SAO~デスゲーム/リスタート~   作:マグロ鉱脈

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本作の呪縛者とは?

A.ソウルシリーズをしていたら、いきなりネクストモドキが襲ってきた。つまり、そういう事。


Episode15-13 騎士と悪魔

「博物館って嫌いなのよねぇ。元カレがすっごいインテリで、デートの度に連れて行かれたんだけど、見てて何が面白いのかまるで理解できなかったわ」

 

 半壊したガラスケースに飾られた古竜の卵の化石を見ながら、エイミーはぼそりと、まさに『どうでも良い』の一言で切り捨てるに値する感想を漏らす。

 オレ達が現在いるのは古竜博物館にある『竜の系譜』エリアだ。碑石展示室と違い、剥製や標本が並べられ、目を楽しませる工夫が施された博物館の魅力に溢れている。もちろん、ジャングルの侵蝕を受けていなければ、という大前提はあるが。

 

「人類の英知に触れる。そんな機会に恵まれていながら、それを解さんとはな。退屈な女だ」

 

「はいはい。どうせランク1様は見た目に似合わず教養たっぷりのリアルINTが高いエリートさんなんでしょうねぇ。どうせ、あたしは顔以外に取り柄が無い短大卒のOLですよ。ステータスのINTと頭のINTが乖離してるわよ」

 

「卑屈なのが尚更救えんな。無知の知という言葉もあるが、それ以前に知識を得ようと言う活力が無い。それ自体が人としての成長を止める愚かしさその物だ」

 

「ハイハイ。でもね、これでもあたしだって簿記3級持ってるんだからね! 10回落ちたけど! 10回落ちたけど! 10回落ちたけど! これでも3級持ってるんだからね! 重要なので3回言いました!」

 

「それくらいオレも持っている」

 

「ほーら、出ましたよ、ランク1様のご自慢が。へいへい、あたしはどうせミジンコですよーだ。事務でセクハラ部長に尻触られるのがお仕事の、お局様に胡麻擦りだけは上手な隠れオタクよ。これでもボーナスは夏冬しっかり出る正社員様なのよ!」

 

「少しは【渡り鳥】を見習って黙る事ができないのか? オレは口が軽い女が好かん。女が1番綺麗なのは後ろ姿と黙っている時だ」

 

「うわぁ、酷い男尊女卑だわぁ。やっぱりランク1様は違うわぁ。さすが毎夜女に事欠かない色男様だわぁ。不純過ぎて妊娠させられるわぁ」

 

 ……コイツら、仲が悪いってレベルじゃねーな。探索を始めて、かれこれ2時間。じっくりと1つ1つのエリアを見て回っているせいもあるし、展示物が全体的に多めなのもあるが、3人一緒に固まって行動している間にすっかりオレはこの2人の関係を把握した。

 ユージーンは唯我独尊であり、我道を行く。さすがランク1というか、自分が強者だと自覚し、そのように振る舞い、妥協を嫌う。武人という言葉が似合うが、ややプライドが高過ぎる。ただし、そこに慢心はない。そして、エイミーといえば、感情的になり易く、また意外と卑屈だ。とにかくお喋りで、5分と黙らない。そして、彼女の言葉を拾ってユージーンがキツイ一言を吐き出せば、あっという間にこの有様である。

 

「知ってる知ってる、【渡り鳥】くん? ランク1様はエロ本も真顔で読むムッツリスケベなのよ。この前とか、酒が入ったらその場にいた女の子全員を無表情でお持ち帰りして10人くらいと1晩中楽しんじゃうくらいのエロ魔人なの」

 

 そして、この2時間ですっかりオレを自分と同じお馬鹿陣営だと認識したのか、エイミーはかなり慣れ慣れしくなった。今も彼女はオレに超至近距離で接近し、たゆんたゆんな胸を押し付けている。

 

「は、離れやがれ! 暑苦しいんだよ! そ、そそそそ、それに、むむむむ、胸がぁ!?」

 

 汗で白魔女風の服装が体のラインを浮かび上がらせるように貼りついたエイミーの姿は、遠目ならばまだしも30センチ未満の近距離では目の毒過ぎる! しかも汗のニオイが生々し過ぎて、吐息もプラスされて嫌でも意識してしまう。

 

「キャー、可愛い! コレよ、コレ! 純情男子の反応はこうでなきゃ! 素でこんな反応する男子なんて絶滅危機種だわ! 大和撫子級の保護対象よ! コレだけで白ご飯8杯お替わりできちゃうわ! それに比べてランク1様と来たら……ペッ!」

 

 うわぁ、唾を後頭部狙って吐きやがったぞ、この女。そして、それを見もせずにサイドステップで回避するユージーンが手慣れ過ぎていて怖い。

 

