SAO~デスゲーム/リスタート~   作:マグロ鉱脈

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前回は色々と大失敗したので、今回は3度見しました。
絶対に大丈夫です。筆者、嘘つかない!


Episode15-23 獣の王冠

 因果は回り、いずれ報いが訪れる。

 不思議な事に、良き行いは必ずしも良き因果をもたらすわけではなく、悪しき行いは悪しき因果を結びつけるわけではない。

 人殺しの悪党は罰せられる運命にあるわけでもなく、救い続けた善人が報われると定められている事もない。

 だから、オレは溜め息を吐く。キャッティの顔を≪変装≫で再現したザクロに、特に何かを感じることもなく、面倒だという感情以外に湧き上らない。

 

「オレが憎いか?」

 

 キャッティを殺したのはクラディールだ。いや、違うか。クラディールの中身にいた『別の誰か』だ。

 今までの知識から、クラディールがアインクラッドを生き、復活した死者である事は推測できている。特に狂った状態の彼はアインクラッドに自分がいたような発言を繰り返していた。

 この事から、狂ったクラディールはアインクラッドを生きたオリジナル、そしてオレが知るクラディールは復活した経緯で善人なった存在と考えられる。それが、何かが原因で破綻し、2つが混じり合い、キャッティを殺害するに至った。

 二重人格という表現が1番適切であるだろうし、必ずしもそういう訳ではない。何にしても、キャッティを殺害したのはクラディールだ。だからこそ、彼は善なる意思に殉じて死を選んだ。

 

「真実なんて幾ら語っても無駄だ。オマエは殺しに来た。だからオレは殺す。シンプルな理屈さ」

 

 だから、オレはザクロの言い分を聞かずに突撃する。≪変装≫状態では戦闘できない。ならば、むしろ今は好機だ。

 だが、ザクロは脇目も振らずに反転するとオレに背中を向けて遁走する。高いDEXを活かして距離を取る事が狙いか?

 DEXの出力を引き上げる。自身のアバターがまるでガソリンを多量に燃焼させてギアの回転数を上げていくかのような感覚が駆け巡り、オレはザクロのスピードに喰らいついていく。

 水飛沫を上げ、ザクロは壁を蹴って上り、円柱が乱立する、かつての神殿跡へ潜り込む。天井もなく、ただ空に輝く太陽の光だけが爽やかに殺し合いの場を照らす。だが、青空の半分は暗雲に包まれている。スコールが来るのは時間の問題かもしれない。

 ザクロのスタミナ残量は決して多くないはずだ。≪投擲≫のソードスキルはスタミナ消費量が小さいとはいえ、ヤツは派手に動いている。そうなると、既に危険域に片足を突っ込んでいるかもしれない。

 もう少し丁寧に囲んでいくか? スタミナ切れにした後に、手足を奪って、どんな理由でオレを殺しに来たか聞き出してから、その頭を踏み潰すのも面白そうだ。

 

「……馬鹿か、オレは」

 

 頭を冷やそう。ザクロの背中に羽鉄のナイフを投げながら、そんなまどろっこしい真似はせずに、いつも通り淡々と斬り殺せば良いだろう、と本能を諌める。

 呑まれてきてるか? さすがに、オレは不安を感じ始める。本能に振り回され始めている。それは望むところではない。

 そもそもザクロの策にわざわざ嵌るメリットなど無い。ユージーン達から引き離した時点で、彼らの安全は確保できたし、レギオンと挟み撃ちされる危険性も無くなった。このまま暗躍されるのは面白くないが、どうせ悪名のお陰で名声なんぞ元から欠片も無いオレには悪影響など数える程しかない。

 

「退くか」

 

 ザクロは太陽の狩猟団と契約している傭兵だ。しかもランク10である。彼女を始末すれば、クラウドアースの評価もまずまずといったところか。お遊びは捨てて、事務的に殺害し、迅速に撤退する。これがベストで無くともベターだな。

 羽鉄のナイフを躱し、瓦礫に身を隠したザクロは放物線を描きながら黒い火炎壺を投げる。その爆炎がオレの眼前で溢れ、視界を潰し、その間に彼女は炎の中から更に炎を吹き出す。呪術【薙ぎ払う炎】か。近距離から中距離までカバーできる呪術だが、炎の噴出が使用者にも負担をかけるのでコントロールが難しく、正確に操るには相応のSTRが要求される。

 炎を目暗ましにして、更に炎で追撃か。薙ぎ払う炎は呪術の火から放出され続ける多段ヒットが恐ろしい呪術だ。オレはまだ残る爆炎の中へと敢えて身を投じ、ダメージを浴びながら薙ぎ払う炎が教えてくれるザクロの居場所へと、彼女の体格から喉の位置を想定して、左手を突き出す。

 

「捕まえた」

 

