ランスIF 二人の英雄   作:散々

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第107話 お礼参り 闘神都市 その闇はまだ露見せず

 

-自由都市ガヤ跡 闘神都市落下地点-

 

「メリムさーん、この材木はどこに運べばいいですかー?」

「あ、アリサさん。えっと……それは闘技場の方に運んで、キセダさんとカネオさんに渡してください」

「はーい!」

 

 パランチョ王国から手伝いに来ている青髪の少女が材木を運んでいく。明日にはリーザスからの手伝い人も僅かながら送られてくる予定であり、カサドの住人たちもよく働いている。この調子なら、町の復興は思ったよりも早く完了できそうだ。

 

「程々になったら旅に出て良いんだよ、メリムちゃん」

「いえ、最後までいますよ」

 

 大の男でも運ぶのが困難そうな量の材木を悠々担いだフロンがメリムに話し掛ける。遺跡の発掘で世界を回りたいと思っているメリムをあまり長期間拘束するのは申し訳ないと思っているのだろう。だが、メリムはクスリと笑いながら首を横に振る。

 

「私も町の完成は見たいですし。何て言うか……私が自由の身になった思い出の場所でもありますし」

「そうかい……」

「精が出るな、二人とも」

 

 突如後ろから声を掛けられる二人。聞き覚えのある声にまさかと思いながら振り返ると、そこに立っていたのはルーク。

 

「ルーク!?」

「ルークさん、どうしてここに!?」

「町の状況を見ておきたくてな。それと、少しだけだが手伝いにな」

 

 驚く二人に笑って返しながら周囲を見回すルーク。カサドの住人とパランチョ王国の兵士たちが協力して働いているのが目に入る。すると、ルークが来ているのに気が付いたマイやよっちゃん等の住人が手を振ってくる。あの戦いで多少なりとも繋がりを持った人たちだ。

 

「みんな元気そうだな」

「当たり前だよ。カサドの住人はタフなのが売りさ」

 

 フロンが力こぶを見せながら笑い飛ばす。ルークもそれを見ながら微笑んでいると、メリムが何かを思い出したかのように口を開く。

 

「ルークさん、フロストバインさんとタマさんには会いませんでしたか?」

「ん? いや、会っていないが……」

「あてな2号ちゃんの様子を見に行くって言って、二日前にアイスの町に向かったんです」

「二日前だとリーザスにいたからな。丁度入れ違いになったか……まあ、その内会う機会もあるだろ」

 

 残念ながらフロストバインとタマの二人とは入れ違いになってしまったらしい。メリムと軽く復興の状況を話していると、何かを考え込むかのように少し黙っていたフロンが口を開く。

 

「ルーク……本当にありがとうね。地上に降ろして貰った上に、これだけの手伝いを呼んで貰うなんて」

「俺は少し頼んだだけで、実際に動かしたのは王国のお偉いさん方だ。礼ならそちらに言ってくれ」

「いや……それでも、アンタに言いたいんだよ」

「……なら、素直に受け取っておく」

 

 頭を下げてくるフロンを見ながらルークが空を見上げ、問いかける。

 

「フロン。地上はどうだ?」

「最高だよ」

 

 そう答えながらフロンも空を見上げる。少し前まではあの空の上にいたのだと感慨深くなる二人。瞬間、ルークが強烈な闘気を感じ取って後ろを振り返る。ルークの目に飛び込んできたのは、五色の閃光。

 

「ピム・カラー!!」

 

 五色の閃光を纏った強烈な連続斬りがルークを襲う。だが、即座にブラックソードを抜いたルークはその斬撃を全て捌ききり、目の前にいる技を放った人物を笑いながら見やる。

 

「いきなりだな」

「防ぎきると思っていたからな。相変わらず腕は衰えていないな」

「えっ? えっ?」

 

 いきなり目の前で剣を抜いた二人を見てメリムが困惑するが、当の本人たちは笑い合っている。ルークの目の前に立っているのは金髪の騎士、パランチョ王国の王国軍総大将、ピッテン・チャオだ。

 

「見ていたか? 今のが俺の必殺技だ」

「す、素晴らしい……気品さも兼ね備えた、正しく騎士の技だ。うぅむ……ランスアタック、真滅斬、バイ・ラ・ウェイ、ピム・カラー……どれを目指すべきか……」

 

 ピッテンが後ろに声を掛けると、そこには目を輝かせたサーナキアが立っていた。どうやら必殺技というものに憧れているようだ。

 

「サーナキア、まだこの町にいたのか」

「ルーク、来ていたのか!? 少し復興を手伝ってから騎士を目指そうと思っているところだ」

「なるほど」

「世界を回って仕えるべき場所を探すんだとさ。ま、どこも見つからなかったらパランチョ王国に来ると良い」

 

