ランスIF 二人の英雄   作:散々

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第88話 決戦前夜

 

-カサドの町 うまうま食堂-

 

「はい! これで皆さんの才能限界は10上がりました。という訳で、この宝石は全部回収していきますね」

 

 アンデルミィルが儀式の呪文を唱え、フロン以外の全員の体を不思議な光が包み込んだ。実感はないが、宝石を抱えてうっとりとしているアンデルミィル曰く、全員の才能限界が伸びたらしい。

 

「ふむ……これは棚からぼた餅じゃわい」

「まさか限界をこんな簡単に越えられるとはな……」

 

 カバッハーンの呟きにヒューバートも賛同し、拳を握りしめる。現在のレベルが上がった訳では無いため、強くなった訳では無い。だが、鍛えれば今まで到達できなかったレベルへ登り詰められるのだ。その力は、絶対にパットンの役に立つはずだ。

 

「ルーク様……本当に感謝しますわ!」

「別に気にしなくていいさ。俺たちを捜しにここまで来てくれたんだしな。礼を言いたいのはこっちの方さ」

 

 チルディが深々と頭を下げると、他にもリックやアレキサンダーといった強さを求めている者たちが頭を下げようとしてくる。ルークが笑いながら止めるが、今起こった現象はそれ程までに凄まじいもの。本来、才能限界というのは人間の力ではどうしようもない壁なのだ。

 

「また、借りが出来ちまったな……」

「救助の件でチャラだろ」

 

 サイアスがそう背中越しに呟く。それを背中越しで受け答えるルーク。サイアスがハウゼルを意識して力を求めている事は気が付いている。そのサイアスには、今回の件は僥倖と言えるだろう。

 

「がはははは! 無敵の俺様がまた強くなってしまったな!」

「あ、貴方とそこの悪魔と人工生命体の娘は才能限界上がってないから」

 

 上機嫌に笑い飛ばしていたランスにそう言ってのけるアンデルミィル。まさかの言葉にランスがずっこける。

 

「なんだとぉぉぉ! どういう事だ!! 理由次第じゃタダでは……」

「だって貴方、才能限界無いもの。神とか悪魔と一緒」

「えっ!?」

 

 アンデルミィルに食って掛かるランスだったが、平然ととんでもない発言をするアンデルミィル。思わぬ言葉にシィルが呆ける。

 

「限界が無いというのは……?」

「つまり、無限にレベルが上がるって訳。こんな人間見たの初めてだわ。本当なら報告しなきゃいけないんだけど……」

 

 リックの問いに平然と答え、うーん、と考え込むアンデルミィル。報告しなければならない程の異質なのだが、報告したら自分がみんなの才能限界を上げたのがバレる可能性もある。それは非常にマズイ。

 

「芋づる式に今回の件がバレちゃうのもマズイから黙っててあげる。じゃあねー! またいつか、どこかのダンジョンとかお城とかで会いましょう! 宝石を沢山用意しておいてよ!」

「あっ、ちょっ……」

 

 宝石を抱えて窓の中に飛び込むアンデルミィル。ランスの才能限界の事を問いただそうとマリアが引き留めるが、そのまま宙に浮いていた窓は消滅してしまった。

 

「行っちゃった……」

「才能限界が無い……そんな事が有り得るの……?」

 

 皆が呆然とする中、志津香の呟きが部屋に響く。そんな人間が存在するというのか。

 

「がはははは! 流石は英雄の俺様!」

「凄いです、ランス様! ぱちぱちぱち」

 

 先程まで不機嫌だったランスだが、今は上機嫌に笑っている。自分が特別な存在というのは気分が良いのだろう。シィルも嬉しそうに拍手を送る中、ルークがランスの顔を見ながら呟く。

 

「それ程の能力があれば……確かに英雄だな……」

「なーに、羨ましそうにしているのよ?」

 

 ぺち、とロゼに頭を叩かれるルーク。露骨に表情に出していたつもりは無かったが、ロゼには見抜かれていたようだ。呆れたような表情のまま言葉を続けるロゼ。

 

「あんたの能力も十分反則でしょうが」

「二人揃って世界のバグだよ」

「そうですよ。それに、わ、私にとってはルークさんの方が英雄です!」

 

 フェリスとかなみもロゼの言葉に続いてくる。対結界技能に関しては、男結界を通り抜けた際にある程度はバレてしまっている。その際に全員に頼み込み、あまり言いふらさないよう約束を交わしていた。一応、魔人の結界をも破れるという事までは教えていないが。

 

「そうだな……少し我が儘だったな……」

 

 ルークは少し、ほんの少しだけランスを嫉妬していたのかもしれない。自分の才能限界がどれ程なのかは判っていない。だが、人間である以上それは確実にいつか訪れる。魔人との戦いを見据えている以上、それは足枷にしかならない。だが、フェリスとかなみの言うように、ルークの持つ対結界技能はレベル以上に魔人との戦いでは切り札となり得る能力だ。