「キミって良いトコの御坊ちゃんでしょ? あたし分かるわよぉ。合コンとかでたまにいる、友達に数合わせだって誘われた感バリバリの場違いサラブレッド臭がするわ。お父さんはお仕事何してるの? 兄弟いる? 当ててあげる。お兄ちゃんとお姉ちゃんがいる末っ子でしょう? お父さんは省庁務めとか、議員さんとか、大企業の重役とか、そんな感じね。あと、お母さんは専業主婦かなぁ。実家は田舎の地主とかで、自然に囲まれて育ったみたいな? ヤバい、金持ち臭がするわ。じゅるり」

 

 そして、この女のノリがヤベェ! そしてエスパークラスに鋭くて怖い! 赤面しながら必死に距離を取ろうとするが、それを許さないように肩をガッチリつかまれる。

 

「あたし、【渡り鳥】くんの事を誤解してたわ! 全然怖くないじゃない! むしろラブリー過ぎて今まで狂犬扱いしてておねーさん後悔してるわよ! 悪名とかどーうでも良いわぁ! というか、ポニテ男子美味しいです! そのスポーツ少年がちょっと無理して髪を纏めちゃってる感がサイコー過ぎんのよぉ! 狙ってるの? 狙っているの!? 馬鹿じゃない!? 狙ってないのが丸わかり過ぎて可愛すぎんのよぉおおお!」

 

「だから離れろ……離れろぉおおおお! 頬擦りするんじゃねーよ! き、ききき、気持ち悪いんだよ!? おい、ユージーン! 無視してないで助けろ! この女ヤベェ! 本当にヤベェ!」

 

「それよりもこの古竜語を解読しろ。どちらでも構わんから早急にな。時間は有限だ。こうしている間にも何処ぞでオレ達を嵌めた奴が新たな計画を動かしているかもしれん」

 

 コイツはコイツでストイック過ぎんだろうが! あろうことか、ラビットダッシュを使って無理矢理エイミーから距離を取ったオレは、かつてない緊張感を持って彼女の間合いに踏み込まない。オレの本能が割り出したエイミーの間合いは……糞が、10メートルを超えてやがる! どうなってんだよ、この糞女は!?

 

「はいはい、あたしが翻訳してあげるわよ。インテリっぽいスキルだから取ったけど、魔術書の発見とかに便利なのよねぇ。あ、もしかして、今あたしって役立たずランク1様と違って有能? 有能なの?」

 

「さっさとしろ」

 

 そう言ってユージーンが翻訳を命じたのは、結晶物が纏わりついた白い何かだ。コレは肉片……だろうか? 結晶の侵蝕のせいか、まるで腐敗していない。そして、それの傍には古い時代に記されたと思われる古書も一緒に飾ってある。

 ガラスケースを破壊して古書をもぎ取ったユージーンはエイミーに投げ渡す。彼女はスキルを発動させると、困ったように顔を顰めた。もしかして、何が不具合でもあるのだろうか?

 

「……文字が多過ぎて目が痛いわ。それに眠気もしてきた」

 

「【渡り鳥】、貴様が読め」

 

「ジョークよ。1割くらいはジョーク。えっと、朗読するのも面倒だから要約すれば、これは大いなる白きモノの断片みたいね。古竜信者は禁忌として名を封じたらしいわ。竜だけど、信徒からは憎まれる存在だったみたい。いわゆるヒール系ドラゴンちゃんって所かしら。かなりイカレたヤツだったみたい。でも、魔法を生み出した祖でもあったらしいわ」

 

「ソウルの情報は?」

 

「これは古書よ? つまり、この博物館に展示された過去の品。【渡り鳥】くんが言うにはシャルルのソウルが分割されたのが封じられたソウルなんでしょう? だったら書かれてるわけないじゃない。ランク1様も意外と間抜けね」

 

「……確かにその通りだな。オレも少し焦り過ぎたか」

 

 素直に自分の非を認めるユージーンが面白くないのか、不細工になるほどに顔を歪めたエイミーは古書を投げ捨てる。オレも読んでみたかったんだが、仕方ないか。

 それよりもオレの興味を惹いたのは、白い肉片だ。それは拳ほどの大きさしかないが、間違いなく白竜の肉片だろう。

 世界再生の道は狂う前の白竜と出会う事。ならば、白竜の肉片は白竜の記憶へと誘うキーアイテムとして役立つかもしれない。

 オレは2人が見ていない隙にこっそりアイテムストレージへと【白竜の肉片】を回収する。アイテムストレージをあまり消費しないで済んだのはありがたいな。まぁ、2人と交戦して減ったHPを早急に回復させる為に回復アイテムを消費した結果だから喜ぶべきではないのだが。

 

「それにしても、こんなにもドラゴンばっかりの博物館なんか作って、何がしたかったのかしら? 歴史資料の収集ってわけでもなさそうだし」

 

