ランスIF 二人の英雄   作:散々

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第39話 夢迷い無く、道険し

 

GI1006

-自由都市 とある農村近隣 森中-

 

「真滅斬!」

「ぐ……がぁぁっ!!」

「おおっ!」

 

 チャカが歓喜の声を上げる。昔馴染みの農夫に頼まれて魔女の討伐に来てみれば、想像を遙かに超える強さ。しわくちゃのばーさんという話だったのに、戦闘が始まるや否や魔女は美しい姿に若返り、とてつもない魔法を繰り出してきたのだ。チャカは死を覚悟していたが、颯爽と現れたルークという冒険者が助太刀をしてくれた。そして今、そのルークの剣が魔女パンドーラを斬り裂く。勝利を確信したチャカだったが、魔女パンドーラは死に際に強力な魔法を放つ。

 

「き、貴様らにも地獄の苦しみを……」

「ぬおっ!? ……体が!?」

 

 チャカの体が光に包まれ、その体がみるみる内に縮んでいく。自身で体を動かす事が出来なくなった中、何故か自分が着ぐるみになってしまった事を理解する。そして、ルークの体も光に包まれていた。

 

「くっ……!?」

「そして貴様は……人間がとても生きてはいけない場所に転移を……絶望の中死んでいけぇぇ!」

「ルーク殿!」

 

 魔女が絶叫し、ルークの体が光と共に消え去る。それと同時に、最後の力を出し切った魔女の肉体が塵となって消えていく。この場に残されたのは、一人では動く事が出来なくなったチャカ一人。

 

「何という事じゃ……誰か! 誰か来てくれ!」

「チャカ様! これは一体……?」

 

 声を聞きつけた農夫によってチャカは救出される。その後、手を尽くしてリーザスと自由都市中を捜し回ったが、遂にルークの居場所を突き止める事が出来なかった。人間がとても生きてはいけない場所、魔女の死に際の一言がチャカの頭にはずっと残っていた。

 

 

 

-魔人界 硫黄の森南部-

 

「ここは……」

 

 光に包まれ辺りが真っ白になったと思うと、次の瞬間ルークは森の中にいた。鼻につく硫黄の臭い。その時、後ろから物音がする。ルークが振り返ると、そこには今まで見た事もないようなモンスターが数体立っていた。見ただけで判る、こいつらは今まで戦ってきたモンスターとは格が違う。

 

「ニンゲン?」

「ニンゲンダ! キャキャキャ、ゴチソウダ!」

「ちっ、魔女と戦ったばかりだというのに……はぁっ!」

 

 迫ってきたモンスターをルークが斬り伏せる。数分後、全てのモンスターを何とか倒したルークだったが、森を彷徨い歩いているとまた次から次へとモンスターがやってくる。それらを倒しながら森を進んでいくが、出てくるモンスターはどれも尋常では無い強さであった。気が付けば鎧はひび割れ、ルークは全身から血を流していた。歩いてきた道には血が一滴、また一滴と滴り落ちている。特に危険なのは直前につけられた胸の傷。流れ出る血が止まる気配がなく、意識が朦朧としてくる。

 

「15年、か……流石にもう少し長く生きたかったかな……」

 

 気が付けばそんな事を呟いていた。自分が長くない事を悟っていたのだろう。その時、ガサリ、と背後で物音がした。それを聞いたルークは苦笑する。これ程接近されるまで気が付けないとは、情けない状況だ、と。一度だけ大きく息を吐き、ルークは覚悟を決めて振り返る。

 

「さて……最後くらいは楽に殺して欲しいものだがな……」

 

 そして、ルークは見る。自分を殺すであろう相手の顔を。ルークの背後に立っていたのは女性。その容姿は美しく、どこか気品に満ちあふれていた。髪の色は緑。周囲に五色の玉が浮かんでおり、彼女の方も驚いたようにこちらを見ている。ルークはその姿を見て内心思う。最後の相手としては、文句なしだな、と。

 

「人間……? なぜこのような場所に……?」

 

 女性の呟きが耳に届くと同時に、ルークの意識は途絶えた。

 

 

 

-魔人界 硫黄の森南部 ホーネット別宅-

 

「……生きているのか、俺は」

 

 ルークが目を覚ますと、見知らぬベッドの上に寝させられていた。全身が酷く痛む。見れば、身体中に包帯が巻かれている。少し不格好な巻き方であり、巻いた者があまり手慣れていないのが見て取れた。すると、部屋の入り口の方から声がする。

 

「目が覚めましたか?」

「貴女が……これを……?」

「すみません、治癒魔法は不得手でして……」

 

 声の主は先程の女性。穏やかな表情を浮かべながらこちらの様子を見てくるが、その動作一つ一つが気品に溢れている。

 

「何故、このような場所にいらしたのですか?」

「……そこから聞いても良いかな? ここはどこなんだ?」

「……まさか、知らずにあの森を彷徨っていたのですか?」

 

