赤キ血統ノ忘レ形見   作:桐谷

14 / 21

新着コメント見たらすごく意欲沸いて
完成しちゃいました……

人って単純ですね……(笑)


決意と誤解

「―――っていうわけなんだけど、依頼……受けてもらえるかな?」

「あぁ、わかった。引き受けるよ」

 

わたしの目の前ではそんなやり取りが行われてた。現在リィンが平民生徒のコレットの怪しい取り引きを……ではなく生徒会の依頼を請け負ったところだ。

 

「さて、どこから探すか……とりあえず、彼女が言っていた場所を調べるとするか……」

「へぇ……生徒会の仕事ってそういう感じなんだー」

 

思ったことを口に出す。なんというか仕事の内容がデスクワーク的なイメージだったので、意外なものに感じたのだ。

 

「雑用っぽい気がするけど、こーゆーのも生徒会の仕事なんだねー」

「そうみたいだな……ってシルヴィア、まだ部活見学いかなくて良いのか?」

 

まあ、そうなのだが、何分わたしは少し興味が湧いたのだ。リィンが請け負った生徒会の仕事に。

 

「んー、行くつもりだったけど……その生徒会の依頼のほうが興味がでちゃって」

「え」

「ってことでわたしも手伝うよ、リィン」

「それは有難いけど……いいのか?せっかくの休みなのに」

 

その気遣いには感謝するが、実際本当にすることがないのも事実。部活だって特段入る気が起きそうなものもないので、見学も暇潰し程度に思っていたところだ。

 

「大丈夫大丈夫。急がなくたって部活は午後もやってるとこあるし、今日中に全部回るわけでもないしねー」

 

そう言いながら食堂のおばちゃんから買ったトマトサンドの最後の一口を口に入れた。

 

「さて、コレットの生徒手帳だっけ?探しに行こー」

「まあ、そういうならお言葉に甘えさせてもらうか……。ありがとう、シルヴィア」

「ううん、自分がしたいからしてるだけだから、気にしないで」

 

そう言って学院の本校舎へと赴いた。

 

 

 

 

結果から言えば生徒手帳は見つかった。本校舎2回の談話スペースのソファの溝に挟まっていた。その後、コレットにそれを返し、お礼としてアクセサリを渡されるが……

 

「気持ちは嬉しいけど、仕事だし流石に受け取れないよ」

 

と、断るリィン。

 

「この前、間違って同じものを二つ買っちゃったんだよー。だから有効活用ってことで」

「そ、そうなのか?でも……」

 

それを断るのは流石に無粋だよリィン……?

 

「人の好意を無下にしちゃダメだよ、リィン。相手も有効活用って言ってるしさ、貰ってあげようよ」

「……そうだな。有り難く受け取らせてもらうよ」

「うん、リィン君にシルヴィアちゃん、本当にありがとね!」

 

お礼を言ってコレットは学生会館を出ていった。

 

「ふぅ……とりあえず一つ目の依頼達成だな」

「………なんていうか、いいね」

 

ふと口から言葉が漏れた。それに気付いたようでリィンがこちらを向いた。

 

「いいって、生徒会の仕事がか?」

「うん……少なくとも人の助けになれるし、これからもこういう仕事が回されるんでしょ?」

「まあ、そうだな」

「人の役に立てるなら悪い気はしないし、これならやっていきたいかも」

 

昔から人の役に立つことをするのが好きだった。正義感が強いとかそういうことではなく、ただ、単純に人の喜ぶ顔を見るのがすごく好きだった。自分の行いがそうしたのなら尚更だ。

 

「じゃあ、シルヴィアは生徒会に入るのか?」

「うーん……」

 

そう言われると少し悩むものもある。確かに向いているのかもしれないが、生徒会というのは大きな責任も伴う。生徒たちの代表のひとりとしてやっていけるかどうかを考えると少し自信がない。

 

「……ううん、生徒会には入らない、かな」

「え、じゃあ……」

 

わたしの出した結論

それは―――

 

「わたし、リィンの手伝いするよ。それなら気兼ねなく生徒会の仕事出来るでしょ?」

「そうだけど……それなら、生徒会としてした方が効率よくないか?」

「むー……リィンは迷惑なの?余計なお節介と思ってる?」

 

そう言うと彼は否定する。

 

「違う違う!むしろ有難いと思ってるよ。でも、シルヴィアは本当にそれでいいのかなって思ってさ」

「んー……じゃあこうしよ?」

 

 

 

 

 

 

「―――わたしもⅦ組の一員として、そして自分のために……『立ち位置』を見出だしたい」

「…………!」

 

少し真剣な表情でリィンを見た。その表情にリィンは驚きを露にする。そして彼もまたわたしを見つめ返す。

 

「シルヴィア……それは………」

「……ダメかな?」

 

少し考えるように彼は目を瞑る。

そして、わたしを見据えるように目を開いた。

 

「……いや、わかった。そう言うなら是非協力を頼むよ」

 

そう言って手を前に差し出す。わたしは口答で説明されずともその意図は分かった。

 

「うん、よろしくね」

「あぁ、こちらこそ」

 

そして、お互いの手を握った。少しだけ強く、自らの意思を表すかのように。

 

 

 

 

 

 

―――ガチャ

 

「え?」

「ん?」

 

不意に扉の開いた音がした。そこに立っていたのは―――

 

「………あなたたち、何をしているのかしら?」

 

 

 

現状でⅦ組で最も誤解を生みやすい人がそこにいた。

 




ちょっと短かったですが
次回もすぐ投稿できると思います

ですので、お楽しみに!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。