赤キ血統ノ忘レ形見   作:桐谷

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どうも、桐谷です

早く投稿できるとか言っていた過去の自分に
オメガエクレールをかましてやりたい

頑張って書くので、更新遅くても見守っててください(´・ω・)


未熟、そして優しい剣

「それではあなたが実習の《依頼》を……?」

 

リィンが彼に問いかける。わたしたちは今、彼―――オットー元締めの宅にいる。

 

「うむ、士官学院のヴァンダイク殿とは旧知の仲での。今回、お前さんたちの実習向けに適当な頼みごとを見繕って欲しいと頼まれたんじゃ」

 

なるほど…そういことか

 

わたしは納得しながら頷く。ここが実習の場と決まった理由のひとつは元締めと学園長とのコネだったわけだ。

 

「あの……それはそうと、先程の件は大丈夫なんですか?」

 

エリオットが尋ねる。たしかにわたしも含め全員が、先程のいざこざの結末が気になっていた。

 

「うむ、とりあえず週ごとに交代で場所を取ってもらうことにした。どちらも正式な許可証を持っていたが、こればかりはどうしようもないことじゃからの」

「そうですか……しかし―――」

「―――妙、だね…」

 

本来ならば領主の名で許可証を出すものだが、なぜ同一のものが2つも発行されるという手違いが起きたのか。それに関しても問いかけるとどうやら本来公爵家が……つまりここクロイツェン州では《アルバレア公爵家》が管理しているらしいのだが……

 

「うむ、大貴族中の大貴族、四大名門のひとつじゃな。しかし、最近少しばかり面倒なことになっていてな―――」

 

話によれば、先日に大市の売上税が大幅に上がってしまったらしい。売り上げから相当な税を巻き上げられることになり商人たちも必死なのだという。それならば、場所取りだけであれだけムキになるのは無理もない話だ。

 

「売上税……そうそう軽々しく上げていいものとは思えぬが」

「そうだよねぇ……」

「……わしも何度もバリアハートに向かい、公爵家へと陳情に出かけたのじゃが……全く取り合えってくれず、門前払いといった感じじゃったよ」

 

そう言って、ため息を吐くオットー元締め。聞けば、この状況が二月も続いているとか。わたしたちは何か裏があるのではないかとも考えた。ただのずさんな手続き処理か、それとも意図的な嫌がらせか、どちらにせよ大市はあまりいい状況ではないのは確かだ。それにこの大市を取り締まる貴族直属の軍、領邦軍が動かないのもまた気になるのだ。

 

「いずれにせよ、お前さんたちには縁のない話じゃったな……愚痴をこぼしてしまったりして悪かったのう」

「いえ、そんな……」

「……とにかく、お前さんたちは今は自分たちの実習に集中すべきじゃ、余計な考えを持たせて実習に支障が出たら我が旧友にも面目が立たんからのう」

「……その、ありがとうございます」

 

この大市の責任者として苦労している中、自分たちの事を思ってくれる元締めにはとても頭が上がらなかった。謝礼の言葉を言ったわたし以外も同じ気持ちのようで、頭を下げる。

 

「なぁに、礼を言うのはこちらの方じゃよ。今日も面倒な仕事を一通りこなしてくれたようじゃし……それに、明日も依頼があるからの」

「明日もですか……?」

「うむ、一日ごとに依頼が新たな依頼をこなしてもらうことになっているのじゃよ。よろしくお願いしてもいいかの?」

「いえ……こちらこそよろしくお願いします」

「……誠心誠意、務めさせていただこう」

 

リィンとラウラがそう受け答え、わたしやアリサ、エリオットもそれに頷く。

わたしたちはそのときより、大変な中で場所や依頼を用意してくれたオットー元締めに報いようと、今後の依頼に全力で取り組むことを誓うのだった。

 

 

 

 

 

「リィン……そなた、なぜ本気を出さない?」

「え」

 

下の階でそんな声が聞こえてきたのは、その日の夜だった。

現在、今日の実習をあらかた片づけ、外も暗いので夕食をとり、そして各々がレポートをまとめるために部屋に戻ろうとしていたとき。

今の会話が聞こえてきた。

 

「……やっぱり、それがリィンを睨んでた理由なんだね」

 

その声は誰に聞こえることもなく、わたしはその会話を見届けようとしないまま部屋へと足を運ぼうとした。だが、その道の前には立ち止まるアリサとエリオットがいた。

 

「……シルヴィア、いいの?」

「いいのって、なにが?」

「いや、二人の話……気にならないのかなって」

 

そう言ってこちらを見る二人だが、わたしはお構いなしに歩き出す。

 

「まあ、何が言いたいのかは察しが付くし、リィンがどう答えるかもだいたい見当が着くしねー。それに、知りたいことは自分で聞く派だからさ」

「そう……わかったわ、おやすみ」

「うん、おやすみー。二人とも余り深入りせずに聞くようにねー」

「あ、あはは。気を付けるよ」

 

残る二人を背にわたしは部屋のドアを開ける。そして、静かに戸を閉めた。

 

 

 

 

 

部屋に一人、自分の荷物へと向かいそれ( ・ ・ )を探る。

………その手の中にあるのは小さな鏡、わたしに唯一の《残されたもの》。

 

 

 

「―――八葉一刀流……東方剣術の集大成……剣聖と呼ばれるほどの達人……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………お母さんの優しい剣………」

 

 

わたしはわたし自身の頼りない胸を抱く。

そして、糸が切れたようにベッドに仰向けに倒れる。

 

 

 

「…………レポート書かなきゃ」

 

そう言いつつも、声には力がない。

そして、わたしは知らず知らずのまま睡魔へと身を委ねていた―――

 

 

 

 

 




なーんで、こうもシリアスで終わりたがるんですかね

自分でも正直わかりません(´・ω・)
次は明るく終わりたいですなぁ
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