 ピッテンがそう口にすると、サーナキアが感謝しながら頭を下げる。

 

「必殺技か。サーナキアは剛よりも柔寄りの騎士だからな。長所を伸ばすならバイ・ラ・ウェイやピム・カラー、短所を補うならランスアタックを参考にするのが良いだろう」

「なるほど……少し考えてみるか」

 

 さらりと自分の真滅斬を除外するあたり、参考にされるのは多少気恥ずかしさがあるのだろう。深く頷いているサーナキアから視線を外し、ピッテンに向き直る。

 

「悪かったな、無理を言って」

「なぁに、この場所に町が出来るなら、ウチとは長い付き合いになるだろうからな。今の内に交流を深めておくのは、こちらとしても当然の事さ」

「ポロンはどうだ?」

「見たら驚くぞ。日に日に王として成長している。それと、ハーレムも日に日に成長している」

「ふっ……」

 

 ピッテンの弟でもある次期王、ポロンの話になり二人とも静かに笑う。好青年に見えるが、その実美少女を七人も囲んでいたりする。だが、王としての資質は本物であり、更に格闘家、ヒーラーとしても一流という隠れた強者でもある。ピッテン、ポロンの兄弟と知り合いになったのも、ルークが強者を捜している道程での事であった。

 

「解放戦の英雄。随分と有名になったもんだな」

「まぁ、成り行きでしかないがな」

「……リーザスはお前から見てどうだ? 新しい女王は信頼するに値する人物か?」

「国同士の付き合いなら、ポロンの方が理解しているだろ?」

「一応、お前の意見を聞いておきたくてな」

 

 リーザスとは割と近い位置にあるパランチョ王国。必然的に、国交もかねてより行ってきた。以前より裏で政治を操っていた王女が女王に就任し、これまで以上にその手腕を振るっている。何かあればその都度のらりくらりとリーザスに有利な条件を提示されるため、ポロンが頭を抱えているのだ。兄として放っておけないのだろう。

 

「……女王、侍女、共に曲者だ。隙あらば喉元に噛みついてくる」

「ま、早々隙を見せる弟ではないがな」

「だが、個人的には信頼している」

「……そうか。なら、ポロンにもそう伝えておくかな」

「別に俺の意見などポロンには……」

「いや、あいつは割とお前に懐いているぞ。妬ましい事だ」

 

 少しだけ悔しそうにするピッテンを見ながら、相変わらずの兄馬鹿だなとルークはため息をつく。

 

「それと、頼まれたもんを持ってきたぞ。おい!」

 

 ピッテンが遠くにいた部下に向かって声を掛けると、部下が突如キャンプ地帯の方に駆けていき、テントから何かを持ってこちらに再度駆けてくる。

 

「ピッテン大将、こちらです」

「ああ、ご苦労。作業に戻れ」

「はっ!」

 

 兵からある物を受け取ったピッテンが作業に戻るように指示を出すと、すぐに兵は駆けていき持ち場に戻った。ピッテンの両腕には二つの武器が握られている。剣とハンマーだ。

 

「こっちの剣は俺が以前使っていたピッピルクラ。軽くて斬れ味も良い一級品だ。それと、こっちがキングギアのお古でトールトゥー。扱いは難しいが驚異的な威力を誇るハンマーだって自慢していたぜ」

 

 キングギアというのはパランチョ王国の王国軍に仕える老戦士だ。各国の軍には基本的に特徴がある。リーザス、ヘルマンは剣装備の騎士、ゼスは魔法兵を主としている。勿論それが全てではなく、アリストレスやセピアのような弓兵、ミネバのような斧兵も存在するし、リーザスには魔法軍もある。だが、割合では先に挙げた者たちが多い。それに対し、パランチョ王国は多種多様な武器を扱う者たちが雑居する軍隊なのだ。剣、刀、槍、斧、ハンマー、弓、短剣、杖、拳、薙刀、果ては蹴りで戦う老人までいるとのこと。それらの者たちが満足できるようにと様々な武器を扱う内に規模が大きくなり、あまり知られてはいないが隠れた武器大国としての一面も持っているのだ。

 

「ま、どちらも一級品なのは保証する。誰にあげるか知らんが、大事に使うように言ってくれよ」

「ああ、感謝する」

「ルーク、もしかしてそれはトマトとセスナに……?」

「まあ、そういう事だ」

 

 ピッテンから剣とハンマーを受け取るルーク。サーナキアの問いかけ通り、闘神都市で家宝の剣を折られたトマトと、自分を護るためにハンマーを犠牲にしたセスナへ渡すつもりなのだ。

 

「さて、俺も少し手伝っていくとするか。そういえば、ニコペリはどうした?」

 

 ルークが肩を鳴らしながら作業をしている面々に混ざろうとするが、ふとピッテンの側にいつもいる人物がいない事に気が付く。ニコペリというのはパランチョ王国に仕える老魔法使いであり、ピッテンの側近だ。

