SAO~デスゲーム/リスタート~   作:マグロ鉱脈

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ボス戦もいよいよ終盤です。

今回のボス
・竜の神
巨体故のタフネスがあるパワーファイター。当たれば死ぬ。
・シャルル
人型のスピードとテクニックが備わったパワーファイター。当たれば死ぬ。



Episode15-37 神懸かり

(状況は最悪の1歩手前といったところでしょうか?)

 

 その姿はまさしく巨竜。理不尽なほどの暴力の塊。知性が伴った殺意は度し難く、また執念は身を焦がされるかのようだ。

 グレネードキャノンを手に、次々と浮遊する島同士が結合し合い、巨大な大地へと変わりつつある戦場にて、ブリッツは両足で踏ん張りながら、四足を使って暴れ回る竜の神を狙い撃つ。

 弾速は遅くとも、竜の神の巨体ならば動きを予想しておけば命中自体は難しくない。グレネードは竜の神の横腹に直撃して爆炎を撒き散らす。それは亀裂の入った鱗を剥ぎ取り、内部を露出させる一躍となる。

 だが、鱗が剥がれた部分から、まるで霜柱が突き出すように結晶が伸びて傷口を覆い尽くす。コンマの遅れで傷口に到達したラジードが双剣を振るうも、結晶に阻まれて有効打に至らず、逆に竜の神の巨体を振り回す回転攻撃の餌食になりそうになる。

 地を這う神は口から火炎ブレスを吐き、広範囲を薙ぎ払う。射線に捉えられば、余程DEXに振っていなければ強化ジャンプを使わなければ回避できない、地面を抉る火炎である。だが、他の面々が回避する中でタルカスだけはどっしりと盾を構えて炎を受け止める。

 HPに損害はほぼ無し。実戦の姿を目にしたのは初めてだが、噂以上の防御力だ。火炎属性防御力の高い防具を身に着けている事も幸運と言うべきだろう。彼が囮と壁を担っているだけで、それだけ他の面々はスタミナに余裕が生まれ、回復のタイミングが得られ、攻撃のチャンスが生まれる。

 翼を失い、飛行能力を自ら捨てた竜の神は、先の形態であった自立防御の火の玉を消失させている。ここだけ見れば、より攻撃し易くなったとも言えるだろう。だが、それを補うオートヒーリングはダメージの蓄積すら許さず、そして四足化による高速攻撃は回避をよりシビアにさせる。

 それでも1人として後れを取らないのは、この場にいるのが全員DBOでも最高クラスのプレイヤーだからだろう。竜の神がブレスをするタイミングにグレネードを口内に撃ち込み、爆炎で怯ませて不発に終わらせたブリッツは、その間に竜の神の背に乗るアーロン騎士装備を視界に入れる。

 重量級カタナである黒鉄刀の二刀流。鱗越しとはいえ、瞬時の4連斬りはいずれも刃が立ち、カタナ特有のクリティカルボーナスも合わさってダメージを稼ぐ。だが、その微々たる減少すらも毎秒で回復する竜の神には効果を発揮しない。

 

「ふむ。ならば! ブリッツ!」

 

 アーロン騎士装備に名前を呼ばれ、彼の意図するところを読んだブリッツは、手頃な場所の亀裂が入った鱗へとグレネードを飛ばす。動き回る竜の神に命中させる事は可能でも、狙った場所に正確に弾速が遅いグレネードを命中させるのは至難の業だ。だが、ブリッツはそれを意図も容易くやってのける。

 

(弾ブレが激しい。命中精度の悪さもグレネードの欠点ですね)

 

 だが、内心でブリッツは冷や汗を掻いていた。グレネードは強力な反面、乱戦では同士討ちを引き起こしかねない欠点を持つ。爆炎によるダメージもそうだが、下手にスタンさせてしまえば、そのまま竜の神に押し潰されて死に直行だ。

 

(残弾は半分。元より使い捨てのつもりだったのですが、これでは弾薬費ばかりが嵩みますね。何とか有効打に繋げなくては)

 

 グレネードで新たに剥げた鱗へと、竜の神が体を揺すって振り落とそうする中、アーロン装備は甲冑装備とは思えぬ機敏さで接近し、結晶で防がれる前に刃を振るう。

 

「塞がるならば……抉り取る!」

 

 ブヨブヨとしたゼリーのような結晶の肉が2本のカタナによって抉り取られる。突き刺し、回転させる事で、まるでアイスを掬うように肉を抉ったのだ。高い切断性能を持つカタナの二刀流だからこそできる芸当であり、アーロン騎士装備の技量があってこその早業だ。

