彼女の目的は何なのか、なぜ かなたに付き纏うのか?
などには興味なく、できることなら砂漠に捨てていきたい気分だった。
かなた 「もぉぉぉー、はらたつんですけど、この子!!!」
彼女はこのまま、なし崩し的に仲間になってしまうのか・・・?
思ったよりも視界が悪い。
感情的に出発した かなただったが、天候は予想以上に悪く、気を抜いてるとキャラバンとはぐれてしまいそうで、メギのことに気をまわす余裕はなかった。
次のムーレイの街まではたぶん3時間ぐらいだろう。
その間中、呪いの言葉を唱える予定だったが、目を凝らし、感覚を研ぎ澄ませていないと遭難しそうないきおいだ。
かなた・集中 「・・・・・・・・・・(くっそー、見えねー)」
彼はコンパスと地図を開き、センサーの感度を最大に上げて前走するキャラバンを必死で追いかけていた。
だが、砂嵐のひどいこんな日には、コンパスもセンサーもたいして役に立たなかった。
メギ 「・・・・・・・・・・」
メギ 「あの、あのー、・・・・・何か手伝いましょうか?」
かなた・集中 「・・・・・・・・・・」
メギ 「あのー、聞こえてますかー」
車外の騒音は酷いが会話は聞こえている。
メギ 「あのー、あのー、ちょっとー」
かなた 「あぁー、うぅるさぁーい! ちょっと静かにしてろよ」
メギ 「なによー、大変そうだから手伝うって言ってるんでしょー、あなた一人に任せて一緒に遭難なんてごめんなんだから」
かなた 「ぐぬ・・・」
メギの言葉の暴力によって少しダメージを受けた かなただったが、言い返したい気分をぐっとこらえて、
かなた 「(勝手に乗り込んできて・・・・・なんて奴だ)」
かなた 「・・・じゃー、こっちに座ってこれをつけて」
かなた 「このゴーグルをつけて、赤い色がそれたら方角を教えてもらえる?」
メギ 「うん、わかった」
かなたは、サーモグラフの画像処理とチェックをお願することにした。
彼女の能力に期待してではなく、もうこれ以上集中力を乱されたくない、感情的な部分より、ほんとに遭難してしまいそうで。
しかし、予想外に 彼女は慣れた手つきで機械を操作し始めた。
そして、一々 かなたの判断にけちをつけ始めた。
メギ 「違う違う、二時の方角、そうそう、あ、今度は四時」
メギ 「30m先にたぶん段差がある、」
ガゴン
メギ 「イタッ、段差があるって言ったでしょー、バカッ」
かなた 「わあぁぁぁぁぁぁぁぁ、うるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
メギ 「あなたが言うことを聞かないからでしょー!!!」
少し黙っててもらうつもりが、余計うるさくなった。
もう駄目だ、これはほんとに遭難する。
かなた 「ぐぬぬぬぬ!!!」
メギ 「次は上り坂、そんなに急ではないはずよ。」
・・・・・確かに上り坂がある。
彼女のナビゲートは正確で、イライラが頂点なのに運転は楽になっていた。
ノイズの多い砂嵐で画像の確認と補正、瞬時の判断、かなりいい目を持っている。
ただ、イライラMAXの かなたはその事実が遭難するより腹立たしかった。
彼女の指示でハンドルを切る度、何かに必死に耐える声にならない声が聞こえてくるのだった。
メギ 「だからそっちじゃないってー」
かなた 「ぐぬうぅ」
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そんなこんなで、「ムーレイ」の街には予定通り到着。
だが、最近、盗賊の多いこの地域では、ゲートでの審査が厳しく、街に入るのに1時間以上かかりそうだ。
メギ 「進まないわねー、こんな後ろをトロトロ走るからよー」
かなたは限界だった。
かなた 「おまえ、街に入ったら、絶対降りろよ」
メギ 「何言ってるのよ、あたしのおかげで遭難しなかったんでしょ、あなた一人なら今頃、骨よ、白骨よ」
かなた 「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
かなたは、怒りのあまり、瞬間、意識が飛んだ、気づくとメギの頭に拳骨が炸裂していた。
メギ 「はうぅぅぅ~」
両手で頭をさすって痛がっている。
かなたは女の子を殴る趣味は無いが、これでしばらく静かになると思うと、「よし!」と心の中でガッツポーズをしてほんの少しだけ悪い笑顔を浮かべた。
街に入るまでには、まだまだかかりそうだった。
あとがき
プロのハンターは優秀なナビゲーターを雇うだろう。
ナビゲーターもプロだから性格の差は仕事中は問題にならない。
ただし、コンビなりチームを組む以上、主導権をどちらが握るかは重要な問題になると思う。
復座での対応能力は単座を圧倒するが、リーダーがどちらかあいまいだったり、オペレーター側が一方的に主導権を持っているとチームの関係はうまくいかない気がする。
今回はなんだかんだ言いつつ、ナビ、コドラのメギさんが主導権を握り、かなた君がブーブー言いながらもそれに従っていた。
実はコンビネーションは抜群なのです。
ただ、かなた君の精神は崩壊寸前ですが・・・・・
スージーは単座シートなので運転席の隣にシートはありません。
メギさんは、かなたの横のフロアーに直接座ってました。
この子、運転が下手ねー、勘も余りよくないし・・・
と思いながら。
段差で跳ねた時の イタッ はほんとにかなり痛かった。
適材適所で。 彼女が積極的だから(それもあるけど)、じゃなくて、どちらかと言えば、しょうがない自分がやるか!的な感じで主導権を掌握したのでした。
当然、生き延びるためになので、かなた君も結局従うより他に無いと思うんです。