「古竜の研究機関という話だったな。確かに、シャルルの森のコンセプトと乖離しているが、そうなるとジャングルになる以前のこの地を知る必要があるな」

 

「そうよねー。ランク1様がコスプレ好きなのと同じくらいにステージと中身が食い違ってるわ。キャー、怖い。あたしってそういえば魔女コスだったわ。クリスマスのランク1様の酒池肉林は退いたわぁ。何人ミニスカサンタっ子を食べちゃったのよ?」

 

「コスプレを舐めるな。あくまで普段着と違うからコスプレには価値があり、そこに興奮する余地がある。貴様のそれは制服のようなものであり、目に止める価値などない」

 

「でも……制服コスプレってAVとかでも鉄板よね」

 

「それは成人女性が本来あり得ない恰好をしているから成立するものだ」

 

「あー、なるほどね。執事が燕尾服を着ても当然だけど、イケメン御曹司が燕尾服を着てたらコスプレ萌え。フッ、さすがはランク1様ね。勉強になったわ」

 

 ……誰かコイツらを止めてくれ。ユージーンが真顔でコスプレエロ談義を始めて、それにノリノリなエイミーを見て、コイツらが仲悪いのにどうして組んでいるのか、嫌でも理解してしまう自分が憎い。あと、ユージーンが真顔でエロいのは……うん、特に気にしない。英雄色を好むとか言うし、『アイツ』の隣にいたらこの諺の本当の意味って女の子ホイホイしちゃう才能の事なんだなって思い知ったし。

 その後、十数分に亘ってエロ系コスプレで盛り上がる男女を3メートル以上距離を取って、意識をこのステージの違和感に対する考察に集中させる事で、精神的耳栓状態にしたオレは、彼らもあながち的外れではない指摘をしたと考える。

 確かに、このシャルルの森のコンセプトと古竜は辻褄が合わないのだ。白竜もそうだが、どうにも竜関連が濃過ぎる気がする。それに、わざわざクラウドアースがオレに竜賢者の義眼を提供したのも、竜に関わる何かをつかんでの事だろう。

 だが、ユージーンやエイミーの様子からも、オレがつかんでいる竜絡みの情報は無さそうだ。つまり、提供されたクラウドアースの情報はほぼ同質だ。

 

「シャルルの神殺し、古竜、12のソウル、全てのソウルを解放してはならない」

 

 そもそも、どうしてシャルルは自分のソウルを分割せねばならなかったのだ? 何かに絶望したとあったが、それと分割するのは別だろう。わざわざ自分の友にまで分け与えて封印させた。6つはデーモンという『暴力』の形に変えた。

 ユージーン達にもソウルの解放のリスクは告げてある。だが、それを恐れていては他に先を越されてしまう。だから、今はソウルを集める行為に反対する事もない。だが、早くソウルを集めねば、恐ろしい事が起きる気がする。

 

「真面目な顔をする【渡り鳥】くん、可愛いと思わない!? こう、お馬鹿な子なんだけど、推理小説を読んで犯人を推測して良い線までいくんだけど、結局最終章で犯人を知ってようやくパズルのピースを嵌めちゃう手遅れオーラが最高に可愛いと思わない!? どうなの、ユージーン!?」

 

「それよりも食事にするぞ。喰える時に喰っておくのも対策だ」

 

 そして、この思考妨害である。ナメクジがいつの間にかブロック塀を乗り越えちゃっているみたいに、摺り足で忍び寄っていたエイミーを本能が緊急感知して、オレはカタナを抜刀するか否かの構えを取る。ユージーンは完全にオレを見捨ててやがるな。孤立無援とはこの事か。

 届け、オレのSOS! 助けてくれ、相棒!

 

 

▽   ▽   ▽

 

 

「……クーが危ない。いろんな意味で危ない。そんな直感がする。急がないと!」

 

「そんな事よりも泥沼にはまって溺れているグローリー君を助けるぞ! やれやれ、本当に世話が焼ける男だ!」

 

▽   ▽   ▽

 

 

『おかしいな。クーの叫び声が聞こえた気がする』

 

「幻聴ね。ちゃんと気を引き締めて。情報通りなら、この穴の下にソウルがあるわ。蜘蛛がうじゃうじゃいるみたいだし、しっかりしてよね」

 

 

▽   ▽   ▽

 

 

 食事を始めたオレ達だが、予想以上にユージーン達のメシが貧弱過ぎて、オレは保存していた肉や魚を提供する事になった。最低限の水を確保する瓶などは持ち込んでいたようであるが、サバイバル用のアイテムとしては中の中くらいしか揃えていない彼らでは、大ギルドからの十分な援助無しではシャルルの森のサバイバル生活はそれなりに堪えていたらしく、あのユージーンすらも夢中で串焼きの焼き魚に齧りついていた。

 

