The SCP Foundation エージェントJの日記   作:カッコカリ

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どうも、カッコカリです。前作品で上げてた番外編を書いてるうちに楽しくなって思わず新しく投稿。

 これは、部分的に記憶を失ったけどお金欲しさに財団の実験に付き合うSCPのお話です。

 短編集みたいなものなので、文章力とかストーリー性とか、あまり期待しないでください。


第一話 俺を忘れて、俺が生まれた。

★月◎日

 

どうしてこうなった。

 

 今日初めて日記を書くが、こうなった原因はあのクソッタレな財団の所為だ。日記を書くのは命令されてだ。なに書けばいいのか良く分からないが、とりあえず書くことにする。

 

 俺の名前はジョン・ドゥ。今決めた。年齢は忘れた。元の名前は消された。だからジョン・ドゥだ。少し前までは何処にでもいる家庭に居たけど、いきなりSWATよろしく武装した連中が押し入ってきて俺を拘束しやがった。

 

 一応弁解させてもらうが、クソッタレな犯罪もしてないし、片棒を担いでもいないし、クソッタレな魔法の粉だって吸ってない。健全な元軍人だ。まぁ俺のことは置いとこう。その時だ。財団というのを知った。

 

 俺はどうやら世間様から見て異常な存在、らしい。何が異常なのかはいまいち解りづらいが、そういうことらしい。

 

 でだ。そういう異常な存在を収容し、保護、管理するのが財団の目的らしい。中には放っておくと人類が滅亡してしまうようなとびきりクソッタレなものもあるらしい。

 

 俺もそういう連中と同じ部類に入るらしく、こうやってコミュニケーションが取れるなら財団に協力をしてほしいということだ。その分給料もバカ高いし、働きぶりによっては自由な時間も設けてくれるそうだ。

 

 特に断る理由は無かったし、軍に居た時より給料が良いから俺は二つ返事で了承した。金は欲しいからな。あればあるだけ不自由なことは無いはずだ。

 

 まぁ、その後は結構散々な一日だった。

 

 血は抜き取られるわ、意味の分かり辛い質問が書かれた紙を書かされるわ、全身に見たことのない刺青を掘った訳の分からない言語を話す男と殴り合いさせられるわで散々だった。こっちは素手なのにアッチは剣持って問答無用で襲ってきた。

 

 その日の夜に日記書いてるが、脇腹刺されるし、殴られたところは今でも口の中が痛ぇ。指は多分折れたと思う。アバラも二、三本くらい折れたと思う。

 

 まぁ、俺はあいつの両肩と両足の骨を外して砕いてやったがな。ざまぁみろ。

 

 こうやって起きたことを書いてるが、ちょっと財団に入ったことを正直後悔してる。特に最後、あいつコエェよ。なんか笑ってたし―――

 

 あ、でも最後に綺麗な女と楽しく話が出来たのは良かった。ああいう憩いの時間は軍でも少なかったからな。役得だった。

 

 風呂から上がった後に科学者らしき男が俺に明日も色々検査をすることをさっき伝えてきた。明日もやるのかよ。という俺のゲンナリした気分なんざ関係なくクソッタレな一日は終わる。

 

 そして、恐らく明日もそんなクソッタレな一日が始まるのだろう。まぁ、日本でいう住めば都なんて言葉があるし、慣れれば天国に見えてくるだろう。

 

 

多分。

 

 

 

それにしても、財団ってやつらはなんで俺に日記を書かせるのかねぇ・・・。

 

 

★月■日

 

 おはよう、クソッタレな一日。昨日は色々あったからちょっと疲れてて瞼が重い。まぁ、怪我は大分治ってたし、それほど悪い気分じゃない。指は……まぁ、まっすぐにしとけば治るだろう。つぅか治った。

 

 今日のは検査と言うよりも実験みたいだった。なんか古めかしいカメラ(ポラロイドカメラ?)で撮られて写真を見ると、俺が昨日の綺麗な女と楽しく話しているのが映った。

 

 なにこれ?過去の出来事を映す不思議なカメラ?

