ARMORED CORE VERDICT DAY ‐カーチス姉妹の協奏曲‐   作:黑羽焔

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‐対戦依頼‐
次行う作戦の傭兵選抜のための対戦依頼です。
以下の相手と戦い、勝った方が受けて頂く権利及び報酬を譲渡します。
AC ミラクル・ビティス
機体構成
 重量二脚型
 レーザーライフル、パルスマシンガン

なお、今対戦の勝敗はこちらが判定します。
主に、戦闘不能になった方が敗北となります。

【アセン内容(通称/カテゴリー)
HEAD:HF-277、CORE:CB-209、ARMS:AE-118、LEGS:AOI mdl.1
FCS:FA-303、GENE:MAKIBASGURA mdl.3、BOOSTER:BA-309
R-ARM:AM/GGA-206(35ガト/ガトリング)
L-ARM:Au-C-B07(ポテンガ/バトルライフル)
SHOULUDER:SU09 Jellyfish(クラゲ/KEミサイル)
R-HANGER:MURAKUMO mdl.1(ムラクモ/物理ブレード)
L-HANGER:Au-L-K29(カルサワ/レーザーライフル)】


Mission2 ただ真直ぐに素直に

-クェト兵陵-

side:マグノリア

久しぶりの依頼と聞いたけど、対戦依頼とはまた珍しいわね。

 

このような世の中じゃあ傭兵同士の争いなんて、敵対した依頼人の雇った傭兵同士のつぶし合いや様々な理由からの決闘くらいだし。

 

《あれが対戦相手か、あまり聞いたことのない奴ね》

 

対戦相手は『ミラクル・ビティス』、フリージアと同じ重2AC乗りね。

機体は、すべてTE(対光学兵器)フレームで複数のTE(光学)兵器を肩の増幅器でさらに高めてる。幸いガーベラは重2脚だから防御面の心配はないけど、…相手エネルギー()つのかしら。

 

それにパイロットの『リリス』、事前に情報を入手できたからわかったけど、一言でいうと、調子に乗るタイプかしらね。昔は貧困からかかなり鋭い性格だったそうだけど

 

《どうせ、ブサイクなおっさんでしょ。…さっさと黒焦げになりなさい!!》

 

戦場での活躍が順調すぎたのか慢心してるみたいわね。普通にやればフリージアの敵ではないんだけど。

 

《……》

フリージアは何かを考えてるのか通信に応答がない。

 

数日前の事もあるから、影響がでてないといいんだけど。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

――― 数日前の出来事へ…

-依頼内容-

ヴェニデ第23支部の防衛隊を攻撃してください。

依頼の目的は、指定領域内の戦力の排除です。

 

なお、この依頼は2名の傭兵の雇用を想定しており、

報酬は撃破成績に基づく、出来高制とします。

 

【アセン変更(略称/カテゴリー)

HEAD:HF-277、CORE:CB-209、ARMS:AE-118、LEGS:AOI mdl.1

FCS:FA-215、GENE:MAKIBASGURA mdl.3、BOOSTER:BA-309

R-ARM:Au-C-B07(ポテンガ/バトルライフル)

L-ARM:AM/BRA-125(サーシス/バトライ)

SHOULUDER:SL/RCB-112(赤ロケ/KEロケット)

R-HANGER:なし

L-HANGER:なし】

 

 

 

――――――――――

 

 

 

No side(視点:マギー&ファットマン)

「今日のは変わった仕事よ。報酬はすべて出来高になってる。そこのACと共闘して、ターゲットを全滅させる。それぞれ倒した分だけ報酬が支払われるわ」

 

《なんだか変わった仕事だねえ。それで今回のアセンは武器最低限なのね》

 

「ガーベラはどちらかと言えば、航続距離は長いけど、速度でいえばそこらのACよりも遅いからね。今回は最低限の武装のみよ」

「そういうことだ。まあ、頑張れよ」

 

《まあ、それほどの敵とは思えんが、そういう依頼だ。よろしく頼む》

 

最後に通信したのは、この任務で共闘する傭兵『カリウス』。彼の駆るAC『キャスパリーク』は、フレームはKE(対実弾)を中心に固めた中2脚で、右手に軽量ガトリング『AM/GGA-107』、左手に命中精度の高いライフル『AU01 Knave』、肩にはKEミサイル『SL/KMB-118H』、左ハンガーに最軽量ショットガン『AM/SGB-203』とフレームと同じKE兵器で構成されている。