「うう、美味しいわぁああああ! 3日ぶりにまともなご飯を食べたわ! 何処ぞのランク1様が火力馬鹿過ぎてオーバーキルするせいで、折角ドロップした肉にもマイナス補正がついて食べれたものじゃないミンチだし、釣り竿は餌ごと肉食魚に持って行かれちゃうし、挙句にランク1様が昨晩のご飯で取って来たのは芋虫とかありえないし、お肉が……お肉が美味しいよぉおおお!」

 

「……果実を擦りつけただけの焼き魚がこれ程に美味いとはな」

 

 泣きながらステーキを頬いっぱいに詰め込んで食すエイミーを見て、オレは本当に現代人ってのは仮想世界のお陰で現実世界に比べれば色々と生温いのに、それでも自然の中で生きる事ができなくなってるんだな、と実感する。

 

「補給部隊はどうした? クラウドアースから援助は無いのか?」

 

「物資補給は回復アイテム、修理の光粉などの最低限だけだ。どちらかと言えば情報がメインで、基本的に相手から接触してくるのでオレ達が自発的に補給する術は無い。元々クラウドアースからは援助がほぼ無いものと思うように通達を受けていた。接触した補給部隊も2人編成で、多量のアイテムを持ち込めている様子は無いからな」

 

 それは意外だ。いや、あるいは当然か。オレが補給部隊を壊滅させたように、クラウドアースと敵対する他の勢力も補給部隊潰しを行う手筈だったかもしれない。そうであるならば、クラウドアースが2人組という少数編成の機動力重視し、索敵から引っ掛からないようにジャングルに忍ばせたのは妥当だ。

 だが、それは何かがおかしい気がする。どちらかと言えば補給部隊は二の次であり、部隊をまるでシャルルの森に配置する為かのような……いや、考え過ぎか。そんな事をして何の意味があるというのだ?

 余計な事に思考を割くな。オレはそんな事よりもユージーンとエイミーが食べようとしていたのが、弾力性のある木の枝(一応食材系アイテムなので腹は最低限でも膨れるらしいが、味はお察しだった)であるのを見て、哀れみを込めて食料を渡したのだが、ここまで喜ばれるとは思ってもいなかった。

 

「メシなんて簡単に食える。そんな当たり前は存在しねーんだよ。何で獣が強いか知ってるか? 飢えるからだ。自然ってのはな、食い物に溢れてるように見えて、実際には飢えとの戦いなんだよ。だから獣は強くなる。喰わないと死んじまうからな。そして、そうして勝ち残った強い奴だけが子孫を残せる……まぁ、じーちゃんの受け売りだから聞き流しとけ。オレも何となく理解した気になってるだけだしな」

 

「いや、貴様の祖父は正しい。今回はオレの怠慢だ。感謝するぞ」

 

「まぁ、それ以前にフレンマが食料とか諸々を持ってたからね。彼が略奪されちゃったから、あたし達は最初から結構ハードだったのよ。もう、【渡り鳥】くんは野性児なのね! そこはイメージ通りって感じで逆に良いわぁ!」

 

 そういう事情もあったのか。だが、そんな事よりも、オレは未だにフレンマ殺害容疑の被疑者なのだが、もはや疑う素振りも見せないエイミーに頭を悩ませる。単純なのか、それとも演技なのか、恥ずかしい事にオレは後者である事を望んでしまっている。だってそうだろう!? 2時間前までは汚物を見るような目で仲間殺しの犯人を睨んでた女が『コレ』なんだぞ!?

 

「それにしても、もう全部見て回ったよな? ソウルのある祭壇は見つからなかったし、やっぱり地下を探すしかねーか」

 

「その件だが、祭壇のある場所が何処なのか、既に見えた」

 

 水没した地下を探すしかないと思っていたオレに、ユージーンは静かに首を横に振る。

 

「この古龍博物館の見取り図、それがどのような形をしていたか貴様らは憶えているか?」

 

「「全然」」

 

「……だろうな。そもそも人目から祭壇を隠すべきものとして、人の出入りが激しい博物館内に隠すとするならば何処が相応しい?」

 

 だから地下だろ。人目に触れないしな。実際に蝕まれた竜狩りが守っていた祭壇は地下にあった。

 

「地下に隠すのは『そこ以外に場所が無い』からだ。巨大な建造物ならば、わざわざ地下に隠すよりも簡単で効果的な方法がある。この博物館は5角形であり、中心部に空白地帯がある。だが、中庭として活用されている様子も無く、中心部を覗ける窓も無い。ここは意図的に作り出された構造の空洞だ」

 

 オレは5つのエリアに区分されている程度と思っていた見取り図に、そこまでの情報が隠されていたのか。頭がキレるヤツは本当に羨ましい。

 

「だったら、何でわざわざ博物館を回ったんだよ」

 

「隔離されているという事は、それだけ危険な試練も待ち構えているという事だろう。その情報が欲しかったのだが、竜以外の情報がまるで無いとはな」

 

