ランスIF 二人の英雄   作:散々

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第141話 最悪のカップル

 

-洞窟内 鍾乳洞地帯-

 

「……もう嫌や! 疲れた!!」

 

 ランスたちが古井戸内部を探索している頃、コパンドンは遂に我慢の限界を迎えていた。荷物を放り投げ、その場に座り込んでしまうが無理もない。バードとコパンドンは未だにランスたちと出会った鍾乳洞地帯を彷徨っていたのだ。時間にして半日、流石のコパンドンもいい加減バードに愛想がつきはじめてくる。突然キレたコパンドンにおどおどしているバードをギロリと睨みながら口を開く。

 

「あんた、本当に大吉か? 迷宮一つ抜けられずにこんな苦労するとか信じられへんわ!」

「ご、ごめんなさい……」

「ごめんとちゃう! アンタは謝ってばかりや! 謝ればそれで済むとでも思っとるんか!?」

「うっ……」

 

 情けない声を漏らすバードを見てため息をつくコパンドン。チラリと自身の持つお神籤に視線を落とす。

 

「(おかしい……どう考えても大吉とは思えん……まさか、うちが間違えたか……? いや、占いの腕には自信がある、間違えたりはせんはずや……)」

「と、とりあえず歩こう」

「嫌や、疲れた。歩いたら脱出出来る見込みでもあるんか?」

「でも、歩かないと脱出は出来な……」

「うるさい、あんぽんたん!」

「むっ……」

 

 そのコパンドンの態度に少しだけバードがイラッと来る。というのも、数時間前からコパンドンの口は増えており、バードの中にも溜まっていたものがあったからだ。一度深い息を吐いて心を落ち着けてから、バードが少しだけ反論をする。

 

「君は僕が信じられないのかい? 僕の運勢は大吉と言っていたじゃないか」

「それは……」

「なら、僕の事をもう一度占うといい! そうしたら、きっと不安も吹き飛ぶ」

「うっ……」

 

 自信満々にそう告げるバードにコパンドンが若干押される。確かに、もう一度占えば不安は吹き払えるかもしれない。だが、もし占い直して大吉でなかったら、自分は先程みすみす大吉のランスを取り逃がした事になってしまう。自分の占いの腕には自信がある。かといって、不安な気持ちが無い訳ではない。

 

「(どうする……占い直すか……でも……)」

「さあ、コパンドン!」

「(くっ……さっきまでコパンドンさん言うとったのに、急に強気になってからに……大吉じゃなかったら、こんな男と一緒におらんわ……)」

 

 初めこそイケメンのバードを気に入っていたものの、これだけの時間共に迷子になっていれば嫌な部分が多く見えてこようというもの。既にコパンドンの中のバードの価値は大吉だけの状態になっていた。そんなコパンドンの気持ちも知らず、バードは決め顔でコパンドンに迫る。

 

「さあ!」

「……えぇい、女は度胸や! おーみーくーじー!!」

 

 あまりにもしつこいバードにむかっ腹が立ったのか、覚悟を決めたコパンドンは持っていた巨大お神籤を勢いよく上空に投げ、自身も跳び上がった。そのまま空中でお神籤を掴み、地面を睨み付ける。

 

「運命、しかと受け止めな! 開運!!」

 

 勢いよくお神籤が地面に突き刺さり、中から結果が出てくる。それを手に取り、抜き取るコパンドン。その棒に書かれていた文字は『大吉』の二文字であった。

 

「大吉や……」

「ほら、やっぱり大吉じゃないか!」

 

 バードが渾身のドヤ顔で近寄ってくる。少しイラッとしたものの、大吉であるならばこの程度の苛つきは我慢出来る。

 

「……そうやな。うちの占いが間違えるなんてないわ」

「きっと、今はちょうどバイオリズムで言うところの底辺の期間なんだよ。いずれ僕たちの運も良くなってくる!」

「もし……そこの方……」

「ん?」

 

 コパンドンにも微笑みが戻り、それを見てバードも満面の笑みを作ってコパンドンの手を取り喜び合う。瞬間、岩陰から声を掛けられる。二人がそちらに振り返ると、そこにはローブで全身を覆った人物が一人立っていた。顔はよく見えないが、声からして男だという事は判る。ローブの上からでも体格が良いことが見て取れるため、恐らく旅の冒険者といったところだろう。

 

「誰や、あんた?」

「名乗る程でもない根無し草です。お聞きしたい事がありまして……」

「聞きたい事?」

「この辺りにギャルズタワーという建物があると聞いてやってきたのですが、中々見つからず……どこにあるかご存じないかと思いまして、声を掛けさせていただきました」

「なんや、アンタも迷子か」

 

 コパンドンが小さくため息をつく。早速大吉の効果が表れて脱出方法を知っている人間に会えたのかと少しだけ期待したからだ。話し掛けるや否やガッカリされてしまい、何事かと困惑するローブの男に対しバードがフォローを入れる。

 