 

「マギーちょっとすまん」

 

そう言って、個人回線を開いて何か話し込むファットマン。

 

「これでよしっと」

「ファットマン、なにをしたの?」

「まあなにフリージアのためにおじちゃんからの試練とだけ言っておこう。」

 

どうやら、ファットマンの思いつきがまた始まったようだ。

 

「フリージアちょっといいか?」

《どうしたのファットマン?》

 

マギーからの指摘でフリージアはつい最近、任務中は名前で呼ぶことが身につけたのであった。

 

「せっかくだ。あのACに撃墜数で勝つつもりでやってみろ!」

《え!?》

「ちょっとファットマン!?なんのつもり?」

「マギーすまない。今回は俺の好きなようにさせてくれ」

 

マギーの抗議を強引に止めるファットマン。

 

《うーん。なに企んでるかわからないけど、負けるつもりはないかな。やってみるよ》

「その意気だ。こういうのもたまには面白いかもな。負けるなよ。」

 

そう言って、ファットマンはフリージアとの通信を切った。

 

「どういうつもり?あの子にこんな勝負まがいの事させるなんて。もしも負けたら…「フリージアは負けたぐらいじゃあ折れないさ!」ファットマン?」

「だがそれだけじゃあこの先激化していく戦闘に潰されちまう。そのためにここで足りないものを気付かせる必要があるんだ。」

「なんなの…ってもしや」

「あぁ。お前の思ってる通りだよマギー。悪いが今回はフリージアに任せてくれ」

 

そこには普段のお気楽ではない、数々の戦場を渡り歩いたストーカーとしてのファットマンの姿があった。

 

――――――――――

 

【【Main System Combat Mode Engage(システム戦闘モード起動)】】

 

最初は静かに戦闘が始まった。互いに様子見なのか通常ブーストで前進。

 

《・・・》

《・・・》

 

神経を研ぎ澄まし、いつ始まるかもしれないスタートを待つ2人、そして…。

 

(ドワォォォォォ!!)

互いに先手をとろうとほぼ同時にGBを起動、一気に加速する2機。

 

《(!?)》

やはり機体重量の差か『キャスパリーク』の方が先手をとった。最初の集結地点に到着した『キャスパリーク』はガトリングとライフルの2丁で一気に戦車部隊の掃討とヘリを撃ち落とす。

 

《まずは、先手はもらったぞ!》

 

すぐさま、大型ヘリをロック、KEミサイルを発射。高度を合わせ、ブーストチャージ

をたたき込み撃墜。奥にある戦車を破壊しようと切り替えるが、

 

(ドワォォォォォ!!)

ブーストチャージの隙に横からガーベラが追い抜きつつ、2丁のバトルライフルで戦車を撃墜。GB中にHBを連続で吹かして重量ある機体をさらに加速させる。

 

《(!?)最初は捨てにかかったか。思い切りのいい奴だ》

 

『キャスパリーク』はすぐさまGBを起動。先行した『ガーベラ』を追う。

 

2つ目の集結地点に先行した『ガーベラ』。

 

《戦車のほかに防衛型が2機。あえてヘリは後回しで!》

 

ENを使いすぎたためGBを解除。通常ブーストで戦車から撃破し始める『ガーベラ』。

 

防衛型と大型ヘリに対しては、

 

《2つ目はもらったよ!》

 

肩のKEロケット『SL/RCB-112』を掃射。KEロケットの弾幕とその爆発で固まっていた

防衛型・大型ヘリを一気に撃墜。

 

《ここまでは同数か》

掃討中に『キャスパリーク』が追いついた。小型ヘリは彼の手で落とされたようだ。

 

《流石にやるの…。けど最後まで負けないよ!》

 

2機とも同時にGBを起動、最後の集結ポイントへ向かう。

 

「ここまではほぼ同数。残り集結ポイントは後1つ!」

「フリージア…。」

「心配なのがわかるが、今はあの子を信じろ」

 

最後の集結地点にほぼ同時に到着した2機。敵戦力は4機の盾付き防衛型と大型ヘリが1機。

 

