赤キ血統ノ忘レ形見   作:桐谷

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書き手にとってはとても大きな
原動力になるんです……ww

おこがましい前書きですみません!
それでは本編へどうぞ!


復縁は大事

―――早朝。

良い朝だ。春にしては気温が低いが決して寒いほどじゃない。

 

「身だしなみよし……あと、持ち物は……っと」

 

わたしことシルヴィアは現在身支度の真っ最中だ。何と言っても今日は特別(スペシャル)な日なのだから。

 

「別にデートとかじゃないよ?」

 

誰に対しての応答なのかは分からないが、なんとなく言わなくてはならない気がしたので言葉に出した。

 

 

 

『―――日時は今週末。実習期間は2日ぐらいになるわ。各自それまで準備を整えて、英気を養っておきなさい!』

 

 

 

「まさか泊りがけとは思わなかったなぁ……」

 

4月24日。そう、今日がその今週末に当たる。

実技テストから3日経って、現在土曜の朝である。

 

さて、そろそろ下に行こうかな

 

そう思い自分の荷物をまとめ、寮の廊下へと出る。そして階段まで歩いて行くと―――

 

「ん、あの二人は……」

 

見覚えのある影が2つ、1階の出口前に見えた。一人は黒髪もう一人は金髪のロングヘア。リィンとアリサだとわかる。どうやらなにか話しているようだ。

 

むむ、これは一体……

……ちょっと観察させてもらうかな

 

わたしは階段のあちら側から死角になる位置に隠れると、そっと耳を傾けた。

 

 

 

「――えっと、何時くらいに起きたの?」

「ああ……5時ぐらいかな。まあ、いつもそれくらいには起きているんだけどな」

「そ、そうなんだ?クラブの朝練……でも確か、まだどこにも入っていなかったわよね?」

「いや……個人的な習慣みたいなものかというか……」

 

 

 

……なにこの付き合いたてのカップルみたいな会話

 

「聞いてるこっちが恥ずかしくなってくるんだけど……」

「ふむ、そういうものなのか?」

「うん、多分……って!?」

 

わたしは独り言である感想に応答が返ってきたので、驚いて後ろを見る。

そこには同じく死角に隠れるラウラとエリオットの姿があった。

 

「あはは……おはよう、シルヴィア」

「エリオット!?ラウラ!?何してるのこんなところで!?」

 

驚くものの声を最大まで小さくして二人に問いかける。それに対してラウラはため息を吐いて私に返す。

 

「そなたこそ、何をしているのだ?盗み聞ぎは感心しないぞ」

「いっ、いや、盗み聞ぎじゃないよ?その、友達の関係の現状把握というか……」

 

わたしがごにょごにょと言い訳する中、どうやらあちらから進展のある言葉が聞こえてきた。

 

 

 

「「ごめん(なさい)!って、どうして謝るんだ(の)?」」

 

「おろ?」

 

わたしは再びカップル組の方に目をやる。するとどうやら和解したようで、話の中に先ほどのぎこちなさは消えていた。数秒後、アリサがリィンに握手を求めているのが見え、完全に仲直りしたようだった。しかし、突然アリサは焦っているように腕をぶんぶん振り始めた。どうやら、ラッキースケb……旧校舎の一件については忘れろとのことらしい。

 

そんなに念を押したらリィンだって忘れられないでしょうに……

 

そう思いながらわたしは階段を降りだした。

 

「仲直りお疲れ様ー」

 

そう言って声を掛ける。すると驚いたように二人がこちらを向いた。

 

「え……」

「シ、シルヴィア!?」

 

リィンはそこまででもないものの、アリサは相当焦っている。

 

「あっ、貴女…どこから見て……!?」

「ん~……お互いがしどろもどろしながらも必死に話題振り合ってた辺りから?」

「なぁっ……!?」

 

瞬間、彼女の顔が烈火の如く真っ赤になった。流石、《Ⅶ組》女子の中で一番純粋なだけある。素晴らしい反応だ。

 