 だが、空いた穴を埋めるように結晶が即座に覆い尽くし、これも効果を生まない。一見すれば無駄な行為だったが、ブリッツは肉を抉り取れたという点に着目する。

 結晶で覆われた部位は内部で鱗が再生され、終了次第にまるで瘡蓋が剥げるように結晶は散っている。鱗の再生能力は健在だ。だが、欠損状態の場合は、あくまで結晶自体が肉の穴埋めをした。

 

(オートヒーリングはHPの回復。鱗の再生能力は欠損回復能力ではない。その証拠に自傷した翼と破損した右目は再生していない)

 

 勝ち目は見えたが、残り時間でそれが成せるだろうか? 時計は9時と10時の間にある。とてもではないが、余裕があるとは言えない。

 ブリッツが思案していると、竜の神の突進に対し、正面から迎え撃つ者が1人いた。それは他でもない、傭兵ランク1のユージーンだ。彼は両手剣で八相の構えを取り、竜の神を睨んでいる。

 牙を並べた竜の神が、押し潰し、食い破らんとユージーンに向かう。それに対し、彼は赤紫の禍々しいライトエフェクトを纏わせた両手剣による斬撃を、喰らい付きと突進の両方を躱し、腕の内側……竜の神の腹の下を潜り抜けながら決める。

 何たる胆力。ブリッツは素直に感嘆する。いかに≪剛覇剣≫という竜の神に、この面子の中で唯一有利に戦えるスキルを持っているとはいえ、突進を前にして精神的圧迫感と死への恐怖は並みではないはずだ。それを耐え抜き、あまつさえ回避とカウンターを同時に決めるとは見事としか言いようがない。

 鱗も結晶の守りも意味を成さず、ユージーンの斬撃を深々と受けた竜の神が咆える。HPが削れるも、やはりその端からオートヒーリングで回復されるが、ユージーンの一撃は重く、即座に完全回復には至らない。

 ひたすらに手数で押し潰す。現状ではそれが最短の攻略法だ。ブリッツは『狙い』の為に、グレネードをひたすらに竜の神の尾に直撃させ、少しでも鱗にダメージを与えていく。鱗の再生は完全に破損するまで発生しない。逆に言えば、剥げる1歩手前までならば調整しておく事ができる。

 竜の神が腹を見せるように立ち上がり、吹き飛ばし効果がある≪ハウリング≫の咆哮で周囲に衝撃波を撒き散らす。ダメージこそないが、直撃すれば戦場復帰するのに時間を要する以上、タイムリミットがある現状で受ける訳にはいかない。

 

「ぐぉおおおおおおおおおお!?」

 

 だが、逃げ遅れたタルカスがまともに≪ハウリング≫を浴びる。吹き飛ばし効果があるとはいえ、盾でガードしていたお陰で遠方まで飛ばされなかったようだが、ガードが弾かれ、その身が多く晒される。そして、そのタイミングを竜の神が逃すはず訳も無い。

 その口内にブレスの炎が溢れる。ガードブレイク状態でスタンのように動きが止まったタルカスにそれを回避することはできないし、鈍重な彼では射線からも逃れられないだろう。

 終わった。ブリッツが変態1人の焼死に内心でガッツポーズをする中で、彼を救ったのは『雷』。

 その一閃を見えた者は、トッププレイヤー揃いのこの場でも僅かだろう。そして、その動きを真に見切れた者はいたのかも怪しい。

 竜の神の額に雷撃を帯びた槍が突き刺さる。あの瞬間に、足首から竜の神の図体を駆け上がったミスティアの一撃に、竜の神がたじろぐ。そのまま彼女は左手の奇跡の触媒だろう、手と腕に絡みつく【ソルロンドの十字架】を輝かせる。

 それはまさに轟雷の雨。竜の神に比べれば余りにも細いが、その頭上に生じた雷球より次々と雷が落ち、竜の弱点属性である雷の連撃が頭部に浴びせられて竜の神はもがき苦しむ。鱗にもダメージを与え、焦げた頭部の鱗はあと1歩で剥げるところまで破損させている。

 奇跡【落日】だ。グローリーの持つ太陽の光の翼に比べれば火力こそ劣るが、高い範囲攻撃を持つ、本来は発動に時間がかかる奇跡である。

 魔法や奇跡にはそれぞれ熟練度がある。それらは一定値が溜まる事にカスタマイズして自分好みの方向性に調整させる事ができるのだが、どうやらミスティアは落日を発動速度を重点的に強化させたようだ。その代償として威力は大幅に減っているだろうが、竜の神の巨体ならばフルヒットも望めるので、むしろこの場面では発動速度の強化こそが有効となったと言うべきだろう。

 

「まさか、太陽の狩猟団に助けられるとは」

 

「今はそんな事を言ってる場合ではありません!」

 

