ソードアート・ポケットモンスター・オンライン 作:RYUNA
明けましておめでとうございます。
言おう言おうと思っていつも言えなかったことですが、UA6000突破、お気に入り80件突破ありがとうございます!
これからものんびり更新していきたいと思います。
お昼過ぎ、私はセットした目覚ましのアラームで目を覚ました。
窓からお昼のまどろむような陽射しが宿の窓から入ってくる。
昨日の夜は少しばかり長時間の狩りをしたせいかまだちょっと眠いけど、自分の頬をパチパチと叩いて眠気を吹き飛ばす。
うーんと思いっきり身体を伸ばしてふと自分の枕元を見てみればワニノコが大きく口を開け、小さな鼻提灯をふくらませて気持ちよさそうに眠っていた。
私はその鼻提灯にそーっと人差し指を伸ばしていく。
そしてその指が鼻提灯に触れた途端、
「わにゃっ!?」
「ふふ、おはようワニノコ。」
鼻提灯はパンッといい音を立てながら割れて、それにビックリしたのかワニノコがぴょこっと飛び起きた。
未だに寝ぼけた目でこちらを見上げてくる。
その可愛さに私は思わずワニノコをギューッと抱きしめた。
今日私がいつもより早い時間帯に目を覚ました訳はズバリ新しい仲間、ポケモンをゲットするためだ。
実は既に3回ほど森にポケモンゲットに望んだのだが、聞いていた通りこれが中々難しかった。
まず何が難しいかと言うとモンスターボールを当てるのが難しい。
どういうことかこのモンスターボール、確実に真っ直ぐポケモンに投げたハズなのに何故か途中で大きくカーブして軌道が逸れてしまったりするのだ。
そしてポケモン自身もボールを避けようとする子が多いから、それが余計にボールが当たらないことに拍車を掛けている。
なぜボールがそんなことになってしまうのか、まだ原因は分かっていないが一部のプレイヤー達は「茅場の嫌がらせに違いない!」と怒りを憤らせているらしい。
私的にこの現象はゲームバランスを調整するようなものと考えているけど、どうなんだろう。
「わにゃ、わにゃわにゃ!」
「ん?どうしたの?」
と、ウィンドウのマップを片手に森のエリアをズンズンと進んでいると足元のワニノコが片方の手で私の装備の裾を引っ張って、もう片方の手は森の奥を指していた。
私が上げている最中の索敵スキルで奥を探ると、小さな生き物が少し奥の方で集まっていた。
私は索敵を中断して、そーっとその集団に近づいた。そこに居たのはチョボマキの集団だった。集団と言っても5匹くらいなんだけど。
茂みに隠れてそっとその様子をうかがう。4匹のチョボマキが1匹のチョボマキを囲んでいた。
その囲まれている方のチョボマキは頭がほぼ殻の中に隠れてしまい表情は伺えないが、取り囲んでいる方のチョボマキ達はどこか面倒くさそうな表情をしていた。
囲んでいる方のチョボマキ達が何かを言っている。当たり前だけどポケモンの言葉は私達人間には分からない。
でも声のイントネーションでだいたい何を言っているのかは何となく分かる。たぶんあれは囲まれている方のチョボマキに文句を言っているのだろう。
しばらくして囲まれている方のチョボマキの身体が小刻みに震えだした。それを見て他のチョボマキ達は溜息をついた後、さっさとその場を後にしてしまった。
「わにゃ・・・・・・。」
それを私と一緒に見ていたワニノコは悲しそうに1つ声を上げた。
微かにチョボマキの弱々しい啜り泣きが聞こえてくる。私は茂みから出てそのチョボマキに近づいた。
私の足音に気づいたのかこちらに身体を向けるが逃げる様子はない。薄く涙に濡れた瞳がこちらを見上げているだけだ。
私はストレージから甘いモモンの実を取り出して、しゃがんでチョボマキに差し出した。私とモモンの実を交互に見ておずおずと先の尖った口をモモンの実に付けてくる。
ちびちびとモモンの実をかじっているチョボマキの目にまた涙が張ってきた。
ずっと脇で黙っていたワニノコがチョボマキをその小さな手で優しく労るように数回叩いた。更にチョボマキの目に涙が溜まっていく。
「おいで。」
私が両手を広げてそう言ってやるとチョボマキは大きな声を上げながら私の胸に飛び込んできた。
それから数十分経った後チョボマキはようやく落ち着いたようで、胸に埋めていた顔を私に向けてきた。
しばらく見つめあっていると、チョボマキはちょっと顔を赤くして殻の中に閉じこもってしまった。なにこれ可愛い。
とりあえずどこか落ち着ける場所に行かないと。
私は肩にワニノコを乗せ、腕にチョボマキを抱えたまま近くの安全圏に向かった。安全圏にある大きめの切り株に腰を落ち着けて膝の上にチョボマキを下ろした。
それに気づいてチョボマキも閉じていた殻を少しだけ開いてくれた。
「気分はどう?落ち着いた?」
「チョキ・・・。」
私がそう問いかけるとチョボマキは小さく頷いた。
