ここは幻想郷。人と妖怪、神が共存し、外の世界で失われ「幻想になった」ものが集まる場所。そんな幻想郷のある冬の夜、とある場所で__何かが動きはじめた。
「寒ぃ‥‥‥」
静かな森の中、小さな人影がそう呟く。その人影は15、6歳くらいのまだまだ幼さが残る顔をした子で、冬の夜を出歩くにはあまりにも薄着であり、寒いと言うのも当然な格好をしていた。
「‥‥‥何処だろう、ここ」
震えながらとにかく辺りを見渡す‥‥‥が当然視界に入ってくるのは木だけである。
「‥‥‥あはは‥‥‥参ったなぁ‥‥‥そろそろ‥‥不味いんだけど‥‥」
歩くスピードが先程から落ちてきており、足元もおぼつかない。もう‥‥限界なのであろう。
「‥‥‥ボク‥‥‥ここ‥‥で‥‥‥死‥‥」
そして、その子はドサッという音を立てて倒れた。
その数分後のこと、箒を持ちいかにも魔法使いという格好をした少女が森の中を歩いていた。
「いや〜‥‥すっかり暗くなったな。キノコ探すのに時間をかけ過ぎたな‥‥」
そう言う彼女の手に提げた籠の中には毒々しい色をしたキノコが大量に入っいた。何に使うのかは全くわからない。
「ま、これぐらいあれば今回は十分だろう。しっかしそろそろ春だっていうのに‥‥今日は一段と寒いな」
震えながら森を歩く彼女。まだ他のキノコを探しているのだろうか、箒を使って早く帰るということはせずにいた。
「‥‥‥ん?あれは‥‥?‥‥‥っ⁈」
少女は何かに気づき、驚いた。
「‥‥おいおい‥‥‥嘘だろ。あれは‥‥人間か‥‥?‥‥何でこんなところに?‥‥‥って、そんなこと考えてる場合じゃないな‥‥おい!大丈夫か⁈おい‼︎」
人間と思わしき者が倒れているのに気がつき、急いで近づいてまず声を掛けた‥‥‥が返事はない。肌の色も随分悪くなっており、呼吸をしているもののかなり弱っているようだった。
「チッ‥‥早く永遠亭に連れて行かないと‥‥なっ‥と」
このままではこの子は死んでしまう。そう考えた少女は永遠亭という場所に連れて行くことにしたらしい。
箒に跨がり倒れていた子を抱き上げると
「‥‥ん?何だこれ‥‥手紙か?‥‥‥差出人は‥‥‥書いてないな‥‥‥」
その子が持っていたのであろう封筒が落ちてしまった。非常識なことに少女は勝手にその封筒を開き中身を見てみた
が
「‥‥‥‥何だ写真か‥‥‥ん?」
手紙だと思っていたもには写真が入っていたらしい。それを見た少女は複雑な表情になった
「‥‥なるほど、此奴は外から来たのか‥‥なら、博麗の巫女様も呼ばないとなぁ‥‥」
そう言うと彼女は写真を封筒に仕舞いその封筒を握りしめて、あり得ない速さで飛んで行ってしまった。