 

「今、カイズに行っている。AL教で新しい司教のお披露目があるんだとさ」

「シンシアちゃんとアリシアちゃんもカイズに行っているよ。ついでにAL教に入信してくるってさ」

「シンシアはヨウナシ一筋じゃないのか?」

 

 ピッテンの言葉にフロンが付け加えてくる。シンシアはヨウナシ教一筋だと思っていたルークが首を捻っていると、フロンが苦笑しながら言葉を続ける。

 

「教会も潰れちゃったからね。AL教に入って色々優遇して貰いつつ、裏でヨウナシ教を広めるんだって張り切っていたよ」

「逞しいな。だが、新司教か……」

「丁度空きが二つあるからな。恐らく、二人就任するだろうな」

「ん? そうなのか?」

 

 新司教には誰がなるのかとルークが考えを巡らしていると、ピッテンが新司教は二人だと言ったため驚くルーク。一気に二人就任など、初めての事態ではなかろうか。

 

「そうか、空中都市にいたから知らなくても無理はないな。解放戦に巻き込まれて一人死亡、その穴を埋めるのが誰かで協議している間に老司教が一人老衰」

「遂にエンロンが死んだか?」

「いや、まだ生きているよ。死んだのはザブツ司教の方だ。司教は基本的に四人体制。流石に半分じゃ公務を回せないって事で、ALICE様と法王が協議して急遽二人決めたらしい」

 

 ピッテンがそう語りながらカイズのある方向に視線を移す。流石にここからでは遠すぎて影も形も見えないが、今カイズには多くの人が集まっている事だろう。

 

「新司教か……」

 

 ルークがそう呟くが、内心ではそれ程自分に関わり合いのある事だとは思っていない。ルーク自身はAL教の信者ではないし、世界中に影響をもたらす法王ならまだしも、その下に位置する司教ではそれ程関わり合いになる事もないだろうと考えていた。そのまま町の復興作業に移るルーク。まさか今カイズで行われている会談にある女性が参加しているとは夢にも思っていなかった。

 

 

 

-川中島 カイズ-

 

 宗教都市カイズ。川中島にあるこの都市は今、多くの人でごった返していた。新司教の発表は各地にあるAL教の教会に伝達され、敬虔なAL教信者が多く詰めかけていたのだ。法王発表ほど大きなイベントでは無いため、各国からの使者は来ていないが、それでも都市は人で溢れかえっており、少し歩くだけで疲労感が襲うほどであった。

 

「スー、疲レタゾ」

「あら、じゃあちょっと休みましょうか?」

 

 レッドにある教会の責任者であるセルも、スーを連れてカイズを訪れていた。新司教発表までまだ時間がある。どこか休める場所は無いかきょろきょろと辺りを見回していると、ふと見覚えのある顔が視線に入る。

 

「あら? あれはロゼさん……?」

 

 ロゼによく似た人物を見かけたセルだったが、その人物はAL教本部の入り口に立つテンプルナイトに何やら書類を見せて中に入っていく。それを見たセルは人違いであったと考えを改め、休憩所を再度探し始める。AL教本部へは現在一般の神官は立ち入り禁止。セルは勿論、ロゼも入れるはずがないのだ。だが、それは見間違いではない。AL教本部に入っていったのは、確かにロゼ本人であった。

 

 

 

-AL教本部 廊下-

 

「おお、ロゼ殿! お久しぶりです」

「あら、ロードリング司祭様」

 

 AL教本部の廊下を歩くロゼ。すると、突如後ろから声を掛けられる。振り返ると、そこにいたのは女神ALICEを模したアリス人形を手に抱えた禿頭の青年。彼はミ・ロードリング司祭。まだ20代でありながら自由都市の一部の地域を管理しているAL教の幹部であり、その信仰心はAL教でも屈指とされているため、今回の新司教候補ナンバー1とも噂されている。

 

「ロゼ殿もムーララルー様から呼ばれたのですか?」

「んー……まあね」

「おお!? 流石です。貴女の奇抜な捉え方はもっと評価されるべきですからね」

「私、あんたの信仰するALICEを悪魔と変わらないって言ってるんだけど?」

 

 ロゼはかつて神と悪魔の根源は同じという発言した事からAL教内では睨まれている立場であり、女神ALICEを特に信仰しているロードリングからは嫌われていてもおかしくない立場なのだ。だが、ロードリングは気にする様子も無く話を続ける。

 

「はっはっは。人の考えは千差万別。ALICE様の捉え方も色々な着眼点があってしかるべきです。そのような事で腹を立てるALICE様ではありません」

『うん、ミー君。そんな事じゃ怒らないよ』

「うおおっ! 流石はALICE様、お心が深い!!」

 

