ドSが蹂躙する!   作:ユキシア

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救えない友

「それで?何か言い分があるのなら言ってみろ」

 

「・・・・俺は無実だ。無実を主張する」

 

「小猫。石」

 

「・・・・・はい」

 

「あだだだだだだだだだだだだ!!」

 

イッセーと祐斗との戦いはイッセーの負けだ。欲望に忠実になりすぎて祐斗に突っ込んだところをあっさりと負けた。

 

「イッセー。お前の欲望に正直なところは別に何も言わんがいくらなんでも今のは無様すぎるぞ。朱乃、鞭」

 

「ごめんなさいね、兵藤くん」

 

「痛ぇ!」

 

そして、今はお仕置きとして石抱きの刑にしている。

 

「イッセー。お前は戦闘での基礎はもう完成しているんだ。そこにお前の赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を使えば例え実戦不足でも祐斗にギリギリ勝てたんだぞ?それをお前は」

 

「うう、すみません」

 

「ま、まぁ、イッセーも悪魔になったばかりなのだからそう慌てる必要ないじゃない。イッセー、ゆっくりでいいから強くおなりなさい」

 

「部長・・・・」

 

まったく、リアスは甘い。

 

「はぁ、仕方ない。続きは帰ってからだ。覚悟しておけ」

 

イッセーの膝上に置かれている石をどかしてロープを切ってイッセーを解放するして自分の得物を取り出し祐斗に言う。

 

「祐斗。昨日出来なかった稽古をつけてやる。ついでにイッセーに実戦とはどのようなものか見せておきたい。神器を使って殺す気で来い」

 

「わかりました」

 

祐斗は魔剣を創りかまえるのを確認した私はイッセー言う。

 

「イッセー。よく見ておけ。これは実戦に近い戦闘だ」

 

「では、行きます!」

 

祐斗は騎士(ナイト)の力を使い動きが素早くなるが

 

「まだ遅い」

 

私にとってはゆっくりとしか見えない。体捌きだけで十分だ。

 

「燃え尽きろ!そして凍りつけ!『炎熱剣(フレア・ブランド)』!『氷空剣(フリーズ・ミスト)』!」

 

炎と氷の魔剣を創造したか。それでもその程度なら何の脅威にもならん。

 

「祐斗。もっとイメージを強く固めろ。全然熱くも寒くもない」

 

「やはり、まだ貴女には届きませんか。なら、魔剣創造(ソード・バース)ッッ!!」

 

祐斗の叫びと同時地面から魔剣が飛びだしてきた。ほう、いちいち地面に手を付けずに魔剣を出現できるようになったのか。やはりこいつは才能も素質も充分にあるな。

 

「やっと・・・やっと貴女を動かすことが出来ました」

 

「成長したな、祐斗。ようやく私を動かすことが出来るようになったか」

 

今までの稽古では祐斗は私を動かすことは出来なかった。それを動かした。本当、たいした成長だ。だが

 

「今回の稽古はここまでだ、祐斗」

 

「はい。三回も急所を攻撃された僕の負けです」

 

頭、喉、心臓。祐斗が地面から魔剣を出現させる時に私が祐斗に傷をつけた場所だ。

 

「相手を確実に殺すまで僅かでも気を緩めるな。それが今回の敗北理由だ」

 

「はい。ありがとうございました」

 

お互いに得物をしまい、私はイッセーに先程までの稽古のことを訊いてみた。

 

「それでイッセー、見えていたか?」

 

「えっと、最後の姉貴の動きは見えなかったけどイケメンの動きはしっかり見えた」

 

ふむ。祐斗の動きは見えていたか。ならある程度なら戦えるな。

 

「ならいい。それでは帰ってお仕置き(拷問)の時間だ」

 

「・・・・・お手柔らかにお願いします」

 

「それはどうかな?」

 

お前を拷問するのは結構楽しいからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーの拷問を終わらせた次の日から深夜イッセーは悪魔稼業に力を入れている。その前にもっと実戦を味合せようと前にはぐれと戦わせたがまだ無理だったから次の機会までチラシ配りと契約だ。

 

それにしてもハーレム王を目指すのと魔力が低レベルで転移出来ないのは原作通りか。

 

私の魔方陣でならイッセーも転移出来るがそんな面倒なことはせん。イッセーには自力で行ってもらう。

 

「部長、ただいま戻りました」

 

と、そんなことを考えている間にイッセーが仕事を終わらせ帰ってきた。

 

「あら、イッセー。お帰り・・・」

 

イッセーを見て言葉を失い目を見開くリアスを見て私も視線をイッセーに向けるとイッセーの隣にはアーシア・アルジェントがいた。

 

「あの、部長・・・実は」

 

申し訳なさそうにイッセーが私たちに説明した。どうやら依頼先でフリードに遭遇し、何とかフリードを倒した。だが、堕天使が近づいてきたのがわかり、アーシアと一緒にここまで逃亡したらしい。

