ランスIF 二人の英雄   作:散々

39 / 200
第38話 歴史の動くとき

 

-レッドの町 傭兵部隊詰め所前-

 

「ふぅ」

「これはルーク殿。会議は今終わりで?」

 

 シィルを取り返し、聖装備も揃えたルークたちはリーザス奪還に向けての心配事は無くなり、後はひたすら進軍するのみとなった。ジオの町に攻め込むのは三日後に再決定し、それに向けて各部隊は最終調整を行っているところだ。アレキサンダーは傭兵部隊に参加することになり、話し合いを終えたルークが詰め所から出てくる。すると、丁度詰め所の前をリック、エクス、ハウレーン、メナドの四人が通りかかったところだった。

 

「ああ。そういうリックとエクスもか?」

「ええ。丁度いい時間ですし、食事でも一緒にどうですか?」

 

 エクスがルークを誘ってくる。どうやら赤の軍と白の軍の会議もほぼ同時に終わり、四人で酒場に食事を取りに行くところのようだ。特に断る理由もないため、それに応じるルーク。

 

「そうだな、じゃあご一緒させて貰おうか」

「歓迎しますよ」

「あ、あの、ルークさん……」

「ん?」

 

 ルークがエクスと話していると、メナドが後ろから恐る恐るといった様子で話し掛けてくる。

 

「こ、この戦争が終わったら、一度ぼくと手合わせをしていただきたいのですが……」

「別に構わないぞ。リックともする約束があるしな。それじゃあ、戦争が終わったら一度赤の軍にお邪魔させて貰おう」

「本当ですか!? ありがとうございます!」

「ルーク殿、自分も楽しみにしています」

 

 メナドの顔がパアッと明るくなる。その様子を見ていたエクスはハウレーンに小声で話し掛ける。

 

「これは赤の軍に一歩リードされてしまいましたかね……ハウレーン、貴女も手合わせに誘ってみてはどうです?」

「そうですね、私もルーク殿の腕には興味があります。今度誘ってみましょう」

 

 そう何とも無しに答えるハウレーンを見ながら、かなみやメナドのように積極的に行ってくれるようにはならないものかとエクスはため息をつく。白の軍副将ハウレーン、幼い頃からバレスの背中を見て育ったため、女性としてよりも騎士として生きたいという思いが強い。ランスに対して抱いているような不快感をルークに覚えている訳では無いが、一人の男性としてはまだまだ何とも思っていなかった。そのまま談笑しながら酒場に向けて歩いて行く一行。すると、目の前に一台のうし車が止まり、運転していた男が話し掛けてくる。

 

「すいません、リーザス軍の方ですか?」

「……そうですが、なんの用ですか?」

「ゲリラ軍を名乗る男性から荷物を頼まれましてね。荷台に積んであるんで受け取ってください」

「荷物?」

 

 エクスが代表して運転手と話をしている。ゲリラ軍からの荷物と聞き、何事かと眉をひそめる。

 

「一体何なんですか?」

「さあ? 私も見ちゃいけない契約になっていまして……」

「ふむ……とりあえず見てみましょうかね」

「プチハニーが敷き詰めてあって、いきなり爆発したりしてな」

「こ、恐いこと言わないでくださいよ、ルークさん……」

 

 ルークの言葉にメナドが怯える。そのメナドの様子を見て悪戯心が働いたのか、エクスがそれに続く。

 

「あるいは……いきなりお化けが飛び出してくるかもしれませんね」

「ひっ!」

 

 エクスの言葉に反応したのはメナドではない。ルークが後ろを振り返ると、ハウレーンが顔を赤らめながら誤魔化すように咳払いをしていた。その態度を見たルークとメナドが同時に吹き出し、ハウレーンが更に顔を赤くする。おやおや、という顔でその様子を見ていたエクスだが、その側にリックが近づいてきて小声で話し掛けてくる。

 

「エクス、あまりそういう話はしないでくれ……」

「ああ、リックもそうでしたね。これは失礼しました」

 

 穏やかな空気の中、一同はうし車の後ろに回り込んで荷台を覆う布を開ける。瞬間、その場の空気が凍り付く。荷物は女性。衣服を身につけておらず、縄で縛り上げられている。薬を投与されているのか、目は虚ろで涎の跡が口元にくっきりと残ってしまっている。側には手紙が置かれており、こう書かれていた。

 

-リーザス軍の皆様へ ヘルマン軍の司令官を捕らえました。自白剤を投与してあるのでお好きにお使いください。 ゲリラ軍より-

 

 それを読んだ瞬間、ルークが手紙を破り捨てた。

 

「リック、セルさん……いえ、ロゼさんを至急呼んできてください」

「酷い……」

「これを……同じリーザスの民がやったというのか……」

 

