ユウ、新たな一歩
「ここでこいつを預かってほしいって話でしたね?」
ジャックの言葉はあまりにも突然で、僕の頭は理解が追い付かなかった。
「なんで……見習いとして……認めたはずじゃ……!」
真っ先にゲオルグに食って掛かったのはジュウザブロウだった。
「だからこそ、よ」
その言葉にジュウザブロウに続こうとしていた他のメンバーも口を閉ざす。ゲオルグは理由がなければそんなことは言わない。彼への信頼がそうさせたのであった。
「ユウ君にはここで他のスイーパーとの出会いを経験してほしいの。そしてもっとその才能を伸ばしてほしい。もちろんビルダーとしてもね。その点ジャック君は適任だわ。彼自身凄腕のビルダーですし、ここには色んなスイーパーがやってくるわ」
「これは俺の提案なんです」
ジャックがゲオルグに続く。
「戦っても戦っても前線の戦況がよくなることは絶対にない。俺たちも絶えず支援していく必要がある。こんな時だからこそ、両方の状況を知った人材が必要なんです。彼にはスイーパーについてちゃんと知って、向き合ってほしい。俺たちが戦い続けてもうずいぶん経つけど、そろそろ次の彼や他の若いスイーパーたちにつなげていく準備をしなきゃってね」
「そんな……僕にはそんな大それたことできませんよ」
思わず口を挟んでしまう。
「ついこの間まで僕はただのビルダーだったんです。それを魔女の箒に拾ってもらって……。パイロットレベルだって低いしビルダーとしてだって才能があるか怪しいところですよ! そんななのに……」
「ユウ君はね、今はそれでいいのよ」
ゲオルグがやさしく微笑む。
「それでもあたしはあなたに才能を見たのよ。ダギ・イルスとやったとき、もしあなたがいなかったらあたしたちはここにはいないかもしれないわ。スイーパーっていうのは少しでも気を抜いたらあっという間にあの世へ行ってしまうようなお仕事なの。でもあなたはあの緊張の中命中させて見せたわ。そういうのを才能って言うのよ」
ゲオルグはしっかりとしたまなざしで僕の目を見た。
「スイーパーの実状について知ったとき、あなたがどんな結論を出しても誰も咎めないわ。そしてあなたと向き合うことで、あたしたちスイーパーも改めてスイーパーと向き合うことができるの。それが次につなげるってこと」
「これは俺たちが君にやってもらいたいことなんだ」
ジャックが僕に向きあって手を差し出してくる。
「……まだ、何をしたらいいかはわからないけど」
心に生まれた新しいもやもやの中から新しい答えを掴みとって。
「よろしく、お願いします」
差し出された手に、2回目の握手をした。
これで第一部、魔女の箒編は終わりです。
引き続きTheSweepers、そしてGBFの世界をお楽しみください。
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