 

フリードに勝てたのは多少なりは実戦慣れしたのだろう。順調によくなっているな。

 

「イッセー、貴方って本当に困った子ね。いい?彼女は堕天使の下僕。彼女がここにいるということは堕天使を敵に回すことになるの」

 

私にとってはそちらの方がいいのだがな。

 

「待って下さい!部長!俺はアーシアをあいつらのところに行かせたくありません!」

 

言い争うリアスとイッセーにアーシアは戸惑う。見ている限りはかなり面白いが助け舟を出してやるか。

 

「リアス。それにイッセー。お前達がここで言い争っても何の解決にもならんぞ。アーシアと言ったな?」

 

「は、はい!」

 

「お前には悪いが自分の足で教会まで帰ってもらう」

 

「姉貴!?」

 

「黙れ」

 

怒鳴るイッセーを一蹴し、私はアーシアに耳打ちする。

 

「逃げるなら明日の昼にだ。奴らは基本的に夜に活動する。今は言うことを聞け」

 

「・・・・わかりました」

 

ここで原作が変わっても困る。なら、元に戻さなければな。

 

「イッセーさん。助けてくださってありがとうございます。また、会いましょう」

 

それだけを言い残してアーシアは自分の足でここから出ていった。

 

「どうして・・・・どうしてアーシアにあんなこと言ったんだよ!?姉貴!」

 

「弱者は淘汰されて当然だ。イッセー、お前は世界を敵に回せるほど強いのか?この町にいる堕天使たちを倒せるほど強いのか?それが出来なければお前は弱者だ。弱者に選ぶ権利などない。頭を冷やすんだな」

 

私はそれだけイッセーに言い、部室を出てアーシアを追いかけた。

 

原作なら今回の堕天使の件はそいつらの独断だが、一応確認しておこう。

 

アーシアを発見すると堕天使レイナーレはすぐにアーシアを見つけ教会まで連れて行っていた。話を聞く限り、やはりレイナーレたちの独断か。

 

「ミッテルト。念のため見張りをしておきなさい。計画に少しでも支障を出したくないわ」

 

「了解~」

 

ミッテルトが教会裏まで行くのを確認した私もすぐにミッテルトのいる教会裏まで行きミッテルトの首後ろに手刀を当て気を失わせる。

 

「捕獲完了」

 

さぁ、後はこいつに詳細を聞くだけだ。

 

私はすぐにその場から離れ、魔方陣で誰にも邪魔されない場所まで転移した。

 

私が絶滅させてもいいのだがそれはつまらん。精々イッセーたちのレベルアップに有効活用させてもらおう。

 

それから数時間後、ようやく堕天使ミッテルトが目を覚ました。

 

「あれ?ウチは確か・・・って何故か縛られてるし!?」

 

「ようやく目を覚ましたか」

 

「人間が何でウチを縛ってる?」

 

「黙れ。貴様の質問には興味はない。お前はただ私に言われたことをただ答えていればいい」

 

「嫌だね!誰が言うもんか!そんなことしたらウチがレイナーレ様に殺される!」

 

ほう、思っていたより強情だな。これは新しい拷問を試すのにちょうどいい。

 

「では言い方を変えよう。素直に吐けば助けてやるぞ?」

 

「い・や・だ・ね!!」

 

ふふ、そうこなくてはな。

 

「では、その強情っぷりがどこまで続くか見せてもらおう」

 

私が指を鳴らすと後ろに控えておいた私のペットであるオーク達が出てくる。

 

「紹介しよう。私のペットのオークだ。どのような種族かは言わなくてもわかるな?」

 

「へ、へぇ~、それで?そいつらにウチを痛めつけようって?」

 

ほう、まだ強情を張れるか。

 

「安心しろ。お前の体に傷を付けたりはしないさ。ただお前が話さなければちょっと手伝いをしてもらうだけだ」

 

「手伝い?」

 

「ああ、こいつらは今発情期に入っていてな。相手がいないのところだったんだ。もうわかるだろう?」

 

冷や汗を流して目が泳ぎ回ってるな。それでも弱音を一つ吐かないか。

 

「最後にもう一度だけ訊こう。話すはあるか?」

 

そこからはすぐに話した。原作通り今回の件はレイナーレの独断。上とはまったく関係が無い。

 

「こ、これウチの知ってること全てだ」

 

「そうか。ご苦労」

 

それでは証拠隠滅するか。

 

指を鳴らし、オークたちにミッテルトを捕まえさせる。そこでミッテルトが何か言っているがどうでもいいか。

 

「オーク。ほどほどに可愛がってやれ。私は帰る」

 

それだけを言って私は自分の家までジャンプした。

 

さてと、アーシアには逃げるように言ってあるしこれでイッセーと遭遇さえしてくれれば問題はないが、確認してみるか。

 

私は町中を歩いていると意外にも早く二人を見つけることが出来た。しかも、レイナーレとの戦闘が始まろうとしているところだった。

 

いいタイミングで戻って来れたな。さて、イッセーはどこまで戦えるかな?