 エクスが即座に指示を出し、リックが無言で頷いて全力で駆けていく。メナドが悲痛な声を漏らし、ハウレーンが嫌悪感を露わにする。手紙を破り捨てたルークは荷台の布を斬り、ヘルマン軍の女性にかけてその体を隠してやる。

 

「……弁償代はこちらで払っておきますよ」

「すまん、頼む」

 

 エクスと話し合うルークの横顔をメナドとハウレーンは確かに見る。静かに、されども確かな怒りを燃やしているその表情。ルークの発する殺気に、メナドもハウレーンも動けなくなってしまっていた。

 

 

 

-レッドの町 司令部-

 

「なんと……そのような事が……」

「酷いわ……」

 

 先程の出来事の報告を受け、バレスとマリアがその表情を曇らせる。それは二人だけではない。自分たちの味方であるゲリラ軍が行った蛮行に、他の者も表情を曇らせていた。

 

「とにかく、この事は他言無用。皆の士気に関わる」

「それに、わざわざ口外するような事じゃないわ」

「そうですね……」

 

 バレスとレイラの言葉を受け全員が、特に女性陣が深く頷く。特にメナドやかなみといった若い面々はショックが大きいようだ。

 

「それと、三日後に向けて準備を進めておくように」

「バレス将軍、三日後では間に合いません。今晩にでも進軍を!」

 

 バレスがそう口にしたのと同時にエクスが司令部に入ってきてそう進言する。その後ろには薬を投与されていた女性の治療に当たっていたロゼもいる。

 

「エクス殿、どういう事じゃ? それにロゼ殿がここにいるという事は、薬を投与されていたヘルマンの者の治療は終わったのか?」

「ロゼさん、説明を」

「ひとまず治療は完了したわ。彼女の名前はセピア・ランドスター。ヘルマンの司令官みたいね。命に別状はなし。二、三日もすれば薬は完全に抜けるし、後遺症も残らないわ」

「よかった……」

 

 エクスに促されてロゼが説明をする。命に別状はないと聞いてホッと安堵するメナド。いくら敵とはいえ、あのまま死なれてはあまりにも寝覚めが悪い。

 

「で、残念な報告も一つ。使われていた薬は結構強力なもので、注入された前後の記憶は残っていないわ」

「という事は、彼女をあのような行為をしたゲリラ軍が何者なのかは判らないという事か」

「ええ、こちらとしてはそこも把握しておきたかったのですがね」

 

 ルークの問いにエクスも残念そうにしている。いくら味方とはいえ、あのような事をする過激派は出来るだけ把握しておきたいというのが本音だ。いざという時、こちらの爆弾になりかねない。

 

「それで、今晩に進軍というのは?」

「じゃあ、こっからの説明はよろしく。私は戻って他の連中の治療をしておくから」

「お疲れ様です」

「報酬、期待しているわよ」

 

 自分の説明は終わったと察したロゼは司令部を後にする。そのロゼを見送ってからエクスが話を続ける。

 

「セピア・ランドスターから聞き出した情報ですが、明日の朝一番にヘルマン軍の大規模な襲撃があるようです」

「なんじゃと!?」

「それに備え、ヘルマン軍は今晩テラナ高原で休息を取る模様。そこを奇襲するべきです」

「エクス様……あの状態の彼女から情報を聞き出したのですか……?」

 

 エクスの言葉に一同が驚愕する。ヘルマン軍の襲撃に驚いている者が大半だが、一部の者はエクスが彼女から情報を聞き出した事に困惑した様子であった。メガネをクイと上げ、絶句しているメナドの目を見るエクス。

 

「……軽蔑してくれて構いませんよ。全てはリーザスのためです」

「ふん、貴様の事なんかどうでもいい。但し、セピアちゃんは必ず元の状態に戻せよ。お礼に一発ヤらせて貰うんだからな!」

「それはロゼさんに言われた方が良かったのでは?」

「……あいつは苦手だ。それより、ゲリラ軍じゃなくてヘルマン軍が送ってきたんじゃないのか?」

 

 それまで黙っていたランスが口を開くと、そのとんでもない発言に皆が驚く。真っ先に反論したのは志津香。

 

「馬鹿ね。普通に投降してきたならいざ知らず、あんな状態で送られてきたら何を話すか判ったもんじゃない。実際、明日の進軍の事を口にした訳だし。そんな事をヘルマン軍がやる訳ないでしょ!」

「それに、一般兵ではなく司令官。ヘルマン軍の仕業とは流石に考えにくいわ」

 

 志津香の言葉にランも口を開く。だが、その二人の言葉に鼻を鳴らすランス。

 

「ふん、そういう思い込みが狙いなんじゃないのか? まあいい、今晩奇襲をかけるぞ!」

「罠という事は……?」

「あの状態ですから嘘を言うのは無理ですのでありえません。ロゼさんもそう仰っていました」

 

