「セレナ。いったい何を考えているの?」
ライザーが去った後リアスが私に向けて問いかけてきた。
「何を、とは?」
「さっきのライザーと話していたこと全てよ。イッセーがいれば本当に勝てるの?確かにイッセーには
「それはそうだろう。普通に戦えばイッセーが負けて当然だぞ」
何を当たり前のことを言っている。いくら
「じゃあ何であんなこと言ったんだよ!?負けたら部長も姉貴も・・・・・・許さねぇ・・・許さねえぞ!ライザー!」
いったい何を妄想しているんだ、イッセー。予測は出来るが。
とりあえず妄想の中に入っているイッセーを蹴って話を進めるとしよう。
「まず今回のライザーとお前達のゲーム。お前達が勝てる確率は良くて三割だ。奴の眷属自体はたいしたことはないがライザー自身が持つ不死性は厄介だ。リアス、お前なら不死相手にどう戦う?」
「・・・・・・圧倒的な力で押し通すか、精神を潰すか。でも前者なら神クラスの力が必要。後者はライザーの精神が尽きるまでこちらのスタミナが保つこと」
「概ねはそうだ。だが、どちらも不可能だ。ライザー自身もそれを熟知している。なら眷属を使いこちらの力とスタミナを減らしてしまえばあちらの勝利は確定だ」
「それじゃあどうすることも出来ねえじゃねえか!?いくら最強で最凶の無敵の姉貴がいるからって・・・・・・・・・・いえ、なんでもないです」
ふふ、いい子だ。イッセー。
私がいても勝てないと一瞬思ったのだろうが私から言わせればライザーとその眷属まとめて一瞬で終わらせれるぞ。まぁ、精々イッセーたちの強化に利用させてもらうがな。
「リアス、この十日間はゲームに向けて修行するのだろう?」
「ええ、そのつもりよ。明日の朝には別荘へ向かおうと思ってるわ」
「なら丁度いい。私がお前達全員鍛えてやる。一応言うが拒否権はないぞ」
「そんなことはしないわ。むしろこちらからお願いしようと思っていたところよ。いいわよね?皆」
『はい!』
リアスの言葉にイッセーたち全員が返事をした。
「では、明日よりゲーム前日まで私が直々に鍛えてやる。お前達死ぬ覚悟は出来てるか?」
『はい!』
今度はリアスも含め私に返事をした。
それを確認した私は紙とペンを人数分渡すと全員は首を傾げた。
「セレナ、これは?」
私の行動に疑問を抱くリアス。
「私だって鬼じゃない。最後になるかもしれない言葉を書く時間ぐらいくれてやる。明日の朝までに私のところに持ってこい。何、安心しろ。ちゃんと肉親には届けてやる」
そう答えると全員が顔を青くなっていった。
「父さん、母さん。この手紙を読んでいる頃にはもう俺はこの世にはいないと思う。だけどこれは俺が決めたことなんだ。どうか姉貴を責めないで上げてくれ。それから俺が隠してあるエロ本は何を言わずに処分・・・・・」
流石は私の義弟だ。順応が速くて結構。それからお前の性癖にとやかく言うつもりはないがたまにはS女シリーズ以外のものを集めたらどうだ?
それから全員、私の慈悲深さに感謝しながら手紙を書き始めた。
まったく私もいつからこんなに甘くなったのやら・・・・・。
次の日の朝、私を含めたイッセー達はリアスの別荘へ到着し各自動きやすい格好に着替えさせると私のところに来た。
「さて、始める前にもう一度訊くが覚悟はできているな?」
「当たり前だろ、姉貴!絶対生き残ってライザーに勝ってみせる!」
人一倍やる気を出すイッセーに私は微笑む。
リアスに対する恋心がイッセーをここまでやる気にさせるとは。恋は人を変えるとは言うがある意味本当なのかもしれないな。
「その意気だ、イッセー。さて、それでは早速修行を始めよう。とはいえ修行の内容は簡単だ」
私は指を鳴らし、後ろに巨大な転移用魔方陣を展開させる。
ゴバァアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッッ!