 

 研究者は特に何も言うことなく次だ。と言って俺を引っ張っていく。

 

 今の俺は全身に鋼鉄製のベルトで全身をグルグル巻きにされた状態になっている。口枷もついていて出来ることと言えば息と唸り声を上げるくらいだ。

 

 理由は何でも昨日の一件でなんか滅茶苦茶やばいことを俺はしたらしい。拘束具持ってる奴らはなんか務めて丁寧な口調で俺にくどいくらいに説明して着るようにお願いしてきた。まぁ、この間のSWATみたいな連中に銃向けられたくないし。俺は二つ返事で了承した。

 

 それにしてもあの拘束具ちゃんと綺麗にしてたのかよ?なんか背中がかゆくて何度か身じろぎした。その所為か、ベルトの金具の何個かがはじけ飛んじまった。多分錆びついてたんだろうな。絶対綺麗にしてねぇよアレ。俺が身じろぎするくらいで壊れるとか、衛生管理どうなってんだよここ。

 

 なんか研究者みたいなやつら…面倒くさいもう科学者共でいいや。

 

 科学者の奴ら、やたらに慌てたから思わず俺も謝っちまった。あれ、結構高い奴だったのかな?まぁそうだよな。ほとんど金属なんだから金は掛かるよな。

 

 だったらもうちょっと保存状態を良くしろよ。定期的にオーバーホールしとけよ。

 

 給料出るらしいけど、天引きされるだろうな。

 

 で、その後、ちょこっとだけだが説明はしてもらった。何でも俺のスペックを知るための実験をするらしい。昨日のアレはその一環らしかった。

 

 それさ、最初に説明するべきだよな。元からだがなんかいよいよもって財団が妖しい組織に思えてきた。了承した手前、こうして日記に愚痴ることくらいしかできないけど。

 

 次の実験はなんか目の前に一個のトマトが置かれた。で、紙に書かれた奴を読み上げたら、いきなりトマトが襲ってきた。

 

 いきなり来たから思わず多分錆びてた拘束具引きちぎって叩き落としちまった。いや、あぶねぇよ。ていうか音がやばい。バァン!って音がしたバァンッ!って。どんだけスピードが出てるんだよ。

 

 そしたら奴らが来やがった。俺を捕まえたクソッタレなSWATもどき共。

 

 いやいやいや、だってね、いきなり飛んできたら叩き落としちゃうじゃん。俺悪くねぇよ。文句ならこれ提案した奴に言えよ。

 

 まぁ、そんな俺の訴えなんて聞いてくれるわけもなし。俺は呆気なくお縄に付いた。

 

 前よりも新しい?ゴツくなったモノを着せられた後、今日もまた綺麗な女と会った。いやぁ、いつ見ても綺麗だった。一時間くらい何気ない会話しかしなかったけど、今度もまた会えると良いな。

 

 こんなクソッタレな施設に入れられちまったが、この時間だけは至福だと言える。

 

 その後は見渡す限り真っ白な一室で俺は一夜を明かすのであった。

 

 

★月△日

 

 ハロー。中は暖かかったけどベッドもクッションも何もない所で寝てたから背中が痛ぇ。今日は初っ端から銃持った例の奴らを引き連れてた。

 

 いや、ほんとマジで銃は勘弁してください。怖いから。銃向けられるのは困るんだけど。銃は日ごろから触ってたからそれだけに銃の怖さは十分知ってるんだって。

 

 銃は下してくれって言ったけど全然聞く耳持ってくれなかった。

 

 ………なんか段々腹立ってきたぞ。いきなり連れ去られるわ、殺し合い紛いのことさせられるわ、あ、でも綺麗な姉ちゃんとはまた会いたいかも。

 

 まぁ、それはそれとして、SWATを引き連れた科学者が何事か命令すると、俺を台に載せて付いて来てくれとか言ってきた。

 

 それは何かジョークで言っているのか?

 

 俺に拒否権なんかがあるとは知らなかった。

 

 俺に自由意志なんてあったのか、って聞くと科学者は申し訳なさそうな表情で謝ってきた。

 

 いや、おせぇよ。色々言ってやりたかったが、まぁ、怒らせて殺されたくないし、行くということを伝えたら、今度はなんかヘリに載せられた。

 

 ほんと、財団ってなに?