 持っていたアリス人形で腹話術をし、一人で盛り上がるロードリングを見ながらロゼがため息をつく。

 

「これくらい馬鹿なら、逆に上に立ってもらっても良いかなって思えるんだけどねぇ……」

「二人とも、良く来た」

 

 すると、正面から法王ムーララルーが歩いてきて二人に声を掛ける。慌てて姿勢を正すロードリング。

 

「ム、ムーララルー様!?」

「ついてくるが良い。既に他の者は待っている」

「法王様。私、呼ばれた理由が全然判らないんだけど」

「……それも含めて説明する」

 

 緊張するロードリングを余所に、ロゼがいつもと変わらぬ調子でムーララルーに話し掛ける。少しだけロゼに視線を移したムーララルーだったが、すぐに背を向けてついて来るように促す。そのまま後をついていく二人。通常では立ち入れない場所を通り、地下へと降りていった先にその部屋はあった。

 

 

 

-AL教本部 女神の部屋-

 

「ここは……」

「ここは女神の部屋。本来なら法王と司教しか入室を許されない部屋だ」

 

 その部屋に足を踏み入れたロゼが眉をひそめる。かなり豪華な祭壇室と言ったところか。部屋の奥には現司教の二人、恰幅の良い中年であるオズ・トータス司教と、車椅子に乗った老人のローレ・エンロン司教が控えており、その手前には二人の人物が立っている。一人は黒髪の少女、もう一人は仮面をつけた青年、ロゼも良く知るパルオット司祭だ。

 

「ムーララルー様。言ってくだされば私が迎えにあがりましたのに」

「いや、これもALICE様に申しあずかった私の役目だ」

 

 そう口を開くトータス司教に気にするなと答えながら、ムーララルーが部屋の最奥へと歩いて行き振り返る。ロゼとロードリングはパルオットの横に立つように言われ、言うとおりにする。最奥にムーララルー、その横に二人の司教、その三人を見据える四人の人物という構図が出来上がる。

 

「スプリンガー・パルオット、クルックー・モフス、ミ・ロードリング、ロゼ・カド、以上四名揃ったな」

「(この娘がクルックー……)」

 

 ロゼがチラリとパルオットの横に立つ少女を見る。まだ年端もいかぬ少女だ。これがAL教内でも話題になっている現法王の娘、クルックー・モフス司祭。高い信仰心と真面目に働く姿から司祭になって当然と見る者もいれば、あまりにも早い抜擢から親の七光りであると見る者もいる。

 

「では、これよりALICE様のお言葉を伝える。新司教は二名、それに該当する物はこの四名の中にいる」

「おおっ……」

「…………」

 

 ロードリングが思わず声を漏らしてしまうが、他の者は一様に黙っている。

 

「まず一人目は、ミ・ロードリング。これからは司教を名乗るが良い」

「わ、私が……!?」

「期待しているぞ。私もALICE様もな」

「うぉぉぉぉ……」

 

 ムーララルーがそう口にすると、ロードリングが目から涙を零して感激に打ち震える。その姿を見ながら現司教の二人が心の中で呟く。

 

「(まあ、順当ですかね……)」

「(ふ、ふん。小娘二人がなるよりかは幾分ましかの……)」

 

 信者の間でも噂されていた通り、ロードリングが司教になるのは順当な流れである。だが、今回は後一人司教になる者がいるのだ。こちらの予想は信者の間でも割れている。ロードリングに次ぐ実力派の司祭であるパルオットを推す声と、新星であり親が法王であるクルックーを推す声。他にも多くの司祭の名前が挙げられたが、特に有力視されているのはこの二人であった。

 

「(モフスはまだ早い……ここはパルオット司祭でしょうね)」

「(パルオットじゃな……そもそも、何故ここに小娘二人が呼ばれておるのじゃ)」

 

 現司教の二人はパルオットに予想を立てるが、直後にムーララルーが読み上げた名前に目を見開く事になる。

 

「二人目は、ロゼ・カド。これからは司教を名乗るが良い」

「「なっ!?」」

「お断りします」

「……!?」

 

 予想だにしていなかった名前にトータスとエンロンは思わず声を漏らすが、ロゼが即答で司教就任を断る。その言葉に今まで無表情であったクルックーが一瞬だけピクリと反応し、ロゼをチラリと見る。

 

「な、何故ですか、ロゼ殿!? ALICE様が貴女をお認めになったのですぞ?」

「びっくりするくらい意味判らないんですけど。とりあえず、器じゃありませんって事で」

「(司教の座を蹴るだと……)」

「(小娘め……何を考えておる……)」

「ふむ……」

 

 先に司教に決まったロードリングが困惑してロゼに問うが、ロゼは平然と言葉を続ける。現司教の二人はロゼの表情を窺いながら考えを巡らせている。司教就任を断るなど、正気の沙汰ではない。