「すいません、僕たちも今迷子でして……そのギャルズタワーという建物の場所も知らないんです」

「そうでしたか、失礼しました。迷子なのでしたら、この先を真っ直ぐ行けば私が入って来た入り口に辿り着けると思いますよ」

「ほんまか!? これは運が向いてきたで!」

 

 ローブの男がそう言って自分の来た方向を指差すと、コパンドンがグッと拳を握りしめる。これでこの陰気な洞窟とおさらばできるのだ。嬉しくない訳がない。バードも満面の笑みでコパンドンに声を掛ける。

 

「ほら、だから言ったじゃないですか! 僕たちは大吉カップルなんですから、この程度の苦難はすぐに乗り越えられますよ!」

「そうやな! うちらは大吉カップルやもんな!」

「大吉カップル?」

「ああ、これや!」

 

 聞き慣れぬ単語に首を捻るローブの男に対し、コパンドンが先程引いたお神籤をズイっと前に出して見せる。

 

「ここに大吉って書いてあるやろ? うちらは運命の女神様に愛された大吉カップルなんや!」

「その通りです!」

「ほう、確かに大吉と……むっ?」

「なんや、何か気になる事でもあったか?」

 

 まじまじとお神籤を見ていた男が突如不穏な声を漏らす。何事かと尋ねるコパンドンに対し、男は言っていいものかと少しだけ悩んだ後、恐る恐るといった様子で口を開いた。

 

「この大吉という文字、元々あった文字を消して上から書いていませんか……?」

「えっ!?」

「何やて!?」

 

 男の指摘を受け、コパンドンが目を見開いてお神籤の文字を見る。横に立っていたバードもそれを覗き込むと、確かに大吉の文字は他のお神籤の文字と違って明らかによれよれだ。まるで子供がマジックで書いたような字面である。そして、その下には元からあった字を擦って消したような跡が残っている。目を凝らして見ると、それは凶という文字。

 

「これ……下に凶って書いてある……間違っていたから、お神籤の業者さんが直したのかな……?」

「凶……? あっ!?」

「どうかされましたか?」

 

 バードの言葉を聞き、全てを思い出したコパンドンが目を見開く。それは、小さな頃の記憶。ローブの男が心配そうに声を掛けるが、コパンドンは天井を見上げながらブツブツと声を漏らす。

 

「ちゃう……うちらは大吉カップルやない……」

「へ?」

「これ、元々は凶のお神籤や。占い師は自分の運勢を見ちゃいかんっていうしきたりがあるんやけど、うちはどうしても自分の運勢が知りたくて子供の頃に調べたんや。でも、結果は凶やった……小さかったから、その結果にムキになったんやな……それで、近くにあったマジックでお神籤の凶を……」

「大吉に書き換えた、という事ですか……?」

「そうや……」

 

 ローブの男の問いに小さく頷くコパンドン。その目は未だ虚ろである。

 

「おかしいと思ったんや……大吉カップルなのにこんなに迷子になる訳がないって……」

「こ、コパンドンさん……?」

「うちの運勢は大吉なんかやない、凶や……」

 

 自分が凶の運勢であるという事は忘れたい過去だったのだろう。記憶に蓋をし、今の今まで凶を大吉に書き換えた事を忘れていたのだ。そして数年後、再度自分の運勢を調べた時に出てきた凶の棒が皮肉にも同じ凶の棒であったため、コパンドンは自分を大吉だと勘違いしてしまっていたのだ。

 

「そして、あんたも凶や……」

「ぼ、僕が凶……そんな……」

 

 コパンドンがゆっくりとバードを指差す。大きくショックを受けるバードだったが、正直身に覚えがありすぎるため、ダラダラと汗を流す。その反応を確認したコパンドンは再度天井を見上げ、乾いた笑い声を上げる。

 

「うちらは最高のカップルなんかやない……最悪のカップルなんや……あはは……」

「最悪の……カップル……」

「(……運命など気にするなとは言えないな。恐らくこの女人は占いを信奉している……となれば、ここは静かに立ち去るのが得策か……)」

 

 絶望に打ちひしがれる二人を見ながら、ローブの男はただただ静かにその場を立ち去る事しか出来なかった。

 

 

 

-玄武城 古井戸内部-

 

「ちくしょう。戦術的撤退……」

「あ、こら、待て!」

 

 すたこらさっさと逃げて行く復讐ちゃん。すぐにランスが後を追うが、古井戸内はちょっとした迷宮並に複雑な構造をしており、またしても逃げられてしまう。

 

「ちっ、また逃がしたか」

「先程やられてまだボロボロの状態ですのに、よくまた襲いかかってきましたね……」

 

 どこか復讐ちゃんを心配したような声を漏らすのはシィル。古井戸の内部を探索していたランスたちは、これ見よがしに置かれたスイッチのトラップを再度発見。流石に二度も引っ掛かる訳も無く、スイッチを無視して周囲を探索したところ、岩陰に潜んでいた復讐ちゃんを見事発見。そのまま戦闘へと雪崩込み、大勝利したのが今というところだ。

 

