やはり俺の受難は続くようだ   作:だるだる

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宝札の招待状《アルカナパーティー 》
愚者の章 その1


 早朝、青空の下、学校に登校してきた3人の女子生徒がいる。一人は偶々寝過ごすことが無く早起き出来た間宮あかり、そしてその横であかりをからかっているのが火野ライカ、そして最後にその様子を見て――正確にいえばあかりをみて――うっとりと微笑んでいるのが佐々木 志乃である。

 

 

 志乃はあかり大好きっ子である。元々、お嬢様でまわりに友達がいなかったのもあるがあかりに優しくされたのがきっかけで恋慕とも友情とも判別がつかない――とはいっても恋慕の方が多いだろうが――感情を抱いたのである。

 

 

 あかりに戦兄が出来たことによって、嫉妬が渦巻くとは思いきや志乃の前でアリア先輩の話が普段の4割程度になったこともあり、厳重観察程度に収めている。

 

 

 もちろん、不本意ながら相手が男というのもあって、志乃も警戒しそうである。しかし、あかり本人があまり口にしないのといつもより話せているという点で、むしろ、感謝でも言いたい気持のようである。

 

 

 

「最近では、武偵高の生徒が何者かに襲われているらしいな。」

 

 

 ライカの口からふとそんな事件の情報が吐き出される。

 

 

「そういえば、武偵殺しと似たケースの事件も最近あったそうですよ。それと関係あるのでしょうか。」

 

 

 志乃はそう心配そうに返す。

 

 

 武偵殺しとは簡単にいえば、武偵を狙った事件のことである。共通するケースは乗り物ということだ。

 

 

「いや、鑑識科によると明らかに違う手口の犯人らしいぜ、なんでも被害にあった生徒は3日間ぐらい寝込んでしまうらしい。」

 

 

 ライカは武偵に伝わりつつある情報を2人にも伝える。

 

 

「どんな手口で被害者はやられたの?」

 

 

 あかりはこの事件で気になったことをライカに聞いてみる。

 

 

「なんでもガイシャに外傷は一つもないらしい、もちろん、盗られたものもなくな。」

 

 

「では何故、襲われたのでしょうか。」

 

 

 と志乃が議論をすすめようとするも

 

 

「朝からこんな話はやめようよ、とりあえず学校に急ごう。話をするならそれからでっ。」

 

 

 あかりの明るめの声に事件の話を途中で切り上げ、その日は話されることはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日の放課後まで話は飛ぶことになる。前にも来たことのある喫茶店この前来た時にあまりいい思い出はなかったのだが、また来ることになってしまったあの人のせいで。

 

 

「純喫茶 あるかな ってここですか割と隠れ家的な店ですね。ところで普通の喫茶店と純喫茶の違いってなんでしょう?」

 

 

 依頼人の指名で連れてくることになった間宮は店の表に出されていた看板に書かれていたことを見て考えている。

 

 

「純喫茶ってのは酒類を全く扱わない店のことらしい。それ以上は知らん。」

 

 

 そう、八幡は答える。そして、開けるときにドアについたベルが数回鳴って、入るとコーヒー豆の挽いた香りが漂ってくる。

 

 

「あまりこういう雰囲気の店に来たことがないです。」

 

 

 とめずらしそうに間宮が言葉を漏らす。口を開けたままにするのはやめとけ、アホっぽくみえるぞとか考えていると、奥の方の席からあの人の声が聞こえる。

 

 

「やっはろー。比企谷君、こっち、こっち。」

 

 

 と元気な声で俺たちのことを手招きする一人の女性がいる。雪ノ下 陽乃いつぞやの事件の依頼人だ。

 

 

 俺たちはそのえ声のするテーブルまで行き、黒と白のチェック柄の椅子に腰を掛ける。すると雪ノ下さんの方から、

 

 

「君があかりちゃんか~。比企谷くんが戦妹にするっていうからどんなコかなーって思ってたんだけど、普通に可愛い子だね。あと自己紹介だけど私は雪ノ下 陽乃よろしくね。」

 

 

「は、はいっ、よろしくお願いします。」

 

 

 少し緊張した様子で間宮は返事を返す。

 

 

「じゃ、さっそくだけど本題に入ろっか。最近、武偵を狙った事件があるの知ってる?武偵殺しというのとは別件の方の。」

 

 

 八幡も一応、情報としては知っている。その質問に対して間宮は

 

 

「はい、確か外傷も盗られたものもないっていう事件ですよね。」

 

 

「うんうん、よく知ってるねー。その件なんだけど比企谷君達に調査を依頼しようかなーって。」

 

 

「あの事件なら他の武偵も調べているはずなんで依頼する必要はないんじゃないんすか。」

 

 

「そうなんだけどね。私気になりますとでもいうのかなそんな感じかな。何より比企谷君のファンになっちゃったしね。」

 

 

「はぁ。」

 

 

 まさか厄介事持ち込むだけのファンなんていらないです。なんて言えないし、また脅されるのも面倒だとも思う。

 

 

「あともうひとつのチームにも頼んであるから、負担は少ないと思うよ。」

 

 

「受けるしかないんですよね。」

 

 

 と半ばあきらめた様子で聞く。この人には逆らえそうな気がしない。もし、逆らったとしても簡単にしっぺ返しを喰らいそうだ倍返しで。

 

 

「まさかぁ~。お願いだからね受けるも受けないも自由だよ。受けてくれるならうれしいけどね。」

 

 

 とここで店の方からブレンドコーヒーとショートケーキが二つが運ばれてくる。

 

 

「私の奢りだよ。それと事件についての資料。依頼内容もそこにかいてあるから。」

 

 

 そうさりげなく渡される。横では「いただきます。」といって間宮はケーキに手を付け始めている。俺も砂糖を横にいる間宮がこいつ正気かと思われるような量コーヒーに入れていく。

 

 

「依頼は受けます。結果は期待しないでください。」

 

 

 そう事務的に返す。

 

 

「うん、受けてくれて嬉しいな。」

 

 

 そこで雪ノ下さんは一口コーヒーに口を飲み、

 

 

「私、タロットカードを使った占いにハマってるんだけどあかりちゃんやってみない?」

 

 

「え、はい?」

 

 

「このカードの中から1枚引いてみて。」

 

 

 そこでケーキに夢中だった間宮は用意されたタロットカードから一枚カードを引く

 引いたカードは愚者の正位置である。

 

 

「あかりちゃんには可能性や始まりの意味をもつこのカードは似合ってるかもね。比企谷君との事件が何かのきっかけになるかもね。」

 

 

 そして雪ノ下さんはカードを戻し、俺にも引くように指示してくる。

 

 

 引いたカードは愚者だったが先ほどとは違い逆位置である。

 

 

「危険な状態にあるのかもね。見えてそうで何も見えてない、知ってそうで何も知らない。ある意味で比企谷君にお似合いのカードかもね。」

 

 

 

 

 

 そうしていると一本の電話が入った、間宮の電話に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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