ランスIF 二人の英雄   作:散々

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大変長らくお待たせしてしまい、本当に申し訳ありません。
恥ずかしながら、ようやくの更新です。
詳しい事は活動報告の方に書かせていただいていますが、まだしばらく更新は安定出来そうにありません。
ですが、執筆を止めるつもりはありませんので、どうか長い目で見ていただければと思います。


第164話 偽りなき言葉

 

-アイスの町 ルーク宅-

 

「はーい、なの。あ、ハイニなの」

「こんばんわ、ざっちゃん」

 

 ルーク宅を訪れたハイニを出迎えたのは、ルーク家居候のざっちゃん。ざっちゃんはそのままトコトコと居間の方に向かっていき、ハイニもそれに誘われるように中に入りながら、扉の鍵をしっかりと閉める。すると、居間の方からフェリスが姿を現した。

 

「夕飯のおかずを作り過ぎちゃったから、おすそ分けに」

「いつも悪いな。まあ、あがっていけよ」

 

 これがルーク宅の出迎えスタイル。万が一にもランスやシィルにフェリス親子の姿を見られる訳にはいかないため、来客の際にはざっちゃんが対応する事になっている。フェリスたちが姿を現すのは事情を知る者、ルーク、ロゼ、キース、ハイニ、真知子の五人の前にだけだ。因みに、家主であるルークを除いて最もフェリスたちの世話をしているのはハイニである。同じ町に住んでいる事もあって色々とサポートしてくれているのだ。

 

「それと、手紙が届いていましたよ」

 

 靴を脱ぎ、慣れた様子で居間の方に歩みを進めたハイニは郵便受けから取ってきた封筒をフェリスに渡す。普通であれば人様の家の郵便受けを勝手に見るなど失礼な行為だが、フェリスは簡単に外の郵便受けを見に行く事も出来ないため、ハイニがこうして持ってくる事が度々あるのだ。手紙を受け取ったフェリスが差出人を確かめると、それはルークからであった。眉をひそめながら便箋を取り出し、書かれた内容に目を通す。

 

「……暫く帰ってこないとさ」

「あら? 今は確かシトモネさんとゼスに……そんなに大きな仕事になってしまったのかしら?」

「さあな。何かトラブルに巻き込まれたのかもしれない。それと……」

 

 スッと声のボリュームを下げるフェリス。万が一にも、我が子に聞かれる訳にはいかない。

 

「ランスと一緒らしい」

「それは……」

「……トラブルに巻き込まれてそうだろ?」

 

 不安そうにしているハイニに対し、ニッと笑うフェリス。ハイニがそんな顔をした理由が判っているからこそ、それを吹き飛ばすべく笑ったのだ。ランスとルーク。キースギルドが誇る二大エースであり、これまで何度も冒険を共にしてきた戦友。平時であればなんの心配もないコンビだが、今は違う。

 

「(仲違いになっていなければいいのですが……)」

 

 そう、二人の間には不安要素がある。ダークランスの一件。ルークはあの事に対しランスに憤りを感じている節がある。フェリスが抑え、自分で明かすまでは黙っていて欲しいと頼んだからこそ何も起こっていないが、そのしこりは確実に残っている。元々ランスはくせのある人物。特に男に対してはそれが顕著だ。今でこそそれなりの扱いを受けているが、ルークも出会って間もない頃は相当無下に扱われたはず。その時に諍いにならなかったのは、ルークがかなりの部分で引いていたというのが大きい。

 

「(そうか……一緒にいるのか……)」

 

 だが、今のルークにそれが望めるのだろうか。ランスの言葉に、行動に、爆発する事はないのだろうか。不安に思うハイニとは対照的に、フェリスは特に不安を感じてはいなかった。大丈夫。あいつは決して簡単に爆発するような男ではない。内心ではランスに対し怒りを感じていても、それを抑えられるはずだ。

 

「(あいつの沸点を超えるような発言をランスがしない限りは大丈夫だろ……)」

 

 これだけ聞くと簡単にしてしまいそうな気もするが。そんな事を考えてフェリスが苦笑していると、ざっちゃんがキッチンの方から慌てた様子で駆けてくる。

 

「フェリス、お湯が吹きこぼれてるの!」

「おっと、やばい」

 

 そういえば夕飯の支度をしている途中だった。フェリスは慌ててキッチンに向かい、ハイニも後に続く。その際、無意識に手紙をテーブルの上に置いてしまった。これが、フェリスの大きな失態。

 

「…………」

 

 三人がキッチンに集まっている頃、一人の少年が居間にやってくる。先程ざっちゃんから訪問客がハイニである事を知らされ、隠れていなくてもいいと言われたからこうして居間へとやってきた。キッチンから声が聞こえてくる。何を騒いでいるのだろうか。それを知るべく一歩前へと踏み出した少年の目に、テーブルの上に置かれた手紙が飛び込んでくる。母に届いた手紙だろうか。普段なら気にも止めない。自分には関係のないものなのだから。

 

「…………」

 

 だが、何故か今はそれが無性に気になった。自分はあれを読まなければいけない。そう感じてしまったのだ。そして、まるで運命に導かれるように少年は手紙を手に取ってしまう。

 

「……とーちゃんからの手紙だ」

 

