重荷を斬る!   作:聖獅

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※少々残酷描写があるのでご注意ください。


過去に斬られる

インクルシオで透明化したタツミが門番の一人の首を絞め落として気を失わせる

アカメはそれを見て頷き、部屋に入る。

 

「なんだてめぇ」

ガードの手下二人が匕首を持ってアカメの前後に陣取る

アカメは右足を後方に引いたかと思った瞬間、抜刀し後方敵を首から下へ斬り、間髪入れずに前敵を逆袈裟で斬る。

帰り血が浴びぬよう直ぐにその場を離れ首領に突進する。

 

「ちっ、反対派の刺客か!?」

その男は銃を抜き、突進するアカメに引き金を引こうと・・・したその時、透明化したタツミがその腕を極め銃を奪う。

 

「なっ!?どうなってんだ!」

 

「お前は一刺しで終わらせない・・・葬る・・・!!」

 

アカメはその男の下腹部に刀の村雨を刺した後、抉る・・・その後、腹から抜いた後、十字斬りに相手を葬る。

 

透明化を解いたタツミが安堵の表情でアカメを見る。

 

「・・・・!?・・・・」

 

アカメは殺した手際を見られた事に気まずさを覚え、村雨を後ろ手に隠す。

 

「・・・・・・・?」

タツミは一瞬怪訝な顔をしたが、アカメに逃走を促し自身も再び透明化しその場から去る。

 

 

 

 

屋敷から離れた森林

 

 

 

「アカメ・・・」

 

「タツミ・・・」

タツミに抱きつくアカメ

 

「・・・悪いな、アカメ・・・なんか今回もお前に殺させてしまって・・・」

 

「良いんだ・・・タツミ・・・、私が無理に言った事なんだ・・・タツミにはこれ以上もう人殺しをさせたくない・・・」

 

「いや俺だって手伝っている以上、同罪だって」

 

「それでも・・・これは私の我儘だ・・・タツミの手をこれ以上・・・これ以上血で汚れて欲しく無い・・・」

 

「アカメ・・・お前・・・」

 

「タツミ・・・タツミの匂いがする・・・」

 

「ん?ああ・・・そうか?・・・自分じゃ判らないな・・・、そんな臭うかな?」

 

「良いんだ・・・落ち着く・・・」

 

「・・・///・・・ああ、そうだ」

タツミは先程、アカメが自分の殺しを見られたのを恥ずかしがったのは何故か聞いてみた。

 

「・・・タツミは、そういう所はやはりまだ鈍いな・・・」

 

「ああ・・・すまん・・・」

 

「ふふふ・・・、私だって女だ・・・余り夫にあんな所見られたくない・・・」

 

「ん?だって今まで一緒に仕事した事あったろ?」

 

「あの時はまだ夫婦じゃ無かったし・・・それにタツミを異性として見無いようにしてたから・・・でも今は・・・」

 

「・・・悪かったよ俺が・・・鈍かった」

 

「ふふふ・・・」

 

 

 

 

 

翌朝

 

「じぃ~~~~~」

 

「・・・・・・・」

 

タツミは近所の主婦達から頼まれた仕事、包丁や鍋等を研いだり叩いたりこなしている。

 

「じぃぃぃぃぃ~~~~」

 

「あの、アカメさん?」

 

「なんだ、あなた?」

 

「なんでさっきから俺の背後でこっちを見ているんだ、しかも柱の横からこちらを覗いて」

 

「妻とは夫を影ながら支えるもの聞いたのだが・・・」

 

「・・・いや、その影ながら支えるのは良いんだが、何もずっと見て無くて良いんだぞ・・・」

 

「それではタツミの妻にならない!」

 

「・・・・・・・・」

 

タツミは頭を抱えた

 

 

村落広場にて

3人の村の女性に研ぎ物や鍋を渡しているタツミ、タツミはナジェンダに念の為、死亡扱いにして貰っているが・・・偽名を使う事にしている。

 

「もう~“タツト君”、この3日間何処言ってたの?」(CV・明坂)

 

「ちょっと隣の町まで材料の調達にです、ええ」

 

「そうなの~、タツト君はあたし達の共有財産なんだから、変な所で長居しちゃ駄目よ」

 

「あはは、気を付けます」

 

「あ、そうそう奥さんとはどうなの?うふふ」

 

「ええまあ、普通に」

 

「ちょっとアケコさん、駄目よそんな事聞いちゃ・・・若いんだから・・・ねぇ?」(CV・水野)

 

「・・・え?ええ・・・いやいや」

 

「うふふ、そうよねぇ・・・あたしったら、ふふふ」

 

「ところで奥さんのお名前、確かイカムスメちゃんだったかしら?」(CV・田村)

 

「・・・・・・」

 

「違うわよ、何言ってんのよ!イカメラさんよね?」

 

「・・・・・・・・・」

 

「人の名前を間違えるなんて失礼よ、貴女方!ガメラちゃんよねえ?」

 

「・・・いやあ、あのですね 『あんたらわざとやってのかよ!!!何一つ合ってねえよ!』・・・アオナって言います。あいつ人見知りする性質でして、まぁ仲良くしてやって下さい・・・」

