赤キ血統ノ忘レ形見   作:桐谷

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ちょっとした日常風景

こんなほのぼのとした話も
結構書きたかったんですよねー

それではどうぞ


第一章~初めての実習~
姉妹…みたい?


四月の空。

入学式と相変わらず、春の陽気が心地よくわたしたちを包むような日差しの中、わたしたち、Ⅶ組の学園生活は既に2週間の時を経ていた。

 

「……むにゃ………」

「隣で寝ないでよ……フィー。こっちまで眠くなりそうだよ……」

 

早くも春の陽気に負けて隣で寝る生徒にわたしは苦悩していた。

 

「おやおや、フィーさんは居眠りですかー?」

 

歴史担当の教官、トマス教官がいつもの飄々とした顔つきで微笑を浮かべる。

そう、言っていなかったけれど、現在は授業中なのだ。

 

「すみません……フィーちゃん、起きてください」

 

更にその隣のエマがフィーの肩をゆする。

 

「んー……」

 

反応はしたが、どうやら本格的に眠いらしい。

全然起きようとする気配がない。

 

「もう、フィーちゃんってば……」

「トマス教官……すみません、今日はどうやっても起きそうにないです」

 

代わりに私が謝った。

 

「別に構いませんよ。無理に授業を受けても身に入らないだけですからねー」

 

表情を変えずに、本当に気にした様子はなくトマス教官は答えた。

 

「ですが、今、授業を聞かないと今後の授業に着いてこれなくなりますからねー。彼女に次の授業までに今回の内容を教えてあげてくださいね」

「はい、わかりました」

 

まあ、そうなる気はしてた。別に構わないけど。

 

「それでは授業を再開します。えー、かのドライケルス帝が―――」

 

授業は再び始まり、フィーに授業内容を後で教えるべく私は気を引き締めて授業に耳を傾けるのだった。

 

 

 

 

放課後、HR(ホームルーム)が始まった。

 

「―――お疲れさま。今日の授業も一通り終わりね♪」

 

サラ教官が明日の内容を話した。今日は土曜日、明日は自由行動日なのだ。休日ではないのだが授業はなく、生徒たちが何をするも自由な日である。

 

「帝都に遊びに行ったっていいし、なんだったらあたしみたいに一日中寝てても構わないわよ?」

 

教官としての仕事はどうしたのだろうかと突っ込みを入れたいが、相手もサラ教官である。多分何言っても無駄なのだろうとみんな思っているのか、呆れるだけで誰も突っ込まなかった。

 

「えっと、学院の各施設などは開放されるのでしょうか?」

「図書館の自習スペースが使えるとありがたいんですが……」

 

エマとマキアスが質問する。流石委員長のエマと副委員長のマキアス、休みだろうと勉強する気満々のようだ。

 

「ええ、そのあたりは一通り使えるから安心なさい。それとクラブ活動も自由行動日にやってることが多いからそちらの方で聞いてみるといいわね」

「……なるほど」

「ふむ、確認しておくか」

 

いくつかの納得したような声が上がる。わたしも、明日したいことがあったのでそれなら助かる。

 

「―――それと来週なんだけど……水曜日に《実技テスト》があるから」

「《実技テスト》……?」

 

―――《実技テスト》。

サラ教官の話によれば、戦闘訓練のようなものらしい。一応評価対象でもあるので、怠けない程度に体を動かしておくのも良いという。

 

「それと、その《実技テスト》の後なんだけど……改めて《Ⅶ組》ならではの重要なカリキュラムを説明するわ」

 

その言葉を聞いた瞬間、全員が真剣な顔になった。

これまでは他のクラスと変わらず普通のクラスとして生活してきた。だが遂に《Ⅶ組》として、他のクラスとは異なったカリキュラムの内容が明らかになるのだ。

 

……オリエンテーリングの事を考えると、ちょっとヤな予感がするけど

 

心の中でそう呟く。どうなるんだろうなーと思っていると、サラ教官は話を切り上げ、副委員長ことマキアスの挨拶でHR(ホームルーム)は終わりを告げた。

 

 

 

 

HR(ホームルーム)が終わった後、私は教室から退出しようとする一人の少女に声をかけた。

 

「あ、待ってフィー」

 

その声に応じるように、彼女、フィーはこちらを向いた。

 

「何?シルヴィア」

「あ、うーんとね?今日の歴史の時間寝ていたでしょ?その時トマス教官が後でフィーに授業内容を教えてあげるようにって」

 

わたしが言うと、フィーは明らかめんどくさそうに目を細めた。

 

「いいよ、自分で勉強するから」

「ダメだって、自分で新しいところ勉強するってすごく難しいし、理解するのに時間かかるんだよ?なら教えてもらった方が早いし、フィーのためでもあるんだよ」

 

とは言ったが、実際これは建前。あれだけめんどくさがりのフィーが1人で勉強するとは思えないのだ。

 

「だから、一緒に復習しよう?わたしもできるだけ分かりやすく説明するから、ね?」

 

少し強引気味に詰め寄る。

 

「はぁ……わかったよ」

 

すると、わたしの言葉に折れたようで、彼女はため息を付いて首を縦に振った。

 

「よし、なら善は急げだよ!気兼ねなく自由行動日を過ごせるように今から図書館に行こー」

 

私はぐいぐいとフィーの手を掴み教室を出て行った。

 

 

 

「……なんかあの二人ってさ」

「あぁ……姉妹みたいだよな。どことなく雰囲気が似てるっていうか……」

 

リィンとエリオットがその光景を見て微笑ましそうに眺めていた。

 





学生の時しておきたかったことが
山ほどあるってみんなよく言いますよね

ただ、普通に過ごすのも悪くはないと
自分は思うんですけどねー
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