 炎を超えてくるとは予想外だったのか、オレは抵抗が1歩遅れた彼女の喉をつかみ、そのまま地面に叩き付ける。そして、そのまま右手にライアーナイフを抜くと、その心臓へと突き立てた。

 痙攣し、ザクロが呻き声を漏らす。呪術の火を使用したという事は、≪変装≫を解除したと言う事だろう。オレは死に顔を拝むべく、彼女の顔を睨みつけ、そして驚いた。

 そこにいたのは、他でもない、ランク39のグリーンヘッドだったからだ。鎧も、装備も、呪術の火も、全てグリーンヘッドが装備しているが、そこには女の顔など無い。

 もしや、グリーンヘッドは女声の野郎だったのだろうか? オレはそんなどうでも良い感想を抱きながら、実際には彼の口を埋める、枯れ木のような色をした虫……人間の口を持つ寄生虫を睨む。

 

「なるほどな。≪消音≫は使わなかったんじゃない。使えなかったのか」

 

「そういう事よ」

 

 寄生虫の口は吐き気がするほどに人間的に動き、ザクロの声を漏らす。やれやれ、闇術もそうだが、DBOにはまだまだ未知のスキルで溢れているようだ。あるいは糞ミュウが独占しているスキル情報の1つか? どちらにしても、こんなタイプは知らねーぞ。

 恐らくレギオンと挟み撃ちをかける所までは本人であり、ジャングルに逃げ込んだタイミングでグリーンヘッドと入れ替わったか? 何処かは知らねーが、ザクロはグリーンヘッドを操ってオレと殺し合いを演じていたわけだ。

 

「さすがは忍者様だ。復讐するにしても、自分は安全地帯から罠に嵌める。それが狙いか」

 

 そう言いながら、オレはグリーンヘッドの心臓へとライアーナイフを更に捻じ込んでHPを奪う。急所への特効ダメージのお陰か、グリーンヘッドのHPは劇的に削れていく。というか、コイツは魔法使い型だからVITは少ないはず。そうなると、寄生虫と肉体を共有する事でHPを増しているのか?

 

「死ね、【渡り鳥】。お前は生きている事自体が罪だ」

 

 これ以上は聞くに堪えない。オレはグリーンヘッドの口から飛び出している寄生虫をつかんで引っ張り出す。ブチブチと千切れる音がし、数十センチの節足の虫が彼の口内から下半身を失いながら露わになり、そのまま踏み潰す。

 

「ぐげぇえええええ」

 

 咳き込み、寄生虫の残骸を嘔吐するグリーンヘッドに、オレは冷淡な視線を向ける。彼はすぐにオレの殺意の眼差しに気づいたのか、右手を掲げて首を横に振る。

 

「ま、待ってくれ! 俺は操られただけ……操られてただけなんだ! アンタと敵対する気なんて――」

 

 全てを言い切るより先にオレはグリーンヘッドの脳天にカタナを振り下ろし、その肉体を縦に両断する。

 

「知るか」

 

 寄生虫関連はDBOでもそれなりに知識が蓄積されているはずだし、関連したスキルも情報を集めようと能動的になれば手がかかりくらいは見つかるかもしれない。

 グリーンヘッドみたいな雑魚がどうしてユニークスキル争奪戦に参加したのか疑問に思っていたが、最初からザクロと組んでいたと見るべきだな。コイツは魔法使い型だから呪術は使えるし、スキルで≪変装≫を持っていたのかもしれない。影武者には十分か。

 

「プレイヤー1人をずっと操るスキルなんてバランスブレイカーがあるわけねーだろ。少しは考えろ」

 

 せいぜい一時的に支配権を奪う程度だろうな。だとするならば、本格的に操られていたのはオレとの戦闘中だけであり、それ以外の逃走中はコイツ自身の意思で攻撃してきていたとみるべきだろう。通りでジャングル内で無駄撃ちが多かったわけだ。

 武器自体は武器スキルが無くても装備できる。ならば、カタナを使えても、戦闘で≪カタナ≫のソードスキルを使ってこなかったのも納得か。それにザクロは格闘攻撃にも定評がある。やはり≪格闘≫のソードスキル無しだったのも、グリーンヘッドが中身だったからだろう。

 オレはグリーンヘッドの遺体を漁ると、本物のザクロが奪っただろう封じられたソウル、そしてオレへの手紙を発見する。

 

 

 

『親愛なる【渡り鳥】様へ

 

 この度はわざわざ罠に嵌ってくれてありがとうございます。

 あなたの為に最高のおもてなしを準備しました。

 どうか、ごゆっくりとお寛ぎください。

 

 あなたを憎むザクロより』

 

 

 こういうユーモアは嫌いじゃねーな。正面と背後、その両方から感じた殺意に対し、オレは苦笑する。

 