魔方陣から出現したのは私が捕獲し調教した五体の
「ド、ドラゴン!?」
驚くリアス達に私は修行の内容を話す。
「この修行期間内までに一人一体こいつらを倒す事が修行内容だ。アーシア、お前は私と来い。お前には別のメニューを用意してある」
「は、はい!」
私の傍に来るアーシア。
「ちょ、ちょっと待ちなさい!セレナ!」
「待ってくれ!姉貴!」
呼び止めようとするリアスとイッセー。
「安心しろ。こいつらはお前達を喰う気で襲いかかるように命令してある。食べられたくなければ死ぬ気でさっさと強くなることだな」
「全然大丈夫じゃねえ!」
そうしてイッセーたちの修行が始まった。
アーシアには魔力の扱い方と帝具、ブラックマリンの使い方を軽くレクチャーする。
アーシアは戦闘に対する素質はゼロと言っていいが、その代わりそれ以外の能力は非常に高い。
「さて、せっかくだ。私も色々試してみるか」
まずは魔方陣を設置する。そして次に帝具、デモンズエキスに力をこめると設置していた魔方陣が凍った。
「やはりか・・・」
魔神顕現デモンズエキス。この帝具はこの世界でも充分に、いや、私次第でいくらでも強くなれる。
デモンズエキスの能力はアカメが斬る!のエスデス同様に氷を生成し、操る。それがこの帝具の力であり能力。
だが、エスデスが使用していた
氷を生成し、操るのはあくまで基礎能力であって力の使い方、こめ方一つでいくらでも応用が効く。その例が
続けて私は炎、水、雷、風、光、闇の様々な魔法を使ってみたがどれも凍らせることに成功した。
なるほど、凍らせる対象によっては力加減に差はあるが問題はないな。例外があるとすればリアスの滅びの魔力ぐらいだろう。
「とりあえずこの技は
それからも私は自身の能力を模索していると気が付けばもう夜になっていた。
さてと、リアス達は生きているかな?死んだら死んだでそれまでだが。
そう思いリアス達のところへ行き、
流石に無傷ではないが五体満足でいるだけで流石は原作キャラたち。普通ならドラゴンと戦うだけ死んでもおかしくはないのだがな・・・・・。
なかなかしぶとくて結構。アーシアを呼んできてやるか。
そうしてアーシアに全員を治療させ一日目の修行は完了した。
時はあっという間に流れ修行最終日一日前まで全員、五体満足で生き残っている。
もはやリアス達の生命力の強さは私の想像を遥かに超えているな。ふふ、面白い限りだ。
この調子なら最後まで五体満足で生き残れるだろう。しかし、流石にまだドラゴンを倒すことは出来なかったか。
私は10歳で倒せたのだがな・・・・・・ん?