「それだけランスが憎いって事だろ。まあ、恨んでいるのは依頼した奴だけどな」

「一体どなたが依頼したんでしょうね……」

「俺様を恨んでいる奴……うーむ、まるで見当がつかん」

「どの口が……」

「むか。チビのくせに生意気な口を聞きおって」

 

 ギロリとフェリスを睨み付けるランス。その目線がいつもよりも低い。というのも、今のフェリスの身長は130センチほどしかないからである。少し前にシィルが違和感を覚えたのは間違っておらず、洞窟内を探索していると徐々にフェリスが小さくなっていったのだ。流石にシィルの身長よりも低くなればランスも気が付くというもの。先程からはすっかり縮んだフェリスを小馬鹿にしているのだが、フェリスからするとそれは面白くない。

 

「だから、縮み始めるのは結構症状が悪化しているからだってさっきから……げほっ、げほっ……」

「あ、フェリスさん、大丈夫ですか……?」

「げほっ……ああ、悪い。フセイの日でも安静にしていればこんな事にはならないんだからな……」

「明日には元の体型に戻っているんだろ?」

「まあ、フセイの日が終われば戻るけど……」

「なら何の心配もいらんな。もうちょっと役に立って貰うぞ、がはは!」

「鬼……悪魔……」

 

 大笑いをするランスをジロリと睨むフェリス。先程フセイの日の症状を人間の風邪の症状に例えて説明をしたのだが、それが失敗であった。身長が縮み始めた今の症状は37.5度くらいだと説明したところ、ならまだ働けるなという返事がランスから戻ってきたのだ。嘘をついてでももっと酷い症状に例えれば良かったと後悔をしているフェリス。そのフェリスの胸を後ろから揉みし抱くランス。

 

「お前な……」

「うーむ、小っこくなったのにスタイルはそのまま。中々に面白い現象だな。これは揉んでおかねば勿体ない」

「探索中は揉むなよ……」

「あ、ランス様。あそこに花瓶が……」

 

 ランスの言うように、フェリスは縮んでいるが幼くなった訳では無い。元のフェリスの体型のまま、単純に全体のサイズだけが小さくなっているのだ。そのため、基本的に子供は射程外のランスの射程にもバッチリ入ってしまっている。そんな中、シィルが何かを発見して声を上げる。ランスとフェリスがすぐさまそちらに視線を向けると、そこには花瓶が置かれていた。しかも、刺さっているのはヒマワリである。

 

「暗黒ヒマワリだな……だが、小さい」

「多分、暗黒ヒマワリの子供だと思います」

「まだ成長前って事か。で、わざとらしく置かれているあの手紙は何だ?」

 

 フェリスがランスに胸を揉まれたまま、花瓶の横に置かれている手紙を指差す。あまりにもわざとらしい置き方である。シィルがそれを拾い上げる中、ランスは首を横に捻りながら指示を出す。

 

「また復讐ちゃんか? シィル、読め」

「あ、はい。ヒマワリの使用法……頭に刺すと気持ちよくなるのれす。トレンディなのれす……」

「あてなだな」

「あてなちゃんですね……」

「そういや、ヒマワリに洗脳されているんだっけ? げほっ、げほっ……」

 

 特徴的な語尾の手紙にその差出人が誰かは一目瞭然というもの。フェリスも道中で現状は聞いているため、あてな2号が暗黒ヒマワリに洗脳されているのは知っている。つかつかとランスがその花瓶に近寄っていき、勢いよく蹴り飛ばす。

 

「誰が引っ掛かるか」

「あー、ひどいのれす!」

「お!?」

 

 その時、岩陰からあてな2号が飛び出してくる。当然、頭にはヒマワリが刺さったままだ。

 

「あてなはただ、ご主人様にヒマワリをプレゼントしたいだけれすのに……」

「いらんわ!」

「頭につけるととっても気持ちよくなるのれすよ。ヒマワリ様ばんざーい、なのれす! それを無碍にするだなんて、人の心の判らないろくでなしなのれす」

「お前は人じゃなくて人工生命体だろうが!」

「ろくでなし、ろくでなしなのれす」

「駄目だな、何を言っても聞きそうにない状況だ……げほっ、げほっ……」

 

 あてな2号はラジオ体操のような妙な動きをしながらランスを挑発し続け、その様子を見たフェリスが首を横に振る。これはまるで聞く耳を持っていない。まあ、普段のあてな2号が聞く耳を持っているのかと問われれば若干の疑問は残るところだが、それは置いておこう。

 

「とりあえず頭のヒマワリを引っこ抜くか。それで戻るだろ?」

「ちょっと自信はありませんが、暗黒ヒマワリの対処法はそれで正しかったかと……」

「よし。それじゃあシィル、燃やせ」

「私の魔法ではあてなちゃんも燃えてしまいますが……」

「なに、あいつなら少々平気だ」

「(さり気なく酷いな……いや、むしろこれが平常運転か?)」

 