ふと肩に乗っていたワニノコがひょこりと私の膝の上に下りてチョボマキと向かい合う。
私の膝の上でポケモン同士の会話が始まった。私はそれを何も言わずにジッと見守る。
先程も言ったようにポケモンの言葉は分からないけれど、仕草や声色で本当にある程度は理解できるのだ。
私が理解できたことはチョボマキの行く当てが無いということだ。
「ねぇ、もし君がよければ、」
「わにゃっ!わにゃわにゃ!」
私が言葉を紡ごうとしたときにワニノコが必死の形相で鳴き出した。それは鬼気迫るもので荒げた声はすごく耳に響いた。
「えっ・・・。」と私が呟いて振り向くとそこに大きな影が。
2メートルくらいはあるだろう大きな熊が私のすぐ後ろにズンと立っていた。
「ッ・・・!!」
私が目を見開いて硬直する中、熊がのっそりと爪のするどいその巨大な腕を振り上げた。
そこでやっと状況を理解した私はワニノコとチョボマキを抱えたままとっさに前に前転してそれを避ける。
さっきまで座っていた切り株が熊によって無惨にも切り裂かれ、ポリゴンの欠片となって消滅していく。熊が両腕を大きく上げて咆哮した。
その様子を見つめながら私は驚愕していた。なぜ、と。ここは安全圏のエリアであるはずだ。
安全圏というのはフィールドにいくつか存在する休憩ポイントのようなものだ。
そこはモンスターが寄りつかず、日をまたいでフィールドに潜るときなんかはたいていこの安全圏でみんな夜を過ごす。
どういう基準でそういう所が安全圏に認定されるのかは詳しくは知らないが、なんとそういう所を探し出す専門のプレイヤーさんが何人かいるそうだ。
一見するとあまり得しなさそうに見えるが、こういう安全圏は先陣切って攻略するプレイヤーにとっては非常に大事なものである。
なので情報屋さんにかなりの高値でその安全圏の場所を買い取ってくれるらしい。1つで万単位すると聞いたけどよくは知らない。
そして今私が熊と対峙しているここのエリアもちゃんと検証され一般に公開されている安全圏の1つだ。
これは一体どういうことだろう。まさか嘘の情報が公開されているとは思いたくもない。
私は緊張の中、目線を熊のカーソルに合わせた。
「クレイジーベアー・・・狂った熊?って、HPゲージが三本!?」
クレイジーベアーと書いてある名前の下に緑のHPゲージが三本並んでいた。それに私はさらに驚愕する。
今まで私が出くわしてきたモンスターのHPゲージはみんな一本しかなかった。ということはだ。
これってもしかしてボス級クラスのモンスターさん?
「これは・・・マズイよね?ワニノコ。」
「わ、わにゃ・・・。」
私がそう尋ねるとワニノコはすぐに頷き返した。
ここは第10層。私のレベルは22、そしてワニノコは15。安全マージンは十分に取れている。
でもボス級のモンスターとなると安全マージンなんて話は別だ。だってもう既に勝てる気がしない。
いよいよ熊が四つ足で私に向かって走ってきた。
「ぎゃーーーーー!!」
「わにゃーーーー!!」
「チョキーーーー!!」
「グアアアアアアアアアアア!!」
身が竦むような咆哮を上げながら熊は追いかけてくる。私は筋力より少し高めに振ってある敏捷をフルに生かして逃げ出した。
逃げながら私は索敵スキルで周りに誰かプレイヤーが居ないか探ってみる。が、どこにも反応は無かった。
それはそうだ。今はもう夕方過ぎくらいで、普通のプレイヤーは「今日も疲れたなぁ。」とか言いながら街に帰っていく時間だ。
こんな森の奥の方までまだ残っているプレイヤーなんて私ぐらいしか居ない。
「ワニノコ、私の肩に移って!それでみずてっぽうで熊を押し返せる?」
「わにゃ!」
私の右腕に抱えられていたワニノコは少しよろけながらも私の肩の上によじ登った。そして後ろから追いかけてくる熊にみずてっぽうを食らわす。
そのおかげで少し熊の追いかけてくる速度が緩んだのを横目で一瞥して私はウィンドウを表示させた。
そしてフレンドリストからキリトさんに「助けて!」とだけ文字を打ってメッセージを飛ばした。
来てくれるかどうかは分からないけど今はこれ以外に方法がない。
後はもう覚悟を決めるしかなかった。
私は身体をくるりと反転させてチョボマキを足元に下ろした。
「君は早く逃げて!」
そう言うとチョボマキはすぐ近くの茂みに身を隠した。
少し開いていた熊との距離がどんどん近づいてくる。
背中の剣を抜いて私はそれを前に構えた。
SAOには無い設定も出てきます。ごめんなさい。
あとポケモン以外のモンスターの名前なんて英語辞書引いてひっつけたものばかりになるかと思います。
センス?そんなもの最初から無い。既にマイナスの領域なのさ!
あと1月はお正月後も多忙に付きまたも更新速度が落ちます。
なんでウチの学校はこんなに行事を入れたがるんだ・・・!