艦隊これくしょん~鶴の慟哭~   作:エーデリカ

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E5甲が終わりません、それでも随伴艦轟沈かつ水鬼大破まで4回は成功してます。

あの時同航戦なら終わってた。そんな場面が何回もありました。

まだ諦めません。



高峰&青葉ペアの活躍がもっと知りたい方。

オーバードライブ様の「艦隊これくしょんー啓開の鏑矢ー」
PREQUEL 02 防壁迷路の間に落ちて を是非お読み下さい!



さて、随分とお待たせしてしまいました。冬イベ編開始します!


二章-4 Midnight sun's bell

『4年前の白夜の鐘事件。ベーリング海での日米露の合同作戦だったな』

 

「構成されたのは、主に老朽艦と艦長が一癖ある護衛艦やらでの戦闘だった」

 

『各国も艦娘の配備もままならず戦況は悪化、作戦を放棄せざるを得なくなった。司令部は最後っ屁に、B61を搭載した戦闘機で核の雨を降らしたって訳だ』

 

「プライドのドの字も捨てたくなかったんだろうね」

 

でもそれって関係あるの?という問いに対して、まぁ待てと高峰。

 

『ここで瑞鶴の件だ。本人が名前すら覚えてないって話だったが、DNA鑑定等のデータは残ってた。それもセキュリティレベルが佐官クラスを上回るくらい厳重に管理されてる』

 

一般人が実はびっくりのVIPだね。

 

『戦闘の半年前、彼女の祖父が失踪していてな。調べて驚いた―――その“白夜の鐘”に最後まで反対していた将校だったんだとよ。おまけに、当時中佐だった彼女の父親も獄中死してるときたもんだ。家族も殺されてるな、これは』

 

「・・・何で彼女だけが生き残ってると思う?」

 

『・・・艦娘の適性があったからだろうな。告発がないように事件の隠蔽もしたかっただろうが、みすみす戦力を失う訳にはいかなかったんだろうよ』

 

となると・・・

 

「―――記憶喪失は投薬、あるいはマイクロ波でチンでもしたのかな?」

 

『まぁ彼女自身は実は覚えてて、今か今かと牙を剥くかも知れないけどな』

 

「上層部にとって都合が良いように改竄・洗脳されている可能性もある」

 

『“家族は深海棲艦のせいで殺されました”ってか・・・笑えない冗談だなオイ』

 

確かに気持ちの良い話じゃないのは、同意するよ。

 

『そして、彼女のブーゲンビル島沖の独断専行。今は中将で、どっかのお偉いさんやっているらしいが―――当時の少将は沈める気が満々だったらしいな』

 

あの少将、前から気に入らなかったけど、そこまでやるのか。

 

「新しい“瑞鶴”が見つかったから・・・て事?」

 

『だろうな。不安要素を取り除くには、絶好の機会だった訳だ。何かしらの手引きがあったとしても可笑しくない』

 

場に沈黙が下りる。先に口を開いたのは高峰だった。

 

『俺は今、腹が立って仕様がないんだよ。戦果と保身の為に家族を殺して、挙句の果てには当人まで戦場に送り出して、不要になったら切り捨てたんだぞ』

 

「・・・意外だね。特設調査部にいれば、こんなのが日常じゃないの?」

 

問いに対して、高峰が目を伏せる―――それとこれとは話が別だ―。

 

『・・・最後に一つ聞きたい―――お前は彼女を守れるか?』

 

「―――つまらない事を聞くね。防衛戦は僕の十八番だよ?」

 

例え、5期の黒鳥が全員敵に回ろうが負けないね―――勝てもしないけど―と呟く。

 

『そうだったな・・・なら良い。“せめて彼女だけは”守ってくれ・・・これ以上彼女を孤独にさせないでやれ』

 

絞り出したような高峰の声は、悲しみで揺れていた。

 

 

 

「―――The opposite of love is not hate, it’s indifference. The opposite of beauty is not ugliness, it’s indifference. The opposite of faith is not heresy, it’s indifference. And the opposite of life is not death, but indifference between life and death.」

 

『・・・マザー・テレサか?』

 

「惜しいね。こっちはエリ・ヴィーゼルの方だ」

 

そう―――生の反対は死ではなく、生死に無頓着なことだ。

 

「瑞鶴と違って、言葉の通りなら僕はもう死んでるって訳だ」

 

『らしくないな。お前も死ぬなよ東郷。同窓会(葬式)にはまだ早い』

 

「肝に銘ずるよ」

 

湿った空気を何とかしようとしたのだろうか。空元気な声で青葉―と声を上げる。

 

話を聞いていたであろう。青葉のホログラムが出現する。

 

『呼びましたか?司令官』

 

『お前は、チューク周辺の泊地を回ってくれ。各地の提督がいない今だ。畳み掛けろ』

 

『了解しました!』

 

青葉。聞いておけよ―という念押しの後、高峰が口を開く。

 

『呉の工廠には、廃棄され解体された資材しか残ってなかった―復唱!』

 

『はいっ。呉の工廠には、廃棄され解体された資材しか残っていませんでしたっ』

 

「・・・それで良いのか?高峰」

 

『保管庫ごと爆発で吹っ飛んだんだ、ばれる訳ないだろうさ』

 

―――ひとつ貸しだ、後で上等な酒でも奢ってくれ。

 

そうだね。良い店を紹介してくれよ。

 

『・・・じゃあな白鴉・・・死ぬなよ』

 

「そっちこそね、“幻視の高峰少佐”」

 

あんまり手をかけさせてくれるなよ―そう言い残して、チャットルームが消失した。

 

 

 

 

 

―――もう行くのか?青葉

 

東郷中佐の件も片付きましたし、もう一仕事頑張りますかね。

 

にしても深い霧ですねー。視界が全くありません。

 

周囲を観察すると分かります。気持ち悪い位に静かです。

 

おっかしいですね。そういいながらも舵をきります。

 

 

 

っ!?違和感を察知して飛び退きます。

 

触雷!?どうしてこんな所で!?

 

確認しましたが、目視だけで戦艦ル級flagship、空母ヲ級flagshipが複数。いつのまにか囲まれています。

 

離脱を図りますが、どうもさっきの衝撃で機関部にダメージを受けたようです。

 

迫る艦載機の群れ。

 

 

 

司令官すみません。青葉、帰るのに少し時間かかっちゃいそうです。

 

次の瞬間、空を爆炎が染め上げた。




エリ・ヴィーゼルの引用は大学のレポートでも使いました。

以下意訳です。
「愛の反対は憎しみではなく、無関心である。美の反対は醜さではなく、無関心である。信仰の反対は異端ではなく、無関心である。そして、生の反対は死ではなく、生死に無頓着なことである。」

1986年10月27日、US News & World Reportより



さてさて青葉の運命はいかに!?
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