 こうして、今晩テラナ高原へ奇襲をかけることが決定した。各部隊大急ぎで準備を整え、夜になってからヘルマン軍に気が付かれないよう進軍を開始する。先頭を行くのはチューリップ3号。

 

「うー……緊張してきた……」

 

 操縦席のマリアがそう声を漏らすのも無理はない。これまで以上に大規模な一戦であり、戦慣れしているリーザス兵たちにも緊張が走る。その緊張が指し示すとおり、このテラナ高原の戦いは後の世に語り継がれる一戦となる。リーザス解放戦における解放軍とヘルマン軍の最も大きな一戦として。そして、人類と魔人の歴史を変える邂逅のあった一戦として。

 

 

 

深夜

-テラナ高原-

 

「おお、寒い、寒い。まだまだ冷えるな……」

「デストラー司令官、お疲れ様です」

 

 テラナ高原で夜営をしているヘルマン軍。その先頭では、明日先陣を切ることになっているデストラーが部下と談笑していた。

 

「ふふ、先陣を任されたのはラッキーだったな。魔物部隊を率いていて初めてよかったと思った瞬間だよ」

「おめでとうございます」

 

 この戦争において、魔人が率いていた魔物部隊の司令官を任されたデストラーは一部の司令官から野蛮な連中と卑下されていたのだ。だが、その苦労も明日の一戦で報われる。

 

「ここで十分な手柄を立てれば、トーマ様が引退された後の次期第3軍副将も見えてくるというものだ」

「いえいえ、ミネバ副将を追い越しての将軍まで有り得ますよ、デストラー司令官」

「そうだな。あのような無粋な女が副将にいるのは気に食わん。おっと、今のは内密にな」

「承知しております。司令官、明日はリーザスのクズ共を蹂躙しましょう!」

「当然だ。ん? なんだか騒がしいな……」

 

 部下と談笑をしていたデストラーだが、先程から周囲が騒がしい事が気に掛かる。すると、別の部下が報告に走ってくる。

 

「デ、デストラー様、大変です! 敵の奇襲が……うわぁっ!!」

 

 報告に来た部下の体が爆風で吹き飛ぶ。その部下の向こうに、デストラーは確かに見る。高原の向こうから、大群のリーザス兵が迫ってきているのを。そして、その先頭を走る鉄の塊から再度砲撃がこちらに放たれたのを。迫ってくる砲撃から逃げる時間などあろうはずもない。デストラーは放たれた砲撃に巻き込まれ、その生涯に幕を閉じた。

 

「うわぁぁぁ、リーザスの連中だぁぁぁぁ!!」

「ふざけやがってぇぇぇ!!」

「た、助けてくれぇぇぇぇ!!」

 

 あちこちから湧き上がる悲鳴、怒声。自分たちが解放軍に奇襲を掛けるつもりだったのだ、まさか奇襲を掛けられるなど夢にも思っていなかったのだろう。ヘルマン軍は完全に混乱していた。

 

「がはははは、ヘルマン軍をぶち殺せ! 前進あるのみだ! 後退した奴は俺様が斬り殺すぞ!」

 

 ランスが上機嫌に笑う。奇襲作戦は見事に成功した。慌てふためく敵の部隊を解放軍は易々と撃破していく。その報告はすぐさま総司令官であるトーマにも伝わる。

 

「奇襲だと!? 何故情報が漏れている!」

「判りません。我が軍は混乱しきっており、指揮が全く取れない状況です!」

「また、デストラー様とナビオ様の戦死が確認されています!」

「何という事だ……」

 

 トーマが唇を噛みしめる。どこから奇襲の情報が漏れたのか。これは直前まで司令官以上の者たちにしか伝えておらず、一般兵たちに伝えられたのは直前になってからであった。となれば、司令官の誰かが情報を漏らしたとでもいうのか。

 

「(行方知れずのセピアか……? いや、真面目な奴が寝返るとは考え難い……解放軍に掴まったか、あるいは……)」

 

 トーマが思案する。ミネバを迎えに行ったセピア司令官だったが、ミネバと合流後に忽然と姿を消してしまったのだ。

 

「乱戦状態、こういうのはミネバの隊が一番慣れているのだが……」

「ミネバ様の部隊は最後方です。今から最前線に上がるのは時間が掛かりすぎます」

「集合に遅れた罰として最後方に回るなど珍しいことを言い出したと思ったが、完全に裏目に出たな……ええい、儂も出る!」

 

 武器を手に取り、テントから飛び出していくトーマ。その遙か後方、最後方の部隊でほくそ笑んでいる女がいた。

 

「くくく、始まったねぇ……」

「ミネバ様、出られますか?」

「ここまで報告が届いてからでいい。状況の判らないあたしらは冷静に事態を見据えるため、あえてまだ動いていない、って筋書きで行くよ」

「了解です。他の者たちにもそう伝えておきます」

 