 呆気に取られた表情を浮かべる女性。どうやらあの森にいるというのはそれ程不思議な事らしい。

 

「色々あってな。気が付けばあの森にいたんだ」

「そうでしたか……それは災難でしたね。ここは魔人界、硫黄の森。人間界では魔の森と呼ばれている場所の一角です」

「魔人界……確かに人間がとても生きてはいけない場所だな……」

 

 ルークが魔女の今際の言葉を思い出しながらため息をつく。どうやらあの魔女は想像以上にとんでもない場所に転移してくれたようだ。となると、目の前に立つ彼女の正体も予想がついてくる。彼女の目を見ながら、ルークが問いかける。

 

「とすると、貴女も魔人か?」

「はい。私の名はホーネット。魔人であり、魔王ガイの娘です」

「なるほど、どうりで気品があるはずだ」

「……あまり驚かれないのですね?」

 

 またしても呆気に取られた様子のホーネットに向かってルークが口を開く。

 

「魔人である事は見当がついていたんでな。今更魔王の娘と聞いたところで、これ以上驚きようもない。それに、魔王の娘という事は関係ない。貴女は貴女だしな」

「そういうものですか……」

 

 ルークの言葉を受け、少し考え込んだ様子のホーネット。その仕草にも気品があるなとルークが感じていると、ふと彼女に名乗らせておきながら自分が名乗っていない事に気が付く。

 

「名乗りが遅れた。俺はルーク・グラント、見ての通り人間だ。助けていただき、感謝する」

「感謝されるような事は……」

「そこだ。どうして魔人である貴女が俺を助けてくれたんだ?」

 

 ここが魔人界だと聞いてからずっと疑問に思っていた事を口にするルーク。何故自分はまだ生きていられるのか不思議でしょうがないのだ。そのルークの言葉に一瞬悲しそうな表情を浮かべながら、ホーネットがその問いに答える。

 

「我ら魔人、その全てが人間を蹂躙しようとしている訳ではありません。私の父である魔王ガイは、人類に対して不可侵の方針を取っています。そしてそれは、娘である私も同じです」

「確かに、昔に比べて今の時代は魔人の侵攻が殆ど無い。それは魔王の意志だったのか……」

「ですが、その方針に反対し、人間を卑下し、蹂躙する対象としてしか見ていない魔人が多いのもまた事実……」

「魔人も一枚岩ではないという事か。その辺は人間と変わらんな……」

「魔人と人間、根本では似ているのかもしれませんね。ですが、判り合える事はない……」

 

 ホーネットがそう言い終えると、部屋にしばしの沈黙が訪れる。互いに人類と魔人の現状を振り返っていたのだ。ルークは思う。リーザス、ゼス、ヘルマンという三大国が未だ争いを続けており、またその国の中でも決して一枚岩では無い状況にある。魔人と人間だけでなく、人間の中だけでも判り会えていないのが現状だ。それらを鑑みると、確かに彼女の言うように根幹では似ている生物なのかも知れないとルークは考えていた。数分の静寂の後、ルークが口を開く。

 

「それでは、次に細かい事を聞いていっても良いかな? この屋敷や怪我の状況、それと俺はどうしたら人間界に戻れる?」

「この屋敷は私の別宅です。一人での時間を過ごしたり、鍛錬を積んだり出来るようにと父が私に与えてくれたものです」

「使用人のような者も……?」

「いません。周囲には結界が張ってあり、基本的には私以外何者も入ってくることはありません」

「なるほど、だから誰にも襲われずに済んでいる訳か。ありがたい話だ」

 

 ルークが安堵する。彼女の言うように魔人が一枚岩でないのならば、彼女以外の者に出会うのはあまりにも危険すぎる。

 

「怪我は……言いにくいですが、完治まで数ヶ月は掛かると思います。治癒魔法を使える者も知り合いにいるのですが……」

「俺の存在をあまり広めるのは貴女にとっても芳しくないだろ。この状況でも感謝し足りないくらいなんだ、これ以上迷惑は掛けられんさ。だが、数ヶ月もの間お邪魔しても大丈夫なのか?」

「それは構いませんよ。元々、この別宅は月に一度程しか使っていませんでしたから」

 

 そう口にした後、ホーネットが少しだけばつの悪そうな顔をする。その表情を見て、ルークは覚悟する。悪い予想が当たってしまったか、と。

 

「それと……滞在するのは数ヶ月では済まないかもしれません。貴方が人間界に戻るのは難しいと思います」

「……戻れないのか?」

 

 ルークが真剣な、それでいてどこか覚悟を決めていたような表情でホーネットに問いかけると、彼女は静かに首を縦に振る。

 