 体勢を立て直したタルカスの前に着地したミスティアは雷の槍を駄目押しで牙を剥く竜の神の胸の傷口に撃ち込もうとするも、それは外れて近くの鱗を焦がすだけだ。再び四足になった竜の神が、邪魔をしたミスティアへと連続火球ブレスを撃ち込もうとするも、途端に竜の神は体勢を崩して顎を地面に叩き付ける。

 

「フハハハハ! 我が剛槍、見た事か! さぁ、チャンスは作ったぞ! 行け、皆の衆!」

 

 ブレスの直前に、竜の神の右足首へとサンライスが深々と剛槍を突き刺したのだ。体重のバランスを奪う、その豪快さと裏腹の狙いを澄ました繊細な一撃が竜の神に隙を作らせる。

 

「グローリィイイイイイイイ☆アッパァアアアアアアアアアアアアアア!」

 

 その隙に竜の神の顎の下に飛び込んだグローリーが、自分自身に雷をエンチャントさせる太陽の光の鎧を纏い、左拳のアッパーを叩き込む。もちろん、それで竜の神が浮かび上がることなどないが、右手に持った削り取る槍を振るい、空中で連続蹴りを竜の神の並んだ牙に打ち込む。

 復帰しようとする竜の神の眼前に着地したグローリーは、左拳を引き、まるでゴムが限界まで引っ張られるかのように体を捩じる。

 

「今、超必殺の、グローリー☆ブレイカァアアアアアアアアアアアアア!」

 

 雷を帯びた左手の拳が亀裂の入った竜の神の牙を打ち砕くも、竜の神はより闘志を燃やし、その全身を回転させて尾を振るう。

 最後のグレネードを回転攻撃中に尾へと命中させ、尾の半分近くの面積の鱗に亀裂を入れる事に成功させると、即座にグレネードキャノンを放棄したブリッツが次に取り出したのは、ガトリングガン【AM/GGA-115】だ。

 

「その結晶、剥ぎ取らせていただきます」

 

 ブリッツの予想が正しければ、結晶の剥ぎ取りに必要なのはダメージ量ではなく、スタン蓄積のはずだ。ならば、ガトリングガンを集中的に浴びせれば、効率的に結晶を剥ぐことができるはずである。

 だが、接近するという事はそれだけ死の危険が迫るという事だ。ブリッツはステップを踏みながら、右足首の鱗の再生を守る結晶へと集弾させていくも、それが竜の神の目に留まり、連続火球ブレスが迫る。

 回避は間に合う。ガトリングガンを停止し、サイドステップを繰り返して巨大な火球を躱した先で、竜の神の猛々しく燃え盛る炎の鉄拳を見る。

 火球はブラフ。本命は上半身を逸らし、高々と持ち上げた左拳の一撃。どう回避したものだろうかと、ブリッツは呑気に思考を巡らせる一瞬の間に、彼女の体がふわりと浮く。

 

「やれやれ、こういう時に弾切れというのは歯がゆいものだね」

 

「お手間を取らせました、スミスさん」

 

 彼女を持ち上げて拳から逃がしたのは、撹乱程度に片手剣を振るうしかないスミスだ。半分ほど吸った煙草を咥えた彼は竜の神から離れた場所に彼女を下ろす。

 

「ライフル系の弾は持っているかね?」

 

「残念ながら」

 

「そうか」

 

 と、そこにブリッツの元へとアーロン騎士装備が駆け寄る。特に負傷もしておらず、スタミナにもまだ余裕があるはずであるが、と思ったブリッツは、兜越しで男の対抗心のような眼差しをスミスに向ける隊長に気づき、小さく笑う。

 

「隊長」

 

「なんだ?」

 

「ご安心ください。我が主はセサル様。そして、我が心はあなたの物です」

 

「……恥ずかしい事を言うな! お前に死なれては、誰がヴェニデの内務を取り仕切るのだ!? それだけだ! それだけだぞ!?」

 

 即座に背を向け、竜の神に突進していくアーロン騎士装備を見守りながら、ブリッツは再び結晶を剥ぐべくガトリングガンを構えて竜の神へと跳び込む。

 

「私はお邪魔だった、という事かな?」

 

「いえいえ。隊長には良い薬です。あの人は女の扱いというものが下手で下手で……」

 

「ああいう不器用な男には、酒が入っている時に少し色目を使って誘ってやると良い。面白い位に釣れるぞ」

 

「それは良い事を聞きました。今夜にでも試させてもらいます」

 

 ブリッツと並走していたスミスが別れ、竜の神へと、たとえ効果はなくとも果敢に片手剣で斬りつけていく。

 今のところ、竜の神のHPは9割ほどでオートヒーリングとダメージが何とか拮抗している状態だが、少しでも攻撃の手を緩めれば即座に回復されてしまう。何よりも、ここまで火力を集中させても9割以下まで減らす事ができない。