 

「あら?恥ずかしい!!・・・もう早く言ってよ・・・もう」

 

タツミは彼女達と適当に談笑し・・・

 

「そういえば、帝国が崩壊して新しい政府に変わったんだって・・・良かったわね、でも本当によくなるのかしらねえ・・」

 

「前の時よりは少しはマシなんじゃないの・・・?」

 

「そういえば・・・帝都に居た殺し屋・・・確かなんとかレイドだったかしら・・・、全員処刑されたって聞いたけど、どうなのかしらねえ」

 

「あら、あたしは、新政府軍の下で今も暗躍してるって聞いたわ」

 

「ええ?あたしは“アオメ”って女だけ生き残って逃亡してるって聞いたわ・・・怖いわね―」

 

「・・・・・・・・」

 

「タツト君なんか聞いて無い?今まで旅してきたんでしょ、帝都に行った事無い?」

 

「・・・え?ああ・・・、僕はそのなんとかレイドは革命の時の争いで全員死んだって聞きましたよ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、今日は何を作ろうか・・・む?」

 

矢文がアカメが歩いていた木の直ぐ傍に刺さる

 

「・・・・・・『今夜、○○時来られたし・・・殺されたコウギの娘』

 

アカメは周りを警戒したがもう、気配は無い。そして、その文を読み反芻した後、破り捨てた

 

『・・・いつかこんな日が来るとは思ってた・・・とうとう来たか・・・、短い間だったが私の人生で夫、タツミと過ごしたこの期間が今までで一番幸せだったかもな・・・、所詮私は暗殺者・・・人並みの幸福は無理な話か・・・でも、タツミと二人で暮らして、やがてタツミ似の可愛い子供が出来て・・・そして・・・ううう』

 

アカメは歩きながら考える・・・。

 

『私は生き残ってしまった・・・、今更この暗殺稼業から足を洗ってタツミと二人で普通な生活なんて・・・、タツミはああ言ってくれたがやっぱり無理だ・・・。そんな事したら、帝国時代の死んでった仲間やクロメ・・・殺したく無かった親しい人や、それに、ナイトレイドの皆に申し訳が立たない・・・やはりタツミと別れた方が・・・』

 

「優等生?何深刻に考えてんのよーあんた本当に真面目よねーあたしのタツミ取ったのは許せないけどあたしが許すから、さっさと足洗って子供作んなさい?」

 

「アカメ、お前タツミと・・・、くぅぅぅぅ・・・なんか息子を送り出す父親ってこんな感じなのか?幸せになれよ・・・ううう」

 

「良かったですね・・・アカメ、タツミ・・・心からお祝いしますって、あれ・・・眼鏡、眼鏡?」

 

「お前にはもっと料理を教えたかった・・・それと自制心もな・・・残念だ。だが、ま、これから頑張れよ二人とも」

 

「なぁアカメちゃん、ナジェンダさん一人身?・・・え?ひょっとして俺に操立てて・・・くううう・・・でもまあ二人とも幸せにな!」

 

「親友!大丈夫だって、あんたら二人の未来はあたしが保証するって・・・でも先にあたしが唾付けてたのに・・・あの時油断せずに生き残ってたら・・・あたしルート突入だったのにぃ・・・くやしー!って訳だからあたしの分も幸せになれよ、アカメ!」

 

「あたしもあの時、深追いしてなかったらなぁ・・・、あたしもタツミの事好きだったんだよね・・・ちょっち悔しいけど・・・ま、二人なら大丈夫っしょ」

 

木にもたれ腰を落ち着けて少し休もうと思ったアカメはいつの間にか少しの間眠っていた。

「ん?今のは夢?・・・ふっ、所詮夢での皆の言葉は私の都合の良い妄想か・・・」

 

アカメは他に思い出深かった仲間の事や手に掛けし親しかった人の言葉を思い出す・・・。

 

 

 

 

「只今・・・」

 

「おお、アカメ・・・どうした、何かあったか?」

 

「ん?ああ、もう腹が空いてしまって・・・」

 

「あはは、どうせそんな事だろうと思ったぜ、待ってな今作ってやるからな」

 

「ああ・・・、頼む」

 

夕餉をすませ

 

「ご馳走様・・・」

 

「ああ、お粗末様・・・足りなかったか?」

 

「ん?ああ、いやいやそんな事無いぞ。旨かった、流石私の夫だ」

 

「んん?ああ・・・そうか、ははは・・・ところでアカメ?」

 

「・・・ん、なんだ・・・あなた?」

 

「何か俺に隠しているだろ?」

 

「隠している?・・・そんな事は無いぞ!」

 

「嘘つけ・・・さっきからちょっと変だぞ」

 

「はぁ・・・やっぱりタツミには叶わないな・・・実はまだ食べたり無くて・・・」

 

「ああ、やっぱりなぁ、どうせそんな事だろうと思ったよ・・・しょうがねえ、アカメが好きそうな危険種狩って来るからちょっと待ってな」

 

「いいや、良い!あなたはここで待っててくれ・・・私だけだ、まだ物足りないのは、なにそんなに経たずに帰ってくるさ」

 