視界の端に偶然イッセーが見えた私は気になってイッセーの後をつけてみた。
休息中にも自主トレか?それならいい心がけだ。
感心しながらも私はイッセーをつけるとそこにはイッセーだけでなく、リアスまでいて偶然にもリアスの夢を盗み聞きしてしまった。
この辺りは原作通りか。
そう思っているとリアスが寝室に戻るとイッセーは外に出て行き森の中へと入っていった。
森の中に入っていったイッセーに私は気になり探すとそこには下手なライザーの顔が描かれた樹に素手で殴りかかっているイッセーがいた。
「もっとだ・・・・もっと姉貴みたいに早く・・・・強く・・・・」
何かぶつぶつと言いながら樹を殴りつけるイッセー。
「俺はもっと強くならねえと・・・あんな野郎に部長も姉貴も絶対に渡さねえ・・・渡して堪るものか・・・・・」
ほぉ、私とリアスの為にこっそりと個人修行か。転生前は男だったとはいえ女である今はグッとくるものがあるな。
しかし、その想いは使えそうだな。
イッセーの最終調整を行うにはそろそろ頃合いか。
「励んでいるな。イッセー」
「あ、姉貴・・・」
何事もないかのように出てくる私にイッセーは驚いていたが、すぐに驚きの表情から困惑な顔をする。
「・・・・・姉貴、俺は強くなっているのかな?」
「当然だろ。確かにお前は弱い。だが、お前には私が付いている。嫌でも強くしてやるさ」
そうなってもらわなければ面白くないしな。
「・・・・・なぁ、姉貴。一つ訊いてもいいか?」
「なんだ?」
「どうしてあの時、姉貴はライザーにあんなことを言ったんだ?本当に俺がいれば勝てるのか?俺にはそれだけの力があるのか?」
不安で仕方ないのだろう。いや、当然か。いくらなんでも不死性を持つライザーに勝つことは無理だろう。イッセーはそれを理解しているから勝てるか不安なのだろう。
しかし、これは好都合だ。
私は魔方陣からインクルシオを取り出しそれをイッセーに放る。
「これは・・・」
「帝具、悪鬼纏身インクルシオ。それをお前にくれてやる」
今のイッセーはライザーに勝たなければならないという想いと勝つための力を欲している、そこに付け入る隙がある。
「イッセー、お前に三ついいことを教えてやる。まず、お前の神器の中にいる
今の状況でもイッセーの中にいるドライグは私の事を警戒しているだろう。原作知識として現赤龍帝であるイッセーより詳しく知っているからな。それを知らないドライグは私のことを警戒してみているに違いない。なら、必要以上に怪しまれない程度にイッセーに教えてる必要がある。
「詳しくはお前の中にいるドラゴンに訊け。二つ目はその帝具、インクルシオについてだ。それは呼びだすことで鉄壁の鎧が自動的に飛んでくる鎧の帝具。纏った者の能力を増幅させる。ただし、負担が掛かる為並みの奴なら即死だ。それを使うときは命を懸けろ覚悟が必要だ」
身体作りは完成している。装着出来てもイッセーなら使えるだろう。問題は相性次第か。
「いいか?これだけは頭に叩き込んでおけ。神器とインクルシオはお前の思いに応え進化する。どう使うかはお前次第だが使うときは命を懸けろ。だが、それだけの力はある。それは私が保証してやろう」
言ってみて気づいたがある意味帝具は神器と似ているな。世界が違うとはいえ人間の想像力は神にも届くのかもしれないな。
おっと、話が逸れたか。
「イッセー、今からお前にライザーに勝てる必殺技を教えてやる。だが、これを使うときはお前が心から勝利に貪欲にならなければならない」
「・・・・なってやるさ。俺はどんなことをしてでもライザーに勝つ!勝って部長も姉貴も俺が守る!」
・・・・そうか、それだけの覚悟があるのなら私は何も言うまい。
私は三つ目を教えてやるとイッセーは顔を青ざめながら口を引きつっていた。
「・・・いや・・・・姉貴・・・・それはどうなんだ?」
「言っただろ?勝利に貪欲にならなければならないと。必要ないのであれば使わなければいい。使うも使わないもお前の自由だ」
それにそんなことしなくてもお前の譲渡の力でライザーの痛覚を倍増させたりすることが出来ればいいのだがお前はこんなこと使おうと思いもしないだろう。
「何度も言うがどう使うかはお前の自由だ。今は少しでも体を休めて明日の最後の修行に専念しろ」
「お、おう!」
部屋へ戻ろうとするイッセーを見送っていると突然イッセーは振り返ってきた。
「姉貴!やっぱ姉貴は俺にとって最高の姉貴だ!絶対姉貴も守ってみせるからな!」
それだけを言って部屋へと戻っていった。
ふふ、私を守るか。
なら、期待しているぞ、原作主人公、兵藤一誠。
見事、ライザーからリアスと私を守ってみせろ。
そうして修行最終日もイッセー達は五体満足で修行を終え、ゲーム当日を迎えた。