 やはりオートヒーリングを何とかしなくては。その為にブリッツは策を進めているが、それも効果を成すか分からない。

 やはり状況は最悪の1歩手前から動かない。いや、むしろこのままでは押し切られる。そう思った時、竜の神の頭上より黒き刃が振り下ろされる。ミスティアがダメージを与えた鱗にソードスキルの光を纏った連撃が吸い込まれ、目を眩ませるようなライトエフェクトが刃の軌跡を主張する。

 ようやく戦線復帰か。UNKNOWNがシノンを連れて、上空の島から舞い降り、竜の神の頭部へとご自慢の二刀流を叩き込んだのを見て、最悪の2歩手前くらいになったかとブリッツは少しだけ安堵を漏らす。

 頭部へのクリティカルダメージと≪片手剣≫ではない、まさしく≪二刀流≫と呼ぶしかないソードスキルの攻撃に、幾人かは目を丸くしたようだが、それも一瞬の事だ。誰もがUNKNOWNにその正体を問う事は無い。そもそも、ブリッツは認知しているが、ユージーンが使用している≪剛覇剣≫も大多数からすれば不知の攻撃のはずである。ならば、それを問わないのは、この場では余計な疑念よりも頼りになる力として認める方が有益だからだ。

 

「遅いぞ、UNKNOWN! オレが隙を作る! 貴様は弱点を狙い続けろ!」

 

 あのプライドの高いユージーンが、自分がメインアタッカーになる事を主張せず、その座をUNKNOWNに譲る。それは≪剛覇剣≫でなければ竜の神へとまともに隙を作れないという判断もあるかもしれないが、UNKNOWNの高威力の多連撃によるラッシュ力に期待しての事だろう。

 間違いなくユニークスキル持ちだろうUNKNOWNと竜の神に優位に戦える≪剛覇剣≫を持つユージーン。2人が合わされば、竜の神のオートヒーリングに対抗することができるかもしれない。

 と、そこでブリッツは奇妙な事に気づく。これまでガトリングガンで剥ぎ続けた結晶だが、再生しないのだ。これまでは壊しても壊しても時間をかければ鱗の再生を守る様に覆うことを止めなかった結晶が、1度破壊するとそのままになっている。

 

「能力が……消えた?」

 

 それに、余りにも戦闘が激し過ぎて分からなかったが、竜の神に流れ込んでいた、地面から吹き出す炎のオーラ……その量が明らかに減っている。

 まさか時間制限有りだった? いや、このボスはそんな生温いものではない。だとするならば、この炎のオーラの根源とも言うべきギミックの1つが解除されたと見るべきだろう。

 ダメージが加速する。結晶の被膜さえなければ、より効率的にダメージを与えられる。そうなれば、オートヒーリングに拮抗するのみならず、押し込んでいく事も可能になるはずだ。

 時計の針は文字盤で言う所の10時に至る。もはやタイムリミットは間近だ。だが、ここに来て竜の神のHPは確実に減らすことができている。ならば、策に移すべき時のはずだ。

 

「隊長、尻尾を! 尻尾を狙ってください!」

 

 ガトリングガンで一気に鱗を剥ぎ取る! 竜の神がユージーンに集中して前肢の爪を振るう中で、ブリッツは尻尾のボロボロになった鱗へとガトリングガンを這わせる。だが、全てを剥ぐには時間がかかる……が、彼女の意図を察しただろう、1人のプレイヤーが飛び出す。

 

「おぉおおおおおおおおおおおおおおお!」

 

 特大剣に炎が纏わりつき、駒のように回転する斬撃を放ったのはラジードだ。ブリッツも知識に無いその技は、恐らくEXソードスキルだろう。鱗を剥ぐどころか、尾へと深々と斬りつけ、結晶の血肉が飛び散る。

 竜の神が絶叫し、何を狙われているのか察知して四肢で跳びあがり、距離を離す。だが、それを逃さないと追うのはサンライスだ。

 

「唸れ、我が槍! 我が心! 我が魂!」

 

 連続火球ブレスと交差するように、サンライスは竜の神の正面に立ち、炎を纏った鉄拳に対し、槍を振り下ろす。肉厚の穂先が取り付けられた重量型の槍は竜の神の指だけを斬り裂き、そのまま前に跳び込んだサンライスは鉄拳を避け、≪槍≫の回転系ソードスキル【スクランブル・ダンス】を発動させる。突く・薙ぎ払うといったソードスキルが多い≪槍≫で、スクランブル・ダンスは珍しい回転系連撃であり、穂先に命中させねば最大火力が出せない槍の特徴もあり、使い所が難しいソードスキルだ。それを振り下ろされた鉄拳、その裏側である手首に集中させ、一気に傷口を開いたサンライスは、ソードスキルの硬直の中で笑う。

 