 

「その考えは変わらぬか?」

「恐れ多くもALICE様を悪魔と同じと侮辱した身、そのような身で上に立っては信者が混乱してしまいますわ。という訳で、謹んでお断りします」

 

 深々と頭を下げるロゼを見ながら、ムーララルーは一度深く頷く。

 

「だが、ALICE様はこの答えまで読んでおられた。その際の対処も既に預かっている」

「な、なんと!? 流石はALICE様……」

「ロゼ・カドが断った場合の新司教はスプリンガー・パルオット。まさか断りはしませんね?」

「はっ……謹んでお受けします」

 

 ロードリングが再び感動に打ち震える中、新司教にパルオットの名前が呼ばれる。その場に跪くパルオットを見て一度頷くムーララルー。

 

「それと、司教を断ったロゼ・カドには代わりに一つの権利を与える」

「権利?」

「ALICE様直々の特例だ。ロゼ・カド、今後お前が望めば、何時いかなる時でも特例で司教になれる権利を与える」

「……司教は四名の決まりでは無いのですか?」

「っ……」

 

 クルックーが静かに挙手しながら問いかける。一度その顔を見て難しい表情になるムーララルーだったが、すぐに表情を取り繕ってそれに答える。

 

「特例の五人目として迎え入れるとの事です」

「おおっ……何という特別枠。凄い事ですぞ、ロゼ殿」

「折角の権利ですけど、使う事はないと思いますわ」

 

 ロゼがそう答えるが、ムーララルーは静かに首を横に振る。

 

「ロゼ・カド。ALICE様の名において予言しよう。お前は必ずこの権利を使う事になる。必ずだ……」

「…………」

「これにて新司教の発表を終わりにする。ミ・ロードリング、スプリンガー・パルオットの二名はこれより一時間後、聴衆の前で挨拶をする事になる。トータス、どのように振る舞えばいいか教えておくように」

「はっ……」

 

 その場に跪いてトータスが答える。こうして解散の流れになったが、静かにクルックーが手を挙げる。

 

「あの……私は何故呼ばれたのでしょうか? お言葉ですが、今回の発表に私は不要だったと思うのですが……」

「っ……! つ、伝え忘れていた事がありました。クルックー・モフスはこれより司教見習いとする。立場上は司祭だが、司教にもしもの事があった際にいつでも司教に立ち替われるよう、ロードリングやパルオットと共にトータスから教わるように」

 

 慌てて付け加えるムーララルー。だが、少し様子がおかしい。

 

「司教見習い? これまでそのような立場がありましたか?」

「こ、今回の立て続けに二名の司教がいなくなった事でバタバタしましたからね。ALICE様がそうお決めになったのだ」

「(ふ、ふん。どうだかな……やはり我が子可愛いさに特例を作るか……)」

 

 トータスが不思議そうに問いかけると、ムーララルーが汗を掻きながら言い繕う。その姿を見てエンロンはこれを法王の独断であると確信するが、真実は逆である。

 

「(頼む……断ってくれ……)」

 

 祈るようなムーララルーの声なき言葉は、届く事は無い。

 

「判りました……謹んでお受けします」

 

 こうしてAL教は新体制に入る。新司教にミ・ロードリングとスプリンガー・パルオットが抜擢され、クルックー・モフスが司教見習いという立場になる。もっと年のいった司祭も多い中、若き三人が大きな地位を得たのだ。そして、公には発表される事はないが、ロゼがそれと同等の権利を得る事になった。この日、AL教は大きく動いたのだ。

 

 

 

-AL教本部 廊下-

 

「はぁ……何考えているのかしらね」

 

 AL教本部の廊下を歩きながらロゼがそう呟く。ムーララルーから直々に届いた手紙には、司教就任の事がハッキリと書かれていたのだ。だからこそ、あれだけ即答出来たのだ。

 

「私を司教にしても、何の旨みも無いっていうのに……」

「……待ってください」

 

 ロゼがコキコキと首を鳴らしながら歩いていると、ふいに後ろから声を掛けられる。振り返ると、そこには先程一緒に発表を聞いたクルックーが立っていた。

 

「少し聞きたい事が……」

「何? お姉さんで答えられる事なら何でも答えるわよ」

「何故司教就任を断ったのですか? 司教はAL教神官の憧れですよね?」

 

 そう聞いてくるクルックーに何か熱い物を感じるロゼ。感情をあまり表に出さない子なのかと思っていたが、彼女の信仰心もかなりの物だと感じ取る。

 