「情報通りだな」

 

「ああ」

 

 正面の半壊した壁から出現したのは、全身を重厚な鎧で纏った、両手それぞれに身を覆い隠すほどの大盾を装備したプレイヤー……ランク34のタイフーンだ。右手に装備しているのは【オーマの大盾】、左手に装備しているのは【レーヴの大盾】。2つの大盾は2つを組み合わせて1つになるように作られており、装備枠を2つ潰して装備すれば盾でありながら高い攻撃力ボーナスが得られる。

 背後の石柱の影から出現したのは、全身を黒ずんだ密着性の高い鎧を纏った、顔面を包帯で覆うガロだ。ランク33ではあるが、3次元戦闘の高さはなかなかの物であり、半壊した石柱や神殿の瓦礫が多いこの場所は彼の3次元戦闘をするには適している。装備しているのは【黒銀の槍】だ。高い魔法属性攻撃力を持ち、アンデッド系に高いダメージを与えられるのだが……まぁ、それはここでは役にも立たんか。

 

「パターン4で行くぞ。所詮はランク41だ。さっさと終わらせて『臨時収入』を貰うとするか。手傷を負うなよ? 修理費が嵩んじまう」

 

「それはこちらの台詞だ」

 

 包帯で覆われているせいか、それとも元々の性格か、ガロの方はやや口数が少ない印象を受ける。

 最初からこの場所に潜んでいたのか、それとも到着したばかりなのか。どちらにしても、傭兵2人がかりの挟み撃ちとは、なかなかに面白い。オレはカタナを右手に、ライアーナイフを左手に、2人を迎え撃つ。

 先に動いたのはガロだ。彼は痩身を翻し、石柱を蹴るとオレの頭上を取って投げナイフを放つ。それらは紫色の刀身をしている【毒投げナイフ】だ。暗器ではないが、最初から微量のレベル1の毒の蓄積能力を備えており、簡易的なデバフ攻撃に適した攻撃系アイテムである。

 対してタイフーンは正面切った突進だ。元より重装の彼は機動戦など期待できないパワーファイターである。大盾という広範囲面積でオレを殴りつけてくるも、そのスピードは鈍い。

 

「ぬん! ぬん! ぬふぅうううううううん!」

 

「どういう掛け声だよ」

 

 タイフーンの気合が籠り過ぎの発声と共に繰り出される大盾連撃を躱しながら、オレは頭上から降り注ぐ毒投げナイフをカタナで弾き、落ちた1本を踵で蹴り上げると、そのままタイフーンへと蹴飛ばす。

 だが、大してスピードも乗っておらず、貫通性能も低い毒投げナイフはタイフーンの鎧に命中してもダメージすら与えない。

 やはり硬いな。上空から更に火炎壺まで落ちてきて、オレとタイフーンを爆発が舐める。1歩早く直撃範囲から逃れたオレだが、タイフーンはまともに爆風を浴びた。だが、彼のHPは不動である。あの鎧の火炎属性はかなり高いのか?

 いや、違う。タイフーンは左右の大盾をがっちいと組み合わせ、まるで亀が甲羅に籠る様に防御態勢を取っていたのだ。盾二刀流とはどうやらネタではなく、攻撃と防御の実用性を持つスタイルのようだな。

 地上に降り立ったガロは黒銀の槍の間合いギリギリで突き、オレの攻撃範囲に入ろうとしない。タイフーンは足の遅さこそあるが、ガロが入り込めないオレの間合いへと躊躇なく突入して殴り掛かる。

 と、そこでタイフーンがその全身を回転させ、大盾を突き出しながら竜巻のようにオレに迫る。重量があるからこそ遠心力が生まれ、破壊力が増す。あの1発でも当たれば、オレのHPは何処まで吹き飛ぶのやら。

 タイフーンに集中すれば、石柱を蹴って背後を取るガロの毒投げナイフが迫る。内の1本が左肩に突き刺さるも、毒耐性は十分だ。この程度でレベル1の毒にはならない。それを見たガロは、今度は雷壺を投げてくる。爆炎ではなく雷撃をばら撒く雷壺は黒い火炎壺と同等のお値段で使える雷属性版火炎壺だ。

 投じられた雷壺を、オレは逆手に構えたカタナの刀身で滑らせるように、爆発させないように羽毛で優しく包み込むように受け止め、そのままタイフーンの顔面へと刀身を跳ねさせて投げる。直撃して雷撃が兜越しに頭部を焼き、タイフーンが怯んだ瞬間に大盾の隙間……つまりその正中線へと肘打を放ち、サポートの為に槍で飛びかかったガロへとライアーナイフを起動させて刀身を伸ばし、その喉を貫く。

 

「雑魚が。2人がかかりならば、勝てるとでも思っていたか?」

 