 ゆっくりと目を滑らせていく。書かれていたのは、彼が父と呼ぶ男が仕事で暫く帰れない事。その間、家の事は任せると自分の母に頼んでいる事。そして……

 

「ランス……」

 

 憎悪している男と一緒に行動をしている事。

 

 

 

深夜

-ゼス イタリア 南東部-

 

 ゼス北部の都市、イタリア。先日ルークが会ったズルキ長官の直轄地であり、ゼス中央銀行も擁する大都市だ。夜も更け、民家の明かりも疎らになった深夜に動く複数の影。

 

「おかしいな。聞いていた話だと、イタリアというのは発展した町のはずだが?」

 

 イタリアに来たのは初めてだという殺は、地面をところどころ流れている液体を見てそう口にする。酷い匂い。これは動物の排泄物が混じっている。何度か見た事はあるが、これは下水が整備されていない場所でよくある事態だ。

 

「居住区が二分されているのです。ここは2級市民の居住区ですので……」

「おらたちみたいな2級市民が魔法使いの暮らしている居住区に入るには、通行手形が必要なんだす。でも、それを手に入れられるのは限られた者だけだす」

「成程、何かしらの理由で魔法使いに気に入られた者だけという事だな。だが、その連中も決して甘い汁を吸える訳ではない」

「理解が早いですね」

「似たような世界を知っているからな」

 

 カオルとロッキーが色々と説明をしている。殺の理解した通り、魔法使いの居住区に入れるようになったからといって、決して楽な生活が保障される訳ではない。大抵は魔法使いの玩具として扱われるに過ぎないのだ。

 

「ランス隊長。夜になるとこの辺りに夜盗が出ます」

「それは倒していいのか?」

「はい。彼らは2級市民ですが、一般市民に害をなす者ですので、一緒に成敗して構いません」

「それは助かるな。一々分けるのは面倒だ」

 

 ランスがふんと鼻を鳴らす。サーベルナイト討伐、グリーン隊が発足してから初めての大仕事だ。

 

【グリーン隊参加メンバー】

 ランス、シィル、カオル、ロッキー、プリマ、メガデス、殺、ルシヤナ

 

「カオルさん。その事はルークさんには……?」

「大丈夫です。知らせてあります」

 

 シィルの問いに静かに頷くカオル。ルーク率いるブラック隊は今この場にはいない。殺人鬼の討伐という危険な任務ではあるが、まずはその男を見つけなければならない。それに、深夜で人通りが少ないとはいえ、大都市でレジスタンスが十数名連なって歩く訳にもいかない。そういった事情からルークたちはどちらかが見つけた際の合図を決め、二手に分かれたのだ。

 

「サーベルナイト……」

「おら、肩の力抜けー!」

「きゃんっ!?」

 

 サーベルナイトに旧ブラック隊は壊滅させられている。生き残りであるプリマにとっては仇討ちでもある任務だ。自然と力も入る。が、その背中をバシンと勢いよく叩かれる。やったのは仲間のメガデスだ。

 

「何を……」

「そんな緊張してたら鞭をまともに震えないぞー☆」

「そんな事、判って……」

「判ってねーから言ってんだよ、あぁっ!?」

「ひぃっ……」

「お二人さん、じゃれてる場合じゃないよ」

 

 あまりにも一方的すぎ、とてもじゃれているようには見えないやり取りであるが、ルシヤナが二人に向かってそう言い放つ。見れば、彼女はいつの間にか武器を構えていた。遠くには、短刀を持った二級市民。

 

「おい、いい身振りじゃねーか。金目の物、全部置いていきな」

「へへっ……抵抗しない方がいいぜ……」

「夜盗……」

 

 プリマが眉をひそめる。先程話題に上がっていた夜盗たちだ。数は四人。イタリアに到着して早々、運が悪い。まあ、もっと運が悪いのはあちらの四人だろうが。

 

「ふん、馬鹿め。誰に喧嘩を売ったかたっぷりと教えてやる」

 

 ランスの左手に握られた剣がキラリと光る。まだこの男が来て数日。それでも、この男の強さは十分に知っている。負ける訳がない。

 

 

 

-ゼス イタリア 北西部-

 

「殺人鬼、サーベルナイト……死者18名、重傷者2名という大事件にも関わらず、治安隊は殆ど動いていない……シトモネ、どう思う?」

「犯人は魔法使い……それも、かなりの地位を持った上級階級の貴族でしょうね。治安隊に根回しをするなんて普通じゃ出来ません」

「多分それで正解だ」

 

 ランスたちが潜入したのとほぼ同時刻。彼らと多少離れたところからルークたちもイタリアに潜入していた。

 

【ブラック隊参加メンバー】

 ルーク、シトモネ、セスナ、ネイ、バーナード、インチェル、珠樹、ナターシャ

 

 ブラック隊のフルメンバーが揃う。本来、このように人目を避ける任務では少数精鋭が望ましい。ブラック隊も少数精鋭の部隊だが、8人でも今回の依頼には多すぎるくらいだ。だが、ルークはあえて全員をこの場に連れてきた。グリーン隊も一人を除いて全員参加している。その理由は二つ。一つは今話した通り、治安隊が動いていないという事。これならば多少大所帯でも見つかりにくい。町の警備兵はいるが、彼らは基本的に魔法使いの居住区側を守っている。それこそ大騒ぎにならなければ滅多に二級市民街にはやってこない。