「この別宅は魔人界の中ではまだ人間界に近い位置にありますが、それでもほぼ丸一日森を走り抜けないと脱出する事は出来ません。その間、魔人やモンスターに見つからないのは不可能かと。人間の臭いに敏感な魔物も多いですから……」

「そして、一度見つかれば……」

「魔人界中に情報が行き渡り、貴方の命を狙ってきます。人間が魔人界に入るのを快く思わない者も多いですから。父も、魔人界に侵入してきた人間を生かしておくほど甘くはありません」

「まあ、こちらから不可侵を破っている訳だからな……」

 

 魔王ガイが掲げているのはあくまで人類圏への不可侵でしか無く、こちらの領土に不躾に入り込んできた輩に対して温情を与えるような事は決してない。つまり、一度見つかれば人類蹂躙派の魔人も、人類不可侵派の魔人も、揃って命を狙いに来るという事だ。いや、脅威は魔人だけではない。森で出会ったモンスターの一体一体が、人間界では考えられないほどの強さを持っていたのだ。八方塞がりの状況にルークはため息をつく。

 

「ふぅ、脱出方法は無しか……」

「申し訳ありません……」

 

 ホーネットが申し訳無さそうな声で謝ってくる。ルークは慌てて取り繕う。

 

「いや、貴女が謝る必要はない。そもそも、貴女がいなければ俺は死んでいたんだ。貴女には感謝の気持ちしかない」

「ですが、人間界に残してきた人はいないのですか?」

「んっ……」

 

 真っ先に思い浮かんだのは、双子の妹の事。今では自分と同じ冒険者をやっているため頼もしくはなったが、それでも気に掛かるのは兄として当然というもの。

 

「なに、その内脱出のチャンスはあるはずだ。迷惑かもしれないが、気長に待たせて貰うさ」

「そうですか……」

 

 ルークの表情に、残してきた者がいる事を察したのだろう。それ以上は追求せず、静かに頷くホーネット。すると、壁に掛けられた時計が目に入る。

 

「あら、もうこんな時間。すみません、私はこれで一度失礼させて貰います」

「色々と迷惑を掛ける」

「いえ……それと、申し訳ないのですが私は毎日この屋敷に来られる訳ではありません。屋敷にある物は何でも使って良いですし、食事も勝手に取って貰って構いません。人間の口に合うかは判りませんが。碌に看病も出来なくて本当に……」

「いや、本当に何から何まで感謝する。魔王の娘ともなれば、立場上勝手には動けないんだろう? これ以上望んだらバチが当たるってもんだ」

「……出来る限り、顔は出すようにしますので」

 

 そう言い残し、ホーネットが部屋を出て行く。その直後に聞こえてきた館の扉の開閉音を聞きながら、ルークは起こしていた体を再びベッドに沈めてこれからの事を考え込む。

 

「さて、リムリアに殺される前に帰れるか……」

 

 これはしばらく帰れそうにない。もし帰れたとしても、時間が経ちすぎていたら妹に殺される。魔人界に飛ばされるという非現実的な出来事の中、ルークは極力現実的な事を考えるよう努力していた。そうでなければ、精神がおかしくなってしまう。その点ではホーネットに出会えた事は間違いなく幸運であった。話し合える相手というのは、何者にも代え難いものだ。そんな事を考えながら、ルークは眠りについたのだった。

 

 

 

GI1007

-魔人界 硫黄の森南部 ホーネット別宅-

 

 屋敷の庭、周りに被害を出さないよう結界の中に更に結界を張った鍛錬用の場所。その場所に動き回っているのはホーネット。自身の体に魔力を帯びさせ、鍛錬を積んでいるのだ。五色の玉が縦横無尽に結界内を動き回り、強力な魔力が発せられる。それを時に華麗に躱し、時に相殺しているホーネット。その動きはまるで、華麗な舞いを踊っているかのような動きであった。丁度一区切りついたところで結界の外から声を掛けられる。

 

「相変わらず精が出るな、ホーネット」

「ルーク、勝手に外には出ないようにあれ程……」

 

 その声の主はルークであった。屋敷の外に出てきているルークにホーネットが苦言を呈す。あれから数ヶ月、ルークとホーネットは親交を深め、いつしか互いを呼び捨てで呼び合っていた。普段のホーネットを知る者なら、この光景には大層驚く事だろう。静かに笑いながらルークが言葉を返す。

 

「ここは結界の中だろ。誰にも気が付かれないさ」

「そうでなく、怪我に触ると……」

「その事なんだが、ようやく完治したようだ」

 

 ルークが右腕をぐるんぐるんと回す。まともな治療が出来ないため随分と時間が掛かってしまったが、ルークはようやく怪我が完治したのだ。怪我が治った事を確認し、穏やかな表情になるホーネット。そのホーネットに向かってルークが言葉を続ける。

 

「それじゃあ、約束通りやるとするか。長い事鍛錬をしていないんで、迷惑なだけかもしれないがな」

「本当に大丈夫なのですか? 魔人である私には結界が……」

「前にも言っただろう。俺は特別なんだよ」

 