 ランスのあんまりな発言にシィルが悲しそうな表情を浮かべ、フェリスも壁にもたれかかりながら眉をひそめる。そんな中、あてな2号は頭のヒマワリを守るように手で押さえながら口を開く。

 

「むむ……いくらご主人様でも、ヒマワリを燃やすのはめー、なのれすよ!」

「じゃあ、俺様自ら直接引っこ抜く」

「それも駄目なのれす! ジャロに訴えるのれすよ!」

「どこだそれは? えぇい、とにかく引っこ抜くぞ!」

「あわわ……みんな、集合なのれす!!」

 

 ランスが手をわきわきとさせながらあてな2号に近づいていくと、慌てた様子であてな2号は大声を上げる。すると、その声に反応するようにわらわらとモンスターが集まってきた。

 

「ヒマワリ様、万歳……」

「羽化したい、ヒマワリ様みたいに」

「魔法使いは最強よ! ねっ、ダーリン」

「バラバラバンバー」

「昨日の味方が今日は敵というのも王道展開なのれすよ、ご主人様!」

「げげげ……」

 

 やってきたのは、ブラックハニー、さなぎ男、象バンバラ、まじしゃんという中々の布陣。更には、目の前に立っているあてな2号までギガボウを構え出す始末。基本はポンコツだが、あてな2号の戦闘力は本物である。ランスもその事を重々承知しているため、少しだけ焦った様子でフェリスをチラリと見る。130センチに縮んではいるが、戦闘力自体は高い。彼女に頑張って貰えば余裕で勝利出来る相手だろう。

 

「(だが、ここでフェリスを酷使したら暗黒ヒマワリまでもたんかもしれんな……いや、ヒマワリ如き俺様一人でも十分なのだが、本体という事は門で戦った奴以上に触手が沢山出てきて面倒かもしれんし……)」

 

 フェリスが風邪の症状に例えたのを後悔していたが、実は好プレーであった。動き回ると症状が悪化するというのを理解出来たランスは、ここでのフェリス酷使に躊躇する。本命の敵は暗黒ヒマワリであり、門で戦った感じでは『強くはないが人手が出来るだけ欲しい面倒な敵』という印象。となれば、フェリスは温存しておきたい。

 

「(しかし、そうなると俺様とシィルでこいつら全員か……あてながいなけりゃ楽勝なのだが……ちっ、あのポンコツが……)」

 

 心の中であてな2号に悪態をつくランス。そのランスの困った様子に気が付いたのか、シィルが不安そうに声を掛けてくる。

 

「ランス様、その、あてなちゃんと戦うのですか……?」

「仕方ないだろ。フェリス、お前は前線に出なくていいから、とりあえずチャンスを見てあてなのヒマワリを狩れ」

「それでいいのか?」

「うむ」

 

 馬車馬の如く働かされると思っていたフェリスが少しだけ驚いているのを横目に、ランスは目の前にいる敵を見回す。あてな2号以外にも、接近戦のエキスパートである象バンバラ、早々に倒さないと羽化して非常に厄介な事になるさなぎ男、遠距離魔法の使い手まじしゃん、ハニーの中でも上位の攻撃力を持つブラックハニーと中々に厄介な面子。

 

「ランス様、結構手強いですよ……」

「なに、ヒマワリに洗脳されているから大した思考は出来ないだろ……ん?」

 

 とはいえ、シィルの前で弱音など吐くわけがない。何の問題もないと口にしながら敵を見回していると、ある事に気が付く。

 

「なんだ? まじしゃんだけヒマワリが刺さっていないぞ」

「あ、本当ですね」

 

 そう、他のモンスターたちは全てあてな2号と同じようにヒマワリが頭に刺さっているのに、まじしゃんだけはヒマワリが刺さっていないのだ。という事は、あのまじしゃんは洗脳されていないという事になる。ランスは剣の切っ先をまじしゃんに向けながら問いかける。

 

「おい、そこのまじしゃん。貴様はヒマワリに洗脳されていないのか?」

「えっ、私? ちょっと、人間が声を掛けないでよね……まっ、いいか。そうよ、私はヒマワリに洗脳されていないわ」

「なら、どうしてあてなちゃんの呼びかけに応じたんですか……?」

「それは、彼が私のダーリンだからよ!」

 

 こちらに見せつけるように隣に立っていた象ばんばらに抱きつくまじしゃん。どうやら象バンバラとまじしゃんは恋仲のようだ。

 

「なんだ? 貴様の彼氏はヒマワリに洗脳されているではないか。そんな駄目彼氏のどこがいいんだ?」

「それはそれで魅力的なのよ、ねっ、ダーリン。ちゅっ!」

「バンバラバンバー!!」

 

 象バンバラの頬に軽くキスをするまじしゃん。すると、漲ってきたとばかりに張り切った声を上げる象バンバラ。ただでさえ力の強い象バンバラに気合が入ったとあっては、その攻撃力は中々に驚異的なものになる。

 