 

「バグとは言い得て妙ね」

 

 志津香がフッと笑うが、すぐに表情を真剣なものに変えて誰にともなく呟く。

 

「他にもいるのかしら……? 世界のバグと呼べるような能力の持ち主が……」

「どうだろうな……」

 

 その問いに答えられる者はいない。全員が才能限界の向上に喜んでいる中、フロンがぱんぱんと手を叩く。先程食堂から一度出て行ったのだが、いつの間にか戻ってきていたようだ。

 

「ほら、もう結構良い時間だよ。明日に備えて早く寝ちまいな。腹が減っている子たちは夕飯を準備してあるから、いくらでも食べて良いよ。二階には男部屋と女部屋でもう部屋の準備もしてあるからね」

「何から何まで、本当に……」

「水臭いこと言うんじゃないよ! それに、あんたらの肩に無責任にもあたしたちの運命を託しちまってるんだからね……これくらいの事はさせておくれよ」

 

 フロンがそう言って笑顔を作る。ルークたちがカサドの住人を何とかして助けねばと気を張っているのとは逆に、フロンたちは自分たちの運命を託してしまった事に責任を感じているのだ。だからこそ、少しでも手伝える事があるのならば手伝いたい。それはフロンだけでなく、他の住人たちも同じであった。

 

「それと、青年団の連中にも明日の作戦の事は伝えてきたよ。今晩はモンスターの襲撃からは自分たちで町を守るから、安心して寝てくれだってさ。それと、こいつも使っておくれよ」

 

 フロンが机の上に大きな風呂敷包みを乗せる。それを広げると、中には世色癌や竜角惨といった回復アイテムが大量にあった。

 

「これは……?」

「アイテム屋のレーガンとよっちゃんがタダで持っていけってさ。こっちはヨウナシの実。シンシアちゃんがくれた回復アイテムだよ。姉をよろしくお願いします、だってさ」

「こんなに……!?」

 

 これがその証であった。フロンや青年団の者だけではなく、カサドの町に暮らす全ての者が少しでもルークたちの役に立とうと精一杯の行動をしていた。ナギが世色癌の瓶を手に持ちながら、呟く。

 

「よく判らないのだが……力が出る。これは何だ?」

「それが正常な反応よ」

「ああ、こういうのは励みになるな」

 

 志津香が静かに微笑みながらナギにそう答える。サイアスも世色癌の瓶を強く握りしめ、町の人たちの思いを感じ取る。

 

「温かい町ですね……将来、こういう町で余生を過ごしたいものです」

 

 アレキサンダーも窓の外に見える町並みを見ながらそう口にする。このカサドの町の空気が大分気に入ったようだ。

 

「みんな、明日は頼んだよ!」

「任せておけ!」

 

 カサドの町の者たちの期待を裏切る訳にはいかない。自分たちが地上へ戻るため、闘神を悪用されないため、敵対する魔人を倒すため、最強の悪意を持った闘将を放っておけないため。これだけの人数がいるのだから、理由は様々ある。だが、一つ共通している事は、絶対に負けられないという事だ。

 

「さーて、明日に備えて寝るとしますかね」

「もぐもぐ……」

「セスナさん、いつの間に……おばさん、ぼくにもいただけますか?」

「このアイテムはどこから仕入れているんですかねー?」

「ハニキンちゃんたちが定期的に持ってきているみたいだよー」

 

 ロゼが伸びをしながら階段を上がっていく。会議中に軽く食事を取っていた者もいるため、その者たちはそれに続いて二階に上がる。セスナやメナドのように食事を取っていなかった者は一階に残り、食事を取ってから二階に上がる事にする。同じアイテム屋として仕入れ先が気になっていたトマトの疑問にはジュリアが答える中、暫くして一階に残っていた者たちの食事も終わり、ぱらぱらと二階に上がっていく。一階に残されたのはフロンだけとなった。

 

「ふぅ……」

 

 食器を片付けながら、フロンは一度ため息をつく。幼い頃からずっと夢に見ていた地上への帰還。それが現実のものとなろうとしているのだ。まだ叶った訳ではない。だが、これ程現実味を帯びたのは初めてだ。ルークたちの前では強がっていたが、腕が震える。

 

「本当に……地上に……」

 

 その時、背後から物音がする。フロンが振り返ると、そこに立っていたのはサーナキア。慌てて震える手を押さえるフロン。

 

「おや、サーナキアちゃん。早く寝ないと駄目だよ」

「……その、一つだけフロンに聞きたい事が……」

「私に? なんだい?」

 