 

「それで、隊長。どこら辺を回るの?」

「人通りが特に少ない場所を中心にだな。カオルから印を付けた地図を貰っている」

「こっち……」

 

 インチェルの問いかけにルークとセスナが答える。これも二つ目の理由の一環、彼女たちと連携を取るためである。本来ならば軽い任務を通して自分の実力を見せたり、彼女たちの実力を見たりしながら親交を深めていく予定だったが、任されたのはいきなりの大仕事。セスナ、ネイ、シトモネの知り合いかつ実力が判っている面々だけで挑む事も考えたが、それはあまりよろしくない。

 

「(うーん……やっぱり視線は感じるな……)」

 

 シトモネの感じている視線は気のせいではない。やはり魔法使いのシトモネは、個人差はあれど警戒されている。そしてそれは、彼女を招き入れたルークも同様にだ。勿論、『解放戦の英雄』として知名度のあるルークはシトモネに比べて大分緩和されている。それでもこの疑念はなるべく早く払拭しなければならない。仲間に対しての猜疑心はいざという時決定的なミスを生み出す。

 

「(みんなを参加させたのは……多分正解……)」

 

 戦場というのは仲間意識を持たせるのに打ってつけの場所だ。共に死線を潜り抜けた仲間というのは、強固な絆で結ばれる。勿論、そんな簡単に魔法使いへの嫌悪が払拭される訳はないのは判っている。ただ、少しでも『シトモネは悪い魔法使いではないのではないか』と思って貰えれば成功。後はそれを積み重ねていくだけだ。この思惑を理解しているのはほんの僅かだろう。ブラック隊の中では、セスナ一人。いや、可能性があるとすればもう一人。

 

「…………」

 

 ルークが視線を向けると、バーナードが無言でサムズアップをしてくる。その顔は、『俺は全て判っているぞ!』と言っているようにも見えるし、何も考えていないようにも見える。まあ、あの男を含めみんながどういう人間なのかを知るためにも、今の内は全員で行動をする利点がある。

 

「(となれば、ますます失敗は許されんな)」

 

 力を見せる必要がある。ただでさえ自分は『解放戦の英雄』という事で期待値が上がっているのだ。過度な期待はそれに応えられなかった際、一気に失望へと変わりかねない。サーベルナイトを倒す。これは絶対条件。それと同時に、どのように倒すかという点が今回は問われるのだ。

 

「ナターシャ、上空には常に気を張っていてくれ」

「判りました、隊長」

 

 ランスたちとの合図は上空に炎の矢を上げる事になっている。警備兵に見つからぬよう火力は抑えめになるため、注意していなければ見落としてしまうのだ。こちらではナターシャ、あちらではメガデスの弓兵二人がその合図を見落とさぬよう、常に上空に気を張っている。

 

「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!」

「!?」

「悲鳴ですわ!」

「行くぞ!」

 

 その時、夜の闇を一つの絶叫が切り裂いた。聞こえてきた場所はすぐ側。これはランスたちよりも自分たちが行くのが早いはず。ルークの声に一同が頷き、一斉に駆けだした。街中にある階段を下りていき、下の階層へと向かう。二級市民の居住地だ。

 

「あそこです。人がうずくまっています!」

 

 シトモネの指差す先には、建物の陰で震えている男の姿があった。そして、もう一つ。

 

「ひっ……」

「バラバラ……」

 

 そこは辺り一面血の海であり、少し前まで人間であったものがバラバラにされ、無造作に転がっていた。インチェルが思わず口元に手を当てる。あまりにも無残な殺され方だ。そんな中、すぐさまネイがうずくまっている男に近づいていく。

 

「あなた、怪我はない? 大丈夫?」

「うっ……ううっ……」

「辛いとは思うけど、答えて。これをやったのはサーベルナイト?」

「そ、そうだ……急に現れたかと思うと、俺の親友を……ううっ……」

「ここは危険ですわ。動けるようでしたら、今すぐ避難を。それと、サーベルナイトはどちらの方角へ行ったか判りますか?」

「わ、判らない。俺、頭を抱えてずっとここにいたから……」

 

 ガタガタと震えている男からネイと珠樹が情報を聞き出す。彼から聞き出せる事はこれが限界だろうと思った二人はルークに視線を向け、それを受けたルークも静かに頷いた。

 

「今現在、この街にサーベルナイトがいる事は確かになったな。必ず捕まえるぞ」

「これ以上の犠牲者は……出さない……」

 

 隊長、副隊長の言葉に一同が頷く。これで犠牲者は19人目、これ以上サーベルナイトを野放しにする訳にはいかないのだ。

 

 

 

-ゼス イタリア 北東部-

 

「ああ、臭い。汚いだけじゃなく、臭いというのが嫌になるわ」

「ふふ……ですが、ここを狩場にして遊びたいと仰ったのは貴女ですよ、エミさん」

 

