重荷を斬る!   作:聖獅

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この話はタツミ無双、“反逆の旋律が聞こえる”の後の話です。
タツミは上記話とは異なりエスデスとはそこまで親密では無く・・・という設定でチェルシールートです。
原作準拠ルートでは無いので期待に沿っているかは判りませんので悪しからず!

他、マイン等でも時間を見付けてアップしたいと思います。



理性を斬る!前篇

事の発端はボリック暗殺の命を受け、タツミとチェルシーが虚六に向かったのだが・・・当のボリックは既に別の国で重労働させられていて、もうこの国にはいない・・・。

帝具シャンバラを使い虚六にあるかつてのボリックの部屋で帽子でも取って帰ってナジェンダに出せば暗殺成功したと納得させて済むという簡単な仕事であった。

とはいえ、1日で済むそんな仕事も流石に早過ぎると彼女達に怪しまれるという事でチェルシーが飛行型の危険種で物見遊山をしながら向かいたいと言い出した。その危険種の背中に乗りながら・・・。

 

「うふふふふふ・・・、ふふふうふふふふ」

 

「あのーチェルシー?そのー、片腕にしがみ付かれると関節技極められるんじゃないかとドキドキするんだが・・・///」

 

「んもう!あたしがそんな事する訳ないじゃない!・・・うふふふふ・・・///」

 

「・・・・・・・・・・・・・///」

 

「・・・実際、タツミはさぁ、結構女の子にもててるよねー・・・」

 

「・・・そうか?」

 

「そうだよ!・・・知っている癖に知らない振りするんだから・・・性質(たち)が悪いよ!」

 

「・・・・・・」

 

「例えば、エスデス・・・あいつは絶対そうだよ・・他はマインやアカメちゃん、場合によってはレオーネも油断できないね」

 

「・・・そんなにもててるたぁ、男冥利に尽きるなあ、ははは・・・って痛て!!」チェルシーはタツミの首に噛みつく。

 

「・・・もうー・・・、なんでこんな女コマシ好きになっちゃったんだろ?」

 

「い?お前、俺の事好きだったの?」

 

「え?鈍感なの?わざとなの?どっち?」

 

「ん、いやぁ・・・俺、お前も言った事守らんと殺すって言ったから・・・もうそれで冷めたと思ったんだが・・・」

 

「あたしが悪かったらタツミに殺されても良いよ・・寧ろタツミになら良いよ・・・でもタツミの言う事守るから殺されないもーん!」

 

「・・・あんた凄いな・・・」

 

「うふふふ・・・///・・・それで・・・エスデスやマイン達の事どう思ってんの?そろそろはっきりさせて欲しいんだけど・・・」

チェルシーはタツミの腕を握りしめながら顔を覗き込む。

「言っとくけど、使い捨てのコマだとか言って照れ隠しはもうあたしには通じないからね・・・!」

 

「・・・くっ・・・、判ったよ降参だ・・・、エスデスは初めの頃は変わらないようなら問答無用で殺すつもりで居たが・・・あいつ、弱肉強食なんて言っているが・・・本当は・・・そう思い始めると可愛い奴だなと・・・」

 

「・・・・・・・(イライラ)」

 

「そんな怖い顔すんなよ!」

 

「・・・続けて・・・」

 

「マインは・・・あいつと居ると子供の頃に返ったようなそんな楽しさがあるな・・・悪くは無い・・・」

 

「・・・・・・・」

 

「アカメとは・・・あいつには向上心があって真面目だからな・・・今度ゆっくり語り合ってみたいと思う時もある・・・」

 

「・・・・・・・・・」

 

「レオーネは・・・『あの胸に時々目がいく・・・なんて言ったらもの凄く怒られるから黙っておこう・・・』・・・ノリが良いのが良い所だ・・・あの姐さんとはまだそんなに親しくないぞ?」

 

「・・・・・・ふ~~ん、じゃああたしは?」

 

「・・・・・・さぁな・・・」

 

「なんで言ってくれないのよ!」

 

「言わなきゃ判らないなら・・・判るまで考えてくれ・・・言ってくれなきゃ嫌ならそういう男を探してくれ」

 

「むーーー!・・・じゃあタツミ本人は貴方はどうなの?あれだけ女の子が気があるのになんで手を出さないの?」

 

「・・・・・・・・」

 