 意外な人物からの申し出にフロンが首を傾ける。随分と大所帯になったルーク一行の中でも、サーナキアと出会ったのは割と初期の段階だ。とはいえ、特別話をしていた訳でもない。一体何事か。

 

「フロンの先祖……この町を作った最初の人たちの事を知っていたら、と……」

「ご先祖様の事かい……? そうだねぇ、町を作ることに必死だったみたいで、全然資料とか残されてないんだよねぇ……」

 

 サーナキアが聞きたいのは、200年以上前にこの町を作ったという人たちの情報。サーナキアが所属していた、イラーピュ探索隊の仲間たちの事だ。フロンが頭を掻きながらそう答えるが、すぐに何か思い出したかのような表情をする。

 

「そういえば、私のご先祖がリーダーとしてみんなを引っ張っていたらしいんだよね。それも、騎士道とか良く口にしていたらしいよ。サーナキアちゃんとそっくりだ」

「騎士道!? な、名前とか判りますか?」

「確か……ヴィクト……何だったかねぇ……」

「ヴィクトリー……ネルソンでは……?」

 

 それは、少しだけ震えた声。聞き覚えのある名前にフロンがポンと手を叩く。

 

「あぁ、そうだ! って、何でサーナキアちゃんが知っているんだい?」

「そうか……彼が作ったのなら……この温かい町も納得できる……」

「ど、どうしたんだい!? 急に泣き出して……」

 

 それは、探索隊のメンバーの中でも忘れられぬ掛け替えのない仲間の一人。探索隊の第2騎士団団長の男。女であるサーナキアが第3騎士団団長である事に難色を示す者が多い中、彼はサーナキアの騎士道を認めてくれた人物だった。石化されていた事により、200年以上未来の世界へ放り出された形のサーナキア。だが、かつての仲間たちの面影がこうして確かに残っている。

 

「フロン……必ず、必ず地上に連れて行く……騎士として約束する!」

 

 騎士としての心構えから、人前で泣く事を嫌っていたサーナキア。だが、この涙は決して無様なものではない。その二人の会話を、階段の影に隠れながら聞いていた者が一人。二人に気が付かれないように、その者は階段を静かに上っていく。

 

 

 

-カサドの町 うまうま食堂 二階 女部屋-

 

「うわー、布団ふかふかですかねー?」

「闘神都市では野宿でしたから、これは有り難いです」

「私はフロストバインさんにお世話になっていたから、恵まれていたわね」

 

 トマトが布団にダイブし、合流が遅れたためにこれまで野宿だったセルが神に感謝をする。真知子は割と平穏に寝食を取れていたため、フロストバインに感謝をしていた。明日はフロストバインとタマも連れて行く予定だ。二人が暮らしている南の塔を通り、飛行艇のある場所を目指す。

 

「志津香、明日はよろしくね」

「ん。何だかんだで、かなみと一緒に戦う機会多いわね。ルークがいなかったら、一生一緒に戦う機会なんてなかったでしょうね」

「そうね。こうして話すこともなかったかも……」

 

 かなみと志津香は明日同じパーティーに配属される事が決まっている。リーザス国女王に仕える女忍者と、自由都市で暮らす魔法使い。この二人に接点を作ったのは、ルーク。後、一応ランス。

 

「あら、メナドさん。どちらに?」

「あ、ちょっとね……あはは!」

 

 皆に遅れて部屋に入ってきたメナド。エムサが問いかけるが、何やら笑うだけで要領を得ない。

 

「口づけというのは魔力を高めるための儀式ではないのか?」

「違うわよー。キスっていうのは、自分が気に入っている相手、好きな相手とするものなの」

「好きな相手……志津香でいいのか?」

「違う、違う、異性!」

「ならお父様だな!」

「いい年こいた娘がいつまでも父親とキスするのはおかしいっての!」

 

 部屋の隅ではロゼがナギ相手に教育を施していた。やはりナギの感性は色々とおかしい。父親が変な教育をしたようだ。一発ぶん殴ってやりたいと心の中で悪態を吐くロゼ。

 

「何か……ロゼさんがまともに見えるんですけど……」

「奇跡的な光景ね……」

「そうなんですか?」

「えっと……はは……」

 

 香澄が呆気にとられ、志津香もため息をつく。カスタムの町の住人からしたら、目の前の光景は正に奇跡。ロゼと付き合いの薄いメリムが首を傾げてシィルに尋ねるが、シィルは困ったように笑うことしか出来なかった。

 

「んがー」

「ぐぅ……ぐぅ……」

「ちょうちょ……ちょうちょなのれす……」

「あら、もう寝ちゃったみたいね」

「寝てばっかりですわね、このお三方は……」

 

 ふかふかの布団にくるまり、既にジュリア、セスナ、あてなの三人は眠っていた。レイラがそれを見て笑い、チルディがため息をつく。いくら強くなっても、やはりこのジュリアは尊敬できそうにない。

