赤キ血統ノ忘レ形見   作:桐谷

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どうも、桐谷です。
20話目の投稿になります。

計画的には内容がもう少し先まで進んでるはずだったんですが、まあゆっくりやりましょう。

それではどうぞ。



剣の道

「アリサ……いいでしょ、ねぇ?」

「だ、ダメよシルヴィア。誰か来たら……」

「みんな外にいるから大丈夫……。さ、手をどけて……」

「だ、だめ……それは……」

「ふふっ……怖がらないで?大丈夫、だって―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

「少しだけ参考にするだけだから!文体とかは変えるから!だからレポート見せてッ!」

「だ、だからダメって言ってるでしょ!!」

 

早朝というのもあって小声ながらもそんな言い合いをするわたしたち。

現在、朝の5:30……わたしは目が覚めレポートを書いていない事実に青ざめながら、回らない頭をどうにか動かし、それを書き進めていた。だがしかし、寝起きのため思いの他レポートが進まない。そこにアリサが目を覚ましたので、書き進まないレポートの参考までに見せてもらおうと現在交渉中である。

 

最初のやり取り?別に普通でしょ?

っていうか、なかなかアリサ折れないなぁ……

 

「わかった!書き終えたらアリサに見せるよ。それでダメだったら書き直すから!」

「いや、それは……えーっと……」

 

お、脈ありッ!

このまま押しきる!!

 

「お願い!これからもアリサとリィンの親睦を深めるのをわたしも手伝うから!」

「は、はぁ!?ななな何いってるのよ!?わた、わたしは別にリィンが気になってる訳じゃないんだからね!?も、もう知らないわ!!」

「そ、そんな!」

 

選択ミス!シルヴィアとアリサ間のリンクPが5下がった!

って、んなこと言ってる場合じゃないし!

 

憤慨(満更でもない)したアリサをわたし追いかける。そして、その15分後どうにか交渉は成立。6:30、みんなが集まる前ギリギリに書き終わったのだった。

 

 

 

 

「……それでは実習に向かうとしよう」

 

依頼を女将のマゴットから受け取り、ラウラが皆にそう言った。それに対して同意はするものの、上の空の返事をするエリオットとアリサ。どうやら昨日は予想通りにリィンはラウラを少しばかり失望させたようだ。

 

「―――ラウラ、昨日は済まなかった」

「あ…」

「リィン……」

「………」

 

唐突に謝るリィンに視線が集中する。

謝られた当人であるラウラは依然として少し睨むような表情でリィンを見つめる。

 

「………そなた自身の問題ゆえ、私に謝る必要はないと言ったはずだが?」

「―――いや、そうじゃない。謝ったのは"剣の道"を軽んじた発言をしたことだ」

 

それを聞いた瞬間、少しだけラウラの表情から険しさが消えたような気がした。

 

「……『ただの初伝止まり』なんて考えてみれば失礼な言葉だ……老師に対しても"剣の道"に対しても。それだけは謝らせてほしいんだ」

 

老師……ユン・カーファイの事かな……

リィンは直接その人に剣を……

 

彼が謝る内容のなかでそのことが気になる。恐らく初伝で止まり、修行はそこで終わったのだろう。力不足かそのまた別の理由か……真実は定かではないがリィンが修行が打ち切られたということだけを理解することには十分事足りた。

 

「……1つ抜けている」

「え……」

 

半身で話を聞いていた彼女が改めて正面を向いた。

 

「そなたの事情は知らぬ。だが、身分や立場に関係なく、どんな人間も誇り高くあれると私は信じている」

 

目を閉じ、そう語る。そして目を開けて彼の足りないところを指摘した。

 

「ならばそなたは、そなた自身を軽んじたことを恥じるべきだろう」

「あ―――」

 

なるほど、と合点のいく答えに頷く。彼自身もその言葉を受け入れるがごとく目を閉じている。

 

「―――リィン。そなた、"剣の道"は好きか?」

「………」

 

どういった答えを出すのか、それは多分ここにいる全員が肯定的な答えを想像しただろう。だが、彼の答えはより強いものだった。

 

「……好きとか嫌いとかそう言ったものじゃないな。あるのがごく自然で……自分の一部みたいなものだから」

「……ふふっ、ならばよい。私も同じだ」

「ラウラ………」

 

緊迫していたはずの空気がいつの間にか穏やかなものへと変わっていた。そのことに気づいたのか傍観者であるわたし以外の2人が安堵の表情をもらした。

 

「はあぁぁ~ッ……」

「えへへ、よくわからないけど、仲直りできたみたいだね」

「いや、別に仲違いをしていたわけじゃないんだが……」

「まあ、そうだな」

 

安堵の表情の中で少しだけ悔しそうな顔をしながらアリサがそれに対して話す。

 

「まったく、2人だけで分かった顔しちゃって……これじゃあ、どう仲直りさせようか悩んでいたこっちが―――」

「アリサ、それ地雷」

「……あ!」

 

わたしが言えたことじゃないけど、Ⅶ組のメンバーってどっか抜けてるよね……

 

何とも言えない表情のままため息を吐く。しかしまあ、現状が良い方向に解決して良かったのではないかというのが本音だ。たぶん、それは他の全員にも当てはまることだろう。

 

「まあ、なんとか話が収まったようだし、よかったんじゃないかな?実習にも支障はなさそうだし―――」

「――女将さんッ!!大変大変!!」

 

突然、慌ただしい声が飛び込んできた。声の方向を見れば、どうやら声の主は宿で働いているルイセさんのようだ。

 

「なんだいルイセ、朝からせわしいね。だいたい出てくるのが遅すぎるよ」

「ご、ごめんなさーい……。外で話を聞いてたら……ってそんなこと言ってる場合じゃないんですよっ!」

 

どうやら、相当焦ってる……というよりかは言いたくてたまらないという顔をしている。おそらく、この宿には関係しないことのようだ。

 

「大市の方で"事件"なんです!なんでも屋台がバラバラにされた挙句、盗品も出たらしくて……」

「なっ―――」

「そ、それって……」

「盗難事件……!?」

「ふむ……」

「このタイミング……きな臭いね」

 

 

 

特別実習2日目。

Ⅶ組の前にまた新たな暗雲が立ち込めるのだった。

 





改めてみるとストーリ進行50%で他は茶番なんですよね。
これが進まない原因か……。

まあ、茶番あっての二次創作ですから(白目)

このスタンスを大事に今後も続けていきたいと思います。
それでは次回でお会いしましょう。
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