「……私は変わっているのよ。司祭なら私の名前や問題になった発言くらいは誰かから聞いた事くらいはあるでしょう?」

「はい。神が真に望んでいるのは混沌、神も悪魔も根本では変わらない、起源は同じなのではないか、でしたね。理解しかねます」

「そう。多分アンタには理解出来ない。それが普通。おかしいのは私。だから、理解しないで切り捨てた方が良いわ」

「全ての者に手を差し伸べるのがAL教の……」

「クルックー。人生経験豊富なお姉さんが良い事教えてあげる。理解出来ない、判り合えない存在っていうのは必ず存在するわ」

 

 そう言葉を続けるロゼ。一度クルックーが考え込み、今の言葉を自分の中で自分なりに解釈して再度問う。

 

「判り合えない存在というのは、モンスターや魔人の事でしょうか?」

「種族は関係ないわ。同じ人間でも判り合えない奴もいるし、別の種族でも判り合える奴だっている。最近考えているのは、魔人とだって判り合えるかもしれないって事」

「魔人と判り合う……?」

「おっと、また問題になりそうな事言っちゃったわね。出来たら忘れといて」

 

 クルックーの瞳を見ながら平然とそう答えるロゼ。ふと彼女の右目が髪で隠れているのが気になり、スッと近づいてその髪に手を伸ばす。

 

「それじゃあ前が見づらいでしょう……ん?」

「…………」

「ああ、ごめん、ごめん。そういう事ね」

 

 髪をどけた先にあったものを見てロゼが明るく謝る。クルックーの右目は事故により失明しているのだ。スッと髪を戻しながらクルックーが頭を下げる。

 

「失礼しました。お見苦しい物を」

「全然。こっちこそ悪かったわね。あまり踏み込まれたくないところだったかしら?」

「いえ……そういう訳では……」

「そう。でも、よくよく見るとその右目を隠すスタイルも格好いいわね。あるいは眼帯というのもプリティーで良いかもしれないわ。元が可愛いんだし」

 

 ロゼが観察するようにクルックーの顔を覗き込む。そのロゼを無表情のまま見据え、クルックーが口を開く。

 

「……右目に関して何も言わないのですね」

「だって、アンタ自身がそれをハンデとも思っていないし、気にしてもいないでしょ? なら、こっちが気にする方が逆に失礼じゃない」

「…………」

「AL教の教えってさ、何か肩凝るじゃない? 全ての者にとか、万人にとかさ。人は一人一人違うんだから、それに見合った対応しなきゃね」

「そういうものでしょうか……」

 

 考え込むクルックーに対し、自信満々に胸を張るロゼ。

 

「私なんか凄いわよ。相手がはにわ教だったらはにわ教の神官になるし、天志教だったら天志教の坊さんになるんだから」

「それは少し違うと思いますが……」

「おっ? ちょっとだけ面白かった?」

 

 それは、普通では感じ取れないレベルの変化。だが、ほんの少しだけクルックーの目が柔らかくなるのを感じたロゼがむにむにとクルックーの頬を触りながらそう尋ねる。

 

「……どうでしょうか?」

「自分の事でしょうが。ま、頑張りなさいな。多分エンロンのクソジジイとかが意地悪してくると思うけど、負けないようにね。アンタがいなくなると、エンロンのジジイが死んだときにまた私が呼ばれそうだし」

「はぁ……」

 

 ロゼがヒラヒラと手を振りながら去っていく。今まで出会ったAL教信者とはまるで違う考えのロゼの背中を見送りながら、受け取った言葉を改めて考え直すクルックー。だが、何度考えても理解する事は出来なかった。

 

「で、覗き見は趣味が悪いわよ、トータス司教様」

「気が付いていましたか」

 

 ロゼが廊下の角を曲がりながらそう口を開くと、そこにはトータス司教が立っていた。手にはアタッシュケースを持っている。

 

「これを」

「ん?」

 

 ケースを受け取るロゼ。中々に重量のあるそれの中を確認すると、そこにはGOLDが大量に詰まっていた。恐らく、100万GOLDはあるだろう。尋常でない額である。

 

「言いたい事は判りますね」

「勿論。これでお土産を買って帰れって事ですわね? ありがたく頂戴致しますわ」

 

 そう言ってアタッシュケースを片手にこの場を離れようとするロゼ。慌ててトータスが止めようとする。

 

「ま、待て! そうではなく……」

「そんなに心配しなくても、司教なんかにならないわよ」

 

 トータスの言いたかった事を口にしながらヒラヒラと手を振ってこの場を離れるロゼ。100万GOLDは破格の出費だ。だが、法王就任の際のライバルが3人から4人に増える事を考えれば痛くはない。そう考えての賄賂であった。トータスと別れたロゼはAL教本部から出て行こうとする。目の前にある扉を通れば外だ。だが、扉の前に誰かが立っている。

 

「ロゼ……」

「パルオット、あ、司教って呼ばなきゃまずいか。就任おめでとう」

「……」

 