 

「ライトくん、レフトくん。明日は頑張ろうね」

「きゅー!」

「良い子……良い子……」

「地上ではこんなに愛らしいものが……」

「きゅー!」

 

 キューティが相棒の二体と正面から向かい合い、ウスピラとミスリーが二体を撫でる。これだけの人数が揃ってはいるが、ガード要員はいない。しいていうならデンズだろうが、彼は特に深手を負っている。ライトくんとレフトくんは、町の人たちを守るという点で絶対に外せない貴重な存在だ。立派な戦力なのである。

 

「ネイ……地上に戻ったら、もうちょっと真面目に働こうと思うんだ。もう何年も会っていない兄貴と妹の事を思い出しちまった。この戦いが終わったら、久しぶりに会いに行こうかな……」

「シャイラ、駄目! 物凄い死臭のするセリフよ!」

 

 シャイラが露骨に死亡フラグを立て、ネイがそれを必死に咎める。決戦前にそんな事を宣うと大概死亡するのがお約束だ。魔法ビジョンでそういう物語を何度も見た事がある。

 

「マリアさん……」

「ん? どうしたの、香澄」

 

 決戦に備えてチューリップの整備をしているマリアに香澄がおずおずと近づいてきて話し掛ける。まるで自分を先生と呼んでいた頃に戻ってしまったかのような恐縮した態度にマリアが疑問を抱く中、香澄は言葉を続けた。

 

「その……地上に戻ったら、手甲のようなものを作りたいんですけど、炎とか雷とか……そういうのにも耐えられる素材とかってないですかね……?」

「炎……雷……そんなものでどんな手甲を……」

 

 そう言いかけたマリアだったが、すぐに何かに思い至り、その表情が一変する。

 

「まさか……香澄、アレキサンダーさんの事!?」

「ち、違うんです! そういう訳じゃ……」

「なになに、面白そうな話ね」

 

 部屋中に響くマリアの声。香澄が真っ赤になって否定するが、その仕草は完全に肯定であった。他の女性陣もマリアと香澄に近寄ってくる。

 

「トマトの好きな人はですねー、えへへへへ……」

「いや、バレバレですから……」

「ウスピラさん、サイアスさんとはどうなんですか?」

「仲間……」

「シャイラさんとネイさんは雷帝様ですか?」

「んな訳あるかぁぁぁぁ!」

「……ぽっ」

「うぉぉぉぉい! ネイ、マジかよ……」

 

 決戦前夜だというのにガールズトークを始める面々。だが、フリークも言っていたがこれくらいの方が肩の力が抜けていいのかもしれない。そんな中、下の階でフロンと話していたサーナキアが戻ってくる。

 

「何だ、騒がしいな。……ん、ハウゼルとフェリスは?」

「あ、あれ? フェリスさんはさっきまでいたはずだけど……」

「…………」

 

 サーナキアの問いにマリアが部屋の中を見回す。確かに二人の姿が見えない。すると、ロゼが無言で窓の外を指差す。

 

 

 

-カサドの町 うまうま食堂 外-

 

 うまうま食堂の外では、宙に浮きながらハウゼルが空を見上げていた。ふと、背後に気配を感じる。振り返ると、そこにいたのはフェリス。こちらも宙に浮いている。

 

「何やってんだい?」

「いえ……こんなに高い場所なのに、夜空は地上と変わらないのだな、と……」

「ロマンチストな事言うね。で、中には入らないのかい?」

 

 フェリスがそう尋ねると、ハウゼルが少しだけ悲しそうな表情を見せる。

 

「私がいると……人間の方々が安心して眠れませんから」

「さっきの事を気にしているのかい?」

 

 魔人である自分は信用できないという、先程のヒューバートの言葉。それは当然の事だ。今まで魔人が人間にしてきた事を思えば、ああして怯えずに一緒にいてくれただけでも珍しい事なのだ。ゆっくりと頷くハウゼルに、フェリスが自分の羽を指差す。

 

「こいつを見な。私も悪魔だ」

「それは……知っていますが……」

「その私が断言するよ。あいつらは普通の人間とは違う。お人好しばっかりだ。あんたが一緒の部屋で寝てたって、文句なんか言ったりしないよ」

「それは……」

 

 ハウゼルが何かを言おうとするが、そのとき女部屋の窓が開け放たれる。

 

「ちょっと、フェリスさん、ハウゼルさん。何してるの! 今香澄を問い詰めているんだから、早く部屋に入ってきてよ! 香澄ってば、アレキサンダーさんの事……」

「ちょっ、マリアさん! 男部屋に聞こえちゃいます!」

「風邪引くわよ? ……悪魔と魔人って風邪引くのかしら?」

「どうなんでしょう……? とりあえず早く来て下さいー」

 