 こうして、テラナ高原の戦いはなし崩し的に始まった。当初こそ解放軍が圧倒していたものの、夜襲という事もありいつの間にか敵味方入り交じる乱戦となる。こうなっては解放軍も統制の取れた戦いは不可能。少し先にいる人間が敵か味方かも良く判らない中、混乱したヘルマン軍との激戦が続く。

 

「大丈夫よ、私たちは優位に立っているわ!」

「このまま敵を攻めていりゃ、総崩れになるはずだぜ!」

「うぉぉぉ、やってやるですぅ!」

 

 ランとミリもカスタム防衛軍を鼓舞する。ランの言うとおり、乱戦になっていて戦局は掴みづらいが解放軍が押しているのは確かである。トマトが気合いを入れ、敵に突っ込んでいく。

 

「アスカ、眠くは無いか?」

「いっぱいお昼寝したから大丈夫だおー。白冷激ー!」

「氷の矢、氷の矢!」

 

 新たに合流したリーザス魔法部隊も獅子奮迅の活躍を見せる。アスカが中級以上の魔法を放ち、メルフェイスがそのサポートに初級魔法を連発する。年端もいかない少女がトップの魔法部隊だが、チャカやメルフェイスが上手く間に入ることによって中々に統制は取れていた。と、少し離れた場所で立ち上がっている火柱にアスカが声を上げる。

 

「おおー、すごい魔力なのらー」

「恐らく魔想志津香さんね。これは私たちも負けていられないわ」

「魔想……そんな魔法使いが昔ゼスにいた気が……うーむ、あまり覚えておらんのう」

 

 チャカが記憶を掘り起こしている中、より一層気合を入れるリーザス魔法部隊であった。

 

 

「突撃! ……んっ!?」

 

 リックが周囲の部下たちに指示を出しながら、自身も敵陣に突っ込んでいき多大な戦果を上げる。早々にナビオ司令官を討ち取ったバレスに続き、自身も司令官の一人であるダルムを先程討ち取っていた。その事に更に士気を上げる赤の軍であったが、目の前に立ちはだかる部隊を見てリックは目を見開く。彼らが身に纏っているのは、見覚えのある青の甲冑。

 

「青の軍も参加しているのか!」

「気をつけて! 暗闇で判りにくいけど、青の軍がいるわ!」

「極力殺さないように! それと、コルドバ将軍とキンケード副将を見つけたら必ず報告を!」

 

 リックがヘルマン軍の中に洗脳された青の軍が参加していることに気が付き、レイラが周囲に聞こえるよう大声を上げる。すぐさまメナドも声を張り上げる。洗脳されたリーザス最後の軍、防衛力に優れた青の軍は攻め側であるこちらからしてみれば非常に厄介な存在である。特にコルドバとキンケードは洗脳状態でも間違いなく一流の腕前であり、一般兵で勝てる相手では無い。だが、彼らは今の状況でこそ脅威であるが、もしこの戦闘が終われば頼りになる仲間となる。その事が更に解放軍の士気を高めた。

 

 

「うむ、大分数が減ってきたな」

「はい、ランス様! みなさん頑張っていらっしゃいます」

「がはは、このままヘルマン軍を殲滅だ!」

 

 ランスが更に高笑いを上げる。解放軍とヘルマン軍の激突から約二時間、既に勝敗は決していた。二倍以上の戦力を持つヘルマン軍だが、混乱と動揺で本来の組織的な力を発揮できず次々と撃破されていった。この頃にはデストラー、ナビオ、ダルムに続き、ガイヤス司令官も戦死。ミネバ隊は最後方で撤退を始めており、戦場に残っている者の中で指揮する立場の者は、シルビア司令官とトーマ将軍を残すのみだった。特に戦果を上げたのはマリアが乗るチューリップ3号。側にカスタム魔法軍を携えながら大量の敵を蹴散らしていった。戦局は奇跡でも起こらない限り、変わり様はなかった。

 

 

 そして、その戦況に眉をひそめている魔人がいた。戦場から少し離れた小高い丘の上、ヘルマン軍を見下ろしながら魔人アイゼルが小さく呟く。

 

「馬鹿め、敵に奇襲されるとは……この戦は負けだな」

「アイゼル様、どうされますか?」

 

 側に控えていた女性がアイゼルに問いかける。見れば良く似た顔が後二人側に控えている。彼女たちは魔法使いの三姉妹であり、アイゼルの使徒であった。使徒というのは魔人の忠実な部下であり、彼女たちもアイゼルのためならその命を投げ出す程の覚悟を持っていた。その問いかけにアイゼルが少し考え込みながら答える。

 

「お前たちの力を試す時が来たようだな。サファイア、オパール、ガーネット! お前たちは個々の力は小さいが、三人の力を合わせれば強力な魔法を使うことが出来る」

 