「感じる……感じるぞぉおおおおおお! 今、まさに、【渡り鳥】ちゃんの愛を感じるぞぉおおおおおおおお! 私を……私を応援してくれているうぅうううう!」

 

「今、超必殺の、グローリー☆ランサァアアアアアアアアアアアアアアア!」

 

 超スピードとも言うべき速さでサンライスに追いついたのは、ブーメランパンツの変態と褌のイケメンだ。兜以外の防具をオミットしたタルカスが身軽になり、黒鉄のグレートソードで≪特大剣≫の連撃系ソードスキル【タイタン・ネイル】を放つ。右から左に、左から右に、もう1回右から左に、ただの3回の横斬りであるが、≪特大剣≫ともなればその威力は絶大だ。竜の神の右手首が半ばまで断たれ、そこに容赦なくグローリーが削り取る槍を押し込む。

 千切れろ! 誰もがそう心の中で叫んだはずだ。だが、それは叶わなず、3割ほどの肉を残して右手は残る。

 

「もらった」

 

 だが、サンライスたち3人ごと斬りかねない赤紫のライトエフェクト、それ自体が攻撃力を持った巨大な刃をユージーンは振り抜く。ついに右手首が斬り飛ばされ、竜の神は舌を震わせて絶叫して上半身を持ち上げる。

 そこでユージーンが膝をつき、無念と言うように顔を苦渋で歪める。さすがに≪剛覇剣≫の連撃でスタミナが切れたのだろう。グローリーとタルカスという2大変質者に両腕をつかまれて離脱するという屈辱に甘んじながら、ユージーンが戦線を一時離脱する。

 UNKNOWNが加わったかと思えばユージーンの離脱だ。これは手痛いが、彼は仕事を十分になした。狙い通り、右手首から先は再生する兆しもない。欠損ダメージによってオートヒーリングもやや弱まっている。

 そして、この間に接近に成功したアーロン騎士装備が、大きく抉れた竜の神の尻尾、ラジードが開き、そして結晶による瘡蓋が無い傷口へと舞い込む。両手のカタナにはソードスキルの光が纏ってあるのは、一時的に攻撃力を高める≪カタナ≫のソードスキルである斬鉄を発動させたからだろう。

 全身を回転させた連続斬り。それが尾の傷口を更に広げる。アーロン騎士装備がソードスキルで硬直して静かに落下する間に、入れ替わる様にUNKNOWNが両手の片手剣を押し込み、斬り分ける。

 あと少し! そこで竜の神は片腕を失いながらも、全身を震わせてUNKNOWNたちを押し退け、尾まで奪われてたまるかと言わんばかりに、皮一枚繋がったような尻尾を引きずって距離を取る。

 

「トカゲの神様らしく、再生できるものなら再生して見せなさい」

 

 だが、離脱する竜の神の背にナイフを突き刺して張り付いていたシノンが、竜の神が止まってブレスの体勢を取ったのを見て尾へと駆け、≪短剣≫の連撃系ソードスキル【ファントムレイン】で斬りつける。素早い3連突きからの斬り上げは、皮一枚で繋がっていた竜の神の尾にダメージを与え、自重で以って千切れる最後の一助となる。

 オートヒーリング効果はまだまだ残っているが、右手と尻尾の欠損ダメージのお陰か、随分と回復ペースも鈍くなった。

 

(あとは時間との勝負ですね。ユージーンが復帰するまでに何処まで押し込めるか。それが鍵となるでしょうね)

 

 このペースならば、ガトリングガンの残弾を撃ち切る方が時間切れより先に起こりそうだ。ブリッツは、もしも結晶の再生が残ったままならば、『時間との勝負』という舞台にすら上がれていなかっただろう、と『誰か』の援護に感謝する。

 このボスの能力と別のギミックが連動している。それはこの場にいる多くのプレイヤーが薄々勘付いているはずだ。だが、『自分達』の誰がそのギミックを動かしたのかは分かっていない。

 頭部へのダメージ? それとも牙への破損? はたまた雷属性ダメージの蓄積? 見当はつかないが、今は竜の神の弱体化したという事実を呑み込み、攻め込むべきだ。

 右手と尻尾を失っても、神の称号を持つ竜は微塵として闘志を緩めない。炎の唾液を撒き散らし、徐々に疲弊していくプレイヤー達を押し潰すべく動き出す。

 

 

△   △   △

 

 

 シャルルに炎のオーラが凝縮していく。

 ようやく第1段階終了となり、数多の武具を炎で構成したシャルルの本気。

 右足にガタつきが出始めているし、左足首は相変わらずまともに動かない。それを補うために右足に軸を乗せ、左足を使ったターンを使わないようにしているのだが、その分だけ右足に重心がのり、送られる痛みが増幅する。