 

「ブーステッド・ギア!」

 

『Boost!!』

 

ブーステッド・ギアを発動させるイッセーにレイナーレの顔がしかめっ面になりながらも光の槍を出した。

 

赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)、『神滅具(ロンギヌス)』のひとつ・・・。一時的にとはいえ、魔王や神すら超える力を得られるという。上があなたの神器が危険だからと言っていた訳がわかったわ。今度こそ確実に殺してあげる」

 

光の槍を投げるレイナーレ。しかし、イッセーはアーシアを抱えてそれを躱し、アーシアと距離を取った。

 

危険な目に合せない為か。

 

「クッ!これならどう!?」

 

今度は二本の光の槍を投げるレイナーレに対してイッセーは片方は避けてもう片方は籠手で防いだ。

 

「姉貴とイケメンに比べたら遅ぇ!」

 

比べて貰ったら困るんだがな。しかし、どうやらフリードとの戦いがイッセーにいい影響を与えていたようだな。訓練での成果が少しずつだが実戦に出て来ている。

 

それともアーシアがいるからなのか?

 

まぁ、そこのところはいいか。

 

『Boost!!』

 

二回目の倍化。それを見たレイナーレは遠距離が不利と判断したのか今度は接近戦に持ち込んできた。

 

悪手だな。

 

私の予想通り、イッセーはレイナーレの攻撃を避け、防ぐ。息切れも今のところはないか。

 

基本的にイッセーは接近戦での訓練をさせているからあの程度なら余裕か。

 

『Boost!!』

 

「良し!行くぜ!ブーステッド・ギア!」

 

『Explosion!!』

 

籠手にある宝玉が光り、イッセーの力が跳ね上がった。

 

「い、いや!」

 

逃げようとするレイナーレだが力が増している今のイッセーからは逃れられるものか。

 

「吹っ飛べ!クソ天使ッ!」

 

ゴッ!!

 

殴る音と共にレイナーレはふっ飛ばされた。やはりあの時、祐斗との戦闘はイッセーがギリギリ勝てていたな。原作とは少し違う流れになったが、まぁ、今回はイッセーの訓練の成果が出ただけでも良しとしよう。

 

私はその場を離れ今回の事をリアスにでも教えてやろうとした時、何かを貫く音が聞こえた。

 

「ガハッ!」

 

「イッセーさん!」

 

そして、イッセーが血を吐く音とそれを治療するアーシア。だが私が驚いたのはそこじゃない。

 

「・・・・まさかあなたにこれを使うとは思わなかったわ」

 

イッセーの腹を貫いているのは間違いなくレイナーレ。だが、驚くべきはレイナーレの姿だ。頭には獣耳が生え、尻尾も生えている。そして、間違いないのはレイナーレの腰に巻いているベルト。

 

「百獣王化ライオネル。まさかレイナーレが、いや、堕天使が使えるとはな」

 

帝具、百獣王化ライオネル。ベルト型の帝具。己自身が獣化し身体能力を飛躍的に向上させる。

 

「本部にいた時、目に付いたから着けてみたらこんな面白い力を持っていたとはね」

 

本部、神の子を見張る者(グリゴリ)か。つまり、堕天使も帝具をいくつか持っているんだな。しかし、これでわかった。悪魔になったイッセーにも帝具が使えるという確証は取れたな。

 

『Reset!』

 

ブーステッド・ギアの能力開放が終わり、イッセーの力は元に戻った。

 

「今度こそちゃんと殺してあげる。さようなら」

 

光の槍を出してイッセーにトドメを刺そうとしたときアーシアがイッセーの前に立った。

 

「レイナーレさま。どうかイッセーさんを見逃してください。おとなしく戻りますからどうか、イッセーさんを助けてください」

 

「ダ、ダメだ!アーシア!」

 

「いいわ。命拾いしたわね。下級悪魔くん」

 

「イッセーさん。こんな私と友達になってくれて本当にありがとうございます」

 

「お、俺がアーシアを!」

 

「さようなら」

 

そうして、アーシアはレイナーレと一緒にこの場から消えた。イッセーを殺さなかったのは帝具を使えば殺せると判断したのだろう。それとも原作の力か。

 

アーシアとレイナーレが去った後、イッセーは何度も拳をアスファルトへ打ちつけていた。そして、涙を流しながら

 

「アーシアァァァァァァァァッッ!」

 

ただ彼女の名前を叫んでいた。

 

それでいいんだ、イッセー。悔しがれ、自分の弱さを憎め、嘆け、それがお前を強くする。

 

私は悔しがっているイッセーを見て内心ほくそ笑んでいた。

 

 

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