艦隊これくしょん~みらいの未来~   作:エラー猫

14 / 17
11話:出撃前の作戦説明

空母のお部屋にお邪魔してから2日後。

 

長門さんからのお話の通りに司令官さんから呼び出しがありました。

 

 

集められたのはわたし、長門さん、加賀さん。そして夕張と木曽、秋月ちゃんです。

 

いつもの様に執務用の机に司令官がいて、隣には電ちゃんが控えています。

 

 

 

「皆、よく聞いてくれ。つい先日に大本営から発表があった」

 

 

司令官さんが言うには、敵の大規模進軍が確認されたという事。これを「あ号群」と仮称し、大本営は撃滅作戦を発令したそうです。そして赤城さん、加賀さん、蒼龍さん、飛龍さんを召集して航空機動部隊を再編すること。

 

わたし達は、その直衛として参加するとのことでした。

 

無論、空母4隻を守るのであれば数が足りません。

なので他の鎮守府から7隻が加わり、最終的には16隻の連合艦隊となります。

 

 

 

「凄いです!日本を代表する航空機動部隊がまた結成されるなんて・・・」

 

「ああ。しばらくは防衛の為に各地に分散していたからな・・・その航空部隊が一同に集う。コイツは凄い事になった・・・!」

 

 

夕張がその事実に目を輝かせ、木曽は腕を組んで頷いてます。

 

 

 

「赤城さんも・・・流石に気分が高揚します」

 

「ああ。久しぶりに一航戦が揃うんだ。みらいとの演習で鍛えられた君の部隊、存分に、見せつけてやるといい」

 

「勿論です」

 

 

加賀さんもやる気充分ですね。

 

・・・正直に言えば、今の加賀さんに勝てる相手っているんですかね?わたしの攻撃避けれる部隊を率いてるんですけど・・・

 

 

「あ、あの・・・わ、私もこんな大規模作戦に参加するのですか?」

 

「秋月、君の頑張りはみらいからも聞いている。今回の戦い、君は防空の要となる。戦果を期待するよ」

 

「・・・!はい、お任せください!」

 

「夕張、木曽。お前達も対潜と対空で活躍して貰うぞ?それと木曽、例のアレは手配できた。後で受領してくれ」

 

「任せろ司令官・・・しかし、やっと来たか。改二装備・・・使いこなしてみせるさ」

 

え・・・木曽、いつの間に改二に?ドックにマントやらなにやらが搬入されてたけど・・・アレの事かな?

 

それよりも夕張の様子がおかしいです。下を向いてプルプル震えて・・・どうしたんですかね?

 

 

「ふ・・・ふふ、ふははは・・・!ようやくですか提督!あれです、そんなに私の力が見たいんですか・・・って感じです!そんなに見たいのなら見せてあげましょう!みらいさんの単装砲を元に少しだけども改良できた12.7cm単装砲の威力ってやつを!!」

 

「・・・え゛わたしの武装解析できたんですか!?」

 

「解析と言っても部品とか速射に必要な構造だけですけどね?流石にハードまでは無理です・・・ですがっ!速射は可能です!全体的に大型化して重量が多くなったうえ、弾薬補給は手動なんで時間かかりますけれど」

 

 

・・・いや、それって十分すごくないですか?

 

つまり皆さんの単装砲を速射可能にしたって事ですよね?

 

え、出来たんですかそれ・・・え、妖精さんが一晩でやってくれた?

 

わたし、妖精さん舐めてたかもしれない。

 

 

 

「そ、そうか。昨日から夕張の機嫌が良かったのはそういう事か・・・うん、その威力存分に見せつけてやれ」

 

「はいっ!」

 

 

嬉しそうにうなずく夕張・・・まるで新しいおもちゃを貰った子供みたいです。

 

・・・皆さんが気合いを入れる中。わたしは何故か気が気ではありませんでした。

何か得体のしれないものが這い回るような・・・こう、ちりちりと、何かを感じるんです。

 

 

どうやら長門さんも何かを感じたのか、わたしに目配せをしていました。

 

 

「よし。それでは明日、明朝0630を以って出撃する。以降は長門に全指揮を委任する・・・すまん長門、頼んだ」

 

「ああ。任せてくれ、必ず勝利を掴んで見せよう」

 

「心強いな。それではこれにて解散とする。各自点検等を怠らぬように!・・・ああ、長門とみらいは残ってくれ、詳しく概要を説明したい」

 

 

?・・・わたしも?なんでですかね?

 

全員で敬礼したあと、わたしと長門さんを除いた4人が先に部屋を出て。

残ったのは司令官と電ちゃん、そしてわたし達だけとなりました。

 

 

「・・・それで提督?なぜ私とみらいを残したか、聞かせて貰おう・・・何と無く、解るがな」

 

「そう、だな・・・先にみらい、さっきの話を聞いて、どこか気になったところはあるか?」

 

 

気になったところ・・・?

 

 

「いいえ、特には・・・いえ、何だか不思議な感じはしました。思い過ごしかな、と思ったんですけど・・・?」

 

「思い過ごしであればよかったんだがな・・・加賀、赤城、蒼龍、そして飛龍・・・それに加えて、戦闘が予測される海域のこの位置・・・何か気がついたか?」

 

「あ・・・」

 

 

そ、うだ。4人、この場所・・・得体のしれない何かが、何か・・・分かりました。

 

 

「そんな・・・まさか、ここって皆さんが沈んだ・・・!?」

 

 

言葉が思いつきませんでした。

前にも言った通り、わたしは皆さんの経歴を知ってます。これでも未来のフネですから。

 

だと、言うのに。気がついて当然だったのに。今、司令官さんから聞くまで『頭の底から消えていた』。

 

まるで、無理矢理に忘れさせられていたみたいに・・・気持ち悪い。しばらくして、わたしは震えている事に気がつきました・・・恐怖にも似たナニカを感じたから・・・

 

 

「なるほどな・・・今回の出撃、やはり加賀達は引かれたか」

 

「ひ、引かれた・・・なんです、それ」

 

わたしの様子を見ていた長門さんがポツリと呟きました。

なんのことだろう・・・?

