道行く人も多く、なかなかに賑やかな街だった。
タイガーを追って街に出た かなたは、しかし師匠がどこに行ったのか検討もつかない。
この街に土地勘があるわけでもなし、勢いで飛び出したものの、当然、あてがあるはずも無かった。
かなたは、人に会うなら酒場だろう!と山をはり、一番大きな酒場の場所を道行く人に尋ねてみた。
かなた 「あのー、すいませんが・・・」
街の人1人目 「・・・・・」
無言で去っていった。目もあわせてくれない。
かなた 「あ、あのですね・・・」
街の人2人目 「・・・・・」
話しかけると、小走りで去っていった。
かなた 「ちょっと、お尋ねしたいんですが・・・」
街の人3人目 「・・・・・」
3人目の老人は無言ながら酒場の場所を指差すのだった。
かなたはお礼を言ってその方角に向かう。
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しばらく歩くと、老人の指差した方角に確かに大きな酒場があった。
外に漏れ響くほど大音量の陽気なジュークボックスの音楽、ギャンブルマシーンのジャラジャラ音と怒号のような歓声が聞こえている。
少し意を決して、中に入るとたくさんの荒くれ風の男女がいる。
だが、マスターを含めて かなたを気にする者は誰もいない。
かなたはとりあえず、空いているカウンターに座ることにする。
店内は、大人のタバコ、危ないタバコ、強烈なアルコール臭、何だか解からない焼きおつまみの臭いが充満して、子供の かなたにその臭いは不快極まるのだった。
そこにはヨルレイクの田舎バーと違い大人の世界があった。
とりあえず、マスターにタイガーの事を聞いて見る。
かなた 「ハンターのタイガーさんが来ませんでしたか?」
マスター・無愛想 「・・・・・ふん」
かなた 「・・・・・」
かなた 「・・・・・」
かなた 「・・・マスター、イチコロ」
マスター 「・・・・・」
マスター 「・・・誰だって?」
マスターは、何でできてるのか謎の青味がかった焼酎「イチコロ」をロックで運んできた。
かなた 「ジャイアントマウスのタイガー、この街では有名でしょ?」
マスター 「さあ、聞いたことないねー」
そこに おつまみレディーのミミさんが かなたの隣の席にやってきた。
ミミ、ケバケバ「あら~、可愛いハンターさん」
馴れ馴れしくベタベタ触ってくる、なんだかエロイおねーさんだった。
かなた、赤面 「・・・タイガー、ジャイアントマウスのタイガーさん来ませんでした?」
ミミ 「タイガ~?知らないわね~ん、でもジャイアントマウスは聞いた事あるわよぉ~」
かなた 「本当っすか!」
ミミはパチンと指を鳴らす。
するとマスターが ひえひえそうめん(冷えひえ細胞を細切りにしたもの)を持ってきた。
かなた「・・・・・」
ミミ 「はい、あ~~~ん♪」
しょうがなく かなたは素麺を口にする、ゲロ不味!!!大人の味がした。
ミミ 「少し前に~、ジャイアントマウスのサンダースって~ハンターが~・・・・・だったのよ~、それでね~・・・・・」
口調がとてもめんどくさい。
かいつまむと、数日前に、サンダースと名乗るハンターが、散々大口を叩いた挙句、店内で旅人に喧嘩を売ったが、逆に返り討ちにあって店から叩き出された、 らしい。
かなた 「ふむふむ、タイガーじゃなくてサンダースさんですかー、なるほどー、同じジャイアントマウスなのにしょうがない人ですねー」
ミミ・呆「・・・・・ね~」
ミミ 「そんなことより~ん、君のことがしりたいな~」
それから、少しだけミミさんと雑談して、ちょっぴり大人になった気分。
かなたは結局 イチコロ を飲まずに店を出ることにした、師匠の情報は得られなかったが、気分が悪くて、もう限界だ。
ミミ 「まぁたねぇ~❤」
かなたはすずめの涙の財布から 20G 払う。
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サウサの街はかなたの予想以上に大きかった。
しばらく探してみたが、何の手がかりもなく探すのは無理だ。