 ルークたちよりも上の階層、先程の事件現場からは少し離れた場所に三つの人影があった。およそこの場所に似つかわしくない、高級なドレスを身に纏った金髪の女性。先日ルークが出会ったラドンの娘、エミだ。そのエミの傍に付き従う背の低い中年の男。こちらの格好はエミと対照的にみすぼらしい。そして、もう一人。銀の甲冑に赤いマント。その至る所に返り血が付いている。そう、この男こそ件の殺人犯、サーベルナイトだ。

 

「そのような意地悪仰らないで下さいます? ハッサム様」

「ははは、失礼。貴女があまりにも可愛らしいので、つい」

「まあ、お上手です事」

 

 四将軍サイアスの親戚であり、金融長官ズルキの息子、ハッサム・クラウン。それがサーベルナイトの正体であった。言ってしまえば、どこにでもいるボンボンの息子。幼い頃からエリート街道を約束されており、ズルキのコネを駆使して何不自由なく暮らしてきた男だ。そして、ラドンの娘エミとは婚約関係にある。彼女もまた、甘やかされて育ってきた娘。

 

「さっきのオスはすぐに倒れてしまってつまらなかったわ」

「私が強すぎるのが問題でしょう」

 

 肥大した欲望は、いつしか最悪の愉悦へと向いていた。初めは無抵抗な囚人の虐殺から始まり、今では何の罪もない市民を惨殺せしめていたが、その事に何の罪も意識も持っていない。それどころか、その惨殺をデートの一環として利用しているのだから狂っている。今し方一人の男性を惨殺したにも関わらず、普段と何も変わらない口調でサーベルナイトはエミと会話を続ける。

 

「ハッサム様、先程の連中を見ましたか?」

「ああ、汚らしい連中が増えていましたね。恐らく、テロリストの者たちでしょう」

 

 先程の殺しの後、現場から逃げる際、遠目にだが集団が目に映った。恐らく、テロリストの連中だ。

 

「ねえ、ハッサム様。次の連中はあれにしませんこと?」

「ほう……」

 

 面白い遊びを考え付いたとばかりに、エミが静かに笑う。それを見てハッサムは今夜のデートの成功を確信した。先程の男が弱すぎてやや退屈していたエミの機嫌が直ったからだ。

 

「判りました。エミさん、今から狩りに赴く私に何かご褒美は頂けませんか?」

「ええ、よろしくてよ。あれらを全部屠る事が出来ましたら、今度の晩餐会エスコートして頂けますかしら?」

「承知」

「…………」

 

 楽しげな二人とは対照的に、エミの横に控える男は難しそうな表情を浮かべていた。思い出されるのは、先程遠目に見たレジスタンス。他の二人よりも目が良いため、彼はその先頭にいた男をしっかりと目に捉えていた。

 

「(あいつ……只者じゃぁねぇ……)」

「でも、サーベルナイトの貴方には簡単すぎる狩りですから、少し障害をつけさせて頂きますわ」

「障害ですか?」

「ええ、わたくしが最近手に入れた玩具、このドルハンを出します」

「…………」

 

 エミはドルハンと呼ばれた男に一瞥もくれず、そう言ってのける。長身であるサーベルナイトが見下したようにドルハンに視線を向ける中、エミは会話を続ける。

 

「ハッサム様はドルハンよりも早く獲物を屠ってくださいな。もしドルハンに負けるような事があれば、わたくしは別の方と晩餐会に行ってしまいますわよ」

「ふふ、ムシ使い程度では障害にもなりませんよ」

「あら、頼もしい事」

「それでは姫君、こちらで我が勇姿をご観覧なさっていてください」

 

 ヒラリとマントを翻し、サーベルナイトが闇の中に消えていく。それに続いてドルハンもエミから離れようとしたが、去り際に振り返って声を掛けた。

 

「エミ様、ここは危ないのでどうか安全な場所に……」

「誰に意見をしているの? いいからさっさと行きなさい!」

「…………」

 

 確かに二級市民街に見目麗しい女性が一人で行動するのはあまりにも危険だが、エミとて魔法の心得はある。余計な心配はするなと怒鳴りつけられるが、ドルハンだけは内心危機を感じ取っていた。ハッサムがどれだけ強いかは知らない。これまでどのレベルの人間を殺してきたかも判らない。だが、先のレジスタンスはやばい。

 

「(エミ様にお叱りを受ける事になっても、こちらで片づけねばならねぇ……)」

 

 

 

-ゼス イタリア 衛兵詰所-

 

「わざわざお越し頂きありがとうございます。ですが、パトロールはこちらでやりますので……」

「いえ、そういう訳にはいきません。それが私達の仕事ですから」

 

 イタリアで衛兵の仕事をしているミッゼラという男が申し訳なさそうに頭を下げるが、気にするなと目の前に立つ女性は言う。彼女は衛兵よりも遥かに格上の地位を持つ治安隊隊長であり、四将軍や四天王とも懇意にしていると噂される女性だ。そんな彼女に目を付けられる訳にはいかない。

 

「サーベルナイトが出没する地域や傾向から、近々この辺りに現れる可能性が高い事を割り出しました。あちらの地域は私達が担当しますので、向うの地域はお願いします」

 

 治安隊長の女性は自ら危険な地域の警備をかってでる。内心ではパトロールなど面倒だと思っていたミッゼラはそれをありがたく思うが、一応形式的に言葉を返す。

 

「お二人で大丈夫ですか? 貴女のお力は重々承知していますが、あちらは……」

 