「前に帝具を壊す事が目的って言っただけど、それとこれとは別じゃないの・・・?」

 

「なんで俺が手を出さない・・・か?」

 

「・・・そう、せめてそれぐらい教えて」

 

「殺し屋の中にも子供作っている奴もいるが・・・本来、俺達みたいな存在が・・・人の命奪って子供作るなんて滑稽だと思わないか?」

 

「・・・・・・・この仕事を続けた限りは家庭持ったり子供作っちゃいけないってこと?」

 

「それがせめてもの手に掛けた者達への償いと言うほどでもないが・・・・・・ケースバイケースだが、戦争で殺した場合はどうなのかと、本来なら軍人もそれに当てはまってもおかしくないな」

 

「・・・玉の輿狙ってた頃のあたしが懐かしい・・・」

 

「俺は他の理由もあるんだがな・・・」

 

「・・・なに?教えて」

 

「自分らしさだな・・・」

 

「自分らしさ・・・?」

 

「子供作って一体何になるんだろうな・・・ってな・・・仲間を増やす人口多い方が経済が回る・・・、後輩がいるから先輩になる。子供がいるから親になる・・・という人間的成長もあるんだろうが・・・どうもなぁ・・・帝都のただれた現状を見ると子供を作るのは良い事なのか・・・と思うんだ」

 

「・・・・・・、そんな世界は早く終わらせたいね・・・」

 

「・・・別に罪に問われるレベルじゃ無いが、その子供が生きていくのだって、生物を殺して食って罪を負う・・・どうもそれを考えるとなぁ・・・」

 

「それでも、立派な人に育つなら・・・ね?」

 

「ああ、俺もそう思う・・・立派に育つなら良いんだが・・・。でも俺は自分らしさを考えると家庭を持つ気も無いし子供を作りたくも無い・・・、チェルシーも無事生き残ったら家庭作りたいという奴と一緒になれば良いだろ・・・。」

 

「・・・あたしはもし死ぬ時が来たら子供や孫に看取られて死にたいな・・・」

 

「・・・あはははは、そりゃあ良いや・・・暗殺者らしくない台詞だな?・・・俺は、一人でどこかその辺で野垂れ死にでも悪くは無いと思っている・・・死ぬ時が来たら誰にも知られずにひっそりと逝きたいもんだな・・・」

 

「・・・なんかタツミって、実は根っから殺し屋タイプだったりするの?」

 

「さぁな・・・」

 

「ところでさぁ、タツミって嘘吐きだよね?」

 

「ん?んんん?何でだ!?」

 

「だって、そうやって俺は孤独を愛してるんだとかなんだかんだ格好つけてさ・・・今度は一体誰と浮気してんのよ!?」

 

「いやいやいやいやいや!!人聞き悪い事言うな!これは本当に本音だ・・・今まで嘘も付いて来たがこれは本当に本音だ!」

 

「タツミがむっつりスケベなのは皆判ってんだから・・・あの時、皆に胸押し当てられて鼻の下伸ばしたのちゃんと判ってんだからね!」

 

「・・・!・・・ああ、あの時の事か・・・あれは不、不可抗力だ!」

 

「ほらやっぱり!どうせタツミの事だから、上手い事言って皆にはお互い知らない素振りにさせて・・・本当は女の子達全員に手出してるんでしょ!」

 

「・・・お前・・・本気で怒るぞ!俺がそんな事する訳無いだろ!・・・大体俺がもし選ぶとしたら一人だけだ!」

 

「・・・そ、そうなんだ・・・ふふふ、良かった・・・///」

 

「・・・ん?・・・まさか・・・チェルシー、お前・・・」

 

「・・・うふふ・・・そう、・・・貴方の思った通りだよ・・・タツミ君・・・」

 

「チェルシー!!!」

 

「あはは、捕まえてご覧!!」

危険種はもう地面近くまで降りて来ていたというのもあり、チェルシーは地面に飛び降り逃げだした。タツミも直ぐに危険種を降ろさせ適当な所に繋がせた後、追掛ける。

 

「待ちやがれー!」

 

「あははははは」

 

彼女は漁村に逃げ込む。

 

「ったく、何処行った!!・・・あいつが帝具使って隠れられたら流石に難しいな・・・、御老・・・御婦人、ここに飴咥えたロリ顔BB・・・女は来なかったか?」

 

