メタルマックス 斜めにまっすぐ見た世界   作:KR410

18 / 50
巨人の森 で遭遇した巨大な死神戦車との戦闘に、満身創痍ながら辛くも勝利した アイアンギャング。

しかし、勝利の代償はあまりにも大きく、もはや3人に戦う力は残っていなかった。

すでに日は沈み、辺りは暗くなっていた。


第18話  光った奴を倒しても・・・

体中キズだらけの姫子の目は真っ赤に充血し、左目からは血涙を流し、

  腕と拳は痙攣して、愛用の戦闘用グローブの掌はズタズタに擦り切れ、指の先からは血の雫が滴り落ちる。、

 

直前に飲んだ「身体強化薬G」の副作用もあり、残骸の山に突き立てた「タンクバスター」の支えがないと立っていられない程に消耗していた。

 

     そして

 

無数にえぐられた、その装甲の無残な弾痕の全てから煙が立ち昇っている。

アルとコルセットの乗っていた装甲車の被弾状況も、姫子に負けず劣らずの状態だった。

若干歪んだ後部の脱出用ハッチを蹴り空けて、2人は脱出した。

 

 アル 「ひめこぉぉぉぉ、大丈夫かぁぁぁぁぁ」

 姫子 「・・・・・・・・・・」

・・・姫子は意識はあるが返事を返せる状態ではなかった。

 

コルセットも相応に怪我をしていたが、ショットガンと手榴弾を持ち出しバックパックを担いで警戒しながら退路を開いていく。

2人のことを気にかけながらも、振り返らず自分の仕事を着実にこなしていく。

 

アルも頭と右肩口から大量の出血をしているが、右腕を引きずりながら走っていく。

姫子の名を叫びながらガレキの山を駆け上がると、ひどい臭いと目にしみる黒い煙が立ち込めていた。

 アル 「ひぃめこぉぉぉぉぉぉぉぉ」

 

アルは急いで姫子の元に駆けつけ、今にも倒れそうな彼女を抱きかかえた。

 アル 「すまん、すまねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

姫子は、目を閉じぐったりとうなだれていたが、精一杯の笑顔をアルに向けていた。

  こんなにボロボロの体で痛々しい笑顔を返す姫子が、たまらなくやるせない。

  自己嫌悪、いや自傷的衝動さえ覚えるほどに・・・

 

アルは血まみれの右腕で姫子を抱えると、多目的発炎筒をその場に投げ込んでから、普段の彼からは想像できない恐ろしい形相で走り出した。

 

 アル 「くっそぉぉぉ、くそったれがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

「姫子だけは殺させない!!」 決意に満ちた横顔で。

彼女を強く抱きしめ、退路を開いていくコルセットの後を追うのだった。

 

----------

 

暗闇の中、廃墟の神殿のような柱の森が、不気味に行く手を遮っていた。

 

「ここで戦うのは危険すぎる、とりあえずこの森を抜けなければ!」

方角を見失ったまま、コルセットは脱出経路を探すのだった。

 

----------

 

屍の山では地獄の獄炎が吹き荒れていた、アルの放った炎によって・・・

 

 

 

 

------------------------------------------------------------------

 

  あとがき

 

ちょっとおさらいを。

 

この戦闘は、かなた君が旅だつ2~3日前の出来事です。

このときはまだ、一生懸命旅支度と金策をしている最中です。

憧れの3人に近づくために。

 

しかし、その3人はこの状態です。

 

例えば、2の主人公ならモヒカンが直接的な復讐の対象になりますが、今回のような、イレギュラーなモンスターに大事な人を奪われたら、その子はどうなってしまうのだろう・・・・・

そんな子達が作る世界こそ、MMなのかなあ?

 

少し明るさが出てきた かなた君ですが、今の段階で3人が死んだら、スッパリ ハンターを引退して、また引きこもってしまうかもしれない。

 

 

姫子さんの目の前で、もしもアルとコルセット(特にアル)が殺されたら爆発した破壊衝動から、魔人化してレッドフォックスになってしまうかも・・・

 

ニュアンスが伝わったでしょうか?もう少し補足すると、

実は、2人とも戦闘力は最強(クラス)でもメンタルはか弱い乙女なんだろうと

当然、かなた君も(今現在で)

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。