《(ヘリを含め合計で5機ということは…)》

《(3機撃墜した方が勝ち…絶対にとるの)》

 

防衛型も2機の接近を察知したのか迎撃態勢をとる。

 

《悪いな…火力差がありすぎるのでね》

 

これを見たキャスパリークが仕掛ける。GBをカット、『ガーベラ』を先行させ、防衛型の注意を向かせる。

 

《(GBを途中でカット…防衛型がこっちに!)》

 

防衛型のガトリングの迎撃で一時足を止めてしまう『ガーベラ』、すぐさまバトルライフルで迎撃するも盾付きに正面から対する形になったため撃破に若干時間がかかってしまう。

 

その間に、ENを若干ながら回復させた『キャスパリーク』はGBを再起動、防衛型の裏をとりあっさりと2機撃破。すぐさま大型ヘリへガトリングで攻撃しつつ左ハンガーのショットガンを取り出す。

 

《くっ…お願い間に合って!》

『ガーベラ』はなんとか火力で押し2機撃破。肩のKEロケットの狙いを定める。

 

2機の機体は互いに手持ちの武器から今できる最大の攻撃をターゲットに打ち込む。ほぼ同時に直撃し、沈む大型ヘリ。

 

「今ので最後だ、周辺に敵はいない」

 

《すまないが、ほぼ同時だ。どちらが撃破した扱いなんだ?》

 

どうやらAC側で確認できないのか。撃墜を聞いてきたカリウス。

 

「今調べてみたけど…撃墜したのはそっちのACね」

 

マギーがコンソールを見たところ、どうやら最後のは『ガーベラ』が撃破していなかったようだ。

 

《1体差だが…こちらの勝ちだな。だが、いい仕事だった。私はこれで失礼する》

 

『キャスパリーク』は戦場から離脱していく。

 

「フリージア大丈夫?」

《(ぐすっ)》

「フリージア?」

《マギー、ファットマン…ごめん…負けちゃった。なんでだろう…悔しい…すごく悔しいよぉ…》

 

「貴方はベストを尽くしたわ。今はそれで十分よ」

「お前はよく頑張ったよ。だからこそ、その気持ち忘れるなよ」

 

《…うん》

 

 

 

――――――――――

 

 

 

side:カリウス

しかし、あの伝説のストーカーからの提案を受け入れたが、俺をだしに使われたな。

そこまでして入れ込むほどの存在というわけか。

 

(あんたの腕に見込んで頼みがある。)

(なんだ?)

(あの子に勝ってくれないか。)

(どういうつもりだ。)

(強いて言えば、あの2人をパートナーとして選んだ俺からの試練というわけだ。)

 

言われなくても全力を尽くすつもりだった。しかし、予想以上の実力だ。

少しでも遅かったらこちらが負けていたかもしれん。

 

「…次はあの子とは闘いたくないな」

 

おそらく、今回の件でどうなるかわからんが、乗り越えた場合…脅威となるな。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

――― そして時はAC対戦依頼に戻る…

side:マグノリア

これが数日前にあった出来事。ファットマンに説教しようかと思ったけど、彼にも思ったことがあったのか強く出れなかったわ。フリージアの方は帰ってからもふさぎ込んでたからしばらく休ませたけど、翌日には元気になってた。

 

「それにしてもファットマン?」

「マギーこの前の事か」

「鋭いわね。その通りよ。悪いけど、私にはわからない」

「正直だな、いいだろう。あいつには、なるべく早く『負ける』ことを教えたかったんだ」

「『負ける』ことがそんなに重要なの?」

「意外とお前とフリージアは性格は違うけど共通点が多いんだ。ひとつは、ACの操縦に関して。2人共センスが良すぎるから強くなるのは早いんだ。その分『勝つ』ことばっかり覚えてしまうから『負けた』分のダメージがでかいんだ。お前だってそうだろう」

 

う…身に覚えがあるわ。

 

「二つ目、悪く言えば根に持ちやすい。良く言えば負けず嫌い。これにも覚えあるだろう」

 

…全くもってその通りです。

 

「まぁ、あんなことあって割り切るのも難しいわな。フリージアの場合、ほんの些細なことだから乗り切るのにそう時間はいらないと思ったがな。」

「そうね。あれ見てたらそう思えてきたわ」

 