 そう言いながら、アイゼルが丘の上から指を差す。その先には、解放軍の先頭を行くチューリップ3号。

 

「目標は、あの戦車だ!」

「「「はっ!」」」

「やれ!」

 

 アイゼルがそう指示すると、三姉妹は魔法詠唱を始める。三人の魔力が合わさり、その中心に強力な魔法の塊が出来上がっていく。そして、三姉妹が一斉に口を開いた。

 

「「「黒色破壊光線!!」」」

 

 黒い光線は一直線にチューリップ3号へ飛んでいく。そのとき、アイゼルは気が付く。チューリップ3号の側に、緑色の髪の魔法使いがいることに。

 

「あれは……あの位置はマズイ!」

「あ、アイゼル様!?」

「私は戦場に行く。お前たちも適当に参加し、やられる前に撤退しろ!」

 

 それだけ言い残し、アイゼルは全力で丘を降りていった。

 

 

「香澄、敵の集団に突入するわ! 弾薬を補充しておいて!」

「はい、マリア先生!」

 

 前線でヘルマン軍を蹂躙していくチューリップ3号。その驚異的な戦果にヘルマン軍は恐怖し、解放軍は鼓舞される。自身の発明が双方から高い評価を受けている事を感じ、マリアが口元に笑みを浮かべながら進軍していく。

 

「ふふふ、このまま蹴散らしてやるわ。私のかわいいチューリップ3号は無敵よ!」

「マリア先生! 黒い光がこちらに……」

「えっ!? きゃぁぁぁぁ!」

 

 マリアがその光線を確認するよりも先に、三姉妹の放った黒色破壊光線がチューリップ3号を貫いた。戦車の右半分が吹き飛び、その爆風で側にいた魔法部隊も数名吹き飛ばされる。そしてその中には、解放軍の主力でもある人物も混ざっていた。

 

 

「おらおらおら、死にやがれって言ってんだろうがぁぁ!」

「属性パンチ・炎! 大分数も減ってきましたね、ルーク殿!」

「ああ、もう一息だ!」

 

 傭兵部隊と共に前線で戦うルーク。ルーク、アレキサンダー、ルイス、セシル、アリオスという五人の強者が所属するこの部隊は、リーザス正規軍に劣らぬ活躍を見せていた。特にルイスは乱戦に秀でており、この五人の中でも頭一つ抜けた戦果を上げていた。そのとき、かなみがこちらに向かって戦場を駆けてくる。

 

「ルークさん、大変です! チューリップ3号が破壊されました!」

「なんだと!?」

「そいつは痛いな。あの鉄の塊は間違いなく解放軍の主力だった」

「あれ程の装甲を誇るチューリップ3号が……」

「マリアは無事なのか!?」

 

 ルークが驚愕し、セシルとアレキサンダーも各々驚いている。気に掛かるのは、マリアの安否。

 

「マリアさんも香澄さんも奇跡的にほとんど怪我はありません。でも……」

「どうした?」

「側で戦っていた志津香さんが爆風に巻き込まれて行方不明に……あっ、ルークさん!」

 

 かなみの言葉を聞いた瞬間、ルークは駆けだしていた。脳裏を過ぎるのは、かつて志津香と共に見た光景。志津香の父である篤胤が殺される瞬間。その姿と志津香の姿が、ルークの頭の中で重なってしまう。

 

「ルーク殿、こちらは我らに任せられよ!」

「ルークさん、私も行きます!」

 

 アレキサンダーが後ろから声を掛け、かなみがルークの後をついてくるが、ルークの耳には二人の声は届いていなかった。一刻も早く志津香の下へ。ただそれだけを考えて戦場を駆けていく。

 

「解放軍か! ここは……」

 

 目の前にヘルマン兵が立ちふさがる。が、そのヘルマン兵は一瞬の内に首を斬り落とされていた。ルークの持つ妃円の剣から血が滴り落ちるのと同時に、ヘルマン兵の首を地面に落ちた。

 

「邪魔をするな! どけぇぇぇ!!」

 

 普段のルークからは想像もつかないような形相と絶叫を放ちながら、ルークはかなみと共に戦場を駆けていくのだった。

 

 

 

-テラナ高原近辺 森の中-

 

「んっ……」

 

 志津香が目を覚ます。確か自分はチューリップ3号の爆風に巻き込まれたはずだが、そこからの記憶がない。どうやら気を失っていたようだ。全身が痛む。恐らく爆風の影響だろう。そんな事をぼんやり考えていると、ふと自分が抱きかかえられていることに気が付く。傷ついた自分を誰かが運んでくれているのだろう。一瞬、志津香の頭にある男性の顔が過ぎる。共に両親の復讐を誓った男の顔だ。だが、意識のはっきりした志津香が見たのは想像していた男の顔ではない。自分を抱きかかえていたのは、ラジールを解放する際に出会った男。

