赤キ血統ノ忘レ形見 作:桐谷
いやはや……本当に遅くなりました
現在スランプに陥ってまして、
内容が色々とぶっ飛んでます
どうしてこうなった……
「……楽しみってこれですか」
呆れるようにひと言、リィンが言った。いや、本当にこれには呆れるしかなかった。
「何よ~、人の楽しみには水を差さないものよぉ?」
そう反論するサラ教官であるが、その言葉に説得力は皆無だ。
「……昼間から酒盛り始める人にそう言われましてもねぇ」
「全然説得力無いんですが……」
現在、サラ教官の宿屋案内が終わり、宿屋一階のカウンターでサラ教官を見かけて近づいたのだが……。
「ここのビールはここのライ麦を使った特産品の地ビールなのよ~。君たちは学生だからまだ飲んじゃだめだけどね~」
勝ち誇るようにふんぞり返るほろ酔いのサラ教官。
既にお察しだろうが、つまりはそういうことなのだ。
「いや、勝ち誇られても……」
「まったく悔しくありませんけど」
リィンとアリサが呆れ顔のままそう返した。ラウラとエリオットも同意見のようでジト目と苦笑でサラ教官を見つめている。そんな中―――
「……ちょっと美味しそうかな」
「え――」
一同と全く正反対の発言をした人間へと視線が向けられる。その言葉の張本人は―――
「ふぇ?」
―――わたし自身だった。そして、自分の発言に気づき、我に返ったように慌てて腕をぶんぶんと振った。
「え、えっと!今のは決して飲みたいとかそういうんじゃなくてっ……!そのっ…サ、サラ教官があまりにも美味しそうにしてたからで……」
「ふっふーん?なるほどね……」
サラ教官がにやりと口元を釣り上げながら私を見た。
「シルヴィア……アンタ酒の味を知ってるわね?」
「なっ……」
私以外の全員が驚く。その言葉に「うっ」と言葉を詰まらせ、わたしは数秒後観念したように項垂れた。
「シルヴィア……君は……」
「まさか、未成年で飲酒を……」
全員から信じられないという目を向けられる。だが、それは誤解だ。
「……ち、違うよ!そうじゃなくて…その……うぅ……」
だが、言えない。わたしにだって余り言いたくないことだってある。それにこれはサラ教官のためでもある。それで疑惑が晴れないのも困るだが……
「だって……」
「え?」
「だってあれは教官が無理矢理飲ませたんじゃないですかぁ!!」
言ってしまった。周りの視線に耐えきれずに。
「………って、えぇぇぇぇ!!!!??」
暫しの沈黙のあと、わたし以外の全員の声が宿屋に轟いたとかなんとか。そう、あれは実技テスト前の自由行動日のこと―――
わたしはその日、部活を決めていなかったので見学をするべく、学院へと向かった。
「お?」
そしてとある人影を見かけた。黒髪に隙のないような佇まい、その人物に手を振って―――
「おーい、リィン?」
声をかけた。すると相手も気づいたようで、
「ん?あぁ、シルヴィアか」
こちらを向いた。やはり彼だったようだ。
「どうしたのこんなに朝早く。リィンって部活とかなかったよね?」
「あぁ、部活じゃないけど少し学院で用事があってな」
「用事?」
自由行動日の朝早くに部活以外の用事。勉強かとも思ったが、それなら多分普通に勉強と言うだろう。それでは一体学校で何をするというのだろうか。
「……デートの待ち合わせでもしてるの?」
「いや、なんでそうなるんだ?」
だって、わたしの中では入学式早々女子に《事故》仕掛けたイメージが抜けてないんだもん
と、心の中と答えるが、直球過ぎるので口に出すのは止めておくことにする。「冗談だよー」と目を逸らしつつ受け答えた。
で、その後聞くによれば彼はどうやら生徒会の仕事を(サラ教官に半ばはめられたような形で)請け負っているらしい。まあ、彼自身が後にきちんと自分で決めたというのだから問題はないと思うが。
「それはそうと、シルヴィアも部活は入っていなかったよな?そっちはどうしたんだ?」
「部活に入っていないのが理由だよ。今から見学してくるんだー」
「なるほど、そういうことか」
多くの生徒が昨日の内に部活を決めたらしいが、わたしはそのときフィーの勉強に付きっきりだったので最終決定の余裕がなかったのだ。出来れば今日中に決めたいところである。
「それなら、学院まで一緒にどうだ?目的地は同じみたいだし」
「え…う、うーん……」
「……? なにか不都合なことでもあったか?」
「いや、そーゆー訳じゃないんだけどさ……」
「?」
―――言ってて自覚ないの……?
彼に対する呆れをため息にしながら、わたしはジトーっとした目を向けた。
普段は鋭い洞察力持ってるくせにこーゆーことには鈍感なんだ……
「え、えっと…シルヴィア?」
「あのね、リィン?貴方の場合、利害が一致したから誘ってくれているだけなんだと思うけど、一緒に行くってゆーのはね……」
自分の発言が原因で成った状況を呑み込めていない彼に説明する。
「……男子と二人っきりってことなんだよ?」
「……あ」
そこでようやく自分の発言に気付いたらしく、申し訳なさそうな顔になる。
「すまない……ちょっとデリカシーが無かったかもな……」
「わたしは別にあまり気にしてないよ。ただ……」
「……ただ?」
「人の捉え方によっては変な誤解を生むから気を付けてね?」
「へ、変な誤解?」
リィンは分からないと言うような目になるが、あえて答えない。
「とにかく、リィンは周りの女子生徒に対してもう少し意識したほうがいいよ?」
まあ、天然だからきっと治んないだろうけどね……
「さ、そろそろ行こ。お互い用事があるんだからさ」
「ま、ますますよく分からないんだが……」
スタスタと歩き出すわたしに、相変わらず頭上に疑問符を浮かべるリィン。言っていることは分からないがとにかく今は付いていく以外の選択はないようで、小走りでわたしを追いかける。
……普通にかっこいいんだけどなぁ
平和な日々の中、まだまだ熟れない、青い乙女心が抱いたのはそんな感情だった。
―――《恋》と呼ぶには、まだ遠い……そんな気持ちに………。
何でフラグ立てたんや……OTZ
どうやらリィン君は現在通り
ハーレムを作りそうですねー……(遠い目)