やはり俺の受難は続くようだ 作:だるだる
一方で、雪ノ下雪乃は思い出していたこの事件のきっかけを――――
「雪乃ちゃーん、お願いがあるんだけれどいーい?」
雪ノ下陽乃は雪ノ下雪乃の姉であり、『皆の友達』の異名をもつRランクに近いSランクの一人である。彼女の敵は文字通り”いない”のである。そんな姉から受けた依頼は保有している美術館に入るコソ泥に一切の手出しをしないこと。自分たちの美術館にに入る泥棒を何故見逃さなければならないのか。
「んー。なんとなくじゃダメかな?」
とうちの姉は軽く受け流そうとする。
「いやね。今回は静ちゃんとある探偵くんにまかせちゃいたいんだよね。なんなら雪乃ちゃんにも何か報酬あげようか?」
「その依頼受けるのはお断りよ。私が自分で守るわ。」
「そ、今度こんな依頼受けるんだ~。雪乃ちゃんと敵対関係にはなりたくないなぁ~。」
雪乃は理解してしまっている”この姉には絶対に勝てない”
そうした経緯で受けざるを得ない依頼を受けた雪乃は現在美術館で友人と探偵一人とで作戦を話合っている。正直な話この胡散臭い探偵と一緒にいるのは少し嫌だ。
彼は突然、由比ヶ浜さんの手に手錠を掛けたのだ。
「すまない、僕の推理では現状君が犯人の可能性が高くてね。指定の時間が過ぎるまではこの状態でいてもらう。」
「え、え?」
由比ヶ浜さんは戸惑った様子でいる。
「なぜ、彼女が万面相の可能性が高いのかしら?私は学校から一回しか彼女としか離れてはいないわ。それもあなたを迎えに行かせたときの、時間的には入れ替わる時間はなかったはずだわ。その手錠を外しなさい。私の友人に無礼よ。」
雪乃は彼女のこととなると熱くなってしまう癖がある。
その様子を見て彼は
「まぁまぁ、落ち着きたまえ。3つの理由を聞かせようじゃないか。まず第一にさっき会った彼、の顔が彼女と会ったときに一瞬強張った。第二に万面相はさっきの彼女――140ぐらいの背の高さの人物には物理的には化けることはできない。そして現状、現場に立ちいることが出来る中で当初よりいなかった人物でかつ私が前もってつけていたあるマーカーをつけていなかった君が一番怪しいのだよ。」
彼の推理を聞くと確実に一つは穴があるように聞こえる。
「では、あなたが泥棒でないという根拠はどこにあるのかしら。それよりもマーカーをいつ私につけたのかしら。」
自分のことですら疑うべきだと言う、雪乃に対して、
「まず、後者の質問ですがお姉さんに頼んでつけてもらいました。今日の朝に。そしてもう一つの質問ですが、確かめてみます?どんなことを私にしてみてもいいんですよ?お嬢さん。」
友人の手錠を頑固にも取ろうとしない彼を睨みつけ、
「いいわ、指定の時間まで待ちましょう。推理が当たっていれば何もないはずね。」
由比ヶ浜結衣は話についていけないらしくオドオドとしながら雪乃の顔見詰めながらまるで、どうしよゆきのん私捕まっちゃってるよ、と言いたげにしている。
あらゆる手で彼が変装でないことを確認した。そうして、約束の時間3分前、由比ヶ浜さんは落ち着かなそうにしているし、明智探偵の方は真剣に集中した様子で時間を待っている。
そして約束の時間が来ると同時に古典的な手口で煙がモクモクと立っていく、それと同時に一人の影が入ってくる。由比ヶ浜さんは手錠にヒモを通して柱に付けているのでその場から動ける様子はない。探偵と雪乃は一人の影に飛びかかっていくが、雪乃が捕まえたと思ったのはパンさんの人形である。
一方で、明智は影から宝石を守る位置に行き相手を捕まえようとしている。素早く近づいてくる影を手で掴み、地面に組み伏せるが後ろから首を足で挟まれ、そのまま引きはがされる。そして、一瞬眩く光が弾けたかと思うとその瞬間には宝石はなくなっていた。
「くそっ、またしてもやられたか。僕は今から奴を追う。必ず、捕まえて見せるッ。」
そういって彼は飛び出して行ってしまった。とりあえず雪乃は結衣の手錠を外した
「ゆきのん、あれは何だったの?」
「その回答は後回しよ。とりあえず、あの影を追わなくてはならないわ。」
そう言っては雪乃も出ていく、結衣もそれを追って展示部屋を後にした。