 ああ、そう言えばソウルの場所を探すとは一言もユージーンは言ってねーな。コイツ、あの見取り図を見てた段階で大よそ場所に目星をつけてやがったか。

 

「でも、だったらどうやって真ん中に行くのよ? 窓も無ければ入口も無いのに」

 

「出入口があるかもしれんが、それを探すよりも壁を壊す方が早いだろう。建造物自体は破壊不能オブジェクトではあるが、亀裂も多い。通例としてそういう場所は破壊可能のはずだ」

 

「だな。だったら、さっさと探そう。日が暮れるより先にな」

 

 もう時刻は夕暮れが迫っている午後3時半だ。夜間になれば、どんな奇襲があるか分かったものではないし、出来れば夜は1人で過ごしたい。

 誰かといる夜は恐ろしい。独りの方が安心できる。ナナコやウルガンよりもずっとユージーン達は安全なはずなのに、オレはどうしようもなく彼らと過ごす夜が不安だ。

 ……理由は分かっている。きっと、彼らとオレは違うからだ。オレとナナコ達はきっと同類だから、寝ている間に殺されないと漠然と確信できる。だが、オレとユージーン達は……きっと精神的な意味で理解し合うことはできない。できたとしても、それには長い時間が必要になるだろう。

 きっと、昔のオレならば寝たフリをしながら彼らを観察し、騙し騙し休んで、信用出来たら少しだけ眠って、そうして休むことができただろう。だけど、いつの間にかオレはそれすらも出来なくなってしまっている。

 独りになると目覚めたらオレが『オレ』じゃなくなる気がして眠れなくて、誰かが傍にいると殺されるかもしれないから眠れない。どちらも不眠だが、それでも意味は異なる。

 10分とかからずに中心の空洞へ進めそうな亀裂を発見するも、相応に頑丈らしく、試しにオレが≪格闘≫のソードスキルを2発ほど打ち込むが、僅かに亀裂が拡大する程度だった。まぁ、祭壇を守っているとなれば頑丈なのは当たり前か。

 

「やっぱり入口を探すべきか」

 

 腕を組んで悩むユージーンが気にしているのは、時間経過と武器の耐久度減少だ。格闘攻撃で壊し続けるにしても時間がかかるし、だからと言って武器の耐久度を消耗するのも面白くない。ならばエイミーの魔法乱打という手もあるが、スタミナより魔力の回復は時間がかかるので彼女の力はこの先にあるだろう試練の為にも温存したい。

 仕方ないか。オレはアイテムストレージから粘性爆弾を取り出し、亀裂の中に埋め込んでいく。

 

「それはまだ商品化していないはずだが、どうやって手に入れた?」

 

「……色々とな。それよりも、これで火力の増幅はできるだろ。あとはオマエが大火球でもぶん投げれば綺麗な花火が咲くさ」

 

 だからユージーンの前では見せたくなかったのだ。ランク1の彼ならば商品化されていないアイテムも多く提供を受けているだろう。粘性爆弾をオレが頂戴した事が報告されなければ良いのだが。最悪の場合は口止め料の支払いも考えないとな。

 爆発に巻き込まれないように十分に距離を取り、ユージーンは大火球を粘性爆弾が埋め込まれた亀裂へと放る。それは命中と共に大爆発を引き起こし、見事に壁を瓦礫の山へと変えた。それでも崩落が最低限であり、せいぜい大人2人が並んで入れる程度の穴である。

 

「意外と綺麗ね。植物の侵蝕も無いみたいだし」

 

 エイミーの言う通り、空白地帯は予想外に整っていた。分厚いガラスのような透明な屋根で覆われ、雨水が侵入することもなく、また植物の侵入も許されなかったのだろう。

 広さで言えば20メートル四方といったところか。正確に言えばこの中心部も5角形なのだが、細かい事を気にしてもしょうがないだろう。

 確かに整地され、石タイルが敷かれ、祭壇を安置するに相応しい冷たい空気に浸されている。

 だが、逆に言えば、それ程までに無機質だった。あるのは5角形を模るような燭台だ。そのすぐ傍にはドーム状の建造物がある。空間の中心部には3体の騎士の石像と悪魔を模った祭壇が安置されていた。

 

「……おい、そこにいるのは誰だ?」

 

 そして、ドーム状の建造物……格子が付けられた牢獄の中から、ぼそぼそとした疲れ切った声音が聞こえてきた。

 さすが、というべきかは分からないが、先程までのムードが消え去り、エイミーは杖を構えて距離を取り、ユージーンは剣を抜く。片腕のオレはカタナを抜いて周囲を警戒しつつ、耳を澄ませた。

