それでは、どうぞ!
夜の博麗神社――――
そこには、今回の異変に関係した者は勿論、関係のない人妖もやって来て、酒を呑んで騒いでいた。
「お酒ー!」
という声や、
「ちょっと、それは私の……!」
などという声が響いており、賑やかな雰囲気だ。すると、何者かがやって来る音がした。
階段を登る音と、恐らく錫杖だろう、シャランという音が、そんな賑やかな博麗神社に響いた。
その音が聞こえるからか、騒いでいた者達の声もいつの間にか無くなり、静かになった。やがて、その錫杖の音が近くなり、男の姿が見えた。
「ここ、でいいんですよね。」
男は、優しい声で呟いた。そして、辺りを見回す。その度に、特徴のある、金色が僅かに混じっている紫の髪が揺れる。
この男が、聖命蓮。今回の異変を起こした張本人である。
「やっと来たわね。天零、酒を持ってきて。」
霊夢が、命蓮の姿を認めると、天零に言った。天零は頷くと、博麗神社の中へと入っていき、すぐに酒を持ってくる。
「んじゃ、全員揃ったし……。始めるんだぜ、霊夢。」
魔理沙が、盃を持って、霊夢に言った。霊夢は頷き、
「皆、それぞれの飲み物が入った物を手に持ちなさい。」
と全員に言った。そして、
「それじゃあ、異変解決を祝って……乾杯!」
と大声で言って、盃を上に持ち上げる。すると、そのあとに全員が、
『かんぱーい!』
と大声で言って、宴会が始まった。
「それでは、まず……命蓮、どうして、こんな異変を?」
白蓮が、命蓮の近くに行って、聞いた。命蓮は、少し顔を背けたが、すぐに白蓮を見ると、
「純粋に、姉さん達が心配だったんです。果たして、生きていけるような力を持っているのか……それが気になったんです。ただ、姉さん達に会う前に、魔王に体を乗っ取られて……。そして、異変を起こしてしまったんです。どうやら、魔王は異変を起こして強い力を持つ人を見付け、体を乗っとるのが目的だったようですね。」
と異変を起こすまでの経緯を説明した。白蓮は、少しの間黙っていたが、やがて笑みを浮かべると、
「……なんにせよ、また会えてよかった。お帰りなさい、命蓮。」
と命蓮に言った。命蓮は、笑顔で、
「はい、ただいま。姉さん。」
と答えた。
「聖達の方は、問題無さそうだな。」
しばらく白蓮達の方を見ていた魔理沙が呟いた。すると、近くにいた霊夢が、
「そうね。」
と答えた。そして、盃を横に出した。すると、すぐ近くにいた天零が、酒を入れる。
「一緒にいいか?」
翔太が近付いてきて、そう聞いた。魔理沙が頷くと、「ありがとう」と礼を言って、近くに座った。
「色々、驚きだったよ。まさかこんな世界があるなんて。」
翔太が、お茶を飲みながら、そう言った。霊夢は、首を傾げて、
「そんな驚くことかしら?」
と聞く。翔太は頷くと、
「少なくとも俺にとっては、驚くことばかりだったよ。」
と答えた。霊夢は、「ふーん」と言って、酒を呑む。そして、なんとなく辺りを見回した。
酔っ払ってぐちぐちと何かを言っている妖夢、そして、笑いながら白夜が話を聞いている。
明らかに酔っ払っている早苗と、我関せずで水を飲む瞬破。
四季映姫に説教されつつも酒を呑む小町と、呆れた様子で酒を呑みながらそれを見ている善。
レミリアの側にいて、言うことを聞いている咲夜と、フランの相手をしているシェード。
てゐを追いかける鈴仙を、永琳や輝夜と共に見ている晴蘭など、異変が起きたあとだとは思えない程、皆楽しそうな様子だ。すると、翔太が、
「それじゃあ、俺も行くよ。」
と言って、立ち上がった。魔理沙が、
「もういいのか?」
と聞くと、翔太は頷き、
「そろそろ戻らないと、怒られるからな。」
と言って、その場に出来たスキマに入る。
「じゃあな。もし機会があればまた会おう!」
翔太がそう言うと、スキマは閉じた。そして、新たなスキマが出来て、紫が現れる。
「……この世には、色々な世界があるのね。」
霊夢が呟いた。すると、紫が、
「そうね。同じような姿の幻想郷でも、こことは違うもの。それぞれの幻想があるのよ。」
と返した。魔理沙は、笑顔で、
「もし行けるなら、他の幻想郷にも行ってみたいな。」
と言った。すると、天零が苦笑いをしながら、
「行けることはない、と思いますよ?」
と返した。すると、それを聞いていた者達が、一斉に笑い出す。それが連鎖して、どんどん笑い声が繋がっていく。
神社には、楽しそうな人妖の笑い声が響いた。
はい、というわけで……。詳しいことは、活動報告にでも書こうと思うので、ここでは短めに……。
これにて、東方日常話は、完結となります。もしかしたら、番外編を書いたり、他の方とのコラボでキャラクターは出るかもしれませんが、一応本編は終わりです。
ここまで読んで下さった皆様、本当にありがとうございました。
それでは。