3日前…
景虎「火神、明々後日の海常戦、先発をお前に任したいんだが、調整出来るか?」
火神「もちろんだ…です。」
景虎「そうか。…伊月!いまから火神の球受けてやってくんねーか!」
伊月「はい!」
伊月が駆け寄ってくる。
景虎「んじゃ、頼んだぞ。」
伊月「はい。じゃあ改めて、俺は3年の伊月俊だ。アップは済んでるか?」
火神「はい。」
伊月「よし!じゃあ早速ブルペンで投げるぞ!」
伊月が防具をつけながら言った。
火神「うっす!」
勢いのいい返事をした火神は、伊月の準備を待ってブルペンへと向かった。
伊月「火神、準備は出来てるか?」
火神「うっす!」
伊月が主将の結城に向かって頷く。
結城「よし!行くぞぉぉぉぉ!!!!」
「「「おおおお‼︎‼︎‼︎」」」
笠松「黄瀬ぇ、準備は出来てるか?」
黄瀬「もちろんっす!」
大前「笠松、頼んだ。」
笠松「おうよ。じゃあ行くぞぉお‼︎」
「「「おおおお‼︎‼︎」」」
誠凛、海常両チームがホームベースを挟んで整列する。
景虎(初戦の相手が海常、しかも監督がゲンゲンか…)
武内(負けんぞ、トラ…)
向かい合う両チームが互いに睨み合う中、主審から礼!とコールがあり、互いに頭を下げて挨拶を交わす。
後攻の海常が守備に着き、試合開始に備える。
1時間前……
笠松「黄瀬、向こうの先発の火神ってのはどんな選手なんだ?」
黄瀬「そうっすね、キセキの世代の中でも1番才能の開花が遅かったっすけど、力のあるボールを投げるパワータイプの投手で、打撃に関しても、そのパワーと勝負強さは中々のものがあるっす。ぶっちゃけ、俺は野球歴中学からだし、火神っちは才能の開花が遅かったのもあって、俺ら2人はキセキの世代の中でも下っ端の方だったんで、好んでやり合いたい相手ではないっすけど、倒す準備は対戦が決まった時から出来てるっす!」
笠松「そんなとこまで聞いてねえ‼︎」
笠松の蹴りが炸裂する。
黄瀬「痛え!ちょっと、それってスカウトされてきた期待のルーキーにする事っすか⁉︎」
笠松「うるせぇ‼︎てめえは聞かれた事だけ答えりゃいいんだよ‼︎」
黄瀬「すいませんっす…(泣)」
笠松(まあ、何にしろ、油断は出来ねぇって事だな…)
「頼むぞ、真田!」
真田「うっす!」
『1番、キャッチャー、伊月俊君。』
伊月が左打席に入る。
笠松(よし、じゃあまずは…)
笠松が出したサインに真田が頷く。
大きなフォームから放たれた1投目はインコースへのストレート。伊月は見送るもストライク。
小金井「結構速え…140は出てんじゃねーか?」
結城「あゝ。だが火神の球を受けてる伊月からしたらそうでもないんじゃないか。」
その言葉通り、伊月はインコースへの3球目を振りにいったが、そのボールは伊月の方へ抉りこんで来た。
伊月(なっ…‼︎)
完全に詰まらされた打球はショートのポジションに入っている黄瀬の元へ。
小金井「いや、案外いいところに行ったか!」
黄瀬(この程度…なんでもないっしょ!)
黄瀬は三遊間の弱い辺りをサード大前に合図を送り退け、素手で捕るとそのままランニングスローでアウトにした。
小金井「なっ…」
「てか、それより今のボール…」
リコ「ええ…カットボールね…」
「真田君は140㎞を超えるストレートとツーシーム、カットボールと高速シュートを武器にして、インコースを強気に攻めるムービングボーラー。見事に彼に詰まらされたって所ね。でもインコースへの投球が主体だから的を絞ってしっかりと狙っていけばヒットは出るはずよ。」
しかし、続く2番白州(2年、中堅手)、3番武田(3年、三塁手)も同じく詰まらされてショートゴロに倒れた。
リコ「これは…」
景虎「あのキャッチャー…うまい具合に詰まらせてショートゴロになるように配球してやがる…これは黄瀬の守備力を信頼したリードってことか…」
火神「まあ、でもこんくらいされた方が面白え…‼︎俺も海常打線を封じてやる!」
津川「頼んだぜ火神!俺は高校野球デビュー打席でホームラン打つ予定なんだ、その前にムード悪くすんなよ!」
火神「へっ!よく言うぜ。じゃあ行くぞ!」
津川「おうよ!」
2人が走って行く姿を見て、結城達から思わず笑みがこぼれる。
伊月「あの調子だったら大丈夫だな。」
結城「あゝ。よし、行くぞぉ!」
「「おう!」」
ついに海常戦が始まった。次回、黄瀬と火神が直接対決‼︎