 だが、そんな事はどうでも良い。問題は、この騙し騙しが本気となったシャルルに通じるはずがない点だ。左足を補うために必要になるのは速度だ。そうなれば、より右足への負担が増す。

 耐えられるか? 痛みではなく、応急処置同然の補強は耐えてくれるか? そこだけが気がかりだ。

 シャルルが動く。炎の鞭が、まるで命を持った蛇のように動き、オレに絡みつこうとする。

 回避ルートは見えている。『臭い』が教えてくれる。オレは本能に従い、乱打される鞭を通り抜け、シャルルに近寄る。そして、死神の槍をその胸に突き出すも、彼は右手の炎の斧でそれを弾き、逆に踏み込んでオレに斧を振り下ろす。それをカタナの横振りで弾いて軌道を逸らし、そのまま逆手に持ち替えてシャルルの横腹を狙うも、彼は斧と鞭を捨てて跳び上がって回避したかと思えば、炎の特大剣を呼び寄せて宙でつかみ、オレに急行落下する。

 死神の槍の耐久度を信じ、カタナを咥えて右手を開けたオレは死神の槍を両手で握り、特大剣の振り下ろしを柄で受け止める。さすがはユニークウェポンと言うべき耐久度で以って特大剣をガードするも、パワー負けしてオレは刃が押し込まれそうになるも、寸前で火花を散らしながら受け流す。

 特大剣の刃が床に触れ、熱をばら撒く。刹那の隙の内にオレは死神の槍でシャルルを薙ぐも、踏み込みが足らずにその胸を深くも無く、かといって浅くも無く裂くのみだ。

 シャルルのHPは確かに減少する。だが、それは先程に比べればダメージが通っていない。HPバーは基本的に同じHP密度だから、防御力が増加したわけか。ざっと見て、単純に4倍ほどHPが増えているのと同じと見て間違いないだろう。

 第2段階で4倍ならば、第3段階が更に4倍で、結果的に第1段階の16倍か。この予想は外れて欲しいが、こういう時に限って予想は的中するものだ。それを前提にして戦うしかないだろう。

 

『不死よ、貴様は先の時代を知っているようだが、何を見た?』

 

 何処から来た、ではなく、何を見た、か。シャルルにとってオレの出自や出身など興味は無く、あるのは彼が絶望した世界の先だ。

 シャルルが特大剣を捨て、右手にランスを、左手に大盾をつかむ。盾に身を隠しながら、炎の噴出で加速したシャルルのランスがオレの肩を抉る寸前で身を翻し、宙を半ば舞いながら旋回してシャルルの背に回り込んでカタナの刃を振るうも、それは見切られ、シャルルは即座に反転してランスの横殴りでカタナを迎撃する。

 

「黄昏さ。人類は滅びる寸前で、皆が皆、死んだような面をして、明日を信じれなくて、今日を必死に生きることばかり考えた世界だ」

 

 一切の嘘も無く、オレは終わりつつある街の現状を述べる。

 虚言は不要だ。嘘を述べても看破されるだろうし、希望に溢れた未来があると騙せたところでシャルルの剣が鈍るわけでもなく、何よりも彼に対して誠実さが欠ける。故に述べるべきは真実だ。

 

『やはり滅びは免れぬか』

 

「滅びかけてるだけさ。人間のしぶとさはゴキブリ以上だ」

 

 ランスに弾かれたオレは宙で1回転して着地し、床を擦って制動を駆け、飛来する3つの斧を正確に槍の突きで弾く。

 剣に切り替えたシャルルの突進斬りが迫り、槍を短く持ってオレは前に跳び込みながらシャルルの足を薙ごうとするも、彼はあろうことか急ブレーキをかけ、タイミングがズレたオレに炎剣を振り下ろす。転がってそれを回避し、死神の槍を杖にしながら立ち上がったオレは磔刑を発動させて周囲に赤黒い光の槍を出現させるも、シャルルは同じ手は2度喰わないと言うように磔刑の範囲から離脱していた。

 死神の槍の能力の1つ【磔刑】。使用する為には魔法と同じように魔力が必要であり、無属性の槍を出現させる強力な能力だ。これを使用する為に、オレはPOWを大幅に引き上げ、魔力を確保したのだが、隠しステータスである魔力の残量は分からない。あと何度使えるのかもこれが初使用なのでつかんでもいない。

 策はある。だが、それを成したとしても、シャルルを追い込めるだけの下地が無い。

 と、そこでシャルルが左右にそれぞれ斧を持ったかと思えば、2つに赤紫色の禍々しいライトエフェクトが纏わりつく。

 ぶわり、とシャルルが両方の斧を振り上げる。オレの本能が最大限に警告し、ラビットダッシュを発動させてオレはシャルルの反対側へと即座に逃れる。

 破壊不能オブジェクトである床にも壁にも被害は起こらない。だが、シャルルの前面に赤紫色のライトエフェクトが空間に亀裂を入れるように広がっていく。それはシャルルの前面全てが攻撃範囲と言っても過言ではないものだった。