 ドーム状の牢獄に閉じ込められているのは、1人の騎士だ。鉄仮面のような特徴的な兜、やや緑がかかった黒のマントがついた浅黒く軽量型の鎧を着た男である。そして、彼にはオレ達3人とも見覚えがあった。

 

「貴様はクレイトンか?」

 

「へへ、それ以外の誰に見える? まぁ良い。ランク1が来たとなれば、ようやく運が向いてきたってわけだな。頼む、ここから出してくれ」

 

 鉄格子の前に立ち、聖剣騎士団とパートナー契約を結んでる傭兵であるランク28のクレイトンだと本人の口から確認したユージーンは、オレにどう思うと言わんばかりに無言の視線を投げる。

 聖剣騎士団所属となれば敵だが、彼は閉じ込められている。演技でもない場合もあり得るが、まずは話だけでも聞くのが適切だろう。わざわざ祭壇の前で他の奴が来るのを待ち構えていたにしても、牢獄の中というのは些かおかしい。

 

「ここにソウルがあると聞いて来たんだが、この様さ。あの糞野郎、こうなると分かっていて嵌めやがった。ヒヒヒ、ここから出たら待ってろ。必ずツケを支払わせてやる。なぁ、ランク1。取引しよう。俺は見ての通りさ。ここで助けてくれるなら、アンタに礼をする。価値のある情報さ」

 

「情報? そんな物は要らん。オレ達の持つソウルの数は2つ。ここのソウルを得られれば3つだ」

 

「ヒヒヒ、違う違う。ソウルの情報じゃない。今この森で恐ろしい事が起こってるのさ。3大ギルドの思惑の外からやって来た恐ろしいヤツが、この森でたぁああっぷりと血を流させようとしている。俺はソイツの策略を……その、何ていうか、知っちまって、手伝うフリをして潰す機会を伺ってたんだが、ドジを踏んじまったのさ」

 

「……聞く価値はあるとしても信用できると思うか? 貴様の言葉には説得できる物が何もない。オレの判断は1つだ。貴様はそこでデスゲームが終わる日まで閉じ込められているが良い。見たところ、水と食料はあるようだからな」

 

 確かに牢獄の中には水が溜まっており、また苔のようなものがこれでもかと生してあるし、虫も湧いている。あれを食めば、ギリギリ生きていけない事も無いだろうな。死ぬ確率も半々だろうが、寝て食って起きての生活ならば飢餓の発生も限界寸前スレスレで耐えられるかもしれない

 だが、クレイトンには秘策があるのか、弱っている素振りを見せながらも、強気の姿勢を崩さない。

 

「だったら情報を1つ前払いしてやるよ。ソウルの獲得方法だ。あそこに3体の騎士がいるだろう? あの石像だ。連中は謎かけをしてくる。それに正解すればソウルが貰えるってわけだ。だが、間違えればこうなるわけさ」

 

 謎かけか。オレとエイミーは露骨に顔を顰める。どんなクイズか知らないが、オレ達に期待されても困るというものだ。つまり、実質的に戦力はユージーンだけとなる。

 

「退きましょう。残りの人生を牢獄で過ごすなんてまっぴらご免よ!」

 

「ヒヒヒ、安心しろよ。ここには毒草が生えてやがる。飢えに苦しんで狂う前に、栄光ある敗者の自決を選べるわけだ」

 

 安心も糞もねーな。だが、ここでソウルを見逃したら、当ても無いままにジャングルを迷う事になる。今から情報収集するとなれば、折角得たソウル2つを確保するというアドバンテージを捨てるようなものだ。

 

「ソウルを得れば牢獄は開く。だから、俺を助ける為にも正解してくれよ」

 

「……フン。貴様を助けるわけではないが、致し方なし。情報提供の件は守れ。良いな?」

 

「もちろんさ」

 

 クレイトンを信用するわけではないが、彼の口車に乗るとも乗らずとも、ここのソウルを見逃すという選択肢はユージーンに無いのだろう。

 オレ達は祭壇を囲む3体の石像に近づいていく。距離が残り1メートルとなったところで、騎士たちは全員オレたちの方を向いた。3メートルはあるだろう巨体の石像たちは、いずれも錫のような色彩をした、柄の長い……もはや竿状武器だろうウォーハンマーを装備している。形状としてはルッツェルンに近い打撃武器だ。同色の円形の盾も装備しており、灰色の石の姿をしているのが異様に浮いていた。

 見覚えがあるような気がすると思ったら、エントランスの銅像にあった騎士たちと同じだ。なるほど、あの銅像はここのヒントだったのか。

 

『『『悪魔を殺せ。殺せ。殺せ!』』』

 

 声を揃え、騎士たちは高らかに叫ぶ。ユージーンとオレが前衛を、エイミーが後衛を取り、いつでも戦闘できるように陣形を取るが、騎士たちが襲ってくる様子は無い。代わりに燭台全てに火が灯り、密閉されていた空間に明かりが籠る。