 ライアーナイフを引き抜き、喉から赤黒い光を漏らしながらHPを3割半も一撃で奪われたガロがよろめくのを、オレは淡々と唾棄する。

 

「う、噂と全然違うぞ、ガロ! コイツはマジモンのバケモノだ!」

 

「落ち着け。『そういう場合』も想定していただろう。パターン6だ」

 

 狼狽えるタイフーンを諌め、ガロは槍の連撃でオレを背後から突き、タイフーンは大盾のソードスキルを発動させる。≪盾≫の単発ソードスキル【タイタン・ウォール】か。青い光を纏った盾の突き攻撃を頭を下げて回避し、脊椎を貫こうとした槍を身を反転して躱し、ライアーナイフを滑らせて軌道を変換させ、修正に時間をかけさせたところに1歩踏み込んでガロの胸に浅くだがカタナの刃を届かせる。

 ソードスキルの硬直から復帰したタイフーンが2つの大盾でオレをプレスしようとするが、オレはガロの槍の連撃の方へと進んでこれから逃れる。カタナを咥えて右手を開けるとガロの槍をつかんで強引に動きを止めたところを、彼が槍を手放すより先にライアーナイフで再度喉を裂く。咥えたカタナを離して手に取るとそのまま右足の甲を貫いて拘束し、肩をつかんでふわりと背後に回るとフリーになった右手を彼の喉の傷口に突っ込んでぐちゃぐちゃと強引に広げ、更に心臓へとライアーナイフを突き立て、抉り、捩じる。

 悲鳴はうるさいだけだ。アバターの『声帯』と呼ばれる場所は繰り返した『お喋り』で把握している。喉の何処を破損させれば、声が出なくなるのかは熟知している。オレは目を血走らせて1秒未満ではあるが暴れた後に、ガロの体から力が抜けて動かなくなるのを認識する。

 

「が、ガロ……?」

 

 退屈だ。欠伸を噛み殺しながら、オレはもう2度と動かないガロの体を放り捨てる。数度跳ねた彼の体は瓦礫にぶつかり止まると、だらしなく四肢を放り出している。

 

「何だよ……何だよ、今の動き。に、人間じゃない……人間じゃない!」

 

「ああ、そうだ。ここにいるのは『バケモノ』だ。オマエ自身が言ってたじゃねーか。鶏かよ」

 

 ちょっとDEX出力を高め過ぎたな。ザクロを追ってた気分のままだったからか、7割ほどを維持したままだ。高出力状態の維持は意外と脳に負担をかける。まったく、VR適性が低いと何でも人一倍にストレスがかかるな。

 大盾を放り出し、タイフーンは逃走する。おいおい、そこは仲間の敵討ちに躍起になって覚醒する場面だろうが。そんなんじゃ主人公になれねーぞ。

 オレは羽鉄のナイフをタイフーンの右足の膝裏に集中させる。甲冑はその構造上必ず関節部の防御が薄くなるのはお察しだ。多くの甲冑装備のプレイヤー……特に上位陣はこの関節部の強化こそに多額のコルを注いでいるのだが、コイツは鎧の分厚さばかりに金をかけているのは目に見えて分かった。

 4本ほどの羽鉄のナイフが膝を裏から貫き、アバターは運動を阻害されて派手に転倒する。ダメージフィードバッグの不快感で膝をやられた事は分かっているだろうが、タイフーンは信じられないといった表情をしている。

 

「別に難しい真似はしてねーぞ? どんだけレベル低い連中とばっかり戦ってきたんだよ」

 

 まぁ、≪投擲≫無しでここまで投げナイフを運用しているのはオレくらいかもしれねーけどな。でも、やっぱりロックオン機能は邪魔だ。SAOでも≪投擲≫を取ったは良いが、システムアシストが逆に邪魔になって機能をオフにしてスキルを腐らせたからな。

 

「しかし、槍か。うん、面白いな。次は≪槍≫を取るとするか。なんかグリムロックが良い構想持ってるって話だしさ」

 

 世間話でもする気分でタイフーンの背中を踏みつけたオレは、STR任せに暴れる前に彼の兜の頭をつかんで強引に引き上げて喉を露わにすると、ライアーナイフで深く斬り裂く。赤黒い光が多量に零れ、タイフーンが暴れ回って拳を振るうも、右足が動かない彼は立ち上がれない。

 

「いやいや、それくらいは立てよ。千切れたわけじゃねーんだからさ」

 

 バランス取れば立ち上がるくらい簡単だろうに。やっぱり、ランク34ではこの程度が限界か。オレはガロの遺体を漁り、残りの雷壺を頂戴すると、それを瓦礫に腰かけながら這って逃げるタイフーンに投げつける。

 次々と着弾する雷壺によってタイフーンのHPは削れていく。さすがに雷属性防御力は低かったか。タイフーンのHPは削れていくも、彼は燐光紅草を取り出しては食べる事でHPの減少を防いでいる。