そこには、相手を圧倒してるフリージアがいたわ。

 

「…そういえばファットマン、なんでMURAKUMO積んだの?」

「ん?お気に入り持ってかれてハンガー空いてるのが気になっただけなのだが」

 

なんで、わざわざ扱いづらいやつを…まあ同じ物理ブレードだからあの子なら問題ないか。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

side:AC戦

「畜生!なんで同じ重2でそこまで動けるんだよ!」

 

『ガーベラ』が選んだ戦闘パターンは空中でのGBを利用した高機動旋回戦闘。空中からミサイルの飽和爆撃を含めた火力を叩きつける。

 

『ミラクル・ピティス』はTE兵器を中心のため、攻撃にエネルギーをまわさなければならず地表付近での旋回を余儀なくされている。レーザーライフルとパルスガンで迎撃するも有効打が与えられない。

 

(こうなったら接近してきたらプラズマで焼き払ってやる)

 

チャンスを待つ『ミラクル・ピティス』。対して『ガーベラ』は、エネルギー回復のため一時GBをカットし降下する。それを見たのかハンガーからプラズマガンとパルスマシンガンを取り出し一気に攻めようとする。

 

「今だ!」

 

『ガーベラ』は再びGBで加速、HBも使い懐に飛び込む。

 

「な!?」

「やぁぁぁぁぁあああああ!」

ハンガーから取り出したカルサワの最大照射からのMURAKUMOでの斬撃。

 

『ミラクル・ピティス』は斬撃の直撃を喰らい膝が崩れる。

 

「駆動系統がいかれた。ここまでかよ。」

 

《ミラクル・ピティスの戦闘不能を確認。勝者はガーベラ!》

 

《決めたわね…。》

《あっさり決めやがったな…。》

 

【作戦目標クリア。システム通常モードに移行します。】

 

 

 

――――――――――

 

 

 

No side

「戦いを見た感じ吹っ切れたようね」

「もう大丈夫だよお姉ちゃん」

そう言って、後ろを振り向くフリージア。

 

「あんなにすごい傭兵に会えたし、それに戦場で出し抜かれたの初めてでいい経験できたと思えば十分だよ」

「本当にあなたは前向きね」

 

(そう…あなたは本当に自分と向き合える…ありのままの自分と)

「お姉ちゃん?」

再びマギーの方へ向くフリージア。

 

「ううん。なんでもないわ」

「…本当?」

 

マギーを見つめるフリージア。

 

「本当に大丈夫だから!心配しないで。」

「それならいいけど」

 

 

 

――――――――――

 

 

 

side:??

「なるほど…非常に興味深くなった。まさか彼女まで例の…。」

 

《なんだ?またへんなものでも患ったのか?》

 

「Jか。何また『候補』があらわれたものでね。何度も潰しても潰しても沸いてくるよ」

 

《そうか。それでやる事はいつも通りということか》

 

「そういうこと。やり方は任せるよ。こちらも忙しいものでね」

 

《まあ、それが俺らの『役目』だからな。私にとってはどうでもいいことだが》

 

「君もいつも通りだねえJ」

 

《ただ、私も今は機体の整備中だ。それに、DとNは任務中で手が離せん。Kそちらはどうだ》

 

《結局私が動くことになるか。まあ、あの傭兵を最初から視ていたからな》

 

《そういうわけだ。頼んだぞ》

 

《まあ、それほどのものだと私は思えないがな。指令なら実行するが》

 

JとKと呼ばれたものは通信を切った。一人残ったものは、

 

「さてと、僕はアレの開発をすすめるとしようかね。あの日のために。」

 

そう言い、姿を消したのであった。




――― 以下小話。
ミラクル・ピティスのコックピットハッチが開き出てくるリリス。
「あぁーもう負けたぁぁぁぁぁ!ルージュ・フリージアっていっても像みたいな女なんだろ。そこらのブサイクなおっさんと同じなんだろ!負けたなんて悔しぃぃぃいいい!」

ガーベラのコックピットハッチが開く。
「あのう…大丈夫ですか。」
出てきたのは華麗な女の子であった。

「へ?あんたがルージュ・フリージア?」
「あ、はい。」
「…なんかすみません<m(__)m>」
「ふぇ!?」

その後、散々謝ってきたあげく改造パーツをもらったそうな。
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