 ルークが剣を取り、結界を無効化して鍛錬場の中に入っていく。初めてこれを見せた時はいたく驚かれた。多くの結界を無効化出来る特殊能力、対結界技能。そして今、この技能を引っ提げルークはホーネットと模擬戦を行う。

 

「はぁっ!」

「……っ!? なるほど、本当に……」

「くっ……この玉の軌道が……」

 

 威勢良くホーネットに向かっていったルークだが、三分と持たず赤い玉から放たれた魔力に吹き飛ばされて敗北する。

 

「駄目だ、歯が立たん。筋トレはしていたんだが、流石にLV12じゃ話にならんか」

 

 長い療養生活もあり、ルークのレベルは随分と下がってしまっていた。元の状態ですら遙か格上の相手だというのに、今の状態で戦うなど流石におこがましかったかと反省するルーク。だが、ホーネットの表情には何か満ちあふれたものが浮かんでいた。

 

「いえ、驚きました。本当に結界を無効化出来るのですね」

「だから言っただろ。だが、それだけで勝てるほど甘くはないか。地力が違いすぎる」

「……もしよろしければ、これからも定期的に模擬戦を行いませんか?」

「こちらとしては大歓迎だが、そちらはいいのか? 経験値にならんだろ?」

「ええ、相手になりません」

「…………」

 

 そのホーネットの言葉にルークが呆ける。呆然とした表情のルークを見たホーネットは慌てた様子ですぐに取り繕う。

 

「じょ、冗談だったのですが、面白くなかったでしょうか?」

「いや、ホーネットの口からそういう冗談が出た事に驚いていただけだ」

「ふふ、ルークの影響でしょうね」

 

 ホーネットが静かに笑みを浮かべる。初めて会った時に比べ、彼女の笑みはその美しさを増していた。どこか張り詰めていた彼女が、ここ最近は自然な笑みを浮かべるようになったのだ。

 

「それと、模擬戦は私にとっても十分鍛錬になります。私たち魔人は、結界がある安心感からつい防御をおろそかにした戦い方になりがちですので。結界を無効化される事を意識した戦いの良い練習です」

「そう言って貰えると、こちらも遠慮しないで付き合えるってもんだ。それで、次はいつ来られる?」

「次は……三日後ですね」

「それじゃあ、それまで一つでもレベルを上げておくとするかな」

 

 ルークが張り切ってそう口にする。結界の外には出られないため、ルークのレベル上げ手段はホーネットとの模擬戦と自身のトレーニングしか無い。彼女と少しでも良い戦いをすべく、何のトレーニングに力を入れるかと思案するルーク。しばしの談笑の後、ホーネットは別宅を後にする。その彼女に向かってルークが微笑みながら声を掛ける。

 

「三日後、楽しみにしているぞ」

「私も楽しみにしています。それでは、また三日後に」

 

 

 

GI1009

-魔人界 シルキィの城-

 

「シルキィ、私は別宅に行ってきますので、後はお願いします」

「はい、ホーネット様」

 

 ホーネットの言葉にそう答えるのは、彼女に忠誠を誓っている魔人、シルキィ・リトルレーズン。本日は彼女の城で会合があり、それを終えたホーネットは足早に城を後にしたのだ。シルキィがその背中を見送っていると、ホーネットの親友でもある魔人サテラがやってくる。

 

「ホーネット、最近暇があれば別宅に行ってばかりだ」

「……サテラ、呼び方」

「っと、ホーネット様だな」

「ふぅ、親友なのは判るけど、周りの目も考えなさい」

 

 そう困ったようにしながらも、シルキィはホーネットを呼び捨てに出来るサテラの関係を羨ましく思っていた。サテラが謝りながら話を続ける。

 

「それにしても、なんで今になって修行を積んでいるんだ?」

「立派な事です。最近は以前にも増して強くなっていますし、ケイブリスに迫る勢いだわ」

「でもさ……サテラ難しい事は判らないけど、あれなんだろ……」

「……まだ決まった訳ではないわ」

 

 場の空気が重くなる。次期魔王としてホーネットは期待されているが、魔人たちの間ではある噂が流れていた。魔王ガイは、娘のホーネットに魔王を継がせる気はないのではないかと。生まれたときから魔王としての英才教育を施していたはずのガイは、ある日を境に魔王候補になれる器をホーネットとは別に捜し始めたのだ。当初は万が一の保険とも思われていたが、既に魔王の任期である1000年は過ぎている。日に日にその力が弱っていっているにも関わらず、ガイはホーネットに魔王を継承せず器を捜し続けている。とすれば、そちらが本命なのではないのかと考えるのも必然というものだ。何人かの魔人がそれを影で口にし、その噂はじわじわと広がり続けていた。と、自分が変えてしまった空気を払拭するように、サテラが明るい表情で話題を変える。