「うーむ、面倒な……それにしても、象バンバラが彼氏とは趣味が悪すぎるぞ」

「そんな事はないわ! このチャーミングな顔立ち、透き通るような鼻筋、溢れ出る筋肉と獣臭さ、この魅力が判らないなんて……」

「獣臭……それは良いところなのか?」

「(判りたくないです……)」

 

 象バンバラの長い鼻を撫でながらまじしゃんがそう口にする。げんなりとした様子のランスとシィルをよそに、まじしゃんは更に言葉を続ける。

 

「ちょっと前まではおかゆフィーバーがマイブームだったけど、今は断然象バンバラ。前の彼氏は闘神都市で殺されちゃったし……」

「むっ?」

「えっ?」

「闘神都市? おかゆフィーバー? おい、お前まさか……」

「へ?」

 

 思わぬ言葉に三人共が反応を見せる。中でもフェリスの反応は大きく、まじしゃんの顔をまじまじと見ながら口を開く。女の子モンスターの見分けはそれこそ一流の冒険者でもなければつかないため、これまではただの野生のまじしゃんだとばかり思っていた。だが、今口にした事が真実であれば、このまじしゃんをフェリスは知っている。突如声を掛けられたまじしゃんは不愉快そうにフェリスを見るが、すぐに何かに思い至り目を見開く。その顔は青ざめ、額からダラダラと汗を掻く。

 

「お、お、お、お前はあの時の悪魔ぁぁぁぁぁ!?」

「やっぱりそうか……げほっ、げほっ……」

「ん、どういう事だ?」

「お知り合いですか?」

「まあ、闘神都市でちょっとな。あいつの元彼のおかゆフィーバーが悪魔を名乗って調子にノってたから、ちょっと判らせてやっただけだ」

 

 キラリと光る鎌を見せるフェリス。ランスがほうと声を漏らし、シィルは少しだけ何があったのかを想像して身震いをする。おかゆフィーバーがどうなったのかは先程まじしゃんが口にしていたし、何よりも悪魔であるフェリスの前で悪魔を語るなどあまりにも無謀。ガタガタと振るえ、フェリスを涙目で見ながらまじしゃんが口を開く。

 

「ど、ど、ど、どうしてここに!? お前の……」

「お前?」

「あ、貴女様の主人はあの黒髪の男だったのでは!?」

「舎弟臭が凄いのれす」

 

 ギロリとフェリスが一睨みすると、まじしゃんは慌てて呼び方を変更する。何という上下関係か。流石のあてなもこれには驚いている。まじしゃんが覚えているフェリスの主人はルークだが、今目の前にその姿は無い。そう問いかけられ、フェリスはため息をつきながら答える。

 

「ああ、私は主人が二人いるんだよ。色々と不本意だけどな」

「うむ、ルークの方が不本意なのだな」

「(……突っ込むのは止めとこ。悪魔界に帰るのがもっと遅くなりそうだし)」

 

 ジト目でランスをチラリと見たフェリスだが、これ以上悪魔界に戻るのが遅くなるのは勘弁して欲しいため、言葉にはしなかった。象バンバラが不思議そうにまじしゃんの顔を覗き込む中、当のマジシャンは必死に考えを巡らせていた。

 

「バンバラァ?」

「(やばいって、ちょーやばいって……死んじゃう……今日が私の命日……? あ、でも、何か顔色悪いし、何だかあの時よりも縮んでいるし、もしかしたらダーリンなら勝て……)」

「もし、アンタが有りもしない希望に縋ろうとしているなら……」

「えっ……?」

 

 即座にまじしゃんの考えを読み取ったフェリスが静かに鎌を持つ手を上げ、自身の首の前に刃先を持ってきてスッと横に引いた。

 

「まあ、こうなるよ……」

「(あ、私詰んだ……やばい、吐きそう……マジでリバースする5秒前、まじしゃんだけに)」

 

 それは、首を斬るというジェスチャー。あまりの緊張に吐き気を催し、更には訳の判らない事まで考え始めるまじしゃん。彼女は戦闘前から既に限界であった。

 

「フェリスさん、迫力があります……そういえば、昔はちょっとやんちゃだったっていう話を以前聞いた事が……」

「ふーん、そうなのか」

 

 以前闘神都市のユプシロン前日、女子部屋でわいわいと盛り上がっていた時にそんな話をフェリスから聞いていた事を思い出し、それを口にするシィル。それだけ今のフェリスには迫力があったのだ。どちらかというと舎弟気質寄りのシィルもフェリスの迫力には先程から少し気圧されている。それを聞いて腕組みしながら小さく頷くランス。フェリスが舎弟のカラーを沢山はべらしている姿が想像出来たのだろう。そんな中、先頭に立っているあてな2号がギガボウを構えながら威勢の良い声を出す。

 

「人数ではこっちが有利なのれす! リバースしたら今日からあだ名はゲロ子なのれすよ!」

「それだけは勘弁して!」

「……丁度良いな。おい、こっちは戦力不足なんだ。この洞窟から抜け出すまでの間、私たちに協力しな」

「目の前で裏切れと発言されたのれす! 何というスケバン気質!」

 

