イリナがいなくなってから1年がたち、私は小学校に通っている。口調の事もありあまり話しかけてくる子達は少なかったうえに、私がどう接すればいいかわからなかったため、最初はクラスに馴染むことが出来なかった。だが、今では、普通に接してくれる子達も増え、だいぶ打ち解けクラスに馴染めている。
『相棒は最近楽しそうだな』
(そう見えるか?)
『ああ、とてもいきいきしているように見える』
(ふっ、そうか。だが、正直上手くやっていけるか心配だったよ。どう接していけばいいかわからなかったからな。生前通っていたとはいえ、随分昔の事だからな。ん?あれは…)
学校の帰り道にアーチャーがドライグと話をしていると、アーチャーは泣きながら歩いている少女を見かけた。
「大丈夫か?」
アーチャーはそこ少女に声をかけた。
「だれ?」
「私は兵藤一誠だ。たまたま君が泣きながら歩いていたのを見かけたから、何かあったんじゃないかと思ってな。私で良ければ力になるが…」
「本当に?」
「ああ、私で良ければ」
「実はね…」
彼女は、姫島朱乃と言うらしい。
彼女は、母親に学校に行かされていないらしく、そのため、同じ年の子達と遊んだ事がないみたいだ。母親と出かけた時に、自分と同じ年くらいの子達が遊んでいるのを見て、羨ましく思い、その事を家に帰り母親に自分も見かけた子達と同じように遊びたいと言う事を伝えたらしいが、断られて、口論になり飛び出したと言う事らしい。
「なるほど…。気持ちは分からなくはない。だが、もう一度君は母親と話し合うべきだ」
「どうして?」
「君の母親が何故君を学校に行かせなかったり、遊んだりさせないかわからないが、きっと君のためを思っての行動なのだろう。親は自分の子供を大切するものだからな」
「ほんと?」
「ああ、だからもう一度ちゃんと話をするべきだ」
「うん…」
「少し暗くなってきたから、家まで送っていこう」
「ありがとう、イッセー君」
二人は話をした後、家に向かって歩き始めた。
------------------
辺りはだいぶ暗くなっていた。家の近くまで来た所で遠くからだれかが走ってくるのが見えた。着物姿で隣にいる彼女と顔立ちが似ている女性だった。
「朱乃!」
走ってきた女性は彼女の名前を呼びながら彼女に抱きついた。
「何時までたっても帰ってこないから朱乃に何かあったんじゃないかと思って探したけど、見つからなくて本当に心配したのよ」
「ごめんなさい、母様…」
彼女は泣きながらそう告げた。
母親が自分をどれだけ心配していたのか伝わったのだろう。少しして、彼女の母親が私に気づき声をかけてきた。
「あなたが朱乃を家まで送ってくれたのね。本当にありがとう」
「いや、礼を言われるほどのことではない」
「あなたがそう思っていても私はあなたにとても感謝しているの。もう一度言わせてもらうけど、本当にありがとう。お礼と言ってはなんだけど、辺りもだいぶ暗いから今夜はうちに泊まっていって」
彼女の母親はそう言った。
「え!ほんと!イッセー君今日泊まっていくの⁉︎」
彼女は嬉しそうにそう言った。
「ご両親には私から伝えておくから」
「いや、だが…」
「イッセー君帰っちゃうの?…」
彼女は泣きそうになりながらそう言った。
「うふふ、うちの娘を泣かせるつもりかしら」
「うっ…」
彼女の母親は意地の悪そうな笑顔でそう言ってきた。
(勝てそうにないな…)
アーチャーは心の中でそう思った。
「今晩世話になる…」
「ふふ、決まりね。自己紹介がまだだったわね。朱乃の母の朱璃です。あなたは?」
「私は兵藤一誠だ。今日はよろしく頼む」
「話してて思ったんだけど、あなたって結構口調が変わっているわね…。なるで年上と話しているみたい…」
「周りからもよく言われる」
朱璃の言葉を聞いたアーチャーだか、両親にもよく言われていたため、動揺する事なく返事をした。
「っと。いつまでも外にいたら風邪を引くから中に入りましょう」
---------------
姫島家に泊まることになったアーチャーは朱璃が料理をしている間朱乃と絵を描いて遊んでいた。
「イッセー君描けた?」
「ああ」
「じゃあ、せーので見せ合おう。いくよ、せーの!」
「わぁ〜、イッセー君絵がすごく上手だね!」
「いや、君も中々うまいと思うぞ」
二人はそれぞれお互いを描いていた。
「む〜」
「ん?なんだ?」
「朱乃って呼んで!イッセー君話してる時私のこと君って呼んでる。ちゃんと名前で呼んで!」
「すまない、癖になっていてな」
「晩御飯できたわよー」
朱璃さんが晩御飯が出来たことを告げた。
「晩御飯が出来たみたいだ。行こか朱乃」
「うん!」
そして他愛のない会話をした後に、私は先に風呂に入ることになったのだが…、
「なんでさ…」
アーチャーはそう呟かずにはいられなかった。
最初は一人で入っていたのだが、途中に朱璃さんが朱乃を連れてきて風呂に入れて去って行ってしまったため、今は朱乃と一緒に入っている。
「イッセー君熱くない?」
「あ、ああ…」
いくら見た目は子供とはいえ中身は子供ではないため、アーチャーはとてつもない罪悪感を感じていた。
もし生前連れ添った彼女達にこんな所を見られたら、アーチャーはただではすまなかっただろう。
風呂から上がり朱乃は疲れていたみたいで、今は寝ている。私は朱璃さんから話を聞いていた。
「朱乃からいろいろ聞いてるかしら…?」
「ああ、家から飛び出すことになった理由を聞いたときにな…」
「そう…。いろいろ事情があってね…、あの子を出来るだけ目の届く所に置いておきたかったの…」
「そうか…」
「こんな事を言うのはおかしいかもしれないけど、あなたさえ良ければこれからも朱乃と仲良くしてくれないかしら…?私がずっと側にいるとは限らないから…」
「…ああ、任せてくれ…」
アーチャーは朱璃の言ったことに疑問を感じたが、聞いたところで答えはしないだろうと聞かないでいた。
------------
「世話になった」
「ふふふ、また泊まりに来てもいいのよ?」
「…考えておく」
「イッセー君、また来てくれる?」
朱乃は少し悲しそうな顔でそう聞いてきた。
「ああ、また遊びにくるよ」
「ほんと!約束だよ!」
「約束だ」
二人と言葉を交わした後、アーチャーは別れを告げ去っていった。近いうちに彼女達に危機が迫ることを知らずに…
駄文ですみません。
次は戦闘シーンになります。戦闘シーンになるにあたって赤龍帝の籠手の形を変えたいと思っています。活動報告の方でアイデアを募集しているので、いいアイデアがあればよろしくお願いします。