 

「でもさ、ホーネットは……じゃなかった、ホーネット様は最近明るくなったよな」

「……そうね。ほんの少しだけれど、柔らかい表情をするようになったわ」

「ふふん。これも親友であるサテラのお陰だな!」

「違ウト思イマス、サテラ様」

「シーザー! お前が突っ込むな!」

「ふふっ」

 

 一気に場の空気が変わる。やはりサテラはムードメーカー、ホーネットの側になくてはならない存在だ。だが、本当にサテラのお陰なのだろうか。ホーネットが纏う空気が変わったのは、別宅によく行くようになってからの事。何か別宅でしているのだろうかと思うシルキィだが、特に追求をする事はなかった。

 

 

 

-魔人界 硫黄の森南部 ホーネット別宅-

 

「ルーク、一週間も空けてしまい、申し訳ありません」

「その間に俺はまた強くなったぞ。さて、早速やるとするか」

「そうですね、早速手合わせを」

 

 ルークが迷い込んで約三年。とっくにルークの傷は完治しており、ホーネットがこうして足繁く通う必要もないのだが、ホーネットはルークが怪我をしていたとき以上に頻繁に別宅に顔を出していた。魔王の娘という立場である彼女にとって、気の抜ける瞬間は殆ど無い。その一挙手一投足に注目される。常に気を張っていなければいけないホーネットにとって、その必要のないルークの存在は貴重であった。気が付けば別宅に通い、共に鍛錬をし、談笑をし、近況を語っていた。対するルークからも人間界の話を聞かされる。そのどれもが新鮮であり、興味深いことだらけであった。ルークといる間、彼女は穏やかな時間を過ごせていた。

 

「なるほど、サテラがそんな事を」

「ええ。メガラスにいきなり、『ギャグの一つも言ってみろ!』って騒ぎ立てて。でも無口なメガラスがあんな事を言うなんて……ふふっ、笑いを堪えるのが大変でした」

「意外だな。他の魔人も大騒ぎだろ」

「そうですね。普段冷静なシルキィが吹き出し、ジークが大笑い。レイやカイトも笑いを堪えている様子でした。ケッセルリンクが途中で退席しましたが、口元を手で覆って出て行ったので、おそらく堪えられなくなったのだと」

「ふふ、俺も現場に居合わせたかったな」

 

 穏やかな時間を過ごせていたのはホーネットだけではない。ルークも彼女と過ごす時間が楽しく、気が付けば既に三年が経っていた。脱出する方法がなかったというのは真実だが、それは言い訳に過ぎない。ただ、この日々が楽しかった。妹の事やギルドの仲間の事、旧友サイアスや魔想夫妻の事、人間界にも気になる事は沢山あった。だが、この日々を捨てる気にはどうしてもなれなかった。

 

「ふふっ……んっ? どうかしましたか、ルーク」

「いや、本当に良く笑うようになったなと思ってな」

「自覚はしています。これは間違いなくルークのせいですね」

「影響ではなく、せい、か。何だか悪い事をしてしまったかな」

「さあ、どうでしょうか?」

 

 そう言って再度笑みを浮かべるホーネット。だが、その奥に秘めているものにルークは気が付いてしまっており、それがこの場を離れられないもう一つの理由であった。魔人ホーネット、出会った当初は彼女が強い女性であるとルークは思い込んでいた。だが、日々を過ごす内にそうでない事に気が付く。常に周囲に気を張っている彼女の脆さと繊細さに気が付いてしまったのだ。その彼女を放ってここを去る事が、ルークにはどうしても出来なかった。

 

「それでは、また五日後に」

「ああ、待っている」

 

 互いを必要とし合っていた二人だが、男女の関係にはならなかった。恋人という関係とは少し違う。大切な友であり、互いを高め合う存在。いつしか二人共が、この日々がいつまでも続けばいいと思い始めていた。

 

 

 

GI1012

-魔人界 硫黄の森南部 ホーネット別宅-

 

 その日は雨が降っていた。ホーネット以外の進入を防ぐ結界も、降り注ぐ雨は通す。雨の中での鍛錬も積んだ方がいいというガイの考えだ。今日はホーネットが来る日。屋敷の外の屋根のある場所で雨宿りをしながら、ルークはホーネットがやってくるのを待っていた。程なくしてホーネットがやってくる。穏やかな表情で迎えようとしたルークだが、ホーネットの浮かべている表情を見てルークの表情が一変する。

 

「……何があった?」

「……何の事ですか?」

「惚けるな。どれだけの付き合いだと思っている!」

「…………」

 

 その暗く沈んだ表情を見たルークは理由を問う。このように落ち込んだホーネットは見たことが無い。少し言いあぐねたホーネットだが、静かに喋り始めた。

 

「今日正式に……私に魔王を継承する気はないと……言われました……」

「!?」

 