 嬲り殺しにしようと思ったが、高VIT野郎はパーセント回復アイテムと相性が良くて困る。仕方なく、オレはカタナを再装備するとタイフーンが這って逃げる方向に先回りして、にっこりと笑った。彼もまたつられて、引き攣りながらも笑顔を向けてくれる。

 

「は、はは……ははは……」

 

 切っ先を地面に滑らせた斬り上げがタイフーンの頭部を斬り裂き、そのまま返しながら逆手に持ち替えて頸椎へと突き刺し、脊椎に沿って魚を捌くように斬る。それが致命傷となってタイフーンは動かくなった。

 笑って死ねたんだ。傭兵としては本望だったんだろうなぁ。良い事をした後は気分が良い。オレはカタナの反りで肩を叩きながら、この戦いの『鑑賞者』たちへと睨みを利かせる。

 

「で、バケモノ退治に勤しむ2人を『餌』にして、オマエらはどういう気分だ?」

 

 こちらが気づいてないと思ったか? オレは≪気配遮断≫を使って隠れ潜んでいただろう、新たな敵対者のいる方向を正確に睨みつける。

 

「どうやらヤバい方の噂が本当だったみたいだな、親父」

 

「ああ。信じられないが、ヤツは本能と呼ぶ以外に判断できない要素を持ち得ていると考えるべきだろう。だが、『戦場』ではたまにああいう奴がいる。珍しいことじゃないさ」

 

 これは驚いた。半壊した壁の向こう側から現れたのは、独立傭兵で知られるフィッシャーファミリーだ。だが、いつもの3人親子ではなく、父親でランク15のデイヴ・フィッシャーとランク21で息子のマーカス・フィッシャーだけだ。この2人まで争奪戦に参加していたとはな。

 

「我ら親子の戦い、その要諦は守り。いいか、焦りも恐れも無用だ」

 

「了解だ、親父。いつもどおり、やってみせるさ」

 

 相変わらずの重装備だな、フィッシャー父子め。だが、オレはガロやタイフーンとは違い、本能が急速に警戒レベルを引き上げていくのを感じる。連中は『本物』だ。お菓子を食べる感覚で挑んだら、こちらが死ぬ。

 ならば『狩り』を始めるとしよう。オレは大口を開けて笑う。ああ、すっかり空腹なんだ。飢えて、渇いて、飢えて飢えて、渇いて渇いて、本当に死にそうだったんだ。

 

「肉は喋るな。さっさとステーキになりやがれ」

 

 ああ、でも刺身も喰いたいな。コイツらのエンブレムはイカとタコの海の幸だし、やっぱり刺身だな。踊り食いはした事が無いが、そちらにも興味がある。

 フィッシャー父子はどちらも大盾を装備している。左手で盾を構え、デイヴは槍を、マーカスは両手剣を使う堅実なバトルスタイルは評価も高い。特にデイヴの方はベテランの風格を持ち、独立傭兵でも信用をかなり集めている。対するマーカスはいわゆる天才肌という奴で急成長中だ。将来は父を超えて1桁ランカー入り確実視をされている。

 全身甲冑装備なのはタイフーンと同じだが、コイツらの場合は関節部をゴムのような素材に変更して隠密性と軽量性、間接部防御力を高めている。デイヴの方はフルフェイス型の兜をつけているが、マーカスの方はヘルメット型のお陰でイケメンフェイスを露わにしている。視野の確保が狙いか、それともイケメンだからか? どちらにしても、この高温高湿のジャングルで甲冑装備とかどんな罰ゲーム気分なんだろうな。

 デイヴとマーカスは大盾を構えながら距離を取ってオレを中心に右回りになり、少しずつ距離を詰めてくる。オレは包囲網を脱するべく、2人の間を抜けようとするが、それを見越して彼らは大盾ごとタックルで押し潰そうとし、あとコンマ数秒遅ければ押し潰されていただろう、と背筋にぞくぞくと冷たさが駆け巡る。

 タックルから復帰しきれていない、がら空きのマーカスの背中へとオレはカタナで斬りつけようとするが、一足先に立て直した……いや、そもそも体勢自体をタックルで揺るがしていないデイヴが大盾でオレの斬撃を防ぐ。

 

「何をやっている? 自分の攻撃で隙を晒すなど、半人前だぞ」

 

「すまない、親父」

 

「コイツは確かに強い。だが、言った通り焦るな。カバーはする。確実に追い詰め、仕留めるぞ!」

 

 大盾で自身をがっちり守りながら、デイヴは無数の返しがついた禍々しい槍をオレに向かって突き出す。それが右耳を掠める紙一重で避け、本能のままに更に身を後ろに反らす。突き出された槍は横殴りに振るわれ、危うくモーニングスターのような槍の穂先に頭を串刺しにされるところだった。