 

『悪魔を殺せ。それだけが貴様らの生きる道だ』

 

『まずは誰だ?』

 

『悪魔に挑む者以外は燭台の外へ出よ』

 

 騎士達によるルール説明が始まり、オレ達3人は顔を見合わせる。ここは平等にジャンケンで決めるべきだろう。

 

「エイミー、貴様がいけ」

 

「ハァ!? なんであたしが――」

 

 だが、ユージーンは非情というべきか、冷徹というべきか、エイミーに最初の回答者になる様に命じる。

 

「どのような謎かけだろうと、貴様に答えられるなど微塵も思わんからな。まずは貴様に答えさせてオレが考える時間を稼ぐ」

 

「……生贄になれと?」

 

「安心しろ、間違えても殺されはしない。胸を張って誤答を述べるが良い」

 

 パクパクと金魚のように口の開閉を繰り返したエイミーは、自分を生贄にしたユージーンを睨み、1歩前に出る。それを見届けたオレ達は燭台が作る5角形の外に出た。

 

『あるところに娘が1人いた。娘は母の形見である金の指輪を持っていた』

 

『だが、ある満月の晩に娘は殺されて金の指輪を誰かに奪われた。その遺体は火の山の火口に投げ込まれた』

 

『娘殺しと指輪泥棒の犯人を騎士が調べると、容疑者にあがったのは農民であり、鍛冶屋であり、猟師だった。騎士は3人を法廷に連行すると、以下のように述べた』

 

『農民は言った。娘を殺したのは私だ。だが、金の指輪を奪ったのは鍛冶屋だ』

 

『鍛冶屋は言った。金の指輪を奪ったのは私だ。だが、娘を殺したのは猟師だ』

 

『猟師は言った。娘を殺したのは私だ。金の指輪を奪ったのも私だ』

 

『そして、娘殺しと指輪泥棒は吊るされた。さぁ、300秒以内に悪魔を殺せ』

 

「もう1回お願いします!」

 

 謎かけをした騎士の石像たちに、エイミーはコンマ1秒後にリピートを要望するが、騎士たちは無言である。

 まるで意味が解らん。オレは頭痛がしそうな額を押さえ、クイズの内容を思い出そうとする。

 農民は娘を殺したけど、指輪は奪っていない。それで、奪ったのは鍛冶屋だと言った。

 鍛冶屋は金の指輪を奪ったのは認めたけど、娘を殺したのは猟師だって言った。

 そして猟師は娘を殺したのも指輪を奪ったのも自分だと言った。

 農民を信じるならば、吊るされたのは農民と鍛冶屋だ。だが、鍛冶屋は自分の罪を認めていながら、農民は殺していないと言っている。

 鍛冶屋が嘘を吐いていないならば、死ぬのは鍛冶屋と猟師だ。だが、猟師は鍛冶屋の無実を訴えている。

 猟師が正しいならば、処刑されたのは猟師だけだ。彼は全ての罪が自分にあると認めているのだから。

 駄目だ。オレの頭では答えが出そうにない。そうしている間に、時間切れが迫っているのか、エイミーへと石像たちがにじり寄る。

 

「えと……えと……りょ、猟師!」

 

 オレと同様に答えが見つからなかったのだろう。エイミーはあてずっぽうと言った具合で答える。

 えーと、組み合わせとしては『農民+鍛冶屋』、『鍛冶屋+猟師』、『猟師』の3つ。だから、ここでエイミーが外れてたとしても、オレとユージーンのどちらかが正解する事になる。なんだ、クリアしたも同然じゃねーか。

 

『『『悪魔を殺せない者は牢獄へ』』』

 

「きゃぁあああああああああああああ!」

 

 牢獄の格子が開いたかと思えば、エイミーはまるで落下するかのように吸い込まれて閉じ込められる。クレイトンは開いた瞬間に逃げ出そうとしたようだが、体が硬直して動かなかったようだ。

 

『悪魔を殺した者だけが牢獄を開ける事ができる。さぁ、悪魔を殺せ』

 

 次はオレかユージーンだ。まぁ、どちらが先に答えても同じだろう。

 

「オレが先に行く。鍛冶屋と猟師って答えるから、オマエは農民と鍛冶屋な。そうすりゃ正解だ」

 

「いや、それでは全滅だな」

 

 ユージーンはオレの作戦を否定する。どうやら、彼の見解は違うようだ。

 

「農民と鍛冶屋、鍛冶屋と猟師、そして猟師。この3つだけが選択肢に見えるが、実際は違う。そもそも娘が殺された事を何故騎士が知っている?」

 

「は?」

 

「娘は火口に投げ込まれた。つまり、遺体は火の中に消えたわけだ。なのに、騎士は最初から娘殺しと金の指輪を盗んだ者を探した。そして、農民と鍛冶屋と猟師の3人を法廷に連れて行った。そして、ここで引っ掛けなのは、彼らは証言したのではない。あくまで騎士が『3人はこう言った』と説明した事だ。1人1人がバラバラの証言をしたように見せかけて、実際には騎士の口から全て話された」