 大声でマリアが叫び、香澄が慌ててその口を塞ぐ。こんな窓全開の状態では、隣の男部屋に聞こえてしまうかもしれない。続いてレイラとメナドが窓から顔を出して二人を呼び込む。そんな一同を見ながら、呆けたような顔になるハウゼル。

 

「なっ。ほら、部屋に戻るぞ」

「……本当に、変わっているんですね」

 

 そう答えるハウゼルだったが、その顔には笑みが零れていた。

 

 

 

-カサドの町 うまうま食堂 二階 男部屋-

 

「女部屋は騒がしいな」

「女三人寄ればかしましいもんじゃよ」

 

 ヒューバートが騒がしい女部屋を気にするが、カバッハーンはそれが普通だと笑い飛ばす。男部屋の雰囲気は静かなものであり、武器の手入れをする者、瞑想をする者、物思いに耽る者といった感じだ。

 

「さて、起きていても話す事なんてないし、早めに寝ちまうか」

「そうですね」

「んだ」

 

 サイアスがそう口を開くと、武器を手入れしていたリックとデンズがそれに賛同する。決戦に備え、少しでも体を休めておく必要がある。そんな中、ルークはどこかそわそわしていた。

 

「まだそわそわしてんのか、お前は」

「ハウゼルと少し話がしたいんだがな……」

「ガールズトークで盛り上がっているであろう隣の部屋に突貫する勇気があるのなら行ってこい」

「白色で吹き飛ばされるな」

 

 魔人であるハウゼルと少し話がしたいと思っていたルークだったが、ここまでタイミングを逸していた。とはいえ、特段話す事がある訳では無い。アイゼルから自分の話は聞いているようだし、以前のアイゼルやサテラと違って比較的好意的に接してもくれている。共存を目指すルークにとっては、ハウゼルは既に良い感じの立ち位置にいる魔人であった。となれば、決戦を前に無理して話す必要も無いかと自分を納得させる。決して白色破壊光線が怖かった訳では無い。

 

「しかし、不思議なもんだな。赤い死神と炎の将軍、そして、ヘルマン軍の俺がこうして肩を並べているんだからよ」

「そうですね……不思議な感覚です」

「だが、悪くはない。赤い死神、女関係で悩んではいないか? 好きな相手がいるってなら、口説きのテクくらい教えるぜ?」

「い、いえ……自分は……その……」

「その反応はいそうじゃのう」

 

 リックがサイアスに絡まれ、カバッハーンも笑いながら近寄ってくる。どうやら大陸中にその名を知れ渡らせている赤い死神には、片思いの相手がいるようだ。興味津々のゼス勢にたじたじのリック。

 

「フリーク。魔人戦争の時に特に暴れた魔人というのは誰だったか聞いてもいいかな?」

「構わんよ。珍しい事を聞いてくる男じゃな。ノス、レキシントン、ガルティアなんかは暴れておったのぅ……バボラも面倒じゃったが、闘神の自爆で仮死状態になり、途中で戦線離脱しおったわい。それと、ケイブリスじゃな」

「……もう少し詳しく聞かせて貰ってもいいか?」

 

 ハウゼルとの話を諦めたルークは、魔人戦争をリアルタイムで経験したフリークから魔人の情報を聞き出していた。ホーネットが生まれる前の出来事であり、彼女からは魔人戦争の話は詳しく聞けていない。貴重な情報源だ。

 

「ええぃ、男臭い。しかも男同士で恋愛話など始めおって、気色の悪い。こんな部屋にいられるか! 俺様は女部屋で寝てくるぞ、ぐふふ……」

「ランス殿。駄目ですよ」

 

 ランスが文句を言いながら演技も織り交ぜつつ部屋から出て行こうとするが、アレキサンダーがそれを止める。何度か共に戦った二人だが、ルークを通しての関係であるためその接点は薄かったりする。こうして男部屋の夜も更けていき、一時間後には男部屋、女部屋共に部屋の灯りは消え、眠りについていた。

 

 

 

-カサドの町 うまうま食堂 二階 女部屋-

 

 深夜、みんなが寝静まった頃にゆっくりと動く影がある。ランスだ。普段なら大イビキで寝ている時間だが、これだけの美女が揃って動かないランスではない。気が付かれないように男部屋から抜けだし、女部屋に入ってきた。普段なら志津香が粘着地面のトラップでも張っていそうなものだが、まさか決戦前夜に夜這いをかけてくるとは思っていなかったのか何のトラップも張っておらず、ランスは女部屋への潜入に成功する。

 

「ぐふふ……これはよりどりみどり……」

 

 ランスの目の前には熟睡している女性陣。その全員が美人という、夢のような状況だ。

 

「がはは、ではレイラさんの胸にターッチ!」

「んっ……あっ……」

 

 ランスが手始めに近くで眠っていたレイラの胸に触る。レイラがその感触に反応し、声を出す。

 

