やはり俺の受難は続くようだ 作:だるだる
武偵高校、某所にて
「して、どうだったかね?組んでみた感想は。」
教務科の平塚 静は比企谷 八幡にそう聞いていた。あの任務を終え、八幡と間宮あかりは質問を投げかけられた。もし、あかりがここで戦徒として申請してしまっても後々変えることができる。
あかりとしてはアリア先輩が戦徒になってくれるいうのが本音だけれども、一度失敗した以上取り合ってはもらえないだろう。それは、憧れていたからこそ分っているのである。
――私にとって一番大事なことは――
――不殺であること、正しくあること――
あかりはこれを絶対に守るそれは絶対条件であった。そして八幡と過ごした3日間だけでは彼の本質を見抜くにはとても足りなかった。その点が大きな不安を与えている。もちろん、あまり自分のことを話さない八幡せいでもあるのだが。
もし私が戦徒として一緒に活動出来たらこの人の技能を盗むことはできるかもしれないけれど。果たして本当に信頼できるのだろうか。初めて会ったときには、その身なりやら目やらで少し見くびっていたところもあったが、調べていくうちに彼の凄さが分かった。データ上、彼は一度たりとも組んだ(組まされたのかもしれないが)メンバーにケガを負わせたことが無いとされている。それでいてほとんどの任務をこなしている。それが武力的なものにしろ、探偵的なものにしろだ。
この3日間で分かったことは彼が視線に敏感であることと能力的な凄さだけである。それだけではやはり決め手にかけるというものだ。
一方で、八幡も同様に考えていた。それは能力とかうんぬんの話の前に彼自身の厄介事に巻き込みたくないということのほうがその比率を占めていた。ただ単純に断ればいいのだった。
「先生。」と八幡は声をかけた。
「お断りしてもいいですか、あまり戦徒とかもって面倒事に巻き込みたくないんで。」
平塚静は少し考えて、言葉を吐き出す。
「そうはいうがね、武偵高校に多かれ少なかれ面倒事に巻き込まれるものだ。双方にとって良い経験になるとおもうのだがね。君はどうだ。」
そう言って、あかりの方に向き直って意見を聞く
「正直にいってまだ分かりません。確かに先輩の実績や能力について文句のつけどころがないのはわかってはいるんですが。」
そんな微妙な間宮の返事に平塚静はこちらには少し脈がありそうだと考える。先生としてはあかりを比企谷にぶつけることによって少なからず良い影響があると信じている。比企谷の危ういやり方では恐らく一番大事なものを守ることはできないだろう。それに対してまっすぐな信念をぶつけられれば何かを変えられるきっかけを与えられるのではないかと考えている。
「ならば、組んでみたらいい。多少の厄介事は君を成長させるだろう。その経験が血となり肉となる。」
そして、コホンとひとつ咳き込んで。
「人は誰かになれる。自分が選んだ道を選ぶと良い。私が言えるのはここまでだが。」
八幡は最後のゲームのキャッチコピー少し引用してんじゃねーかと思っていると
「私、やってみます。やってみたいです。」
ん?なんで熱血ドラマのワンシーンみたいにお互い向き合って良い顔してんの?そんなにいいシーンあったか?とか思いつつ。俺の存在忘れられてないよねとか思っていると、
「だそうだ、比企谷頼むぞ。」
「いや、あの、俺の意見ガン無視じゃないすか。」
と反論するもむなしく、ドヤ顔で
「残念だったな比企谷、最初からお前に意見を聞く気はない。」
さらに、反論しようと口を開けかけたときに気付いてしまった。衝撃の……と構えているのを。
「いや、あの分かりました。何があっても責任は取りませんからね。」
教師らしくフッと少しだけ笑うと八幡の方を向いて
「私は君のことを信じているよ。口ではそんなことを言いながら絶対にそうしないとういうことを。」
この武偵高において一番教師らしい教師として考えられるのは平塚先生だと思えるのはこういった時折見せる教師らしく生徒のことを見ているときの顔のせいだろうと八幡はひそかに思う。
「ではあらためてよろしくお願いします先輩。」
「ん、あぁ、よろしくな。」
――こうして彼と彼女は始まった。
少なめ、少なめで多めに投稿していきたいと考えていますがなかなか思うように進みませんね。新生活の始まりだというのもあって呼んでもらっている皆さんにも申し訳ないです。あまり原作には寄らないかもしれません。必要最低限のところは通るとは思いますが。