「・・・そうか?判った、じゃあお前の事だから大丈夫だと思うが気を付けてな」

 

「ああ、判った♪」

 

 

指定された場所へ向かったアカメ

そこには片目を眼帯で隠し紺碧色の髪を後ろで束ねた忍び装束の女、ジャノメが立っていた、アカメと余り年は変わらないようだ。

 

 

「・・・・・・・・」

 

「来たな、かつて帝都の狗として暗躍した暗殺者・・・」

 

「お前か・・・あの手紙の送り主は・・・」

 

「ああ、父の仇だ・・・アカメ死んでも貰うぞ」

 

『・・・コウギ・・・確か私が帝国に居た頃に・・・手に掛けた・・・そうか、あいつの・・・』

 

アカメは村雨を腰から鞘ごと抜き地面に置き正座する

 

「・・・?・・・何の真似だ!」

 

「私にはお前に弁解する気は無い・・・」

 

「殊勝だな・・・、良いだろう・・・遺言代わりにお前の言い訳でも聞いてやる」

 

「・・・お前の父、コウギは確かに私が殺した・・・」

 

「ああ、お前が殺したのは調べが付いている・・・」

 

「ばれないように、足が付かないように・・・帝国の暗殺組織が上手く処理したはずだがな・・・大したものだな、あんた」

 

「あたしを怒らせる気か!」

 

「すまん・・・、あの時、あんたの父は帝国に反旗を翻す逆賊として私達の標的になった。・・・争いの火種を起こす輩と教えられ暗殺される事になった・・・」

 

「くっ・・・お前ら帝国が何をして来たか判っているのか!?」

 

「ああ・・・。今ならもうよく判っている・・・、だから私はナジェンダという元帝国将軍に従って革命軍に入った・・・」

 

「ナジェンダ・・・革命軍・・・、そうか・・・帝都政府を脅かした暗殺者集団の話は聞いていたが、まさか・・・」

 

「・・・・・・・・、今の革命軍の暗殺部分は私が全て行った事だ・・・」

 

「・・・・・噂には聞いていたが、まさかお前が帝都市民から暗殺依頼を受けてたとはな・・・、帝国が長く持つまいと見て、反乱軍に鞍替えしたか・・・」

 

「違う!!帝国に居た頃の私は只の暗殺者だった・・・だが、革命軍についてからは自らの意志で・・・いや、民からの依頼以外、或いは革命を成功する為以外の暗殺はもうしていない!」

 

「だけど・・・、あんたは私の父を殺した事実に変わりは無い・・・あの父に不正があったとは思えない・・・」

 

「ああ・・・それについては、弁解しようが無い・・・」

 

 

「・・・・・・・・・」

少し離れた木陰でタツミが二人のやりとりを見守っている。

 

 

 

「あんたが例え少しはマシな方に付いてやった殺しだって、ひょっとしたらいつかそいつも改心したかもしれないじゃないのか?・・・」

 

「確かにそうかもしれない・・・だがそいつを生かした事でより多くの人が死んでいくか苦しむのを黙って見過ごす訳にもいかない」

 

「・・・ふっ御託はもう良い・・・覚悟は出来ているな・・・」

 

「ああ・・・人殺しの自分だ・・・いつか殺される日が来るのも覚悟している・・・」

 

「良い心掛けだ・・・あの世で父上に詫びな!」

 

ジャノメは剣を振り上げる。アカメは姿勢を正したまま微笑み目を閉じる

 

 

「・・・・!?」

出ていくかそれとも黙って見過ごすか葛藤するタツミ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後・・・

 

その場所に居たのは倒れたアカメだけであった・・・。

 

「うっ・・・・・、痛っ・・・」

気が付いたアカメは自身の両手の小指、薬指がもう使いモノにならない事を悟った・・・。

 

「私はまた生き残ったのか・・・生かされたのか・・・とはいえ、もう剣士としてもお終いだな、或いは殺し屋としても・・・ふふふ」

アカメの自身の言葉通り、体幹の力を生かすには残った指では難しい為、例え残った指で刀を振ったとしてももう・・・相手が強ければ不利は絶対。・・・だがそれでも彼女は何処か満足気であった。

 

 

 

村落の二人の家

 

「・・・・・・・」

 

「おお、アカメ・・・どうした?遅かったな?」

タツミは料理を作りながらアカメの方を振り返らず話している

 

「ああ・・・、かなり手強い危険種だった・・・だから取り逃してしまった」

 

「そいつはアカメらしく無いな・・・まぁしょうがねえから村のオバさん達にちょっと分けて貰ったんだ、だから少し待ってな」

 

「ああ・・・・」

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・タツミ・・・すまない・・・」

 

「・・・なんで謝るんだ・・・?」

 

「・・・いやなんでもない、なんでも無いんだ・・・ふふ」

諦観な表情で微笑む

 

「・・・・・そうかい、じゃ冷めない内に食べてくれ」

 

「ああ、頂きます・・・美味しい・・・」

 

タツミはアカメの手の異変に気が付くのだが、

「だろ?ちょっと出汁を変えてみたんだ」

 

彼は笑って答えた。

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