「がはは……では続けて下を……」

「んっ……リック……」

「むっ……」

 

 上機嫌になったランスが続けて体をまさぐろうとしたが、レイラの口からリックの名前が出てきてその表情が変わる。ポリポリと頭を掻き、レイラから離れる。

 

「まあいい。それじゃあかなみを……」

「ルークさん……えへへ……」

 

 レイラの隣で寝ていたかなみに近寄っていこうとするが、かなみがルークの名前を寝言で呟く。またもランスが固まり、周囲を見回す。

 

「ルーク様……お手合わせを……」

「ルークさん……」

 

 同じくレイラの側に眠っていたチルディとメナドが寝言を言う。

 

「ルークさん、駄目です! トマトは……くかー……」

「ふふふ……」

「ルーク……」

「アレキサンダーさん……」

 

 トマトが体を激しくよじり、真知子は嬉しそうに笑っている。良い夢でも見ているのだろう。誰の夢かは、何となくランスにも察しがつく。そして、あの志津香もルークの名を呟く。香澄の呟きには一番イラッとするランス。

 

「ルークさん……共に神の道を……」

「ゼスに来てくれるんですか……? 嬉しいです、ルークさん……」

「あぁん、ルークーん。もっとぉん」

 

 セルが、キューティが、そしてロゼが寝言を言う。スーッと女部屋から出て行くランス。そのまま廊下をドタドタと駆けていき、勢いよく男部屋の扉を開けて電気を点け、大声で叫ぶ。

 

「多過ぎじゃぁぁぁ!!」

「うぉっ!? 何だ!?」

「うるさい! 一人二人ならまだしも、お前は多すぎだ! 成敗してくれるわ!!」

「何の話だ!?」

 

 ランスが寝ていたルークに蹴りをお見舞いする。飛び起きるルークだったが、一体何の話をしているのか理解出来ない。

 

「騒がしいのう……」

「何だよ、まだ深夜じゃねぇか……」

 

 ドタドタとした騒がしさに他の面々も目を覚まし、ランスに愚痴を言う。そんな中、アレキサンダーも目を覚ます。

 

「ランス殿、どうされたのですか?」

「キィィック!!」

 

 そのアレキサンダー目がけ、跳び蹴りを放つランス。

 

「な、何を……?」

「うるさい! 貴様が何だか一番イラッときた! リックはまだいいが、貴様は許せん!」

「一体何の話を……」

「自分は許されているのですか……?」

 

 ランスのお陰で深夜に叩き起こされた男性陣だったが、幸いにも寝不足者を出すことはなく、明日の朝を迎える。こんなくだらないことで万全に戦えなくなったら、笑い話では済まない。

 

「んー……もういいかな……」

 

 女部屋でむくりと一つの人影が体を起こす。ロゼだ。

 

「何か面白かったから勢いで乗っかったけど……まぁ、信じちゃって……」

 

 先程の寝言だが、ロゼだけは演技。途中で目が覚めた彼女は、みんなの寝言とランスの反応が面白かったため、ついからかってしまったのだ。

 

「こっちを聞けば、あそこまで不機嫌にならずに済んだのに……」

 

 ロゼが視線をとある一角に向ける。

 

「ランス様……」

「ランス……」

「ランスさん……」

 

 シィル、マリア、メリムの三人が呟く名前。それは、他ならぬランス。

 

「ちゃんと、好きでいてくれる娘もいるのにねぇ……それにしても……」

 

 ロゼがそう呟きながらため息をつき、部屋の中を見回す。

 

「みんな寝言言い過ぎじゃない?」

 

 それは、神の意志の一種的な何か。

 

 

 

翌朝

-カサドの町 広場-

 

 広場には町中の人間が集まっていた。全員が軽い手荷物を持っている。地上に降りるに当たっての貴重品が入っているのだ。ルークが町の住人たちを見回していると青年団の者たちと視線が合い、キセダがこちらに笑みを向けてくる。その顔には生々しい傷跡。だが、彼らは一晩モンスターたちから町を守りきったのだ。そこには、初めて会ったときの弱々しい姿はない。

 

「それじゃあ、これから脱出に向けての行動を開始する。町のみんなは第三パーティーについていってくれ」

「迷惑かけないよう、しっかりと固まって動くんだよ!」

 

 ルークが広場に集まった町の住人に向けて言葉を発し、フロンがいつもよりも真剣な声で全員に忠告する。それに頷く町の者たち。地上への帰還は、全員の悲願だ。

 

「じゃあ、動こう。パーティー分けは昨晩話した通り……」

「ルーク! ちょっと待ってくれ!」

 

 ルークが今度は仲間たちにそう言葉を掛けるが、突如サーナキアが話を遮る。何事かとみんなの視線がサーナキアに向く。すると、サーナキアがルークに向かって頭を深々と下げてくる。