 以前からの知り合いであるパルオットがそこに立っていた。ロゼが素直に司教就任をお祝いするが、パルオットは何も答えない。仮面で表情は読み取れないが、明らかに様子がおかしい。

 

「……どうしたの? 緊張でもしてるの?」

「ロゼ、私は本当に司教になっても良いのか……?」

「いや、アンタほどの器は他には……」

「私は最近、AL教の教えに疑問を感じてしまっている……」

 

 突如パルオットが不穏な事を言う。ロードリングほどではないとはいえ、信仰心は司祭の中でも高い位置にいたはずのパルオットがこのような事を言う事にロゼが少なからず驚く。

 

「AL教は本当に正しいのか……?」

「……トータスかエンロン辺りの仕事についていった?」

「…………」

 

 パルオットは何も答えない。それが全てを物語っている。あの二人は目的の為に手段を選ばないタイプだ。立ちはだかる者がいれば、謀殺などの手段も秘密裏に行っていたりする。司教と組んで仕事をする事の多かったパルオットもその事は当然知っているはずだが、何か堪える出来事でもあったのだろう。

 

「とある町でAL教の活動をする際に障害になっていた一家を……皆殺しにした。神への反逆者の大義名分でな……その中には、まだ5つにも満たぬ子供がいた……」

「やり口的にエンロンか……」

「手を下したのは私だ……幼子を貫いた感触がまだこの手に残っている。私は……司教になって本当に良いのか……?」

 

 自分の右手を見ながら震えるパルオット。彼の目には、血に染まった手が映っていた。

 

「私は……」

「悩むだけマシなんじゃない?」

 

 ポン、とパルオットの肩に手を乗せるロゼ。

 

「AL教の教えがおかしいっていうならさ、アンタが法王になってAL教を変えなさいよ。そうなったら、トータスとエンロンの馬鹿二人は追い出してよね」

「相変わらず司教に対する口の聞き方ではないな……」

「なんたってあたし、いつでも司教様になれる立場だしね」

「ふっ……」

 

 少しだけ口元に笑みを浮かべるパルオット。ふいにロゼが真剣な表情になる。

 

「頑張ってよね。アンタやロードリングならまだ法王を任せられる。でも、トータスやエンロンが法王になったらどうなるか判ったもんじゃない」

「私は、そのように言われる程の人間では無い……」

「私がそう思ってんのよ」

 

 パルオットの背中を一度叩き、ロゼが扉を開けて教団を出て行く。

 

「ロゼ……」

「悩みがあったらいつでも聞くわよ、司教様。勿論、有料だけどね」

「……すまん。弱いところを見せた」

 

 扉から出て行くロゼにそう声を掛けるパルオット。だが、その声は先程よりも少しだけ調子が戻っている。多少なりともロゼの励ましは効いたようだ。だからこそ、ロゼもパルオットも予想していなかった。これが、ロゼとパルオットが互いにAL教に在籍した状態での最後の会話になるという事を。

 

 

 

-カイズ 広場-

 

「新司教はロードリング様とパルオット様になったのね……お二人共素晴らしいわ……」

 

 人で溢れる広場に立つセルが、遠くに見えるAL教本部のテラスから手を振るロードリングとパルオットの姿を見てうっとりとする。新司教のお披露目に詰めかけた人々の盛り上がりは最高潮になっていた。

 

「セル、スーハモウ帰リタイゾ」

「ん? ……そうね、これ以上長居すると帰りの船が混雑するだろうし、帰りましょうか」

「あら? セルも来ていたのね」

 

 セルが帰るのを決断すると同時に声が掛けられる。振り返ると、そこにいたのはロゼ。

 

「あれ? じゃあさっきのは見間違いじゃない……?」

「ん、なんの話?」

「ロゼ、サッキアノ建物ニ入ラナカッタカ?」

「AL教本部? 私が入れる訳ないじゃない」

 

 セルが困惑しているが、ロゼの言葉を聞いてやはり見間違いだったのかと納得する。

 

「まだいるつもり?」

「いえ、もう帰るところです」

「なら、お土産屋に寄っていかない。臨時収入あったから奢るわよ」

 

 ロゼがそう言った瞬間、セルは目を見開き、スーはセルの後ろに隠れて震え出す。

 

「ロゼさんが……奢り……?」

「セル、コノロゼ偽者ダ!」

「あんたら、私を何だと思っているのよ……」

 

 ため息をつきながら一度だけAL教本部を振り返るロゼ。ロードリングとパルオットが手を振り、その横にはトータスとエンロン、そしてムーララルーがいる。華やかに見えるが、その闇はあまりに深い。

 

『ALICE様の名において予言しよう。お前は必ずこの権利を使う事になる。必ずだ……』

 

 ふいにムーララルーの言葉が頭を過ぎる。

 

「(使わないわよ……絶対にね……)」

 