 

『我が≪剛覇剣≫を躱すか』

 

 あれが≪剛覇剣≫か。依然として赤紫のライトエフェクトを纏う斧をシャルルは、今度はオレに直接叩き込むべく振るう。大振りの右手と、逃れたオレを狙う小振りの左手。オレは死神の槍で左手の斧を受け止めようとするも、斧の刃がまるで槍を素通りするように半ばまで通ったのを見て、咄嗟に体を捩じった回避に切り替える。

 嬉しそうにシャルルが目を細める。炎に縁取られた空洞の眼、そこにあるべき目玉もなく、瞳も無いのに、シャルルの武人としての眼光を感じる。

 ガードは駄目だ。あの赤紫のライトエフェクト……というか、エンチャントか? 何にしても、アレを纏っている最中はガードが全て無効にされる。

 斧の刃が半ばまで通ったはずの死神の槍に破損は無い。ならば透過能力か? 早計だな。カタナを鞘に収め、リーチが取れる槍の1本に切り替える。

 1度だ。1度で≪剛覇剣≫を見極める。さもなくば負ける。オレは敗れる。シャルルは右手の斧を捨て、オレの槍のリーチに合わせるべく、斧槍をつかみ取る。それは彼の手に収まった瞬間に赤紫のエンチャントが施される。

 迎合する槍の穂先と斧槍の刃。通り抜けられると思ったそれは、パワー負けこそしたが接触し、火花と火の粉を散らす。

 透過ではない。あくまでガードだ。ガードを無効化するだけだ。つまり、攻撃同士による相殺は可能だ。それさえ分かれば、今のところは構わない。だが、これで死神の槍の耐久度を活かした強引なガードは封じられてしまった。

 追い詰められている。なのに、心が躍る。これ程までの強者を前に、オレの本能は破滅的なまでに殺し合いを望んでいる。

 

「違う」

 

 今優先すべきは殺し合いを楽しむ事ではない。シャルルを倒す事。それが『アイツ』を助ける事に繋がるはずだ。

 

 本当に? オレの中の本能が囁く。

 

 炎の斧槍で押し飛ばされ、壁に叩き付けられた所に左手の斧の赤紫のライトエフェクトが拡大し、巨大な刃となってオレに突き出される。横跳びでそれを回避するも、シャルルは横薙ぎに派生させてオレを追い、死神の槍で棒高跳びでもするように跳びあがって赤紫の斬撃を躱すも、着地の瞬間を狙った飛来する炎の槍が頭部を串刺しにしようとする。

 咄嗟に左手をフリーにして炎の槍をつかむも、皮膚を焼き、肉を炭化させ、骨まで炙るような熱が流れ込む。

 

「がぁあああああああああああ!」

 

 情けなかった。悲鳴が零れた自分が恥ずかしかった。それでも、炎の槍の穂先が眉間に刺さる前に槍を止め、投げ捨てる。

 HPは減少したが、直撃に比べれば生温い。残り3割ほどだ。回復アイテムの残量はあるが、使うタイミングが無い。どうしたものだろうか。

 届かない。強過ぎる。これが本気のシャルル。オレは楽しくて、楽しくて、楽しくて、笑う。

 

『……貴様は何のために戦う?』

 

「急に、どうしたんだよ?」

 

 炎のオーラを立ち上らせるシャルルは斧槍と斧を手放し、特大剣に切り替える。本来ならば隙が大きい特大剣だが、彼が扱えばまるで棒切れでも振るっているかのようだ。それでも、特大剣に比べれば細身だろう長剣よりもモーションが大きいのでチャンスはあるだろう。

 

『貴様の目には、絶望が無い。それは不死にとって最も必要な強さだ。だが、同じく希望も無い。ならば、貴様が求めるものは何だ?』

 

「絶望も希望も無い、か。そうかもな。オレは……いつだって、戦って、戦って、戦って、殺す事しか考えて無い。だから、命の取り合いで、希望とか絶望とか考える事は無いんだろうさ」

 

 届かない。今のオレではシャルルに届かない。

 本能が叫んでいる。いつものように食い荒らそう。楽しもう。

 戦いに悦楽を見出だし、殺す事こそ飢えと渇きを満たす無二の手段なのだから。我慢をせずに、首輪を外そう。

 

「でもさ、この戦いの先にある、欲しいものくらいはあるんだ」

 

 だから、オレは覗き込む。

 

「『アイツ』を死なせたくないんだ。後はそうだな……グリセルダさんって言うオレの恩人って程じゃないけど世話になった人がいるから、その人の色々とヤバいモノを開発しているHENTAIダーリンさんの為にも、彼女を助けないといけないし。たくさんたくさん……しないといけない事がある」