 強い。マーカスは付け入る隙も多いが、デイヴにはそれが無い。動きも良く、ランク15なのは協働で戦果が分散されているせいとみるべきだろう。実際の強さは1桁級かもしれないな。

 それにあの槍はまずい。何か嫌な予感がする。オレはライアーナイフを収め、スタンロッドに切り替える。打撃属性ならば鎧相手でもダメージが期待できるだろうが、軽量武器のコイツでは何処まで通じるやら。

 間接部の強化のお陰か、2人とも重装の割に動きが思っていたよりも速い。それに高DEX型との戦い方も心得ているようで、互いに背中を守り合っている。オレが斬撃を浴びせても、必ず盾で防ぎ、ダメージが通らず、逆にカウンター狙いで攻撃を当てようとする。鎧となればスタン耐性が高い。スタン蓄積能力が低いカタナでは、1発クリーンヒットさせた程度ではスタン状態にもならないし、命中を覚悟すれば怯みにも対応できる。

 本物のコンビだ。先程の雑魚2人とは違う。コンビネーションというものを徹底的に磨いている。オレは瓦礫と石柱を蹴り、3次元機動を取って回り込もうとするが、デイヴは即座に反転して盾を構え、やや遅れたマーカスが黒い火炎壺をオレに投擲する。躱そうとするが、それを見越して2つ目をディレイをかけて投げていたらしく、オレは両腕をクロスさせながら背後に跳ぶ。

 直撃こそしなかったが、爆風を受けてオレのHPが1割ほど削れる。まだまだ8割強ほどあるし、回復のタイミングを見失わなければ問題ないが、このまま長期戦に持ち込まれるのはどうにも不味いな。コイツらの狙いは削り取る事だ。元より短期決戦など視野に無いのかもしれない

 と、そこでオレは背後から心臓をナイフで刺されるような、血潮が噴き出すような感覚に襲われ、瞬時にスタンロッドを上空に放り投げ、身を反転させながら手を伸ばす。

 危うくオレの心臓を背後から貫こうとしていたのは、雄々しい大矢だ。

 

 距離があり過ぎてぼやけているが、石柱の1つの上で誰かが大弓を構えているだろう事は分かる。

 デイヴとマーカスの本当の狙いは、自分達に意識を集中させたところに≪狙撃≫による一撃必殺だったか。悪くない殺し方だが、それは経験済みだ。ツバメちゃんには感謝しないとな。本能はその殺し方をしっかり憶えてくれていたようだ。オレは大矢をデイヴたちに投げつけ、落ちてきたスタンロッドをつかむ。

 

「危ねーな。≪狙撃≫かよ。2人がかりと見せかけて、3人目とはな」

 

「≪狙撃≫をつかみ取った!?」

 

 さすがにマーカスは動揺を隠せないようだが、むしろデイヴの方はヤスリで磨くように、殺意をより鋭くしていくのを肌で分かる。

 

「……ドミナント。やはり本物か。20年ぶりだな、このクラスに出会うのは。いや、あの時の奴ほどではないが、まだまだ成長途中か。マーカス、覚悟を決めろ。依頼は関係ない。まだコイツは育ち切っていない雛鳥のようなものであるはずなのに、この強さは危険だ。ココで仕留めるぞ!」

 

 どうやら俄然殺る気になったようだな。こちらとしては本気の殺し合いは大歓迎なのだが、どうにもコイツの発言に引っ掛かるものがある。

 

「そのドミナントって何だよ? 昔も言われた気がするんだが、あんまり意味を覚えてねーんだ」

 

「先天的戦闘適性の高い人間を指し示す名称だ。貴様のような怪物とはたまに戦場で出会う」

 

「もしかして本職さんか? リアルでも傭兵業?」

 

「家族でな。伝統って奴だ」

 

「そんな奴らがどうしてDBOに……いや、お喋りはどうでも良いか。家族全員でログインしたなら、息子死亡で血統断絶の廃業決定おめでとう。ここで死ね」

 

 こんな話をしている間にも、3人目の狙撃主は次々と大矢を放ってくる。どうやら【破壊の大矢】を使用しているらしく、威力も貫通性能も十分。しかも、武器で防げば耐久度の減少効果までオマケ付きだ。高い大矢をばら撒くとか、どんなパトロンが付いているのやら。

 大弓使いとなると、傭兵ではヘビーライトだろうか? シノンはさすがに大弓を使わねーだろうし、もう少し丁寧に殺気を隠すだろう。あのダダ漏れっぷりからして、ヘビーライトで間違いないな。

 

「殺気が……『臭う』んだよ!」

 

