メタルマックス 斜めにまっすぐ見た世界   作:KR410

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次の日、旅立ちの朝、と言ってもまだ深夜。

建物の間を駆けぬける風の音が断続的に高い音を鳴らしている。
監視塔に灯るサーチライトだけが物凄い光を放ちながら揺らめいていた。
起きているものはその光ぐらいで、その他には見あたらない。

   街は静まり返っていた。


第13話  短いオープニングに詰まる果てしないドラマ

    出かける前に、自分の部屋の鍵をポストに入れた。

 

 かなた「行ってきます」

 

 もう後戻りはできない。

 ワクワクよりは不安の方が大きいのが正直な気持ちだ。

 だが、旅立ちの予感に少なからず心踊る感覚はあった。

 

まず、かなたはオフィスに向かう。

オフィスを訪ねると、激しく腕立てをする人影が目に入った。

「フン、フン、フン、フン」

当直はあの マッチョ だった。

 

 

マッチョ「おー、かなた。聞いてるよ。街を出るそうだな」

と言いながら書類を持って出てきた。

 

 かなた・テレ「へへへ 」

 かなた「あ、でも、ちょくちょく帰ってくる予定です」

 話しながら かなたはペンを走らせる。今日の仕事の契約書だった。

 

マッチョ「おいおい、しみったれたことゆーなよ!」

マッチョは朝から元気だ。

マッチョ「世界最強のハンターになるまで帰ってくるんじゃねーぞ(笑)」

 

  その言葉を聞いて かなたは少し妄想する。

 かなたにとって今の世界最強はアルと姫子だ。

 しまった、まただ、と思いながらも、

  「あの二人を超える?」

 

 かなた・苦笑「無理ッスよ」

マッチョ・ヤレヤレ「世界に出ようってんだからそんぐらいの気概を持てってことだよ」

 

 かなたは、2人の事は意識して考えないようにしていた。

 思い出すとブルーになるのだった。

 だが、なかなか上手くいかなかい。

 

----------

 

こんな早朝に誰か来るはずも無い。2人はしばらく雑談していた。

マッチョ「個人的に頼んでいいか。旅先で珍しい プロテイン を見つけたら持ってきてくれないか?」

 かなた「・・・・・・・・・」

 

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マッチョ「そうそう、渡すもんがあるんだった」

そういって奥の棚からパンチャーを持ち出してきた。

 

マッチョ「ちょっとドッグタグ貸してみ」

そう言って かなたのタグに何かを打刻した。

   ガキッ!ガチャコン!

 

マッチョ「これでよその街のオフィスでも車両のレンタルが受けられるから」

それはオフィス公認の車両運転免許証だった。

マッチョ「まあ、俺達からの選別だ、あんまり無茶はすんなよ」

 かなた「・・・あ、ありがとうございます」

 

 かなたはマッチョに、やや硬くお世話になりましたの挨拶をしてオフィスを去った。

 

夜の街中をスージーで走りながら、 フランクに「じゃあな」「またね❤」と笑って別れの挨拶をする2人の姿がふと脳裏をよぎる。

自分もそんな挨拶ができればなとまた苦笑した。

そしてまたブルーになる・・・

 

なんだか沈んだ気分での旅立ちにはなってしまったが、かなたのパーティー(宴)が始まったのだった。

 

 

街を出る事は流れの根無しハンター、通称 外人ハンターになることを意味する。

だが、かなたはまだ、その事を意識していなかった。

 

 

 




 
   あとがき

「パーティーやろうか、ガンヘッド」

ようやく かなた君は旅に出ました。なんだかアレな感じの主人公になってますが普段はもうちょっと明るく前向きで活発です(ノー天気)。
今はひどい混乱状態に陥ってまして・・・マッサージ屋に連れて行かねば。

アイアンギャングと偶然出遭ったことでかなたは旅に出ました。
コルセットの応急修理とメモが無ければ車の修理にあと半年はかかってただろうし、アイアンギャングに出会わなければ次の出遭いをまって街のハンターを続けていたただろう。
いや、、街のハンターとして一生を過ごしたかもしれない。
何せ、かなた君には世界への憧れとか、そんなのを持ってないから。

マッチョが「世界最強のハンターになるまで帰ってくるんじゃねーぞ(笑)」って励ましますが、悪意はなくむしろ善意からの言葉だけど他人だから言える言葉じゃなかろうか?と読み返してみて思った。

はんたの親父は結果的に勘当してたたき出すがそれは引き止めたいことの裏返し、姉さんもやさしく送り出すがその後、泣いたことだろう。
たぶん、アルも姫子さんもその場にいればまず引き止めただろう。
今のところかなた君が求めているのはこれなのかなーと。

かなた君の「ひとつの決心」は実際書いていて自分でもよく解かりません。混乱中の彼がどんな決意をしたのやら。

  いったいなんなんだろう・・・


夜間のサーチライトでの監視、自分の居場所を教えるようなものだが(まあ灯台の役割もあるかも)、それでも有視界での監視を怠るわけにはいかないのがこの世界。
それはこんな田舎の街でもおんなじだった。

砂塵のせいでたいした視野も得られないが、何事も起こらないことを祈るように今日もサーチライトを灯すのだった。
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