 チラリと治安隊長の横に控える者に視線を向けるミッゼラ。その者は人間ではない。表情を感じ取る事も出来ない、不気味な機械人形。しかし、治安隊長はハッキリと口にする。

 

「問題ありません。彼女は私よりも強いです」

「彼女……女なのですか?」

「ええ。では、そろそろ行ってきます。行きましょう、ミスリー」

「はい、キューティ隊長」

 

 

 

-ゼス イタリア 北東部-

 

「ふんっ!」

「きゃいん!」

 

 ランスが野犬を斬り捨てながら辺りを見回す。サーベルナイトを捜して人があまり立ち寄らない地域を探索していたが、流石に奥に来過ぎたのか、人の気配が感じられなくなっていた。

 

「隊長、人の気配がしないよー。引き返す?」

「うむ、そうだな……」

 

 ルシヤナに言われて一瞬考え込んだランスであったが、すぐにピクリと反応を示したかと思うと、奥の路地に向けて剣の切っ先を向けた。

 

「そこにいる奴、出てこい。さてはサーベルナイトだな?」

「えっ!?」

「…………」

 

 驚くプリマを尻目に、奥の路地からスッと一つの人影が姿を現した。それは、エミに仕えるドルハンであった。腰が悪いのか、はたまたそれが彼の戦闘スタイルなのか、中腰で構えながらギロリとした眼でランスを見てくる。

 

「カオル、あれか?」

「……違う、あれはサーベルナイトじゃない!」

「プリマさんの言う通りです。手配書に書いてある人相書きとは違いますね」

「じゃあ、ただの夜盗か?」

 

 ガッカリした風の声を出しながら剣先を下すランス。その仕草を確認しながら、ドルハンはゆっくりと口を開いた。

 

「さっきの連中とは違うが、話を聞く限りあんたらもエミ様の敵だ……」

「ん? 何だ?」

「あんたがたに罪はねぇ、恨みもねぇ……」

「ランス様、様子が……」

 

 掠れた低い声でぶつぶつと呟くドルハン。誰が見ても不気味であり、ロッキーやルシヤナは何事かと驚いていた。だが、実戦経験が豊富な者は違う。シィルが警戒しながらランスに声を掛け、カオルと殺の二人も臨戦態勢に入っていた。

 

「だけど、エミ様がおぬしらを殺せと命じられた。だから……」

「……気を付けろ、来るぞ」

「行きますぞ!!」

 

 殺の言葉とほぼ同時にドルハンが大地を蹴り、先頭に立っていたランス目がけて拳を振るってきた。奇襲であったため、この一撃は決まる。まずは一番強いであろうこの男にダメージを与えて機動力を奪う。だが、もし万が一外してしまったら。問題ない。そこからの想定も考えている。

 

「ランス様! 危ないだす!」

「ふんっ」

 

 見た目によらず、ランスはひらりとドルハンの攻撃を躱した。剣こそ下げてはいたが、カオルや殺同様ランスも目の前の男を警戒したいたのだから当然ともいえる。だが、直後に聞こえてきたのは轟音。

 

「なっ!?」

「地面が割れただす!」

 

 二級市民街の地面は土と石畳の場所が混在しているが、ここは石畳の地域。その地表は固いはず。だが、ドルハンの右拳はその地表をぶち抜き、破片を周囲にまき散らしていた。何という威力。これだけの重い一撃、受ければただではすまない。絶句するプリマとロッキー。

 

「(そう、これでいい)」

 

 これがドルハンの、いや、彼の種族であるムシ使いの特技、硬質化。ドルハンは自らの右腕を硬質化させて強固にし、それを思い切り打ち抜いたのだ。例え躱されたとしても、相手はこの一撃の威力に必ず怯む。その隙に、二の手を入れる。左足で地面を踏みしめ、右拳を再度放とうとしたドルハンであったが、その腹部に強烈な蹴りが飛び込んできた。

 

「ランスキィィック!!」

「ぐぼっ……」

 

 嘔吐しそうな程の衝撃を受けて後ろに吹き飛ばされるドルハン。地面を転がりながらもすぐさま体勢を整え、目の前の敵を見据える。追撃に来ていない。その男は余裕の表情で床に手をついているドルハンを見下ろしていた。

 

「がはは! まあ、俺様にしてみれば雑魚に毛が生えたようなもんだな」

「痺れるだす、ランス様!!」

「えぇい、貴様に痺れられても何も嬉しくないわ!」

 

 何故か頬を赤らめて嬉しそうにするロッキーを軽く蹴り飛ばすランス。隙だらけにも見えるその態度を見て、ドルハンは屈辱を感じていた。歯牙にもかけられていない。体を起こし、再度ランスと相対するドルハン。

 

「くっ……」

「あちらに気を取られ過ぎですよ」

 

 突如、横から声が響いてきて己の失策を感じ取った。ランスに気を取られ過ぎ、この女の接近を許してしまったのだ。すぐさま目の前の女に向かって右拳を振るおうとするドルハンであったが、それよりも早くカオルは右腕を掴んだかと思うと、一瞬の内にドルハンを投げ飛ばしていた。世界が反転したかと思う程のスピードで投げ飛ばされ、石畳に背中から勢いよく落ちるドルハン。