 

「頼む……ボクを第一パーティーに入れてくれ……」

「急にどうした……?」

 

 サーナキアの本来の割り振りは第三パーティー、町の人たちの護衛だ。ディオ戦で受けていた傷が完治していないというのもあるが、それ以上の残酷な理由がある。正直、サーナキアでは力不足なのだ。町の人たちの護衛には人手を払う必要があり、必然的に第一、第二は精鋭揃いとなる。そんな中、わざわざ闘神と戦うメンバーにサーナキアを選びはしない。だが、サーナキアが悲痛な声で頼み込む。

 

「お願いだ……ボクの手で……町の人たちを地上へと帰してあげたいんだ……」

「護衛も立派な役回りだぜ。むしろ、町の人たちと直接関わって……」

「ボクが……ボクたちがこの町の人たちの悲しみを生んだ元凶だ! ボクたち、ダラス国派遣隊が取り残されたりしなければ……その償いをしたいんだ……」

「何を言っているの……?」

「サーナキアさん……」

 

 ヒューバートが護衛の重要性を説くが、サーナキアがそれを遮るように叫ぶ。レイラたちにはその言葉の意味を理解出来ないが、シィルは悲しげな視線をサーナキアに送っていた。サーナキアが石化させられた過去の住人だと知っているからだ。

 

「頼む……」

「…………」

「あいたたた……」

「メナド、どうしたの!?」

 

 ルークがサーナキアの顔を真剣に見ていると、突如メナドがお腹を押さえながらうずくまる。心配そうに声を掛けるかなみ。

 

「急にお腹が……ルークさん、ぼく、今日は調子悪いみたい。これじゃあ闘神や魔人相手は厳しそうだなぁ……モンスター相手なら何とかなるけど……」

「メナド……まったく、下手な演技ね……」

 

 かなみがそう困ったように呟く。それはあまりにもわざとらしい演技。リーザス国赤の軍副将のメナド。その近接戦闘能力は高く、満場一致で第一パーティーに振り分けられていた。正直、サーナキアとでは実力差がある。だが、彼女は昨晩見てしまっていた。サーナキアとフロンの会話と、その決意を。思いの強さは何よりも勝るとメナドは考えたのだ。

 

「サーナキア……」

「…………」

 

 メナドの演技に苦笑していたルークだったが、サーナキアに再び向き直って真剣な表情を向ける。緊張した様子のサーナキア。

 

「それが、お前の決意なんだな?」

「ああ、騎士として……いや、悲劇の元凶として、ボクがやらなきゃいけないんだ……」

 

 その真っ直ぐな瞳を見たルークは一度目を瞑り、その後口を開く。

 

「メナドは第三パーティーに。サーナキアは第一パーティーだ。ついてこい!」

「っ!?」

「がはは、サーナキアちゃん一人くらい俺様がフォローしてやるわ」

「やれやれ、お人好しだねぇ……」

 

 ルークの言葉にサーナキアが目を見開く。無茶な相談だとは自分でも思っていた。だが、それが受け入れられる。ランスが問題ないと笑い飛ばし、ヒューバートがため息をつく。だが、その口元には笑みが浮かんでいた。お人好しな連中だが、嫌いじゃない。そのままルークたちはそれぞれのパーティーごとに集まり、これから視線を共に抜ける仲間たちと互いに向き合う。

 

「町の人たちには指一本触れさせません!」

「みんな……気をつけて……」

「親衛隊の腕の見せ所ですわ」

 

 キューティが胸を張り、ウスピラが第一、第二パーティーの心配をする。本音を言えば自分も護衛ではなく、第一、第二のどちらかに入りたかったのだろう。だが、護衛にも全体魔法の使い手を回す必要はあるのだ。チルディも決意を胸に剣を握りしめる。

 

 第三パーティー。

 任務:町の人たちの護衛をしつつ、フロストバインとタマを途中で回収。その後は飛行艇で町の人たちを順に脱出させる。護衛能力に長けた者、単体戦闘力が劣る者、飛行艇の最終確認を出来る知識を持った者という布陣。

 メンバー:マリア、香澄、真知子、ロゼ、メナド、チルディ、ジュリア、ウスピラ、キューティ、シャイラ、ネイ、メリム、あてな2号

 

 

「ウスピラ。帰ったら、デートの約束忘れないでくれよ」

「デンズ、本当に大丈夫か?」

「だ、大丈夫だ……足手まといにはならねぇ……」

 

 サイアスがそう軽口を叩き、ヒューバートはデンズの体を心配する。本来は第三パーティーにと考えられていたが、ヒューバートと一緒がいいと自ら志願したのだ。

 