 

「なるほどな。つまり、娘を殺したのも、金の指輪を奪った事も、犯人を捜していた騎士以外は知り得ないってわけか」

 

 指摘されてみれば、そう難しくないクイズだな。とはいえ、オレも危うく引っ掛かりかけたので何も言えないが。

 燭台の内側に入ったユージーンは、3体の騎士たちを睨みながら、ゆっくりと口を開く。

 

「騎士だ」

 

 すると、騎士の石像たちは顔を見合わせ合い、頷き合う。

 

『娘を殺したのは騎士だ』

 

『指輪を奪ったのは騎士だ』

 

『だから騎士は吊るされた』

 

 どうやら正解のようだ。オレに振り返ったユージーンが問題ないと頷き、鉄格子をつかんで見守っていたエイミーはガッツポーズする。まぁ、彼女からすれば生きた心地がしない数十秒の牢獄生活だっただろう。

 だが、いつまで経っても騎士たちはそれ以上の反応を示さない。訝しむユージーンだが、実際に正答だと認められたのだ。これ以上のアクションの取りようがない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『『悪魔を殺せない者は牢獄へ』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ユージーンの体がふわりと浮き、牢獄へと放り込まれていく。

 馬鹿な! そんな表情をオレも、ユージーンも、エイミーも顔に貼りつける。クレイトンも鉄仮面の向こうで息を呑んだようだ。

 どういうわけだ? ユージーンは正解したはずだ。騎士達もそれを認めた。なのに、どうしてユージーンは牢獄に閉じ込められたのだ?

 残されたオレは燭台の内側へと入り込み、3体の騎士を睨む。もしや、正答か否かに関わらず、牢獄に入れられるのだろうか?

 訳が分からん。オレは必死に頭を回す。騎士が正答なのだ。これ以上の解答はないではないか! クイズに正解したのだ。

 

「……ん、クイズ?」

 

 ふと、オレは自分の口にした単語に違和感を覚える。

 ああ、そうだ。クイズだ。騎士たちはクイズを出し、エイミーは間違え、そしてユージーンは正解した。この一連の流れに間違いはない。

 だが、1つだけ大きなミスがある。

 

「ああ、そういう事か」

 

 オレが思い出したのは、古龍博物館のエントランス、そこにあった古竜骨格の前にあった3人の騎士と悪魔の銅像。そこに刻まれていた言葉は確か……〈真なる敵は汝の眼である〉だっただろうか。

 泣き叫ぶ悪魔を刺し殺す3人の悪魔の形相をした騎士。アレが何を暗示していたのか、それをオレは理解する。

 

「これはクイズじゃない。『悪魔を300秒以内に殺す』。それだけじゃねーか」

 

 最初からコイツらは何度も言っている。

 殺せ。 

 悪魔を殺せ。

 ただ、そう繰り返し続けているだけだ。一言も『クイズに正解しろ』なんて言っていない。

 

「だから、オレは悪魔を殺す」

 

 オレはスタンロッドを抜き、手前の1番近い騎士へと殴りつける。それは石像を爆ぜさせ……いや、表面を固める石を崩させる。

 1体の騎士が攻撃されたと同時に残りの2体も激しく動き、表面を剥ぎ取っていく。そうして3体の騎士は……いや、悪魔は武器と同じ錫色の本体を露わにする。

 

 

 

 

〈虚ろの衛兵 アレサンドラ〉

 

〈虚ろの衛兵 ルカ〉

 

〈虚ろの衛兵 レギム〉

 

 

 

 出現したのはそれぞれが1本ずつ持つHPバーとそこに頂くネームドの証である彼らの名前。

 銅像において、オレは懇願する悪魔とそれを殺す騎士という構図だと思い込んだ。だが、それを諌めるように、銅像には文句が書かれていた。

 つまり、そういう事。悪魔のような形相をした騎士たちこそが本当の悪魔である、というような説教染みた作品であり、あの騎士たちと同じ姿をしか石像たちもまた悪魔である。

 

「300秒以内にネームド3体を1人で撃破しろってか? 無茶苦茶言いやがって」

 

 しかもこちらは隻腕だぞ、糞ったれが。

 だが、こちらとしては嬉しい限りだ。頭脳労働よりも殺し合いの方が得意分野であるし、勝機もある。

 

「悪魔狩りねぇ。エクソシストでも気取ってやろうか、糞共が」




筆者にとってダクソ2をして初めて味わった数の暴力……それが虚ろの衛兵でした。
あれは悪魔です。落下ダメージが増加された事も加わり、本当に苦戦しました。

それでは、137話でまた会いましょう。

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