 

「がはっ……ぐっ!?」

 

 口から息を吐き出すドルハンであったが、相手の攻撃は終わらない。左肩に思い切り足を乗せられたかと思うと、足蹴にしながら自分を見下ろす少女が見た事もない武器をこちらに向け、静かに言い放つ。

 

「死ぬがよい」

「……っ!?」

 

 ドン、ドン、ドンと銃声が響く。深夜であるためその音はよく響いてしまい、後ろで弓を構えていたメガデスが殺に向かって注意を促す。

 

「こらー、隠密任務だっつーの!」

「むっ、しまった……」

 

 眉をひそめながら足元のドルハンを見据える。頭に三発。常人ならば確実に死んでいる。だが、殺の放った銃弾はドルハンの眉間の上に転がっていた。それと同時に、ドルハンが右拳を殺に向かって振るう。すんでのところで後ろに跳びずさり、それを躱す殺。そのまま立ち上がってきたドルハンを見据える。カラン、と殺の放った銃弾が地面に転がった。眉間を硬質化させて殺の攻撃を防いだのだ。

 

「随分と石頭のようだな」

「べろーん!!」

「とりゃっ!」

 

 間髪入れずにメガデスが矢を放ち、ルシヤナが棒を振って刃を飛ばす。だが、ドルハンは両腕を硬質化させ、その攻撃を軽々弾き飛ばした。そしてすぐさま腰を落とす。すると、ドルハンの腰が大きなこぶのように膨れ上り、そこから針がランスたちに向かって一斉に飛ばされた。

 

「くらえぃっ!」

「危ないだすっ!!」

 

 すぐさまロッキーが全員の前に飛び出し、両腕を広げてその身に針を受ける。とはいえ数が多く、完璧には皆を守り切れない。ランスのようにロッキーの後ろに隠れて完全にやり過ごしたり、カオルや殺のように即座に障害物の裏に隠れたりした者は無傷で済んだが、ルシヤナやプリマなどは針が腕を掠めていた。

 

「あいたっ!」

「ちっ……」

「なんなんだ、あの野郎の身体は!」

 

 ランスの悪態を聞きながら、ドルハンは一息ついていた。これで一度体勢を立て直せる。だが、直後目を見開いた。針が届かない程度に距離を取ったピンク髪の少女が両腕を光らせ、こちらにそれを向けてきたのだ。あれは、主人であるエミと同じ光。魔法使いが身に纏う魔力。

 

「何故魔法使いがレジスタンスに!?」

「ファイヤーレーザー!!」

 

 強力な魔力の渦が業火となり、針を全て飲み込みながら一直線にドルハン目がけて放たれる。これは硬質化では防げない。

 

「ぐぉぉぉっ……ぐっ、がぁぁぁ!!」

 

 炎に包まれたドルハンは苦しそうにしながらも何とかはい出してくる。だが、そのドルハンの目に飛び込んできたのは、剣を振り上げながら飛び掛かってくるランスの姿。そう、ランスはシィルがファイヤーレーザーを放つと同時に飛び込んでいたのだ。ランスは認めないだろうが、これぞ長い間パートナーとしてやってきた阿吽の呼吸。

 

「ランスアタァァァック!!」

 

 振り下ろされた刃から衝撃が走り、ドルハンが体から血を噴き出しながら吹き飛ばされる。

 

「(なんという……あの男だけじゃない、この男も遥かに格上……がはっ……)」

 

 先程見かけた男の立ち振る舞いから感じ取れる強さも見事なものであったが、この男も負けてはいない。自分が勝てる相手ではない。意識が飛びそうだが歯を食いしばって耐え、ドルハンはそのままランスたちに背を向けて逃げ去って行った。

 

「あ、逃げるな! えぇい、追うぞ!」

「待った。合図があがったよ☆」

「むっ?」

 

 メガデスが南の空を指差すと、確かに微かだが赤い光が上がっていた。あれはシトモネの炎の矢だ。という事は、ルークたちがサーベルナイトを見つけたという事だ。殺も眉をひそめて空を見る。どうやらあまり距離は離れていないようだ。

 

「近いな」

「まずい、このままでは手柄をルークに持っていかれる。急ぐぞ!」

「え? 今の奴は追わなくていいのかい?」

 

 ドルハンの逃げた方向を指差すルシヤナ。確かにあの怪我ならば、十分に追いつけるはず。

 

「……いや、あんな奴はどうでもいい。どうせそこらのゴロツキだろ?」

「彼はムシ使いですね」

「ムシ使い?」

 

 カオルの放った単語に聞き覚えがなく、首を捻るランスであったが、その会話をプリマが遮る。

 

「詳しい説明は後にしよう! 私たちの目的はサーベルナイトだ!」

「あっ、おいこら、待て!」

「ちっ、まーしゃーねーかー」

 

 ランスの制止も聞かず、炎の矢の上がった方角に駆けていくプリマ。それを見たメガデスは舌打ちをするが、止めはせずそれについていく。プリマは仲間たちを一度サーベルナイトに全滅させられているのだ。この行動は無理もない。

 

「ロッキーさん、大丈夫ですか? 今ヒーリングを……」

「……いらないだす」

「あっ……」

 