 

 

★月●日

 

 今日は色々怖かった。なんていうか、マジでふざけんなって言ってやりたかった。

 

 なんか青い鍵渡されて錠前の付いたドアを開けて潜ると、異世界だった。

 

 自分で言っててもどういうこと?って思う。

 

 サイトなんたらとかいう施設に着くと、俺は件の青い鍵を渡されて、それを使って鍵を開けて、ドアを潜ってくれなんて言われた。

 

 その先にあったのは、何処かの森と小道、そして深い青みがかった霧だった。そこをカメラと通信機で話しながら進むんだが、途中から後ろから、そう、化け物が出てきた。黄色い、光る眼をした紫色の体毛をした猿か犬みたいな化け物だった。

 

 どちらかというと狼かもしれない。

 

 俺は死にたくない一心で走り回り、気付いたら目の前に木製のドアがあった。それを蹴破るとその先に居たのは俺に命令をした科学者がキョトンとした顔をしていた。

 

 かなり腹が立ったが、振り返るとあの世界は無くなっていた。

 

 頭がおかしくなりそうだった。いったいあれは何だったのか、あまり考えたくない。今日は此処までにする。あの狼の遠吠えみたいな声が頭の中で響いてる気がする。とにかく、寝たい。

 

 

★月×日

 

 ああ、怖かった。今日は休みらしいから一日ゴロゴロしとく。

 

 幻聴みたいに聞こえていた遠吠えのような声は、一日寝たらもう聞こえなくなっていた。

 

 科学者に許可を取って歩き回ってたら、なんか、オレンジ色の、こう、ゼリーみたいな生き物が上から落ちてきた。

 

 その時の感覚は何て言えばよかったのか。とにかく気持ちが良くて幸せだった。超良い経験したおかげか、なんか昨日の恐怖心とか、全部どうでもよくなった。

 

 昨日のアレは何だったのかは分からないが、とりあえずあの狼みたいなやつはまた会ったらぶん殴ろう。うん。そうしよう。そして、あのオレンジスライムはまた今度触ろう。

 

 

★月α日

 

 さて、結論から言えば狼はぶん殴ってきた。科学者にお願いしてもう一度あの青い霧の小道に入って追っかけてきたところ俺はカウンター気味に吹っ飛ばしてやった。

 

 うん。傍から見たら俺は何処の超人かと思ってしまった。多分、これが俺の異常な部分なのだろう。元から結構力は強いとは思っていたが、意識を集中させると、物体を粉みじんにさせることが出来るほどの超人的な力を発揮させられるらしい。

 

 つぅことは、この間俺が壊した拘束具って、あれってつまり俺が無意識にやった所為?

 

 そりゃ、科学者も慌てるわ。彼奴らから見て俺は怪物で、それを抑えなきゃなんねぇんだからそりゃ慌てるわ。

 

 まぁ、それらを踏まえて思うことは、脳味噌までは筋肉にはなりたくないな。ということだ。

 

 

★月◇日

 

 今度は俺と同じSCPに食事を与えることをやらせるらしい。そのSCPが何らかの敵対的行動を起こしたらすぐにぶん殴れとのお許しが出た。

 

 で、食事を運んだんだが、その相手が滅茶苦茶美人だった。ただ他の人間と違ったのは動物(キツネ?)の耳と9本の尾を持っていたことだ。事前に近づいちゃいけないと警告されたので、意識してやったが、見れば見るほどに美人だった。

 

 彼女は終始俺を見つめてニッコリと微笑んでいた。俺は曖昧に笑い返すことしかできなかった。

 

 正直、今も子供みたいにドキドキしてる。なんか、ここって美人揃いな気がする。俺の運が良いだけか?

 

 

 

☆月Ω日

 

 なんか、実験用の機動部隊に俺は入れられるらしい。今までの実験記録から戦闘能力としてのスペックは予想を遥かに上回り、アベル、つまりこの間殺し合いした全身刺青男を抑えることが出来ることから、その部隊に配属することになった。給料もアップし、比較的自由で居られる権利もゲットできた。これは結構おいしい。

 

 それに、あの綺麗な女も一緒の部隊で、名前はアイリス=トンプソンっていうらしい。最近は話す機会も増えたし、あのオレンジスライムとも定期的にじゃれあってるなど、結構充実した日々を送ってる。 

 

 住めば都って言うけど、その通りだな。

 

 そうそう、その機動部隊だが、名前はオメガ7というらしい。そこで俺はアベルと一緒の戦闘部隊だそうだ。どうせだったらアイリスと居たかったなぁ・・・。

 

 

☆月×日

 

 図ったな財団んんんんんん!!