 

「魔人!? くっ……」

「あっ、いけない!」

 

 自分を抱きかかえ歩いているのが魔人アイゼルだと気が付いた志津香はすぐに跳び上がる。アイゼルの腕から抜け出した志津香だが、全身に走る激痛に耐えきれず地面に倒れ込む。

 

「大丈夫か? 気が付いたようで何よりだ」

「くっ……魔人が……私を何故運んでいた……」

 

 立ち上がることすらままならない体だが、気丈にもキッとアイゼルを睨み付ける。その志津香にアイゼルが心配そうに声を掛ける。

 

「まだ動かない方が良いぞ。酷い怪我で応急処置しか出来ていないんだ。今から小屋に運んでやろう。そこでなら、もう少しマシな治療が出来るはずだ」

「……どういうつもり!?」

「どういうつもりとは?」

「とぼけないで! 敵である私をどうして助けたのよ! 私をどうするつもり? 拷問されたって解放軍の情報は喋らないわよ!」

 

 アイゼルの真意が判らない志津香がそう声を荒げるが、その言葉を受けたアイゼルは一瞬躊躇いながらも口を開く。

 

「……どうもしない」

「嘘を……」

「嘘ではない。君を助けたのは、私の独断でしたことだ。他意はない」

「えっ……」

 

 志津香が呆然とする中、アイゼルが若干顔を赤らめながら言葉を続ける。

 

「ラジールで会ったときから気にはなっていた。あの乱戦の中、勇猛に戦うその姿、そして、傷つき倒れる君を見たとき……私は……」

「…………」

「私は……君を……」

「志津香! 無事か!?」

「ルーク!?」

 

 アイゼルがある事を口にしようとしたその時、ルークとかなみが森を掻き分けて現れた。ヘルマン兵から金髪の男が女を抱えて森に入っていったという情報を聞き出したルークたちは、ここまで追ってきてようやくアイゼルに追いついたのだ。アイゼルは見てしまう。この場に到着したルークを見た瞬間の志津香の表情を。そして、全てを察する。

 

「そうか……既に心に決めた人が……ふっ、とんだピエロだな……」

「ま、魔人!?」

「くっ……来い、フェリス!」

 

 アイゼルがそう独りごちる中、かなみが魔人アイゼルの姿に気が付いて驚愕する。ルークもアイゼルに向き直り、すぐさまフェリスを呼び出す。その呼び出しに応じ、目の前にフェリスが現れる

 

「お呼びですか、ルーク様。ランスの奴はHで頻繁に呼び出すのに、ルーク様が呼び出すのは初めてですね……って、どういう状況!?」

 

 傷つき倒れている志津香、臨戦態勢のルークとかなみ、そして目の前で佇むアイゼル。そんな目の前の状況にフェリスが混乱していると、更に乱入者が現れてこの場が混沌と化す。

 

「アイゼル! こんな所にいたのか。イシスの修復材料調達の件なんだが……って、お前らはランスの横にいた奴等!」

「サテラ様、ルークデス」

「ああ、そうだ、ルークだ。何でお前らがここにいる!」

「くっ……ここで魔人が増えるなんて……」

「えっ、魔人!? この二人魔人なの!? とんでもない状況で呼び出さないでよ!」

 

 魔人サテラがアイゼルを捜しに森の奥からやってきたのだ。ルークたちの姿を確認するとあちらも驚いた様子を見せるが、すぐさま臨戦態勢に入る。絶望的な状況にかなみが声を漏らすと、それを聞いたフェリスが驚きの声を上げる。呼び出されたら目の前に魔人が二人いるのだ。あまりにもとんでもない状況だ。

 

「帰っちゃ駄目よね……?」

「スマンな……」

「ちくしょう。こっちの主人は当たりだと思っていたのに……」

 

 フェリスが観念したように鎌を抜く。丁度、倒れている志津香を中心に対峙する形となった三人と三人。アイゼル以外は互いに臨戦態勢。一触即発だ。空気が張り詰める中、サテラがこちらに向かって叫ぶ。

 

「イシスの体の仇、ここで取らせて貰うぞ! シーザー、奴らを八つ裂きに……」

「待て、サテラ! ここは退くぞ!」

「えっ!?」

「……どういうことだ?」

 

 アイゼルの言葉にこの場にいた全員が驚く。中でも一番驚いているのは仲間のサテラであり、すぐさまアイゼルに食って掛かる。

 

「おい、何で逃げる! サテラはこいつらを八つ裂きにしないと気が済まないんだ!」

「今ここで戦えば……私は嫉妬に駆られて相手を殺した醜い男になる。そんな事は……我慢ならん……」

「何を訳の判らない事言っているんだ。とにかくこいつらを八つ裂きに……」

「サテラ、材料調達の協力を約束した際、何でも言うことを聞くと言っていたな。ならばここは退くぞ」

「んぐっ……」

 

