まぁ瑞加賀と吹雪が可愛いかったので、満足してますが……皆さんはどうでしたか?
『俺は「加賀さんなんて大っ嫌い」「そう(ショボーン)」みたいな瑞加賀を書こうとしたら、いつのまにか景鶴×東郷になっていた。な…何を言っているのか(ry』
R17程度の甘々って、どうやって書くんだろう?
今回も時系列が三章後の予定。いい加減に三章本編を始めたい今日この頃。
この小説は始めるのが一ヶ月遅かったのではないだろうか……。
何気に新提督も登場してます。ロシア語は辞書で引いてますが、かなり適当にやってます(苦笑
幌筵の子鬼――Верныйの誕生秘話が今、明かされる!?
それでは、どうぞ。
So foolish don't repeat the tragedy...
――――私には、艦娘になる少し前までの記憶がない
4月1日。日本国神奈川県横須賀市。国連海軍横須賀港。
朝の陽射しが眩しい横須賀鎮守府にて。改大鳳型1番艦――景鶴は溜息をついていた。
結局あの戦いが終わっても、私の生活が変わる事はなかった。自分の出自や因縁に決着をつけられたと言えば、そうかもしれない。
しかし、忘れさせられた記憶という物が戻って来るものではないのだ。
職員が港内を行きかう中。聞きなれぬ言葉を聞き、その真相を探ろうと情報収集をしているが成果がない――そう、エイプリルフールという言葉である。
今時のご時世ではインターネットなどを使えればいいのだろうが、艦娘に支給されている端末は情報漏洩防止の為に接続できない処理をされている。
かといって、図書館や資料室で見つかる物なのだろうか?そう思って作業を中断した所であった。
とりあえず頭の中から辞書を引っ張り出す。エイプリルは4月だからスルーする。問題はフールだ。
フール【fool】
1:愚か者。ばか者。
2:騙す行為。また、騙される人。
3:愚者。タロットの大アルカナに属するカードの1枚。意味は夢想・愚行・極端・熱狂などを表す「The ―」
……ますます意味が分からなくなってきた。
こういう時には、癪だがВерныйに聞くのが一番だと思う。丁度見かけたので、声をかけてみた。
「なんだい?景鶴」
「ねぇヴェル。エイプリルフールって何?」
「………………それは、私がからかわれてるのかい?」
彼女の表情を見る限り、私の質問はあまり心象がよろしくなかったらしい……。
「
「プリ……えーと、どんな意味だっけ?」
「……こんにちは――って言ってるよ。篠華中佐は」
白髪にも見える雪のような銀髪を後ろに流し、頭頂部から盛大に跳ねたアホ毛。目の色は透き通るような海色。本来は白いであろう肌は、春の日が照るだけで赤みを持っている――横須賀の528駆逐隊の指揮を執る女性提督、篠華=リーナ=ローレンベルグ中佐が人懐っこい笑みを浮かべてВерныйに迫る。
「|Что-что убегать.Верный《シト-シトー ウェヴェガーチ ヴェールヌイ》?(なんで 逃げちゃうのよ? ヴェルは)」
「貴方がいつも。人目も気にせず、私に頬擦りしてくるからだっ!」
一方、いつもの余裕は何処へ逝ったのか。顔をひきつらせて全力で逃げるВерныйの姿がそこにはあった。横須賀に滞在して暫く経つが、あい変わらずロシア語が分からない景鶴はキョトンとしている。
「|Как обычно, так хорошо выглядешь.《カク ポージョバェチターク ハラショー ヴィーグリャヂェシ》(いつも思うけど、ホントに綺麗だよねー)」
「……そろそろ日本語でしゃべってくれ。景鶴も困っている」
「……エー、ゴホン。我が艦隊の秘書艦様はともかくとして……どうしたの二人とも?」
人間のものとは思えない機動力の前に完全敗北し、早々に捕まって諦めているВерный。そして良いようにお人形に出来て、至極ご満悦なローレンベルグ中佐。