 

 一回しか会ったことが無いからアベルがどういう奴か知らなかったけど完全に狂人じゃねぇか!

 

 ふざけんな!任務が終わると同時に俺を殺そうとかマジでふざけてやがる!つうかお前何人だよ!?何言ってるかわかんねぇよ!

 

 だけど口汚いこと言ってるのはわかったからぶん殴って眠らせた。というか剣振り回してきて怖くて正直ちびりそうだった。

 

 気落ちしていた俺にアイリスから少し心配されてしまった。施設に戻ったらオレンジゼリーと戯れよう。

 

 

☆月☆日

 

 問題です。

 

 目の前にデカいトカゲが居ます。そいつは滅茶苦茶強くて貴方に襲い掛かってきます。貴方ならどうしますか?

 

 A.ぶん殴る。

 

 年甲斐もなく怪獣を見たことにも興奮したが、同様に怖かった。そして泣いた。アイリスと999(オレンジゼリー)に慰められた。なんか最近、男としての威厳が・・・。

 

 

 

☆月■日

 

 宗教団体って怖いな。俺もたまに神に祈ったりはするけど、あそこまで過激な連中にはなりたくないな。

 

 アベルは安定して狂人だ。精神的に色々疲れる。任務が終わると隙を見て俺を殺そうとするし、負け認めようとしないし、眠らせるこっちの身も考えてくれ、ないんだろうな。

 

 そうそう、最近は他のSCPとのクロステストをやってる。目を瞑った瞬間こっちに瞬間移動してくるあのSCPにはびっくりした。持ち上げて、遠くに放り投げるのを繰り返してたら実験は終了したけど。アレは怖かった。

 

 他にもサイボーグ少女というSCPが居て機械と女の子が融合した見た目をしていた。ほとんど何も反応が無くて困ったが、話してると次第に眼の光が赤から青に変わっていた。どういう意味なのかは分からなかったが、まぁ、敵ではないとは思ってくれたのだろうか。これからも機会があれば話をしてみよう。

 

 

 

☆月◎日

 

 今日は科学者に呼ばれて以前食事を運んだSCPとコミュニケーションを取れと命令された。此処に住み始めてはや一ヶ月くらい経って、財団がどういう組織なのかはだいたい分かった。

 

 財団は取り敢えず人類存続の為に犠牲を払いつつも頑張っている組織だということだ。で、財団が管理、収容、保護しているものには放っておけば人類が絶滅するKeter、たくさんの人を殺してしまう物Euclid、扱い方を間違わなければ基本無害であるSafeなど、この三種類に分けられる。他にも数種類あるらしいが、俺が知ることが出来るのはこの三つだけらしい。

 

 そして、これから俺が会うあの狐耳の美女だが、アレは放っておけば人類が滅亡するKeterクラスというらしい。

 

 俺は、生き残れるのだろうか。

 

 

☆月◆日

 

 生きてた。戦々恐々としていたが、なんていうか、拍子抜けするほどあの美女は俺に友好的だった。ただ、突発的に生き胆をくれとか言われたときは冷汗が出た。本気ではないにしてもあの美女は俺の反応を見て楽しんでいたらしい。性悪と言うか、いたずらっ子と言うか、科学者からは念入りに絆されるなよと釘を刺されたが、まぁ、大丈夫だと思う。

 

 この日は沼女というSCPとのコミュニケーションを取った。声がまるで少女のようだった。女の人型を取っていたから、きっと女の子だと思う。良く分からない。色々話していると、時々この沼女は、元はただの人間だったのではないかと思う。

 

 いや、ただの俺の戯言だな。

 

