ユートは一瞬の速さでコウライの懐に飛び込む。
すると光の速さでその恐怖で歪む表情に拳を浴びせかけた。
身構える間も無く無抵抗に吹っ飛ばされるとそのまま訳も分からずに空を見上げたままコウライは倒れた。
「ユートさん?」
「瑠璃、怖かったな。今終わらせる。」
一瞬見せた表情は仏のように優しかったがその顔が再び怒りで豹変する。
「ディスクをかまえろ。お前を二度と再起できないようにしてやる。」
「くそおおおおおなめるなよ!!」
【先攻】ユート LP4000 H5
【後攻】コウライ LP4000 H5
「俺のターン、《幻影騎士団クロックドダガー》を召喚!!
更に自分フィールドにモンスターがいることにより手札から《幻影騎士団サイレントブーツ》を特殊召喚する。」
「レベル3が……2体、瑠璃よく見ていろあれが『幻影騎士団』の展開力だ。」
「レベル3のモンスター2体でオーバーレイネットワークを構築!!
冥界の淵より現れし未練の亡者よその悲しみで敵を射止めろ。
ランク3 《幻影騎士団ホロウボウガン》!!」
目の前に現れたモンスターには首と左手のない鎧騎士の姿でありその右腕にはボウガンが携わっている。
《幻影騎士団 ホロウボウガン》
闇属性 戦士族 ランク3
ATK1800 DEF1800
「《ホロウボウガン》の効果、1ターンに一度このモンスターの元々の攻撃力の半分のダメージを与える。
更に素材となった《クロックドダガー》の効果により元々の攻撃力が500ポイントアップ。」
2300÷2=1150
LP4000→2850
「ぐああああっ!!なんて効果だ!!」
「俺はカードを3枚伏せてターンエンド。」
「くっ……俺のターンドロー!!
俺は永続魔法《パワーコンバーターX》を発動。
このカードは2000以上の効果ダメージを全て無効にする。
そして手札から《パワーボンド》発動!!
手札から《サイバードラゴン》3体を融合し現れよ!!
《サイバー・エンドドラゴン》!!」
3体の銀龍が光の渦の中に吸い込まれると凄まじい光の中から巨大な三首の龍が降臨する。
「《サイバー・エンドドラゴン》は攻撃力が《パワーボンド》により2倍となる!!
喰らえ!!エターナルエヴォリューションバースト!!」
「罠発動、《幻影結界》。
このターン戦闘ダメージを半分にする!!」
《サイバー・エンドドラゴン》ATK8000
《幻影騎士団ホロウボウガン》ATK2300
8000ー2300=5700
5700÷2=2850
LP4000→1250
「俺はカードを1枚伏せてターンエンド。そしてエンドフェイズ、《パワーボンド》の効果で《サイバー・エンドドラゴン》の元々の攻撃力分のダメージを受けるが《パワーコンバーターX》の効果で戦闘ダメージはなくなる。
そして3000以上のダメージを無効にしたので1枚ドロー。」
ユートのフィールドにモンスターはおらずガラ空き。だがコウライのフィールドには攻撃力8000のモンスター。
「俺のターンドロー!!
俺は罠発動!!
《
俺は2体のレベル4モンスターでオーバーレイネットワークを構築!!
漆黒の闇より愚鈍なる力に抗う反逆の牙!今ここに降臨せよ!!」
巨大な黒い渦の中から真っ黒な風が強烈な勢いで吹き始める。その風の中心から不気味なドラゴンのシルエットが現れる。
「エクシーズ召喚!!ランク4!!
《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》!!
効果発動!!」
「罠発動!!《デモンズチェーン》。
これで効果は無効だ!!
これで次のターンお前の敗北は決まった。
ヒャハハハハハハ!!」
「どうやらお前は俺の善意を踏みにじったらしい。」
「え?」
「これで終わりにしてやろうと思ったが、お前には特別に地獄を見せてやる。」
「えっ……。」
「手札から《
自分フィールドのエクシーズモンスター1体を選択しそのモンスターよりランクの1つ高い闇属性モンスターをこのモンスターに重ねてエクシーズ召喚する。
俺はランク4の《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》でオーバーレイネットワークを再構築。
怨念の闇より悲しき定めに抗う復讐の牙!今ここに剛来せよ!!
エクシーズ召喚!!ランク5
《ダークリベンジャー・ファントムドラゴン》!!」
《ダークリベリオン》が再び闇の渦に飲み込まれたかと思えばその目は赤く輝き体にはイバラのようなトゲトゲとした不気味な鎧をまとっている。
《ダークリベンジャー・エクシーズドラゴン》
闇属性 ドラゴン族 ランク5
ATK3000 DEF2500
「《ダークリベンジャー・エクシーズドラゴン》の効果発動。相手フィールドのモンスターの攻撃力を0にしその分の攻撃力をアップさせる。」
「嘘だ………攻撃力11000なんて、それを……もろに浴びるだなんて……。」
「終わりだ逆鱗のファントムリベンジストリーム!!」
黒き竜の口からはなたれる漆黒の息吹によってサイバーエンドとコウライは吹き飛ばされた。
ユートはコウライの封印されたカードを拾い上げるとビリビリに破り捨てそのまま口から血を流して倒れた。
幻影騎士団 ホロウボウガン
闇属性 戦士族 ランク3
ATK1800 DEF1800
レベル3戦士属モンスター×2
1ターンに一度このモンスターのX素材を一つ取り除いて行う。
このモンスターの元々の攻撃力の半分のダメージを与える。
パワーコンバーターX
永続魔法
1ターンに一度2000以上の効果ダメージを無効にする。
3000以上の効果ダメージを無効にした時カードを1枚ドローする。
RUM ファントムソウル
魔法
①自分フィールドのモンスター1体を選択しそのモンスターよりランクの高い闇属性ドラゴン族エクシーズモンスターをそのモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚する。
②①の効果対象が自分フィールドの『幻影騎士団』モンスターの場合ランクの上限を1つあげる。
ダークリベンジャー・ファントムドラゴン
ATK3000 DEF2500
闇属性 ドラゴン族 ランク5
レベル5ドラゴン族×3
①1ターンに一度x素材を全て取り除いて効果発動。相手フィールドのレベル7以上モンスター1体を選択しそのモンスターの攻撃力を0にし下げたぶんこのモンスターの攻撃力を上げる。
このモンスターが『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』を素材としている時1ターンに一度相手の魔法罠の発動を無効にする。