「はは……話を聞かれてたか」

 

苦笑しながら頭を掻くリィン。こちらは「参ったな」と言いながらも余り気にしてない様子。

 

「うん、でもまあ仲直りできて良かったね。これでなんの心配もなく特別実習に望めるよー」

「うむ、実ににその通りだ」

 

声が聞こえた方からラウラとエリオットが集まってきた。それを見てさらに目を丸くするアリサ。

 

「あ、あなたたちもまさか……」

「すまない、アリサ。立ち聞きするつもりは無かったのだが……」

「あはは……ちょっと気になっちゃって。でも本当に良かったね、実習前に仲直りできて」

「うむ……正直この2週間、見ていて歯痒かったからな。特にアリサは念願かなって謝ることが出来たようで―――」

「わーっ!!わーーっ!!!」

 

慌てふためくアリサ。そして―――

 

「い、言っておくけど!同じ班で気まずいままなのはどうかと思っただけなんだから!そこのところを間違えないでよねっ!?」

「はいはい(ニコニコ)」

 

……エリオットって天然で結構黒いところあるよね

 

意味ありげな微笑みで相槌を打つ、エリオットの顔は言うて結構な《アレ》だった。その辺は想像に忍ばないと思われる。今度からアリサみたいな役回りにはなりそうなとき気を付けようと思うわたしであった。

 

「はは……面子も揃ったし、早速出発することにしよう」

 

苦笑いしながら助け舟の話題変換を出すリィン。確かにそろそろいじるのも大概にしておこう。

 

「うん、それじゃ駅に行こうか」

 

そう言ってわたしたちは特別実習の現地へ赴くべく、駅へと歩いて行った。

 

 

 

「……こっちは未だめんどくさいままデスカ」

 

数分後に見た光景に嫌気がさす。現在カップル組となりつつあるリィンとアリサ程度のいざこざならまだ見るに耐えれた。だが、こちらの二人組は見ているこっちが疲れる。

 

「……………」

「……………」

 

現在、駅の改札口前にてB班と合流した。こちらもみんな揃っているようで準備は万全のようだ。………後ろでそっぽを向き合っている二人の姿さえなければ。

 

「こっちはまだまだ和解するのに時間がかかりそうだな」

「ええ……そのようですね」

「正直、うっとおしい」

 

疲れたエマの表情とフィーのめんどくさそうな顔を見る限り、仲裁には何度も入ったとも思われる。本当にいい加減にしてもらいたいものだ。

 

「まあ、その、なんていうか……がんばってね?」

 

それしか言えることがない。だって、あの二人を取り持とうとしようとすると逆に悪化しそうで怖い。とにかく、今は喧嘩になりそうになったら止めるぐらいしかできなそうだ。

 

「あはは……大丈夫ですよ、きっと……」

 

気を張るように言うエマだが不安なのは顔を見ればわかる。とにかく今回の実習が終わったら、あの二人をどうにかしなきゃならないと思う。

 

「とにかく、そっちも無理しない程度に頑張ってくれ。危なくなったら実習よりも二人を落ち着かせることを優先したほうがいい」

「ああ、そのつもりだ」

 

リィンの言葉にガイウスが頷く。かなりの不安が残る中、列車到着のアナウンスに従いB班はホームへと向けて歩いて行った。

 

きっと大丈夫だよね……

 

B班が無事に実習達成することを願いながらわたしたちA班は自分たちの乗る列車を待つのであった。

 

 




お疲れ様でした
今回は少しだけ長かったですね

次回はいよいよ実習地へ……
首を長くして待って頂ければ幸いですw

あと、今回文体を少しシルヴィアの感情に
寄せてみたのですが、如何ですかね……?

問題なければこのまま行こうと思うのですが
読んでいて不快に感じるのであれば普通な
感じに戻したいと思います

それでは、またお会いしましょう
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