 大矢を身を翻して躱し、半壊した壁を盾にして逃れるも、回り込んだマーカスが右手の両手剣を進行方向に振り下ろしていた。それを躱すも、今度は大盾で殴り掛かり、更に右膝蹴りで接近を許さない。その内に壁を破壊したマーカスがヘビーライトの狙撃ルートを手配し、邪魔な大矢が再びオレに殺到するも、しっかり狙いをつけられていないのか、命中率が悪い。というか、むしろしっかり狙われていないお陰で躱しにくいという不具合だ。

 重装の甲冑でありながら、瓦礫を蹴って宙を舞ったデイヴの槍が光る。≪槍≫の連撃系ソードスキル【バイソン・ベイ】だ。空中で使えるこのソードスキルの売りは、7連撃という数の多さをあり得ない短時間で放てる高速攻撃にある。その分1発の火力ブーストは低めだ。

 迫るソードスキルを躱し切れず、オレはライアーナイフで受け止めて何とか肩を抉るはずだった1発を逸らす。だが、同時に幾らソードスキルとはいえ、ライアーナイフに亀裂が勢いよく広まって舌打ちした。

 

「……何処かで見たことがあると思えば、【削り取る槍】か」

 

 話では聞いていた。聖剣騎士団がついにソウル系アイテムを加工する【ソウルの火種】を獲得した、と。その成果の1つが、ファランクスというボスを撃破して入手した【ファランクスのソウル】を加工して作った削り取る槍……ユニークウェポンだ。確か隔週サインズでも写真が載っていたはずである。

 その効果は耐久度の減少増幅。アレとカタナで打ち合えば、数回の剣戟でポッキリと折れてしまうだろう。

 

「依頼主は聖剣騎士団か」

 

 だが、幾らユニークスキル争奪戦とはいえ、文字通り替えが無いユニークウェポンまで傭兵に貸し与えるものだろうか? 疑念が膨らむ前に、オレはライアーナイフをどう使い潰すか思考を巡らせる。耐久度が高めのライアーナイフがソードスキルのブーストを受けていたとはいえ、1発で亀裂入りだ。ここまで破損したならば継続使用は諦めた方が良い。……またグリムロックを泣かせる羽目になるな。いや、チェーンブレードを折った時点で分かってはいたけどさ。

 大矢が足下に突き刺さる。本当に下手糞だな。これが狙ってならば称賛してやるが、逆に下手過ぎて移動ルートを阻害されるってどういう事だよ。

 羽鉄のナイフの残数も底が見えてきた。残りは攻撃に使えそうなのは粘性爆薬と雷壺がそれぞれ数個くらいか。こんな事ならば、ガロの遺体からもう少し失敬しておくべきだったな。

 

「戦い慣れている。どうやったら、これ程までに……!」

 

 唸りながらマーカスが大盾に身を隠しながら両手剣で突いてくる。意匠がシンプルな灰色の両手剣は【灰払いの大剣】か。なかなかのレア度があり、炎属性を秘めた攻撃力は侮れない中量型両手剣だ。

 どちらもSTRは高めで、DEXはやや低め。防御重視の堅実スタイル。動きは大よそ見えた。

 殺し方は見えたな。首を鳴らそうと傾けるも、アバターは音すら鳴ってくれない。茅場の後継者には、こういう細かい所をアップデートしてもらえると個人的に助かるんだがな。どうにも気持ち悪い。

 オレは大矢が放たれて肩を掠めて壁に突き刺さるのを見届けた上で、雷壺をマーカス達に投げる。雷光が迸って目暗ましになった瞬間に瓦礫の陰に飛び込み、半ばに亀裂が入った石柱へと粘性爆薬を押し込む。

 

「糞が……また消費が嵩む!」

 

 少し避け損なったか。掠めたと思っていた右肩はやや抉れ、出血状態だ。スリップダメージは無いが、自動回復するまではスタミナ回復量が減る。ここは大人しく止血包帯を使っておくべきだ。一時的でもスタミナ回復が阻害されるのはよろしくない。

 と、そこに頭上から黒い火炎壺が数個落ちてきて、オレは身を転がして爆風範囲から逃れる。あの親子め、オレの居場所が見えて無い癖に正確に投擲してきやがったな。

 逃げた場所に先回りしたデイヴが削り取る槍を振り下ろす。戦槌のように頭を潰そうとするそれに、オレはスタンロッドでガードするも、受け止めた瞬間から亀裂が広がり始めていく。なんだよ、このチート武器は!? 調整入れろ、調整! GMコールしまくるぞ、後継者め!

 デイヴの盾を蹴って押し返し、オレは膝を付きながら立ち上がろうとするが、咄嗟に動きを停止させる。あと数センチ頭を上げていた場所を、壁越しで横薙ぎを放ったマーカスの両手剣が通り過ぎる。馬鹿力め。いくらSTRが高めで、脆くなった壁でも、それごとぶった斬るか?