超有名な タイガー だから、すぐに見つかるだろうと思っていたのだが・・・
結局、タイガーを探すのは諦めたのだが、人探しをしながら少し空虚な気分になっていた。
この街の人の態度がとてもそっけない。
かなたは少年だが、その身なりは、しっかりハンターのそれだった。
一見の外人ハンターに、心を開く住民はそうはいない。
誰だって、無用のトラブルに巻き込まれるのはごめんだった。
だが、彼はまだ、この事を肌で実感していない。
なんだか無口な人が多いなー、くらいに思っている。
またも、やることがなくなったので、今度はオフィスに行くことにした。
(オフィスの場所は知っているし、街のいたるところに案内がでている)
何度か訪れた事のあるオフィスだが、一人で入るのは初めてだった。
受付で、この辺りの地図と最新情報をもらう。
さらに 10G が消えていった。
かなたは受付で会話をしながら ふと、気づく。
オフィス内の人間を見回すと、知ってる人間が一人もいない。
いや、この街で知ってる人間といえばタイガーぐらいのものだった。
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その後、あても無く街を散策したが道行く人の かなたへの態度が、
いやそれもあるが、周りを冷静に観察すると、自分以外のハンターたちも、街の人から敬遠されていることがわかってきた。
自分は、この大きな町で一人ぼっち!!!それどころか、外人ハンターの自分は世界でも一人ぼっちじゃなかろうか???
少年は、急にさびしくなる、 大事な人がいるわけではないが、それでもなじみの多いヨルレイクが懐かしい。
早くも、里心に動揺する心を一喝し、まだ明るいうちに宿を探すことにした。
かなた・明るい笑顔 「すいません、この街で一番安い宿はどこでしょう?」
街の人 「・・・・・」
かなた・精一杯明るい笑顔 「・・・・・(また心が揺れていた)」
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心が折れそうになりながら、どうにかこうにか宿にたどり着く。
今日の宿は ホテル「やわら荘」、なんだか傾いた平屋の旅館だった。
旅館にたどり着くだけでこんなにくじけそうになるとは思わなかった。
大した事をした訳でもないのに、ここに来るまでに何度「負けるもんか!」と叫んだことか。(心の中で)
かなた 「一泊お願いしたいんですけど、空いてますか?」
フロント・腹巻「空いてるよ~、先払いで 20G だよ」
かなたはお金を払い、スージーを やわら荘 の駐車場に泊めてから荷物を梅の間に運ぶ。
次の日のルート、周辺の事情を予習し明日に備えて、ふて寝した。
しばらく孤独感と心の中で戦っていたが、初仕事の緊張や疲れからだろう、意外とすぐに眠ってしまった。
当然のように、梅の間には蚊が大量に出たが、それにも気づかないほど深く眠っていた。
あとがき
焼酎 いちころ
MM世界で ブランドを持つ銘酒です。
それは、偶然の発見だった、とある地方の廃工場。
まだ生きている工業用プラントのちぎれたパイプからは湯水のごとく青紫色をした薬液が流れ出していた。
あるトレーダーが、神輿の戦車に乗ったハンター集団に、その液体の試飲を依頼したことが、この計画の始まりだった。
どう考えてもやばい液体に回復カプセルを1粒入れて おみこし のモヒカンメカニックに飲んでもらう。
当然、報酬はなかなかのものだ。
聞けば、モヒカンメカニック達は、珍しい刺激を求めて世界を旅しているのだという。
そんな彼は、ためらいもせず、ごくりと一気に飲み干す。
彼 「う~んんんん、めぇぇぇ~~~よぉ~これぇ~~~!!!」
トレーダー達はその一言で、このプロジェクトの成功を確信するのだった。
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回復カプセルは当然、放射能汚染中和能力も多少はあるはず。
いざって時に飲めない水を飲むために。
これさえ入れれば飲めないものは無い!
(注 有害なものが完全に無害になるわけではありませんと説明書には書いてある)