 それは以前にルークもホーネット自身から聞いていた話、魔王の継承問題。それが今日、正式に継承する気はないと言い渡されたのだ。生まれた頃から魔王になるべく努力をしてきた彼女にとって、その衝撃を、悲しみを、無念を、誰も理解する事は出来ないだろう。ポツポツと降る雨をその体に受けながら、ホーネットはゆっくりと言葉を続ける。

 

「ただ……父の役に立ちたかった……」

「…………」

「でも……私にはそれすらもする事が出来ない……」

「そんな事は……ない……」

 

 掛ける言葉が見つからない。いや、下手な言葉を掛けるべきではない。ルークがホーネットの前に立ち尽くしていると、思い詰めた表情のホーネットから思わぬ言葉が飛び出る。

 

「ルーク……私の使徒に……なってはくれませんか……?」

「…………」

 

 それは、ホーネットが初めてルークに見せた弱気な姿。ルークはその姿を見ながら、ハッキリと彼女に答える。

 

「それは出来ない……」

「そうですか……私は……ルークにも必要とされては……いないのですね……」

「そうじゃない!」

 

 気が付けば、ルークはホーネットを抱きしめていた。降りしきる雨の中、力の入っていないその体を強く抱きしめる。

 

「使徒になったら……俺は君よりも下の立場になる。それじゃ駄目なんだ!」

「…………」

「俺は……君とは対等な関係でいなくてはいけない! 対等な関係でいたいんだ!」

「ルーク……」

「魔王になれなくても、ホーネットはホーネットだろう! サテラが、シルキィが、そんな事で君から離れていくのか!?」

「…………」

 

 ホーネットが体をルークに預けてくる。これだけ長い年月を共に過ごした二人の、たった一度の抱擁。どれだけの時間そうしていただろうか。いつの間にか雨は止み、晴れ間が差し込んでいた。程なくしてホーネットがルークから離れる。その顔には涙の跡がくっきりと残っていたが、その表情は普段通りのものに戻っていた。

 

「すみません、ルーク。もう二度と、弱気な姿は見せません」

「たまには頼ってくれてもいいんだけどな」

「恥ずかしいですし、私も貴方とは対等でいたいですから」

「それは嬉しい事を言ってくれる」

 

 涙の跡を拭いながら、顔を洗ってくると言って屋敷の中へ向かう。屋敷に入る前に一度だけ振り返り、ルークに向かって口を開く。

 

「それと、たまにではなく、いつも頼りにしていますよ。ルーク」

 

 そう言いながら美しい笑顔を向けてくるホーネット。ルークも自然と微笑む。二人の下に戻った、穏やかな時間。しかし、この日々はある日唐突に終わりを告げる事になる。

 

 

 

GI1015

-魔人界 硫黄の森南部 ホーネット別宅-

 

「今日は騒がしいな……」

 

 その日、ルークは異変を感じていた。結界の外が異様なまでに騒がしい。魔人の間で何かあったのだろうか。どこか嫌な予感がしていたルークだったが、その予感は的中してしまう。

 

「ルーク!」

「ホーネット、どうした?」

 

 異変を感じてから数時間後、ホーネットが慌てた様子で別宅にやってきた。ルークの顔を見るや否や、彼女は口を開く。

 

「父が……魔王ガイが殺されました」

「なん……だと……」

「既に次の魔王は継承されているのですが……その女性、魔王リトルプリンセスが、魔王を継ぐ気は無いと言い残し、父を殺した男と共に逃げ出しました。今は親衛隊長バークスハムが後を追っていますが、どうなるか判りません……」

 

 悲痛な面持ちで話を続けるホーネット。父が殺された直後である彼女の悲しみは計り知れない。それに、ホーネットの立場を考えれば今は自由に動ける状況ではないはずだ。そんな状況であるにも関わらず、ルークの下にわざわざ報せに来てくれたのだ。他の魔人の手前、一体どれほどの無茶をしてきたのか。

 

「リトルプリンセスがこのまま逃げ続ければ、魔人界は間違いなく二つに割れます。父の遺言通り、リトルプリンセスの下で人類不可侵を貫く派閥と、人類を蹂躙しようとする派閥に……」

「ケイブリスたちか……」

 

 長い事ホーネットと過ごしていたルークは、魔人の内情をかなり深く知っていた。それぞれがどのような考えの持ち主か、ホーネットの知る範囲で聞かされていたからだ。その中でも真っ先に反乱する魔人として浮かぶのが、魔人ケイブリス。苦々しい顔をしていたルークだが、不意にその手をホーネットが握ってくる。驚いた表情でホーネットを見るルークに、彼女はゆっくりと口を開く。

 

「ルーク、今ならここから脱出出来ます」

「なっ!?」

「今は魔人だけでなく末端に当たるモンスターも含め、その殆どが魔王の城周辺に集まっています。今なら……今ならここから逃げ出せます」

「だが……」

 