 ……色々なプレイヤーを思い出したが、オレを含めていつも通りだったな。壁斬りくらい普通だ。

 

「まだまだぁあああ!」

 

 マーカスが切断した壁を越えて、大盾で突く。それに対してライアーナイフを掲げて防ぐも、大盾の重量に耐えきれずに半ばから折れる。それを好機とみて、マーカスは大盾を捨てて機動力を引き上げて、両手持ちした灰払いの大剣でオレの胸を裂き、続いて蹴りで腹を打つ。

 衝撃に耐えず、オレは石柱に叩き付けられ、自身のHP残量が4割ほどである事を確認する。少し良いのを貰い過ぎたな。いや、もう少し深く『斬らせた』方が良かっただろうか?

 

「出過ぎだ、マーカス! 下がれ!」

 

 息子の突出をデイヴは諌めるも、マーカスの動きを止めるには1歩遅かった。

 オレの心臓を狙った渾身の突き。そうだろうな。ここまで上手く『追い詰められた鼠』を演じてやったんだ。それを狙ってもらわねば困る。

 サイドステップを踏み、オレは折れたライアーナイフを伸ばし、体を宙に押し上げる。マーカスの剣は石柱……オレの心臓があった座標からの延長線上……粘性爆薬を仕込んだ石柱の亀裂に潜り込む。

 炎属性を感知し、粘性爆薬が炸裂する。それは武器を破壊するほどでも、マーカスのHPを奪う程にも至らない。だが、大質量をもった石柱を倒壊させるには十分だった。折れた石柱を避けきれず、マーカスが下敷きになる。

 HPは奪い尽せなかったのだろう。マーカスはガッツを見せて、瓦礫の中から這い出し、両手剣を構えるも、盾の無いコイツなど倒すのは簡単だ。デイヴは間に入って防ごうとするも、オレはDEXを高出力化させ、デイヴの槍の突き出しに合わせて跳び、逆に足場にして宙を舞う。そして、父親の背後に隠された息子の頭をつかみ、STR出力を全開にして捩じる。

 180度曲がり、マーカスの残り僅かになっていたHPがゼロになった。ふらふらと、父親に助けを求めるように手を伸ばした、首が捻じれたマーカスの手がデイヴの背中に触れる。

 

「……マーカス、あれ程に焦るなと言っただろうに」

 

 無念そうにデイヴは息子の遺体をその場に寝かせ、オレへと敵討ちのように執念というものを宿して槍を振るう。

 

「もう見切ってんだよ」

 

 身を翻して槍の連撃を躱し、穂先ではなく柄をカタナで払う。これで耐久度減少は無い。そのままバックステップを踏み、大弓の視認攻撃範囲内に身を翻し、オレは放たれた大矢を左手でつかむとそのままデイヴの兜の覗き穴へと押し込む。

 ぐちゃり、と肉を貫く音が聞こえた。大矢の鏃が目でなくとも頬を貫いたのだろう。それでもデイヴは止まらない。

 だから、オレは足下に突き刺さる無数の大矢をまずデイヴの右手首に、次に右肘、右肩へと刺していく。そのまま右側間接を全て潰すと、まだ足を引きずりながら戦おうとするデイヴの左間接全てに大矢を突き刺す。

 

「じーちゃんの教えなんだけどさ、『生物は関節の動きから逸脱できない』らしいんだ。猪も、猿も、鳥も、全部関節の駆動から動きが延長する。だから、その予兆さえ見落としちゃ駄目なんだと。だから、まずは関節を潰せ。そうすれば、どんな猛者だろうと木偶の坊に一変だ」

 

 だらりと、プルプルと震えながらも、立ち続けるデイヴの首へとオレはカタナを振るう。1発ではさすがにHPをゼロにはできないが、それも時間の問題だ。蹴り飛ばし、その胸を踏みつけて心臓に刃を突き刺す。

 

「何か言い残す事は?」

 

「……私は――」

 

「やっぱり却下」

 

 STRを全開にさせてデイヴを蹴り上げて宙を浮かすと、発動させたのは≪カタナ≫の連撃ソードスキルである【飛燕】だ。袈裟斬りから横薙ぎ、そして斬り上げの高速3連撃が決まり、デイヴの体が赤黒い光が噴き出す。

 血潮のようなそれを浴び、オレは大弓の狙撃主へと視線を向ける。

 

「さぁ、次はオマエだ」

 

 まだまだ食い足りないんだ。むしろ飢えも渇きも大きくなるばかりだ。もっともっと腹を満たさないといけない。そうすれば、きっとこの空腹感も消えるはずだ。

 オレは牙を剥き、次なる獲物へと斬り込んでいった。




虐殺フィーバータイム!

というわけで、167話でまた会いましょう。

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