メタルマックス 斜めにまっすぐ見た世界   作:KR410

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 かなたの心は激しくかき乱されている。
なんでだろう?彼女が横にいるとドキドキして平常心を保てない。

   これは、アレなのか!


・・・・・んな訳はなく、ただ、猛烈に気にくわないだけだった。


第25話  くるま に乗るならゴーグルキャップ❤

正午をまわり、再びキャラバンが出発する。

 

かなた達も・・・・・あれ、出発しない。

エンジンはかかっているのだが。

そこに、メギが何かを頭に被って戻ってきた。

 

メギ 「ごめんなさい、遅くなったわ」

 かなた 「早く乗って、出るよ」

 

メギは運転席の横に頭に被っていたものを置くと、そこに腰掛けた。

それは、ナビゲーター用のシートだった。

 

 かなた 「ゴメンだけど、もう、椅子を固定してる暇は無いよ」

かなたはスージーを急ぎ発進させた。

 

メギ 「気にしないで、こう見えてもあたし、メカニックのタマゴよ」

 かなた 「・・・・・えっ・・・なんですと?」

メギ 「ちょっとまぶしいわよ、目をつぶってね」

   バチッ  バチッ  バチッ

 かなた・眩 「うわっ!!!」

メギは懐から工具袋を取り出すと携帯スポット溶接機でスタッドを打ちシートの仮付けを始めた。

メカニックの心得があるのは間違いなさそうだ、そういえばサーモの操作もやけに手馴れていた。

なめらかな手つきで取り付けを追え、微調整をしている。

  カチャカチャ ガシ ギリギリ

メギ 「うん、完璧だわ」

 かなた 「えっ、メギさん、メカニックなんですか?」

何だかわからないうちに、かなたは敬語を使うようになっていた。

 

メギ 「あれ、言ってなかったっけ?」

メギ 「あたしはトレーダーメカニックの卵、訳あって今はトレーダーには属してないんだけど」

 かなた 「えぇー、トレーダーだったの!!!」

 

トレーダーが自分からハンターのパーティーに加わるなんて事は、かなたの知る限り聞いた事の無い話だった。

それに、トレーダーの足抜けは色々な意味で危険なはずだ。

(この辺は、後書きで)

 

かなたは、恐る恐る聞いて見た、この子の事だから、またろくでもない予感が・・・・・。

 かなた・顔蒼 「トレーダーに属してないって、・・・・・、どうゆう意味・・・・・」

メギ 「ちょっとねー、あの世界に飽きちゃって、出てきちゃった❤」

 かなた 「・・・・・ちょっとまってー、つう事は、足抜けしたって事!!!」

メギ 「う~ん、まあ、そうゆう事なのかなー?」

 

  やっぱり、ろくでもない事だった。

(この世界ではかなりろくでもないことです、後書きで)

ゴーグルを装着しながら彼女は続けた。

メギ 「だってね~、毎日毎日、砂漠にテントを張って生活するのよ、面白くもなんとも無いんですもの」

 

かなたにも、その気持ちが何となくわかる。

アル達と出会う前までは、そんな生活も苦ではなかったのだが、今は、・・・・・まだ言葉では表現できないが何となくわかるのだった。

だが、勝手に家出してきた事は容認するわけにはいかない。

 

 かなた 「足抜けトレーダーと一緒って事は、俺もやばいって事じゃないですか~!!!」

メギ 「あー、大丈夫よ。そこはきちんと、昔使っていた名前は捨てたから」

メギは、自分が使っている名前が偽名だと笑顔で宣言した。

 

 かなたは、久しぶりに白っぽい何かが口から飛び出した。

 

----------

 

相変わらずの天候に、相変わらずの厳しいナビゲーションが続いていた。

 かなたは、考えが纏まらずにか、何も考えていないのか? 上の空で、その的確な指示に従っている。

 