 鞭を振るおうとしていたサテラの動きが止まる。確かにイシスを修復するための材料調達を協力して貰う代わりに、一つだけ何でも言う事を聞くと約束していたのだ。まさかその札をここで切られるとは思っていなかった。悔しそうにルークを睨みながらサテラは鞭を仕舞う。

 

「ふん、命拾いしたな、ルーク!」

「さらばだ、人間共よ。次に会うときは覚悟しておけ」

 

 そう言い残し、アイゼルがこの場から立ち去ろうとする。納得のいかない表情だが、サテラもシーザーの肩に乗ってその後に続く。かなみは内心安堵していた。ルークがいるとはいえ、この少人数で魔人二人にガーディアン。流石に無謀すぎる。去っていく背中を見送ろうとするかなみだが、ルークがそれを阻止する。

 

「待て! お前らに聞きたい事がある」

「ルークさん!?」

「刺激するなよ……」

「……? 人間に話す事など、こちらには何もないぞ?」

 

 アイゼルが顔だけ振り返り、そう答える。ルークは少しだけ目を瞑り、思案する。今この場にはかなみと志津香、そして自分の従者であるフェリス。ならば……と決断する。ルークはゆっくりと目を開き、ラジールの町で会ったときに言えなかった言葉を口にした。

 

「……ホーネット派の魔人であるお前らが、何故ここにいる?」

「「なっ!?」」

「ホーネット派……?」

「ルークさん……それはいったい……?」

 

 ルークの言葉にアイゼルとサテラの目が見開かれる。今目の前の男が発した言葉、それは人間が知るはずのない事。アイゼルが歩みを止め、ルークに体ごと向き直る。

 

「貴様、何を知っている!?」

「知っているさ……魔人が二手に分かれて戦争をしているのは人類でも周知の事だが……それを指揮するのは前魔王の娘、魔人ホーネット。対峙するのは、魔人ケイブリス」

「な、なんで人間のお前がそんな事を知っているんだ!? いや、どうせ知ったかぶりだろ? そうじゃないっていうなら、ホーネット派のメンバーを言ってみろ!」

 

 サテラの言葉にルークが少し考え込む。かなみと志津香は目の前で繰り広げられる状況に頭が追いつかず、言葉を発せずにいた。数秒の後、考えが纏まったルークがサテラの問いに答える。

 

「少し誤差はあるかもしれんが……ホーネット、シルキィ、ノス、アイゼル、サテラ、サイゼル、ハウゼル、レイ、ジーク、メガラス……こんな所か?」

「ふん、やっぱり知ったかぶりだ。サイゼルもレイもジークもケイブリス派だ!」

「いや、これは……」

 

 鬼の首を取ったかのようにサテラがルークを罵るが、横に立つアイゼルはこのラインナップに驚愕していた。ルークの外した面々は確かにケイブリス派ではあるが、まだ話の通じる面子。サイゼルは本来ならホーネット派にいてもおかしくない魔人だし、レイもケイブリスに弱みを握られていなければこちらに属していただろう。ジークも最後まで悩み、より魔人らしいという理由でケイブリス派についたのだが、一つ何かが違えばこちらにいてもおかしくなかった。

 

「(この男、一体どこまで知っている……)」

 

 アイゼルが息を呑む。下手に的中されるよりも、こちらの方がよっぽど恐ろしい。この男は、ただホーネット派とケイブリス派という情報を知っているだけではない。魔人の内情をかなり深いところまで知っているのだ。冷や汗を掻くアイゼルにルークが更に問いかける。

 

「もう一度聞く。何故、人類不可侵のホーネット派がここにいる? 魔人が三人いるという情報は掴んでいる。もう一人の魔人というのは誰だ?」

「そんな事、人間なんかに教える訳……」

「もう一人はノスだ。我らはカオスを手に入れるため、リーザスに来た」

「おい、アイゼル!」

 

 サテラの言葉に被せるようにアイゼルがルークの問いに答える。何故素直に答えたのかとサテラが文句を言うが、アイゼルはルークの顔を真剣な表情で見据えていた。アイゼルはルークに興味が沸いていたのだ。この男が一体どこまで知っているのかと。

 

「……その事を、ホーネットは知っているのか?」

「ホーネット様には知らせていない。だが、カオスを手に入れればケイブリス派に引導を渡せる。そうなればホーネット様も喜ぶとノスが言っていた」

 

 アイゼルのその言葉を聞いた瞬間、ルークが珍しく声を荒げる。

 

「そんな事はない! ホーネットは、人類を傷つけるこんなやり方を望んじゃいない! お前らはノスに騙されているんじゃないのか!?」

「馬鹿言うな、どうしてノスがサテラたちを騙す必要がある!」

「……っ!」

 