 まじしゃんを見ながらそう口にするフェリス。基本的に使い魔として呼び出されるフェリスのこんな上からの態度を見るのは初めてであるため、ランスも珍しい物を見るような目で事態の成り行きを見守っている。服の裾を掴み、困った様子で口を開くまじしゃん。

 

「それは流石に……その、彼氏もいますし……」

「あぁ?」

「ていっ!」

「あ!」

 

 フェリスに凄まれた瞬間、まじしゃんは自身の目の前に立っていたあてな2号のヒマワリを引っこ抜いた。プチッという音とシィルの驚き声が響き、一瞬の静寂が洞窟内を包み込む。そして、あてな2号とまじしゃんがクルリと振り返って象バンバラ、さなぎ男、ブラックハニーの三体に向けてギガボウと杖を構えた。

 

「あてなは正気に戻った、なのれす!」

「昨日の恋人が今日は敵っていうのも王道展開よね? ごめん、ダーリン。死んで!」

「バンバラァ……」

「うーむ、流石の俺様も象バンバラに同情したのは初めてだ……」

「私もです……」

 

 五対三の状況が、いつの間にかそっくりそのままひっくり返っていた。

 

「(ちょっと昔を思い出したな。あんときゃ私も若かった……)」

 

 その光景を見ながら、少しだけ昔の事、カラー時代のやんちゃな自分を思い出してポリポリと頬を掻くフェリスであった。

 

 

 

-ギャルズタワー 17階-

 

「真空斬!」

「Death……」

 

 ルークの真空斬の直撃を受け、最後まで立っていた根性のあるデス子が遂に地に伏す。これで17階の攻略も完了。ロゼの得た情報のお陰で、大分攻略のスピードは上がっていた。

 

「よし、これで17階も完了ね!」

「やりましたね、セシルさん!」

「うむ」

 

 デス子が立ち上がって来ないのを確認して小さくガッツポーズを取るロゼ。その横ではシトモネがセシルの手を取って喜びを露わにしている。少し離れたところでは凱場が日記帳のようなものを取りだし、さらさらと何かを記述していた。恐らく、冒険の記録だろう。記録を書き終えた凱場はそれを荷物袋の中に仕舞い、次の階段にチラリと視線を向ける。

 

「あと三つ……いや、18階は幸福きゃんきゃんのいるボーナス階みてぇだし、実質後二つか」

「んだ。19階の神風部屋と最上階。どっちも強敵だど」

「神風部屋か、結構厄介そうね……神風が三つ星とか、付けた奴絶対神風に会った事ないわよねー」

「今までずっと四つ星だったのに、数年前の改訂で何故か三つ星に落とされたからな」

「あれは即座に多くの冒険者から抗議が湧いたな」

「まあ、次の改訂で四つ星に戻るだろう」

 

 ロゼの言葉にうんうんと頷くルーク、凱場、セシルの三人。三つ星モンスターという評価をなされている神風だが、その実力は間違いなく女の子モンスターの中でもトップクラス。数年前の神風三つ星降格事件は波紋を呼び、多くの冒険者、魔物使い、学者の間で語り草となっている。

 

「神風って図鑑でしか知らないんですけど、そんなに強いんですか?」

「強い。文句なしにな」

「遠距離攻撃系のモンスターでは間違いなくトップクラスだ。その矢の威力は岩をも砕く」

「なんでそんなモンスターが降格を……?」

「……ん? 理由は何だったっけか?」

「忘れちまったな」

「失礼、私もだ。事件だけが先行した形だったからな」

 

 シトモネの問いにルークが答えようとするが、どうにも降格理由が出て来ない。チラリと凱場とセシルに視線を向けるが、二人とも静かに首を横に振る。すると、ロゼがため息をつきながら口を開いた。

 

「神風の上位種である桜花が四つ星だから、ランクの落ちる神風は三つ星であってしかるべしっていうのが理由よ。TYPE80とその上位種のTYPE90が同じ四つ星な時点で通らない理屈よね、それ」

「ああ、そうだ、そうだ」

「バルキリーとその亜種であるアーマードバルキリーも同じ四つ星評価だし……神風だけ割食った形よねー」

「なるほど……」

「しかし、よくもまあ理由まで覚えていたな」

 

 ロゼの補足を受け、納得したように首を縦に振るシトモネ。凱場が感心したようにロゼに視線を向けるが、ロゼは肩を竦めながら一人の老人を思い出していた。

 

「知り合いにさっさと死んでくれないかなって思えるくらいよぼよぼの召喚魔法使いがいてね。そいつが一時期耳にたこが出来るくらい文句を言っていたのよ。昔ながらの神風に三つ星評価は有り得ない、ってね」

「ああ、老人とかは神風好きそうだもんな」

「97チハとかとっこーちゃんもね。あの辺は男のロマンだとか」

「とっこーちゃんは少し前の総選挙でも1位だったからな。年配者に受けるとやはり強い」

 