 

 自分を偽る嘘ではない。オレは本気で、そうありたいと望んで、ここにいる。

 本能が狼狽える。また否定するのかと、また檻の中に押し込めるのかと、吼える。

 違う。違うよ。否定なんかするものか。

 ごめんね。いつも、いつも、いつも、1番怖がっていたのはオレだった。

 

「だから……オレは戦う。そんな『理由』の為に戦う。だから、絶望も希望も要らない。オレが戦うのは、『理由』の為だから。その内の1つがシャルル、あなただよ。あなたを眠らせてあげたい。せめて、少しでも絶望を忘れさせてあげてから、眠らせてあげたいんだ」

 

 シャルル、あなたは気づいていますか?

 棺に腰かけていたあなたは、まるで燃え尽きる前の炭のようだった。でも、今はとても活き活きとしている。オレとの戦いを心底楽しんでいる。

 

「揺れる、揺れる、揺れる……揺れるのは、誰?」

 

 呟いて、オレは幻視する。ノイズが走る視界の中で、思考の海から記憶を遡り、腐った眼と死臭を漂わせる叔父さんに囲まれる。

 怖がりだった叔父さん。オレが壊して、死なせてしまった叔父さん。どうして止められなかったのだろう? 怯える叔父さんを抱きしめてあげただけなのに、どうして叔父さんは死を選んだのだろう?

 オレが殺してしまった。

 オレが殺してしまったんだ。

 怖いものは、全部食べちゃえば良い。

 でも、1番怖かったのは、自分自身だったんだ。

 マシロに導かれた先はヤツメ様の社の奥地、深殿。そこの鍵を開ければ、『彼女』がオレを待っていた。首輪をつけて、いつも飼い慣らそうとしていた『彼女』が骸の山の上に腰かけていた。

 泣いていた。『彼女』は泣き叫んでいた。自分を置いていかないでと叫んでいた。どんな時だって力を貸すから、ここに置いていかないでと泣いていた。

 置いていかないよ。だって、オレを助けてくれたのは、いつだってあなたなんだから。

 一緒に行こう。否定なんて、するわけがない。たとえ、オレが変わりたいと望んでも、変わったとしても、あなたとはずっと一緒だ。

 嬉しそうに、だったらもっともっともっと殺そうと『彼女』はオレに抱きつく。

 一緒に行こう。たとえバケモノという本質だとしても、本能だとしても、それに呑まれるかどうかはオレの問題だ。討たれるべき怪物となるか、神と歩む神子であり続けるかは、オレの心が決めるのだから。

 オレは『彼女』になりたくない。でも、否定もしない。それで良いのだろう。

 

 シャルルの剣が迫る。オレには……『オレ達』にはその剣の道筋が見えている。

 

 発動させるのは磔刑。シャルルの軌道を塞ぐように槍の森が産まれ、命中こそしなかったが、彼の動きを瞬間的に阻害する。その隙にオレは床より伸びる赤黒い光の槍を足場にして3次元機動を取り、シャルルの真横を瞬時に取る。

 反応しきれなかったシャルルの腹を抜刀したカタナで一閃し、反撃の赤紫のエンチャントが施された特大剣を左手で持つ槍で刀身を突いて逸らし、そのまま短く持ち替えると体を捩じり、その回転力だけでシャルルの胸の中心へと近距離で投擲する。

 

「一緒に行こう、ヤツメ様」

 

 

△   △   △

 

 

 胸を槍で貫かれ、後退したシャルルの目に映るのは、白髪の傭兵。

 そのはずなのに、重なる。

 熱風で揺れる白き髪、慈悲に溢れた眼差し、全てを許して受け入れるような微笑みを見て、重ねる。

 人は、かつて『それ』を神懸かりと呼んだ。

 

 

『……美しい』

 

 

 思わず漏れたシャルルの言葉は、その戦いを見ていた全ての存在の胸に宿った想い。

 白き傭兵に重なるのは乙女。慈愛に満たされた、この世に救いをもたらす為だけに生まれたような聖女の姿だった。

 それは幻。それはただのイメージ。ならば、それを成すは、白の傭兵……いや、白の神子の持つ、生まれながらの『素質』。

 

「愛してあげる。殺してあげる。食べてあげる」

 

 純粋無垢な殺意。それ以外に無い無邪気な微笑みで白の神子は手を差し出す。まるで救いを与えるかのように。

 

「踊りましょう、シャルル」




タルカスさん覚醒(裸体化)の理由
・聖女モード全開になった主人公(聖女)を愛の力で感知したから。

これはタルカスさんがヒロインレースで大きなポイントを得ましたね!

……やっぱり野郎祭りは終わってないのではないだろうか?


それでは、181話でまた会いましょう。

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