彼女は日本で育ったらしく、普段は篠華梨奈と名乗っている。当人曰く『小さい頃の話だが。和名風に名乗るだけで、日本人は態度を変えてくる』だそうだ。彼女が片言ではなく、マスターしている日本語で饒舌に聞いてくる。
「丁度良かった、ローレンベルグ中佐。エイプリルフールって何?ヴェルからは、他の人から聞いたら意味はないって言われちゃってて……」
「いや、篠華で良いってば景鶴ちゃん。それで、情報に飢えているって言うより世間知らずとは東郷クンから聞いてはいたけど……ここまでとはね。その話は何人にしたの?」
彼女の上司である東郷に聞いたら、記憶喪失だと答えた事があったので。まぁ知らない事もあるんだろう――そう、解釈する。まさかこの子に限って、エイプリルフールだからこんな嘘をつく……訳がないか。
「ヴェルに聞いたら、他の人には言うなって言われて今に至るけど……」
「
ヴェル……また厄介事を持ち込んで来たね。してやったり――といった表情のВерный。まぁ良いや、彼女には悪いけどちょっとからかってあげよう。
「そうだなー。エイプリルフールっていうのは…… “普段言えない事や出来ていない事を、思い切ってやってみよう”って日だね」
えっ、そんな嘘を教えて良いのかい!?驚きに目を見開くВерныйに対して、アイコンタクトをする篠華――いや……あながち間違ってはいないし……。
確かに嘘を普段から言ってたら、それは真だから。
「Умная ложь лучше глупой правды(嘘も方便)ってね」
「……何か言った?ローレンベルグ中佐?」
「なーんにも。折角だから東郷中佐と食事でもしてくれば?出征予定もないし、外出許可なら簡単に出るんじゃない?」
まぁこれから頑張ってネ♪――何かを含んだような言葉だったのが引っ掛かる。
しかしВерныйが子鬼と言われるあんな性格になったのは、この女性提督が原因である事。それは、疑いようがない――と景鶴が気付くのは、もう少し先の話である。
嘘も方便。一方で普段から誤魔化すばかりの、嘘も真も区別がつかなくなっている白鴉――東郷はというと……。
「提督さん、一緒に寝よう?」
「!?」
珍しい事に景鶴から『食堂ではなく外食しに行こう!』と言われて、鎮守府周辺を散策。近所の書店で大量に本のストックを確保したり。喫茶店に行ったりで財布の中が寂しい事になったが、もともと散財する性格ではないのでたまには良いかな――とも思っている。
外出前に6年以上も使っている(おまけに修繕も自分でやっている)年季が入った私服を着ていった為、景鶴に服屋に連れて行かれたのは言うまでもない。結構お気に入りの服だったのに……。
離島勤務なのだから、支給される制服やら日用品だけで事足りるのに――と呟くと。彼女はムスッとした表情になった。俺なにか悪い事を言ったかなぁ……。
自分が試着中に、女性店員から満面の笑みで何かを言われた景鶴。しばらく顔を赤くしていたが、上機嫌だったのは何故なんだろう。
話を戻そう。その日の夜。東郷が与えられている部屋で事件(事案)は起きた。
提督としての生活も4年が経過しようと言う時分。まさか上目使いに寝間着を着た部下から『一緒に寝よう!』などと言われる日が来るとは思ってもみなかった。
ブフッ。東郷が擬音と共に口に含んだコーヒーを吹き出す。
ゲホッゲホッと咳き込んでいると――大丈夫提督さん!?どうしたの!?と心配してくる景鶴。
とてもではないが、お前のせいだよとは言えない……。
「藪から棒に何だ!?」
「ゴメン……迷惑だったなら謝る……」
ショボンとする景鶴を見て、何とも言えない気持ちになる東郷。
「………………あぁ良いよ。もう遅いし、そろそろ寝ようか」
「やった!」
嬉々として東郷の布団に滑り込む景鶴。その反応を見て、今日の景鶴の態度が何かがおかしいと思う東郷。
「エイプリルフール……か?」
「提督さん、物知りだね……“普段言えない事や出来ていない事を、思い切ってやってみよう”って日なんでしょ?」
ちょっと待て……何処からの情報だそれは?