 老人と聞いてなるほどと頷くルーク。今ルークとロゼが上げた三体は年配者から絶大な支持を集めている女の子モンスターだ。セシルが口にしたように、数年前にエンジェル組が実施した『好きな女の子モンスター総選挙』では、とっこーちゃんが1位、神風が2位に輝いている。

 

「因みに総選挙4位デス……」

「お、まだ起きてるのがいたな。とりゃ!」

「Death……」

 

 バチコンと凱場の鞭で頭を叩かれ、再度床に倒れるデス子。総選挙4位。

 

「で、最上階を前に厄介な部屋が残っているが、どうする?」

「先手必勝ね。シトモネは階段上りながら詠唱進めて、部屋に入った瞬間に氷雪吹雪を放って」

「は、はい……でもそれって、ずるくないですかね……?」

「…………」

「冒険者の常套手段の一つだ。何も汚くなどない」

 

 根が真面目なシトモネがそれはどうなのかと口にするのを聞き、リーザス解放戦の最終戦であるジル戦で部屋に入って早々志津香に白色破壊光線を撃たせた経験のあるルークが気まずそうに頬を掻いている。それにフォローを入れたのは、その事実を知らないセシルであった。

 

「で、ダ・ゲイルは全力の火炎放射。ルークも全力の真空斬ね」

「了解だ、ロゼ様」

「それで大分数を減らせるだろうな」

「凱場とセシルは三連発が終わったら即座に部屋の中に駆けていって残りを殲滅ね」

「オーケー!」

「任せろ」

 

 ロゼの作戦を受け、全員が頷く。特に文句のつけようのない作戦だ。そして、最後にロゼは自身をビッと親指で差し示す。

 

「で、私は休憩タイム! 応援は任せて!」

「どうしてそうなる」

「あ痛っ」

 

 ペチンとロゼの額に軽くチョップをかますルーク。なんだかんだで最上階はもう目前まで迫っていた。

 

 

 

-玄武城 古井戸内部-

 

「つまり、そのフードがあったからヒマワリが頭に刺さらなかったと」

「はい。フードが私を守ってくれたんです」

「で、闘神都市からは空を飛んで脱出したと」

「箒で空を飛ぶのはまじしゃんとサワーなら朝飯前ですので……」

 

 小っこいフェリスの前で正座をしながら自身が洗脳されていなかった理由を話すまじしゃん。どうやらこの先にヒマワリが生い茂る地帯があるようであり、その場所は上からヒマワリがポロポロと落ちてくるらしい。何も知らずにその地帯に足を踏み入れたモンスターたちは頭にヒマワリが刺さり、ああして洗脳されていたようだ。

 

「良い情報だ。で、何か頭を守れるようなもんはないか? 三つ分で良いんだ」

「それなら、この防空頭巾が……」

 

 ごそごそと頭巾を三つ取りだし、それをフェリスに献上するまじしゃん。すっかり舎弟状態であった。そのフェリスとまじしゃんの横では、あてな2号がランスの足に縋っていた。

 

「ご主人様ぁ、見捨てないで欲しいのれす……」

「敵にああやって簡単に操られるようなアホは知らん。洗脳されるとか馬鹿のやる事だ」

「(イオに洗脳されたくせに……)」

「(イオさん……)」

 

 即座に心の中で突っ込みを入れるフェリスとシィル。だが、言葉にはしない。そんな中、あてな2号は涙目でランスを見上げる。

 

「ならせめて、お仕置きをして欲しいのれすよ。それもないなんてあんまりなのれす」

「お前は絶対にお仕置きを喜ぶからな。だから無しだ」

「そんなぁ……」

 

 ツンとしたランスの態度に涙をポロポロと溢すあてな2号。それを見たランスは一度ため息をつき、腕組みをしながら右手の人差し指をピンと突き立てる。

 

「仕方ない、一度だけだ」

「一度だけお仕置きなのれすか!?」

「違うわ! 一度だけ許してやるから、これからも俺様のために精進しろよ」

「お仕置きじゃないのれすか……あ、でも許されたのれす。わーい、なのれす」

 

 少しだけ悲しそうな表情を浮かべたあてな2号だったが、二秒で笑顔になる。何とも現金なものであるが、このポジティブさはある意味で羨ましい。

 

「ランス、シィル、あてな。ほら、防空頭巾だ。これを被っていれば、ヒマワリの洗脳はもう怖くない」

「わあ、ありがとうございます……あれ? 三つしかありませんが、フェリスさんの分は?」

「私にはこれがあるからな」

 

 バサッとどこからともなく取り出した大きめのローブを羽織るフェリス。それは闘神都市でフロンに貰ったプレランローブだ。

 

「多分私は悪魔だからヒマワリが頭に刺さる前に枯れると思うんだが、まあ一応な」

「それじゃあ、私はこの辺で……」

「ヒマワリまでの道案内頼むぞ。居場所は知っているんだろ?」

「あ、はい……」

 

 ドサクサに紛れて逃げ出そうとするまじしゃんの肩をガシリと掴み、フェリスがそうお願いをする。絶対に断れない迫力を持ったお願いだ。意気消沈の様子で頷くまじしゃん。

 