「・・・さぁねぇ・・・、見かけんねぇ・・・」

 

「ああ、有難な・・・『ったく何処行ったあいつ?』

 

タツミは去って行く・・・。

 

「・・・・・、お姉さん行ったよ・・・あんた追われているのかい?」

 

「有難ね・・・う~ん、白馬に跨った死神に追われているようなものかな?『・・・それにしてもタツミ、誰がロリ顔BBAよ!・・・』」

 

「・・・なんだかよく判らないけど・・・あのお兄さんの事が好きなのかい?」

 

「え?///・・・あはは、御婆さん・・・初対面なのに直球だねえ・・・」

 

「あっひゃひゃっひゃ・・・、職業柄ねぇ・・・、どうだいお姉さん、ちょっと占ってみないかい?・・・安くしとくよ」

 

「ん~~、じゃあ試しにやってみようっと」

 

水晶玉に手を当てて何やら念じ始める。

「どれどれ・・・う~ん、お姉さんは普通の仕事じゃないねぇ」

 

「・・・・・・」一瞬鋭くなる目付き・・・「・・・ええ~そう見える?実は夜のお仕事でしてね~~」

 

「はぁ~あ、まぁあたしも若い頃は・・・」

 

「ええ!?お婆さんもしてたの・・・?」

 

「なんだい悪いかい?あたしだってこう見えたって若い頃は」

 

「ああ~凄いね御婆さん・・・若い頃は男とっかえひっかえだったんだろうねえ」

 

「そうそう・・・おっと、話が逸れたね・・・ええ、あのさっきのお兄さんとの行く末だねぇ・・・ああ、止めといた方が良いよ・・・、良く無い兆しが出てるねえ」

 

「・・・・・・・」

 

「お姉さん・・・悪い事は言わないよ・・・早くあの兄さんとは・・・別れた方が良い・・・不吉な予兆が出てるよぉ・・・」

 

「不吉な予兆ねぇ・・・上等!・・・どうせ片足は死神に委ねているようなものだからね♪」

 

「・・・・・、良いねえ若いって・・・どうだい、そんなにあのお兄さんに惚れているなら良いモノあげるよ・・・」

 

「なになに?」

 

「・・・それと、一応・・・忠告はしておいたからね・・・」

 

「・・・?」

 

 

漁村の民宿に泊まり、その一室で寝そべっているタツミ。

そこに一匹の猫が迷い込んでくる。

 

「にゃーお・・・」

タツミに擦り寄り甘えてくる。

 

「・・・・・・・、チェルシーあんた何やってんだ?」

 

帝具の変身を解く。

「にゃーん・・・、えへへ、やっぱばれてた?」

 

「チェルシーの部屋は別に取ってあっからそこで寝な」

 

「は?・・・一緒に寝るんじゃないの?」

 

「良い年した娘がどこぞの知らない男と同室するんじゃありません・・・俺はお前をそんな子に育てた覚えは無い!」

 

「お父さんがあたしをこんな娘に育てたのよ・・・ねぇ責任取ってよ、禁断の愛に走ろうよ・・・とまぁ下らない会話は置いといて。それよりも良いモノ買って来たから呑んでよ」

 

「なんだそれ?」

 

「結構美味しい果汁なんだって」

 

「ふ~ん、よし呑んでみよう」

 

「・・・どう?」

 

「・・・・・・・なんだこれ?確かに美味いが・・・んん?・・・」

タツミは前後不覚になり足元が覚束無くなる・・・。

 

「おい、チェルシー本当になんだこれ・・・」

 

「ええ?・・・媚薬入りお酒じゃないの・・・?」

 

「媚薬なんてあるか・・・!違うぞ・・これは・・・しび・・・れ薬だ・・・」

 

「・・・!」

 

 

部屋の戸が開き

 

「・・・お姉さん、だから別れろって言ったんだ・・・」

 

「貴女はさっきの・・・どういう事?」

 

「あんたら帝具持ちじゃないのかい?・・・どうも妙な連中がこの辺に来たと聞いたんだが・・・危険種を操っている所を見るとその可能性ありとね・・・お前ら殺して奪っちまいな!」

 

武装した集団が何人も周りを囲み、近付いてくる。

 

斧を持った男がタツミに振り下ろす。

 

「いやぁ!」チェルシーは悲鳴を上げる。

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