 サテラが先程以上にルークを罵るが、ルークの言葉を聞いたアイゼルは黙り込んでしまう。それは、一度アイゼルも考えた事であった。何故ホーネットに連絡せず自分たち三人だけ独断で動いているのか、ノスには他に目的があるんじゃないか、と。だが、ホーネット派でも上位の立場であるノスが裏切るはずないと自分を納得させ、これまで深くは考えずにいた事柄なのだ。そのアイゼルの様子を見て、ルークが言葉を続ける。

 

「可能性は……あるんだな……?」

「……あるな」

「おい、アイゼル!? ノスがサテラたちを騙しているっていうのか!?」

「ならば、自分たちで確認をしろ。こんな事、ホーネットが望んでいるはずがない」

「いい加減にしろ! ホーネットが望んでいるはずがない? ふざけるな!」

 

 アイゼルの態度とルークの叫びにサテラが遂に切れる。普段、周りに他の者がいる時はホーネットの事を様付けで呼んでいるが、ついついそれも忘れてルークに食って掛かる。

 

「ホーネット、ホーネットって、お前がホーネットの何を知っているんだ! サテラはホーネットの親友だぞ! 会った事もないお前なんかよりずっと……」

「会った事ならあるさ……」

「何?」

 

 その言葉にアイゼルが眉をひそめる。これまで黙って聞いていたかなみ、志津香、フェリスの三人も一斉にルークに注目する。そして、ルークはハッキリとその言葉を口にした。

 

「俺はかつて……この命、彼女に救われた」

「「なっ!?」」

 

 有り得ない言葉に絶句するアイゼルとサテラ。そして、それはルークの味方である三人も同様であった。

 

「魔人に……」

「ルークさん……」

「どうなっているのよ……」

 

 ルークは目を閉じ、昔を思い出す。それは今より10年以上前。ルークの死の運命を変え、その後の目的の根幹になる出来事。魔人ホーネットとの出会いと生活の事を。これより紐解かれるのは、始まりに当たる物語。

 

 




[人物]
アイゼル
LV 90/140
技能 魔法LV2 変身LV1
 ホーネット派に属する変身人間の魔人。ガイの手により魔人になり、その忠誠心は死後も変わっていない為ホーネット派についた。人間を見下してはいるが卑怯な戦法などは好んでおらず、その辺りはジークと気が合う。自身が得意とする洗脳魔法で操った者も基本的には単純な戦闘しかさせず、脅迫などには使わない。また、一度目の前に対峙した相手を洗脳するのは礼儀に反するというポリシーを持つため、戦闘が始まれば洗脳魔法は使ってこない。志津香やリックといった信念を持った美しい人間は生かす価値があると思っている。

サファイア
LV 25/40
技能 魔法LV1
 アイゼルの使従である三姉妹の長女。本人の魔法の腕はたいしたことはない。

オパール
LV 25/40
技能 魔法LV1
 アイゼルの使従である三姉妹の次女。自分たちがアイゼルの評判を下げているんじゃないかと不安に思っている。

ガーネット
LV 25/40
技能 魔法LV1
 アイゼルの使従である三姉妹の三女。姉妹仲は良く、三人が力を合わせれば黒色破壊光線を放つ事も可能。

セピア・ランドスター
LV 22/35
技能 弓戦闘LV1
 ヘルマン第3軍司令官の一人。若いながらに優秀な女性で、性格は真面目一辺倒。ミネバの策略に填りリーザス軍に送り届けられるが、ロゼの適切な治療の甲斐あり無事に回復に向かっている。敵である自分に温かくしてくれたリーザスの人たちに心を打たれ、ヘルマンに戻るか悩んでいる。

ガイヤス
 ヘルマン第3軍司令官の一人。本来はジオの町の司令官であったがあまり優秀な人物ではなく、全軍集結の際には後方に下げられた。テラナ高原にてルークに討ち取られ、戦死。

ダルム
 ヘルマン第3軍司令官の一人。目立ちたがり屋で、ナビオとは仲が悪い。テラナ高原にてリックに討ち取られ、戦死。

シルビア
 ヘルマン第3軍司令官の一人。美しい女剣士で、本国にもファンが多い。テラナ高原にてランスに犯され、戦意喪失後捕虜に。

デストラー
 ヘルマン第3軍司令官の一人。魔物部隊を率いる司令官で、先陣を任されていた。テラナ高原にてチューリップ3号の砲撃を受け、戦死。

ナビオ
 ヘルマン第3軍司令官の一人。ふぬけと呼んでくるダルムと仲が悪い。テラナ高原にてバレスに討ち取られ、戦死。


[技]
白冷激
 敵の足下から氷柱を飛び出させる氷属性の中級魔法。氷柱の先を尖らせると殺傷能力を持たせる事も出来る。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。