 それから30分程度話していたが、懐かれた。背中に乗っかって少しずつ俺を包んできた。何でも暖かいからだそうだ。クロステストは滞りなく終了したが、収納フロアを後にする俺を表情は分からなかったが、寂しそうに俺を見ているのが、少し印象的だった。

 

 

☆月★日

 

 オメガ7は戦闘部隊だ。俺にとってはこの異常な身体能力を最大限に生かせるし、給金も良い働き口だ。元軍人なおかげで戦闘することにそれほど忌避感はない。

 

 だけど、それはつまり財団との敵対的な勢力とも戦わなければならないということであり、その勢力に、子供がいてもなんら不思議ではないことだ。

 

 子供を殺すのは、辛い。その日はやはり色々と限界だったのかもしれない。八つ当たり気味に俺はアベルを殴りまくってた。

 

 おかげでアベルも普段より大人しかったからまぁ、これで良しとしよう。

 

 最近は、アイリスの能力を暗殺として使おうと考えてる奴らの存在が耳に入ってきた。アイリスは優しい奴だ。一人だった俺にたまに話しかけてくれた程度だが、それでも救われた部分がある。本人は人殺しをしたくないと言っているのに、強要しようとする。

 

 なんとかしてやりたい。

 

 俺の個人的な気持ちだ。

 

 

☆月γ日

 

 まぁ、当然俺の意見なんざ通るわけがなかったが、アイリスを暗殺者にしようとした連中は謎の行方不明になったとかどうとか一時期噂になったらしい。真偽の程は分からないけど、多分嘘だろう。財団が貴重な人材を廃棄するとは思えない。

 

 今日は一日暇だった。アイリスや他の部隊と会話に花を咲かせた。

 

 時折コロッと笑うアイリスの笑顔は見ていて癒される。書類整理とかで誤って重要書類と廃棄書類を混ぜてしまって慌てていた時は実に微笑ましかった。と思わず懐かしんでしまった。

 

 たった数ヶ月しかないのに激動の日常で、何年も生きた気になってしまう。少し年寄り臭かっただろうか。

 

 最近の流行とか全然わからなくて話についていけなくなっていた。

 

 ちょっと悲しくなった。

 

  

 

☆月○日

 

 久しぶりに日記を最初から読み返してみた。たった数ヶ月しか経ってないが、昔と比べると今は少し殺伐としている。最初のころは驚きと突然の連続で自然と日記も感情的になっていたのだろう。そう考えると少し恥ずかしいな。

 

 今日はあの狐の美女クミホと話をする。

 

 最近は定期的に彼女と話すようになった。昔よりは彼女の扱い方も慣れてきた。

 

 話をしていると最初のころと比べて少しやつれたとか言われた。

 

 多分、そうなんだろうな。今日はすぐに寝ようと思う。明日もクロステストがあるし、鋭気を養った方が良いだろう。

 

 

☆月ω日

 

 今回はブライト博士という人がクロステストを執り行った。ぜんまい仕掛けと言う機械に俺を入れて実験したいらしい。

 

 特に変化はなかった。ブライト博士は終始疑問符を浮かべていたらしいが、特に俺に異常はなかった。

 

 だが、他のDクラスに試したらそいつが暴れ出して他の職員の殺そうとしていたので、殴って黙らせた。程なくしてそのDクラスは急死、俺にやったこととDクラスにやった実験は同じだったが、一体何の違いがあったのかブライト博士にも分からないらしい。

 

 またやりたいと本人は言っていたが、上司からは以後、二度とやってはいけないと言われたらしい。

 

 それにしても、なぜ俺には何の変化もなかったのだろうか。

 

 

☆月Δ日

 

 ブライト博士からの命令で南緯47度9分 西経126度43分という太平洋の海の底に向かうことになった。クトゥルフ神が来るとかどうたらこうたらが聴こえたが、結局何もなかった。

 

 うん。俺は何も見なかったし、発見しなかった。

 

 

■月■日

 

 実験の最中、SCP-682、不死身の爬虫類と言う以前戦ったトカゲ怪獣が逃げたらしい。当然、現場に急行、というか、俺が向かってぶん殴って抑えた。両手両足を捥いどけば大人しくなるだろう。噛みついて来ようと舌から上あごを引っこ抜いといた。

 