 

 

「みらい、これは提督と旗艦。そして秘書艦にしか伝えられていない事だが。敵が進軍した時にそのポイントで沈んだ艦娘が引き寄せられることがある・・・」

 

「でも、電達は・・・ううん、艦娘はそれを察知する事はほとんど出来ないのです。まるで何かに呼ばれるように・・・」

 

 

長門さんのあとに電ちゃんが続きます・・・だから、引かれたか、ですか・・・

 

わたしですら気付いたショックでこんなになるんですから、もしもこれが当人達なら・・・って

 

 

「か、加賀さんに知らせないと!」

 

「やめておけ。恐らく無駄だろう。以前にも似たような例は報告されている。その時はその引かれた艦娘を鎮守府待機にしていたらしいが・・・監視の目すらすり抜けて、いつの間にかその海域にいたそうだ」

 

「そして今、加賀に伝えたとしても彼女は一歩も引かないだろう。それどころか重荷になるかもしれない・・・下手に教えない方がいつもの実力を出せる筈だと私は思う。そして・・・これが一番重要でな。これを突破しない限り同じ事が起きる可能性がある・・・だからこそ大本営は危険性があるがこの作戦を発令したんだ」

 

 

司令官さんと長門さんの言葉に思わず頭を抱えます。

監視してもいつの間にか・・・ってそんなホラーが・・・いや、ファンタジーがあるんだからあっても不思議じゃないですね。

 

 

「なるほど・・・ようやく読めました。わたしをここへ残した理由。そして編成に加えた理由・・・対空をわたしに任せると捉えてもいいですか?」

 

「ああ。艦娘が引き寄せられた場合、相手の動きも類似する場合が多い。今回は空母・・・一航戦と二航戦というなら空からの攻撃が主となるだろう。君は秋月と共に艦隊を守る楯となってほしい・・・出来るな?」

 

「あはは、『楯』ですか。また意地の悪い質問を投げかけますね?」

 

「・・・?長門さん、今の意味ってどういうことなのです?」

 

「さ、さあ・・・流石にそこまでは」

 

 

わたしと司令官さんの言葉の意味が分からなかったのか、二人とも頭の上に?が浮かんでますね・・・

 

 

「ふふっ、わたしたち護衛艦のイージスシステムは、高性能な武器システムのことを指します。けれど」

 

「『イージス』は、とある神話から取られた言葉でな?とある神から、その娘に送られた邪悪を阻む楯・・・それが、イージス」

 

 

何人の邪悪を通さず、全ての災厄を跳ね返す、万民を守る最強無敵の『楯』となれと名を付けられたのです。

 

 

「だから、「楯となれ」なんて言われて、出来ないなんて言えないでしょう?」

 

 

 

そうだ。イージス艦にとって護衛は主要任務。そうでなくても、わたしは海上自衛隊の想いを受け継いだ、あの人達の想いを引き継いだ護衛艦です!出来ないなんて言わない、言わせません!

 

 

「おまかせあれ!護衛艦みらい、この任務必ずや成功させましょう!」

 

「ふ、心強いな」

 

「ああ、君がいれば空は大丈夫だろう」

 

「わたしだけでなく、秋月ちゃんもいますしね。加賀さんだっておかしいくらい強くなってます・・・歴史の波に引かれるっていうなら、ぶっ飛ばしてあげますよ!」

 

「その意気なのです!」

 

 

ふつふつと闘志を滾らせます。

 

誰も沈ませないと心に誓いましょう。

 

・・・元々歴史を変えるのはわたしの専売特許ですからね!

 

 

 

 




はい。と言うわけで戦闘パートに入るといったな?

あれは嘘・・・ごめんなさい石投げないでっ!?


コホン。今回は作戦説明です、次回で出撃になります。

やっぱり戦闘ってココロオドル・・・間違えた、心躍ります。
ようやくミサイルさんが使えそうでウズウズしてます。


あと、メロンちゃんに例のセリフを言って貰いました。この鎮守府で誰が似合うかなーと思ったらすげーしっくり来たので。

今後も解説役米倉の代わりとかしてもらうつもりです、ごめんねメロンちゃん。

あと単装砲を解析出来るかは知りません←
てか何も考えないで書いてたらメロンちゃんがやらかしました。

ただ、ヒントを与えれば「カ◯コン製ヘリ並の精度」です、結末は分かりますね(


あ、海域/歴史に引かれる〜はフレーバーです。
こっちの方が重さが変わるかなと。また適当設定です、深くは突っ込まないで(震え声


ただ艦これの海域は実際の海域なわけですし、こういうのもあり得るかなぁと。

一応MI作戦の焼き増し的な立ち位置になるかと思います。
アレは海域を取るために攻めに行き、こっちは守る為の出撃ですが。

まーた変な事やり始めたなと生暖かく見てくださいな。



PS、誤字報告のお時間です←

はい。今回バカみたいに多かったです。全部書いてると長くなるんで個数だけ。
なんと、7個。いつもはもう少し確認する時間があるのですが、リアルが忙しくてですね(言い訳

はい、なんかホントごめんなさい。もっとミスを減らしていかないとなぁ・・・

千枚通しさん報告ありがとうございました。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。