 シィルの治療を拒み、ロッキーも炎の上がった方向へと駆けていく。

 

「(待ってろ、サーベルナイト……みんなの仇は私が……)」

 

 鞭を握る手に自然と力が入るのが判る。憎き怨敵にもうすぐ会えるのだ。だが、自分の力でみんなの仇は討てるのか。そして、サーベルナイトに出くわした現ブラック隊は無事でいるのか。死んでいった仲間たちと同じブラック隊を名乗った事はあまり良く思わなかったが、それでもサーベルナイトにこれ以上仲間を奪われたくない。そんな複雑な思いを抱えながらプリマは街を駆けていくのだった。

 

 

 

-ゼス イタリア 北西部-

 

「ミスリー、確かに南の方で何か光ったのね?」

「ええ。キューティ隊長、どうしますか?」

「他人がいない時は呼び捨てで良いって。そうね……」

 

 今、キューティたちは北東部に向かっていた。ミスリーが僅かながら鈍い音が聞こえたというからだ。それは、殺の放った三つの銃声であったのだが、二人が知る由もない。サーベルナイトが出没したのかと考えてそちらに向かっていた二人であったが、その最中またもミスリーが南の方向から赤い光が上がるのを見たという。

 

「東の方からはもう何も聞こえないのよね?」

「少し前までは戦闘音のようなものが聞こえていましたが、今は何も」

「……なら、南に向かいましょう。流石に二手に分かれての単独行動は得策ではないし、既に東は手遅れの可能性が高いわ」

「良い判断だと思います。では、南に向かいましょう!」

 

 

 

-ゼス イタリア 南東部-

 

「ルークさん、合図は上げ終わりました」

「ああ、ありがとう」

「これがサーベルナイト……」

 

 ルークたちの目の前には、甲冑に身を包んだ一人の男。特徴的な三日月形の仮面が手配書と一致している。間違いない、こいつがサーベルナイトだ。闇夜の中、奴は自ら姿を現した。ルークたちはすぐさま臨戦態勢に入り、シトモネも合図を上げた。しかし、サーベルナイトは未だ構えていない。どこか不気味さをインチェルは感じていた。そんな中、ネイが一歩前に出て口を開く。

 

「すぐに仲間が集まってくるわ。もう逃げられないわよ」

「ふん……ケダモノが薄汚く群れて、見苦しい」

「なんですって?」

「連続殺人鬼のあんたの手の方が薄汚れていると思うけどね」

「そうですわー!」

 

 ナターシャと珠樹が反論をするが、それをサーベルナイトは鼻で笑う。

 

「殺人鬼? この私が? 冗談にもならんな」

「20人近くも犠牲者を出しておいて、何を……」

「私が殺したのは2級市民という名を持つだけのケダモノだ。貴様らが人権を所有しているなど、甚だ勘違いもいいところだな」

「(うわぁ……完全にありがちなタイプのゼスの貴族ね……)」

 

 シトモネがげんなりとする。テンプレとも言うべきゼスの貴族、それが目の前の殺人鬼だ。2級市民を同じ人間と思っていない。

 

「貴様のした行為は到底許される事ではないぞ」

 

 冒険者であるルークは今までこのようなゼスの人間はいくらでも見てきた。だが、そう思っているだけならばまだしも、殺人という行動に移したのならば許せるものではない。

 

「許されるさ。この国では我らが法だ」

「なら……俺たちが貴様を裁こう……」

「バーナードさんが喋った!? しかも凄く良いタイミングで!」

「インチェルちゃん、緊張を解かないで」

「ご、ごめん……」

 

 イタリアについてからほぼ無言であったバーナードが美味しいところを持って行った事にインチェルが驚愕するが、すぐさま緊迫した場面である事を珠樹に指摘されて剣を握り直す。相手は多くの人の命を奪い、ブラック隊を壊滅させた殺人鬼なのだ。僅かな油断が死に繋がる。

 

「ケダモノが何をほざくか……」

 

 サーベルナイトの右腕の筋肉が僅かに動いたのをルークは見て取った。恐らく、数秒後に戦闘の火ぶたは切って落とされる。そして、今回自らに求められているのは、周囲を納得させる勝ち方。静かに腰を落とし、ブラックソードを握りしめる。

 

「みんな、あの鎧は魔法で強化されている。見た目以上に耐久力あるよ!」

「剣も強化されている……注意して……」

 

 ネイとセスナが仲間たちに注意を促しながら腰を落とす。こちらも臨戦態勢は整ったといった形か。そしてほぼ同時に、向こうから駆けてくるプリマの姿がルークたちの目に入った。

 

「見つけた! サーベルナイト!!」

 

 プリマが息も絶え絶えになりながらサーベルナイトを視界に映す。彼女が到着したという事は、すぐにランスたちも来るだろう。だがランスたちの合流よりも早く、サーベルナイトは高々と剣を掲げた。

 

「下等な身分の者たちよ、私直々に死を与えてやろう!!」

 

 それが、開幕の合図。だが、その直後にサーベルナイトが見たのは、すぐ目の前に迫っているルークの姿であった。驚き、目を見開く。距離は十分にあったはず。まさか、この間合いを一瞬で詰めたというのか。

 

「悪いが……」

 