 ロゼはそう心の中で呟きながら、セルとスーを連れてこの場を後にするのだった。

 

 




[人物]
ポロン・チャオ (ゲスト)
LV 32/70
技能 格闘LV2 神魔法LV2
 パランチョ王国第二王子にして次期国王。甘いマスクの好青年であり、知の才に恵まれ、王としての資質は大国を相手にしても一歩も引けをとらない。また、神官、格闘家としての才能にも恵まれており、デカントの群れを難なく打ち倒す程の強者でもある。息をするかのように自然に七人の少女たちとハーレムを形成中。名前はアリスソフト作品の「かえるにょ・ぱにょーん」より。世界観がランスシリーズと同じ作品であるため、こういう可能性もあるという一つ。

キングギア (ゲスト)
LV 26/34
技能 槌戦闘LV2
 パランチョ王国に仕える老戦士。地下帝国ブハードの実験により生み出された人間とポピンズの配合種で、ドワーフと呼ばれる異質の種族である。齢200を越えているが、実験の影響からか、今なお戦士として健在。名前はアリスソフト作品の「ママトト」より。

ニコペリ (ゲスト)
LV 30/30
技能 魔法LV2
 パランチョ王国に仕える老魔法使い。ピッテンの忠実な部下であり、見た目はよぼよぼの老人だが、その実力はかつてゼスからもスカウトが来たほどの実力者。召喚魔法を得意としており、カバッハーンやエンロンとも知り合いである。名前はアリスソフト作品の「かえるにょ・ぱにょーん」より。

ムーララルー (礼)
LV 1/5
技能 説得LV2
 AL教団の法王。AL教の最大権力者だが、その実体は女神ALICEの傀儡である。実力はないが人の心を掴むのが上手く、元々は非常に優秀な神官であったが、法王になった頃から徐々に裏で女性信者に手を出すようになる。まるで現実逃避をしているかのような行いであり、ロゼ曰く、既に壊れている。

オズ・トータス
LV 11/14
技能 神魔法LV1 説得LV1
 AL教団の司教。政治手腕に長け、司教の地位に就いてからは裏工作等を駆使して徐々に勢力を拡大している。現在はエンロンと派閥を二分するほどにまでなり、数年後には最大勢力となる事も目されている事から次期法王とも噂されている。

ローレ・エンロン
LV 19/27
技能 魔法LV2 神魔法LV1
 AL教団の司教。既に160を越える老人であり、生体活動を補助する魔導車椅子に乗って生活している。これまで何度も法王を決めるムーラテストに落選しており、法王になるまでは死ねないという執念でのみ生きている。魔法使いとしての実力は本物で、召喚魔法を得意としている。

ミ・ロードリング
LV 16/23
技能 神魔法LV2
 AL教団の新司教。女神ALICEへの信仰心は教団でも屈指であり、常にアリス人形を持ち歩いて腹話術で話をするほどの狂信者。その盲信ゆえに暴走する事もあり、ALICEが喜ぶと思えばモンスターの群れにも平気で突っ込む。だが根は悪い人物ではなく、部下や信者には彼を慕う者も多い。AL教内でロゼの才能を認めている数少ない人物の一人。

スプリンガー・パルオット (礼)
LV 27/55
技能 槌戦闘LV1 神魔法LV1 説得LV1
 AL教団の新司教。実力、人気共に文句なしの人物であり、ロードリングと共に今回の有力株とされていた。かねてよりロゼを裏で支援しているが、これまで上の者からの命令には嫌な顔一つせず従ってきた事から、トータスやエンロンの覚えも良い。密かに戦闘能力も高いがそれを表に出す事は滅多になく、直属の部下にもあまり知られていない。薄々AL教団の闇には気が付いていたが、最近は特に不信感を抱いている。

クルックー・モフス
LV 12/50
技能 神魔法LV2
 AL教団の司教見習い。神を信奉しており、その信仰心や真面目な姿からAL教内で一定の評価を得ていたが、何者かの裏工作によってあまりその名は知れ渡っていない。現法王の娘であり、親の七光りでの抜擢とも噂されている。幼い頃の事故で右目を失明しており、髪で隠すようにしている。


[技]
ピム・カラー
 ピッテンの必殺技。五色の閃光と共に敵を切り刻む連続斬りで、その剣速を完全に見切れる者は大陸でも僅かと言われている。


[装備品]
ピッピルクラ
 ピッテンから譲り受けた剣。見た目は重厚だが、非常に軽く扱いやすい剣。斬れ味も一級品であり、名剣と呼んで差し支えのない一品。名前はアリスソフト作品の「ママトト」より。

トールトゥー
 ピッテンから譲り受けたハンマー。扱いは難しいが、驚異的な威力を叩き出す名品。更に、持ち主の魔抵力を上げる付加も施されている。名前はアリスソフト作品の「ママトト」より。

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