「ローレンベルグ中佐が、そう教えてくれたけど……」
あんの女帝め……明日会った時に、どうしてくれようか。とりあえずは誤解を解こうと思う。
「ちなみにな、景鶴。エイプリルフールって言うのは“毎年の4月1日には嘘をついても良いという風習の事”だからな……。正午までしか認めないっていう地域もあるから、次からは気をつけるんだよ」
「えっ、嘘でしょっ!?………………なんか、ごめんなさい」
「後で篠華には、俺からキツく言っておくから。今回の事は忘れよう……な」
言ってしまったからには仕方がないので、景鶴の横に並んで寝ころぶ東郷。
前腕や首筋からのぞく女性特有の白い肌にドギマギしつつも、そこに奔る傷跡の方に目が奪われた。
常夜灯のみの室内。それでも慣れてくれば、見るのには苦労しない光量である。
「あっ……やっぱり提督さんも気にする?こういうの」
逸らさられる前の視線に気づき、あぁそういう事か……と一人で納得する。
『瑞鶴は、もっと自分を労わってあげなきゃダメデース。こんな戦い方を続けたままだと、ボーイフレンドが逃げていっちゃいますヨー!』
ふと、以前金剛に言われた事が思い出される。
戦果を第一に考える性格が災いし、生傷が絶えない自分に嫌気がさしそうになった事もある。
それでも今の自分の上司なら、自分を受け入れてくれる……そう心のどこかで期待していたのかもしれない。
「悪い……前線で戦ってるお前らを、やっぱり守れてないのか――って思っただけだ」
景鶴と反対方向に寝返りをうつ東郷。
「提督さんのせいじゃない。私が弱いだけなんだよ……。でもっ、ほら。“傷は勲章”って言うでしょ!?だから私は気にしてないし……」
「……それでも俺は気にする。部下を預かるからには、上司には守る義務がある。お前らを死地に送り出してるのに、提督が安全地帯でふんぞり返ってる訳にはいかないんだよ」
暫しの沈黙の後。景鶴の手が後ろから東郷にまわされる。
予想外の行動に飛び起きようとする東郷。
「何やってんだ、景鶴!?」
「……振り向いたら傷だらけの部下がいるから、そのままでいてよ。提督さん」
こうしてる間は、無傷の幸運艦がいるんだから――自嘲したような声色に、東郷としても申し訳なくなったようで大人しくしている。
「なんか……最近。お前が舞に似てきた気がする」
「舞――って提督の妹さんだっけ?」
「小さい時から、俺と兄さんの後ろを追いかけてきてな。同じ年齢の女の子らと比べて、男連中に喧嘩で勝てるくらいの武闘派だったよ。針で縫うような大けがもあったけど、いつも笑ってた。“傷は勲章”だって言うのが口癖だったんだ……」
それでも死んじまったら、意味がないのになぁ……お前は、俺の前から勝手にいなくなるなよ――東郷の呟きが、暗闇の中に消える。
「うん、分かった……約束する。何が起こっても、絶対に戻って来るから」
彼のまだ温かい手に指を絡める。そして手放さないように、しっかりと握りしめる。
今だけは、提督さんは私の物なんだから。今夜は良い夢が見れるかなぁ……。
意識が落ちる前の微睡みに浸りながら、景鶴は幸せな気持ちで眠った。
……一方で東郷が眠れなかったのは、言わずもがなである。
「予想通り、面白い事になりましたね!」
「リーナちゃん、ナイス!デートの時の隠し撮りのデータ。あとで頂戴!」
「いえいえー。私もゆうちゃん達とお酒が飲めて嬉しいよ!酒の肴は、あそこにある事だしー」
笹原大佐の部屋に集うのは、モニターの前にいる夜鷹と女帝とパパラッチ。青葉が東郷の部屋に設置した、暗視カメラとボイスレコーダーが思ったよりも良い仕事をしてくれている。
「えー、何で!?キスもしないのー?ホントに委員長は奥手だよねー」
「せっかく、ローレンベルグ中佐がお膳立てしたんだから、襲っちゃえば良いんですのに」
「でも景鶴ちゃん、ハグまで進歩したよ!ガンバレ、ガンバレ。あともうひと押しだよ!」
姦しく、アレやコレやと詮索している女性陣の背後。闇の中にメタルフレームの眼鏡が浮かび上がる。その後ろには呆れ顔の川内が控えている。
「げっ、高峰大佐!?」
「あれっ、タカ君。どうやってこの部屋に入ったの?」
「川内に頼んだら、快諾してくれたぞ。あの大馬鹿どもを止めて来いってな」
「女性のプライバシーを覗いたら駄目よ♪高峰クン」
「うるせぇぞ、リーナ!お前に防衛大時代は、何度煮え湯を飲まされ続けてきた事か……。今回は世間様(東郷と景鶴を除く)に迷惑かけてねぇから甘く見てやるが……少なくとも軽犯罪法違反や建造物侵入罪。これ以上に理由が必要か?」
青葉、お前も覚悟は出来ているだろうな――静まり返った真夜中の宿舎。高峰の鉄拳制裁とともに、ドタバタと走り回る足音が響く。
「人の恋路を邪魔する奴は、レ級に撃たれて沈んじまえ!」
「
「言い訳無用!」
提督勢&青葉の夜は、まだまだ終わらない。
翌日にローレンベルグ中佐が、膝詰めで東郷に説教されたのは言うまでもない。
というよりも、翌朝に寝不足の東郷と景鶴が気まずい思いをした事。それも言うまでもないだろう。
スマホに替えたので、せっかくだからtwitterを始めようかなーと。
起床用のアラームが『朝の光 眩しくて Wake Up(歌詞はWeigh Anchor)!』になって以降、寝坊してないような気がする。
そういえば高校の時、友人に『孵化厳選中に、色違いイーブイが出たよ!』とエイプリルフールで言った事があったり。
もちろん、その後のバトルでボコられましたけどね。
今じゃ私も、炎統一パでレートに潜ってる(変態)廃人予備軍ですが(遠い目