 ルークは韋駄天速を使っていない。リックやアレキサンダーレベルの強者であれば十分に目に捉えられ、対応も出来たであろう動き。だが、サーベルナイトにはそれを目で捉える事が出来なかった。

 

「う、うわぁぁぁぁ!!」

 

 慌てて剣を振り下ろそうとしたサーベルナイトであったが、振り下ろせない。右肘から先の腕がないのだ。目の前には、剣を振り向いたルークの姿と、鮮血を振りまきながら宙を舞う自らの右腕。意味が判らない。だが、認識する。自分は右腕を斬り落とされた。認識してしまったからこそ、激痛がサーベルナイトを襲う。

 

「ぎゃ、ぎゃぁぁぁぁぁぁ! う、腕がぁぁぁぁぁ! い、痛い、痛いよママぁーーーー!!」

「強い!! いや、それよりも……」

「速い……」

「見事……」

 

 共に戦った事のあるネイとセスナですら、その速さには驚愕するしかなかった。あの闘神都市の戦いの時よりも明らかに強くなっている。一体どのような鍛錬を積めばあの域に到達出来るというのか。バーナードが静かに頷き、インチェルたちは言葉もない。

 

「これで終わりだ」

「うわぁぁぁぁ……あぁぁぁぁ……」

 

 ルークの言葉通り、勝負は一瞬でついた。文字通りの瞬殺。喚きながら地面をのたうち回るサーベルナイトを見下ろすルーク。そして、その姿を見たプリマは自身の背中に走る衝撃のようなものを確かに感じ取っていた。サーベルナイトに負けるなんて心配、とんでもない。自分たちが歯の立たなかったサーベルナイトをまるで寄せ付けない。気が付けば、その単語が口から紡ぎ出されていた。

 

「これが……解放戦の英雄……」

 

 英雄。その言葉、偽りなし。

 

 




[人物]
カオル・クインシー・神楽 (6)
LV 17/33
技能 柔術LV2 神魔法LV1
 グリーン隊副隊長。その真の姿は国王ガンジーのお付きであり、アイスフレームにはガンジーの命によって潜入している。ルークとは以前に面識があったため、素性を知られてしまっている。

ロッキー・バンク
LV 8/19
技能 斧戦闘LV1
 グリーン隊隊員。元々は奴隷観察場に囚われている奴隷であったが、イジメられている彼をランスが気まぐれで助けたところ、ランスに信奉。共に奴隷観察場を抜け出し、レジスタンスとしてランスの率いる部隊に所属する事になる。魔法使いに長い事迫害されていたため、シィルやシトモネの事を良く思っていない。

プリマ・ホノノマン
LV 7/22
技能 教育LV1 治療LV0
 グリーン隊隊員。救護の腕はアイスフレームでも随一であり、重宝されている。元ブラック隊唯一の生き残りであり、サーベルナイトを激しく憎悪すると共に、ブラック隊を名乗るルークの事もあまり良く思っていなかった。だが、その強さをまざまざと見せつけられ、圧倒される。

メガデス・モロミ
LV 7/18
技能 弓戦闘LV0
 グリーン隊隊員。小柄な女性だが、吐く言葉は辛辣。プリマの事をかなり気に入っている両刀使いの弓使い。元ホワイト隊の裏番であり、プリマを追ってグリーン隊に編入してきた。

ルシヤナ・ギャロップ
LV 6/15
技能 投擲戦闘LV0
 グリーン隊隊員。棒の先に糸と刃のついている珍しい武器を扱う眼帯の少女。物事をあまり深く考えない、よく言えば素直、悪く言えばおバカ系の性格。眼帯という事がある女性を彷彿とさせるのか、妙にルークに気に掛けられている。元はランス6マニュアルに載っているアイスフレーム隊員の没キャラ。インチェル、珠樹と並ぶドマイナーキャラです。

岳画殺
LV 11/75
技能 機械LV1
 グリーン隊隊員。アイスフレームに迷い込んできた少女であり、見た事もない女学校の服を身に纏っている。小柄な見た目とは裏腹に、マリアですら見た事のない強力な重火器を扱って敵を屠る。元はアリスソフト作品の「大悪司」登場キャラであり、某美少女PC雑誌で何年もの間好きなヒロインランキングに入り続けたアリスソフトを代表する大人気キャラ。メーカー通販特典限定で「ランス6」にもゲスト出演。

ハッサム・クラウン
LV 10/10
技能 魔法LV0
 金融長官ズルキの息子。何不自由ない暮らしをしてきたボンボンであり、サーベルナイトを名乗り2級市民を惨殺していた張本人。サイアスとは親戚、エミとは婚約関係にある。

ミッゼラ
 イタリアの男性衛兵。サーベルナイト事件に関して物騒だとは思っているが、2級市民のためにパトロールを増やす気は更々ない。


[技]
硬質化
 共生するムシ達が硬くなり、自身の体を強化する技。攻撃にも防御にも使えるが、硬質化する範囲が増えるとその分動きにくくなる。全身を硬質化させた場合、通常ではまともに動けなくなるが、伝説と呼ばれたムシ使いはその状態でも難なく動けたと言われている。


[都市]
イタリア
 ゼス中部の中堅都市。金融長官ズルキの直轄領であり、ゼス中央銀行などの主要機関もある。

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