 それは、ホーネットとの別れを意味する。反論しようとするルークだったが、瞬間見てしまう。目の前で自身の手を握っているホーネットもまた、悲痛な表情を浮かべている事を。

 

「戦争が始まってしまえば、最早ここは安全な場所ではなくなります。そしてその戦争は、何年、何十年にも及ぶ激しいものとなるでしょう。もう、これしか方法がないんです……」

「……判った」

 

 ここに留まっていてはホーネットに迷惑を掛けるだけだ。声を絞り出し、魔人界から脱出する決断をするルーク。その答えにホーネットは深く頷き、ルークの手を取ったまま屋敷の周りを覆っている結界の外に出る。

 

「ルーク、あちらの方角に逃げてください。丸一日もあれば人間界に戻れるはずです」

「ああ……まずい、誰か来る!」

「えっ!?」

 

 そのとき、ホーネットの背後から一人の女性がこちらに駆けてくるのがルークの目に飛び込んでくる。驚き振り返るホーネット。

 

「ホーネット様、こんな所で何をしているのですか! 今は大事な……に、人間!?」

「シルキィ!?」

「彼女が……シルキィ……」

 

 現れたのは魔人四天王であり、ホーネットの会話の中にサテラと並んでよく出てきた魔人、シルキィ。思わぬ事態に、三人共が目を見開く。ルークとホーネットを交互に見たシルキィがゆっくりと口を開く。

 

「そう……別宅によく通うようになってから変わったとは思っていたけど……そういう事だったの……」

「シルキィ……彼はもう人間界に戻るところなの……お願い……」

 

 シルキィが一度だけ目を閉じ、少しだけ過去を思い出す。人間として魔王ガイと対峙し、敗れた自分の姿。魔人となった後、魔王ガイに惹かれていく自分の姿。目の前に立つホーネットと人間を見て、自分のかつての姿を重ねてしまう。元人間でありながら、魔王を愛してしまった自分を。そして、決断する。

 

「行け、人間! 一度だけ見逃す!」

「シルキィ!」

「……感謝する」

「ホーネット様、すぐに魔王の城へ!」

「ええ、行きましょう! ルーク、どうか元気で……さよなら」

 

 別れの言葉を残し、シルキィに連れられこの場を後にするホーネット。その背中にルークが叫ぶ。

 

「また会いに来る! 人類をまとめた後、共にケイブリス派を倒すため、必ず君の援軍に駆けつける! だから、それまで待っていてくれ!」

「人間が魔人を倒す……? 無謀な……いや、人の事は言えんか……」

 

 シルキィが怪訝な表情になるが、ホーネットが一度だけ振り返り、ハッキリとルークに言う。先程までの悲痛な表情ではない。いつもルークに向けてくれた、穏やかな表情で。

 

「待っています、ルーク!」

 

 そして二人は互いに逆方向に駆け出す。分かたれた二つの道が、また重なり合う日が来るのを信じて。ホーネットの言ったとおり、ルークはモンスターに出会う事なく魔人界を抜け出せた。目の前に広がるのはクリスタルの森。ここでルークは一人のカラーにお茶に誘われて家に案内されるのだが、時間がなかったためすぐに抜け出す。寄り道などしていられない。目指すはアイスの町。

 

 

 

-ペンシルカウ 女王の屋敷-

 

「あれ? サクラ、連れてきたかっこいい冒険者さんは!?」

 

 ルークを誘ったカラーがお茶の手配をして部屋に戻ってみれば、そこに誘ったはずのイケメンがいない。困惑しながら部屋にいた実娘に問いかける。

 

「逃げたようです。先程結界を破り出て行ったと報告がありました。戦士のように見えましたが、結界を破るという事は魔法の心得もあったようですね」

「あーん、せっかく一緒にお茶しようと思ったのに……あわよくば、精液貰って子供を……」

「母様、貴女様はもう長くないというのに、まだ子供を産むつもりなのですか?」

「えへ、女はいくつになっても女なのよ!」

 

 彼女の名はモダン・カラー。ルークには名乗っていないが、カラーを統べる女王である。ルークと彼女の道が再び交わるのは、まだまだ先の話。

 

 

 

数日後

-アイスの町 キースギルド-

 

 キースが椅子に深く腰掛けながら葉巻を吸う。先日新しく入った冒険者が、早くも戦死したのだ。

 

「リムリアも死んじまったし……安心して任せられるのはラークとノアくらいだな。ランスの奴がもうちょい仕事してくれりゃいいんだがなぁ。どっかに良い新人は転がってないもんかねぇ……」

 

 煙を吐き出しながら一人愚痴る。そのとき、キースの部屋の扉がゆっくりと開く。キースが視線を向けると、扉の前に立っていたのは一人の男。どこか見覚えのあるその顔に眉をひそめていたキースだが、少し考え込んだ後に一つの結論に辿り着く。