「では行くぞ! いい加減ヒマワリ退治だ!」

「これだけいれば楽勝なのれすよ! って、ご主人様。あそこに誰かいるのれす」

「ん?」

 

 ランスがそう宣言した瞬間、あてなが何者かの気配を感じて岩陰を指差す。そこにいたのは、こちらを隠れてじっと見ていた復讐ちゃん。実は彼女は少し前にこの場所に辿りつき、ランスを三度殺そうとしていたのだ。だが、三人だったはずのパーティーがいつの間にか五人に増えていたため、様子を伺うべく岩陰に隠れていたのだ。二度の敗北でボロボロの自分と、何故だか増えた敵。ここから導き出される三戦目の結果は一つ。ニヤリと笑いながら剣を抜くランスを見ながら、復讐ちゃんは悔しそうに一言だけ呟くのだった。

 

「ちくしょう」

 

 

 

-砂漠地帯-

 

「これは……」

 

 砂漠地帯を歩いているのは、先程バードたちの前に現れたローブの男。あの後難なく鍾乳洞地帯から脱出したこの男は、そのままランスたちが通った町へと続く道には行かず脇道に逸れて突き進んだ。そうして、今は砂漠地帯にやって来ていたのだ。膝をつき、今し方発見したあるものに触れる。それは、少し前にルークたちが倒した鬼ババアの死体であった。

 

「これほどのモンスターを倒す者が先客となると、大分攻略されてしまっただろうか……?」

 

 少しだけ眉をひそめながら真っ直ぐと前を見据えるローブの男。鬼ババアの死体から微かに足跡が続いており、その先には件のギャルズタワーがそびえ立っていた。この鬼ババアを倒した者も、自分と同じ目的地であるギャルズタワーに向かったのだ。

 

「修行相手となるモンスターが残っていればいいのですが……」

 

 そう小さく呟き、ローブの男はギャルズタワーへと歩みを進めるのだった。ローブが風になびき、少しだけ揺れる。その下から覗いているのは、鍛え抜かれた身体と短髪の赤髪、そして、キラリと光る手甲。

 

 

 

-洞窟内 鍾乳洞地帯-

 

「どうして、どうして脱出出来ないんだ! くそっ、もう一回!!」

 

 バードが全力で出口に駆けていくが、途中で時空が曲がっているため鍾乳洞に戻ってきてしまう。ローブの男に言われた通り真っ直ぐ進んで出口を発見したバードとコパンドンであったが、それはランスも引っ掛かったトラップであった。つまり、この場所からではバードとコパンドンは脱出出来ないという事。

 

「くそぉぉぉぉ!!」

「あかん……これぞ凶カップルや……あはは……」

 

 完全に思考を停止してしまっているコパンドンであった。

 

 




[人物]
コパンドン・ドット (5D)
LV 12/27
技能 お神籤LV1 経営LV2
 ポルトガル出身の冒険者。大吉だと思っていた自分は凶であった、大吉以外取り柄のない彼氏も実は凶であった、もしかしたら本当に大吉かもしれなかった男を取り逃がしたというトリプルパンチ状態で既にHPは0。

闘神都市のまじしゃん (5D)
LV 14/45
技能 なし
 闘神都市でルークとフェリスが出会ったまじしゃん。彼女の活躍は第60話参照のこと。なんやかんや空を飛んで闘神都市から脱出していた彼女は新たなおかゆフィーバーを捜していたが、その最中に出会った象バンバラに一目惚れ。新たな恋に生きていた。が、元恋人を殺したフェリスとある意味感動的な再会。舎弟ポジに収まる。密かにあてなは彼女の名前を考えているらしい。候補はフーミンとゲロ子。


[モンスター]
デス子
 漆黒の服を身に纏い鎌を持った三つ星女の子モンスター。悪魔でもないのに魂を回収出来るという特色を持つ物騒なモンスター。戦闘力も高いが、真に恐ろしいのはたまに成功する即死攻撃。

象バンバラ
 バンバラ系最強種。パワフルな近接攻撃だけでなく、巨大な鼻から鼻砲や水ミサイルなども飛ばしてくる強敵。

ブラックハニー
 両手に花火を持った漆黒のハニー。ハニーの中でも非常に高い攻撃力を持っており、並の冒険者では太刀打ち出来ないレベルの強敵。


[その他]
第三十六回女の子モンスター総選挙『次代のシンデレラガールは君だ!』
 エンジェル組主催で数年前に行われた総選挙。元ネタは『GALZOOアイランド』発売前にランスクロニクル+のコーナーで実施されたアンケート結果。1位とっこーちゃん、2位神風、5位フローズンと和風な女の子モンスターが上位を占める。また、3位キャプテンバニラ、6位きゃんきゃんと兎系が強かった点も興味深い。だが、一番印象に残ったのは7位たい焼きうぐぅの存在感だろう。因みにざしきわらしは12位、まじしゃんは18位となっている。

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