 なんか、前よりも力が上がった気がする。色々心当たりがあるが、件のブライト博士の俺を見る目が危なくなった気がする。紅い宝石の首飾りを差し出してきた時は丁重にお断りした。事前にブライト博士を知っている人に彼のことについて訊いておいてほんとに良かった。

 

 その夜は、妖狐変化から晩酌しろとか言われた。胃が痛い・・・。酔った勢いで肝臓を引っこ抜かれたのは本当に勘弁してほしかった。

 

 でも、瞬く間に肝臓が再生したのは、俺自身驚きだった。彼女も予想外だったらしい。今だけはブライト博士に感謝して置こう。おかげで命拾いした。

 

 ただ、それ以降からしきりに食わせろ食わせろとせがんでくるのはどうにかしてほしい。俺の身が持たない。

 

 

 

 

■月△日

 

 最近、新しい心の清涼剤が来た。バスケットボールくらいの小さな機械のようなものだ。目玉が付いていて、名前はアイポッドだ。たまに一緒に散歩したりする。途中で999と合流して、999を背負いながら施設内を歩き回って楽しかった。

 

 心が洗われるようだった。

 

 ああ~、幸せ。

 

 

 

■月◎日

 

 オールドマンが脱走した。ポケットディメンションに連れてかれた職員の救出には成功したが、持ってた日記が腐食した。新しいのに買い換えないと。

 

 

γ月γ日

 

 最近、アベルがどうも様子がおかしい。多分、他のSCPと戦える機会が減ってきたからだろう。息抜きと称して戦ってやってはいるが、恐らく満足はしないだろう。とにかく殺しがしたい。彼奴はそういう奴だ。少し彼奴のことが分かった気がする。彼奴は生きるために殺しをしてるんだ。人間が動物の肉を喰らうように、あいつは殺した生き物の命を喰らっている。それで生きてるんだ。

 

 何となくだがそうやって生きているのだと俺は確信した。SCPとはいったい何なのか、時折考えるようになる。どこから生まれ、何処に現れるのか。結局、誰も答えは見いだせはしないが。そういうものだというあいまいな答えで納得するしかないのだろう。

 

 曲りなりとはいえ、俺もまたそのSCPなのだから。

 

 

■月α日

 

 超痛ぇ。警備員が投げたフリスビーが俺の腕を斬り落としやがった。マジでどうなってやがる。後で科学者から聞いたが、どうやらそれもSCPらしい。取り敢えず腕は完全にくっつくまで一日休むことにする。SCP-999が心配になって俺を見に来てくれたのが涙を誘った。

 

 今日一日こいつを抱き枕にして寝ることにする。

 

 

■月Ω日

 

 トカゲ怪獣がまた逃げた。取り敢えず手始めに両手足を捥いだが、すぐに再生してきて、肩を食いちぎられた。それからはあまり覚えてない。気付いたら延々とトカゲ怪獣の頭をもぎ取ってやった。大人しくなるはなるが、すぐに再生を始めるので鬱陶しい。収納フロアが出来るまでもぎ取り続ける作業だった。俺の精神がごっそり削り取られた気分だ。

 

 傷はもうすでに治っていた。元々身体は異常だったが、いよいよもって人間離れしてきたなぁ。

 

 




◆今回出たSCP◆

SCP-076 アベル オブジェクトクラス Keter

SCP-105 アイリス オブジェクトクラス Safe

SCP-504 批判的なトマト オブジェクトクラス Safe

SCP-999 くすぐりオバケ オブジェクトクラス Safe

SCP-860 青い鍵 オブジェクトクラス Safe

SCP-953 妖狐変化 オブジェクトクラス Keter

SCP-682 不死身の爬虫類 オブジェクトクラス Keter

SCP-173 彫刻 - オリジナル オブジェクトクラス Euclid

SCP-914 ぜんまい仕掛け オブジェクトクラス Safe

SCP-191 サイボーグ少女 オブジェクトクラス Safe

SCP-811 沼女 オブジェクトクラス Euclid

SCP-131 アイポッド オブジェクトクラス Safe

SCP-106 オールドマン オブジェクトクラス Keter

SCP-388 アルティメット・フリスビー オブジェクトクラス Euclid



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