 第二パーティー

 任務:ユプシロンに魔力供給をしている八本の魔気柱の破壊。その後は第一か第三に状況を見て合流。破壊任務のため、魔法使いとその護衛という布陣。

 メンバー:サイアス、カバッハーン、トマト、アレキサンダー、セル、ヒューバート、フリーク、デンズ、ミスリー、エムサ

 

 

「さて……行くか!」

「パイアールは私とフェリスさんに任せて。人間では魔人にダメージを与えられないから」

「いえ、もう一人いるわ……」

 

 ルークが口を開き、ハウゼルが第一パーティーの面々に告げる。だが、志津香はその言葉を否定してルークに視線を向ける。敵に魔人がいる以上、ルークの能力は間違いなく切り札だ。

 

 第一パーティー

 任務:イオ、アリシアの救出。及びユプシロン、魔人パイアールの撃破。単体戦闘力に特化した者という布陣。

 メンバー:ルーク、ランス、シィル、フェリス、志津香、かなみ、リック、レイラ、ナギ、セスナ、サーナキア、ハウゼル

 

 

 こうしてルークたちは三手に別れ、闘神都市最終決戦へと挑む。全員がまた生きて地上で、その願いを胸に抱きながら。

 

 

 

-上部動力エリア 動力室-

 

 巨大モニターに四つの光る点がある。そこから伸びた詳細モニターに、三パーティーとパイアールの映像が映る。

 

「南の塔の連中は……雑魚ばかりだ。後回しだな……」

 

 そのモニターを見ながら、ぶつぶつと呟く人影が一つ。

 

「ちっ、ルークとフリークは別行動か。この方向は……なるほど、魔気柱の破壊組と闘神の破壊組に別れている訳だな」

 

 その者は一度舌打ちをしたが、パーティーが進む方向を見て即座にその目的を見破る。

 

「まず優先すべきはフリークだな……他の奴らは後でじっくりと楽しめばいい……」

 

 何かを決めた様子でその者はモニターを消し、ゆっくりと部屋から出て行く。その足が向かうのは、魔気柱のある部屋。

 

「ククク……今行くぞ、フリーク!」

 

 闘将ディオ、動く。その標的は、フリークのいる第二パーティー。

 

 

 

-下部司令エリア 司令室-

 

「ふふふ、やはりボクは天才だ……」

 

 パイアールが倒れている闘神ユプシロンを見ながらそう呟く。

 

「パイアール様、どうされましたか?」

「いえ、当初の予定よりも早く闘神の改造が済みそうなんですよ。動かして戦うだけならば、もう可能です」

「流石はパイアール様です」

 

 それは、ルークたちにとっては絶望的な情報。闘神は既に戦えるまでになっている。

 

「後は水晶球からの魔力供給を安定させて……」

「(……おじ……様……)」

 

 パイアールの見つめる先、水晶球の中のイオの意識はない。だがその体から魔力は流れ続け、闘神ユプシロンの動力源となり、ルーク率いる第一パーティーを待ち構える形となる。各々の決戦は、間もなく始まる。

 

 




[人物]
ヴィクトリー・ネルソン (オリモブ)
 ダラス国第2騎士団団長。故人。かつてのサーナキアの同僚であり、イラーピュ探索隊のメンバー。騎士道を重んじる性格をしており、同じく騎士を目指すサーナキアの事を認めてくれていた人物。地上への帰還方法が無くなった後は、皆をまとめ上げてカサドの町の前身を作り上げる。名前はアリスソフト作品の「大帝国」より。


[その他]
左:4編開始時 右:現状

第一パーティー
ルーク 56/200 → 58/210
ランス 1/∞ → 38/∞
シィル 1/60 → 29/70
フェリス -/- → -/-
かなみ 33/40 → 36/50
志津香 31/56 → 36/66
リック 46/70 → 48/80
レイラ 38/52 → 40/62
ナギ 63/70 → 64/80
セスナ 10/18 → 18/28
サーナキア 18/22 → 22/32
ハウゼル 88/120 → 88/130

第二パーティー
サイアス 37/41 → 41/51
カバッハーン 40/46 → 42/56
トマト 22/37 → 29/47
アレキサンダー 43/77 → 46/87
セル 22/44 → 27/54
ヒューバート 40/60 → 43/70
フリーク 48/55 → 49/65
デンズ 45/52 → 46/62
ミスリー 30/50 → 32/60
エムサ 26/30 → 26/40

第三パーティー
マリア 20/35 → 25/45
香澄 4/24 → 13/34
真知子 1/5 → 5/15
ロゼ 13/20 → 19/30
メナド 35/46 → 37/56
チルディ 24/44 → 29/54
ジュリア 13/38 → 27/48
ウスピラ 29/32 → 32/42
キューティ 25/28 → 28/38
シャイラ 5/25 → 16/35
ネイ 7/27 → 18/37
あてな 1/1 → 1/1
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