 

「ま、まさか……ルークか? お前……生きていたのか!?」

「キース。ギルドにまだ俺の席はあるか?」

 

 こうして、ルークは十年ぶりにキースギルドに復帰する。キースから妹の死を聞かされた際には、十年も帰らなかった自分を責め、後悔もした。だが、ホーネットとの約束のために立ち止まる訳にはいかなかった。冒険者に復帰したルークはがむしゃらに依頼を受けた。繋がりを得るために。アレキサンダー、アニスといった強者との繋がり。リア、サイアスといった国との繋がり。全ては人類統一と、その後に待ち受ける魔人との大戦争のために。

 

 

 

LP0002

-テラナ高原近辺 森の中-

 

「何、黙り込んでいるんだ!」

 

 急に黙り込んだルークに対し、サテラの怒声が森に響き渡る。その声を受け、ルークの目が開かれる。少しだけ昔を思い出していたルーク。そのルークに対し、サテラが言葉を続ける。

 

「ホーネットに命を救われただって? 嘘を言うな! ホーネットは魔人界から出た事は一度だってないんだぞ!」

「いや、真実だ」

「……それが真実かどうかはさておき、貴様が魔人の事を詳しく知っているのは事実のようだな。それだけの知識を持った貴様の目的は何だ?」

「そうだ! ホーネットがサテラたちの行動を知っていようが知っていまいが、お前には関係ないだろ。一々口出ししてきて。お前の目的は何だ!?」

 

 アイゼルとサテラの問いかけに、ルークが少し考えた後、ゆっくりと口を開く。

 

「俺の目的か……」

 

 彼女を気高いと思った。その姿に惹かれた。だからこそ、対等でありたいと願った。人類不可侵、その高潔なる信念。

 

「俺の目的は……」

 

 だからこそ、彼女よりも高い目標を立てた。対等であるためには、彼女と同じ夢であってはいけない。彼女よりも更に高みへ。だがそれは、人間が持つにはあまりにも無謀な夢。その夢に、いつかルークは押し潰されてしまう日が来るかもしれない。

 

「人類と魔人の共存!」

「「「「「「!?」」」」」」

 

 だが、この夢を途中で投げ出すつもりはない。例えこの身が朽ち果てようとも。

 




[人物]
ルーク・グラント (3)
LV 50/200
技能 剣戦闘LV2 対結界LV2 冒険LV1
 この物語の主人公。かつてホーネットと結んだ約束を守るため、人類と魔人の共存という無謀な夢を達成すべく動いている。この目的を他人に話すのは初めてである。ホーネットに抱いているのは恋愛感情とは少し違う、また別の何か。

ホーネット
LV 215/320
技能 魔法LV2 聖魔法LV2 剣戦闘LV2
 ホーネット派を束ねる魔王と人間の間に生まれた魔人。前魔王ガイの娘で、現魔人筆頭。亡き父の遺言に従い、人類不可侵を決めている。常に鍛錬を積み続け、その実力は魔人内でもケイブリスに次ぐ。ルークの運命を変えた魔人であり、同時にルークも彼女の運命を変えた人間である。二人の道が再び交わるのは、まだ先の事である。

シルキィ・リトルレーズン
LV 118/205
技能 魔物合成LV2
 ホーネット派に属する人間の魔人。魔人四天王。かつて人間だったときに単身魔王ガイに挑み、瀕死になりながらも多くのモンスターを倒した事でガイに興味を持たれ、魔人に勧誘される。その際に人類不可侵をガイに約束させ、ガイがこれを承諾。これにより人類は魔人の支配から解放されたため、知る者は少ないが数多くの人類を救った英雄。ホーネット派に属するのはホーネットへの忠誠心と、自分との約束を守ったガイを愛していたため。

モダン・カラー
LV 20/50 (生前)
技能 呪術LV2 魔法LV1
 カラーの女王。おおらかな性格であり、捕らえた人間の中から気に入った男性を選び、一緒にお茶をするなど自由に暮らしていた。カラーでありながら人間大好きという変わった性格のためか、50人もの娘を産む事になる。ルークと出会ってしばらくの後、亡くなる。女王は娘が継ぐ事になる。唯一の心残りは、死ぬ前に出会ったイケメンとお茶が出来なかった事と言い残し、娘に引っぱたかれ大往生。


[技能]
聖魔法
 闇属性の特殊な魔法を放つ事が出来る技能。治療魔法である神魔法とは全くの別物。

魔物合成
 合成魔物を作り出す事が出来る技能。高レベルであれば戦闘用の魔物だけでなく、装備品の様に身につける合成魔物も作り出す事が可能。

呪術
 様々な呪いを使う事の出来る技能。相手を殺すものから、思考を周囲にまき散らすものなど、その種類は様々。

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