  メギはナビゲーションの合間に、この際、ついでだからと自分の旅の目的を話すのだった。

メギ 「あたしの夢はね、世界一のメカニックになって、理想の戦車を1台仕上げることなの」

 かなたは 理想の戦車 のフレーズに心を引き戻された。

   「それでね、家出して、サウサの街で師匠か、仲間を探してたんだけど・・・・・」

   「誰も相手にしてくれなくて、途方に暮れていた所に、酒場でかなたを見つけてね、この子だ!ってピーンと来たの」

 

かなたは、この幼い容姿でメカニックとして雇ってくれ!なんつってもそりゃ誰も相手にせんわな、と納得。

 かなた 「・・・・・何で俺?」

メギ 「だって、あなた、弱そうなんですもの」

 かなた 「うぐっ・・・」

 

かなたは、話し方から悟った。

つまり、メギが見てきたハンターの中で自分が一番最弱で、こいつなら何とかなるだろうと・・・・・(実際何とかなっている)

 

 かなた 「・・・・・だったら、素直に言ってくれればいいじゃないですか」

メギ 「仲間にして下さいって言ったら、仲間にしたの?」

 かなた 「・・・・・おっしゃる通り」

 

メギ 「それに、理由はもう一つあるのよ」

メギ 「あなた、鉄腕コルセットの知り合いでしょ❤」

 かなた 「・・・・・えっ」

予想してなかった名前が出たので、少し ドキッ とした。

メギ 「酒場で話してたのを聞いたのよ、このくるま、コルセットの手が入ってるんでしょ❤」

 

確かに酒場のミミさんとの会話の中でそんなことも話したような・・・。

口は災い壁に耳あり障子に目あり。

 

メギ 「なかなかいい腕をしてるわね~、噂どおりだわ❤」

 かなた 「・・・、あのね、俺はコルセットさんは直接知らないし、スージーを仕上げたのはイワノフだよ」

メギ 「えっ、どーゆーこと?」

 

かなたはこれまでの経緯をざっと説明する。

そんな中でもメギの激しい指導が飛んでいて、時折かなたは言葉を詰まらせながらも続きを話した。

 

 かなた・イラ 「だからね、俺は、コルセットさんの事は知らないよ」

メギ 「え~!!!だったら、コルセットの居場所もわからないじゃないの!!!・・・そっちじゃなくてまっすぐそのまま」

 かなた・テレテレ 「うん、俺が知りたいぐらい❤」

メギ・呆 「・・・・・、あなたってほっっっんと役に立たないわね・・・次、道が荒れてるからスピード落として、ほら、そこ」

 かなた 「・・・・・・・・・・(怒)」

  ガタゴト ブルブル

メギ 「だから言ってるのに、もー」

 

かなたは、言われの無い役立たず呼ばわりにカチンと来た。メギはもう仲間なのだから、女の子だと気を使う必要は無い!

かなたは、迷わず拳骨を振り下ろす!

 

だが、メギはその気配を察し、さっとアーミーメットを被った。

こんな事もあろうかと、さっき街で買っていたのだった。

 

かなたの拳がメットに ゴチィィィィィン 。

 かなた 「うあぃぃぃってぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

メギ 「ほっほっほ、そう何度も同じ手は通じないわよ、かなた君❤」

幼い容姿の女の子が、アーミーメットにセンサーユニットゴーグルをおでこに上げて、そしてマント。

異様だがデフォルメキャラクターのようでかなり可愛い。

 

かなたは、そのかわいらしい姿で、人をコケにして笑っている女の子のヘルメットをおもむろに取ると、痛めた拳でかまわず。

 

  拳骨 「ぐわちぃぃぃぃぃぃん」

メギ 「はうぅぅぅ~、はうぅぅぅ~」

 

 かなた 「・・・・・メギさん、提案なんですが、お互い少しずつ譲り合いませんか」

メギ 「そうね、それがいいわね・・・・・」

 

そして、メギはもう少しソフトな言葉を、かなたは拳骨を封印する約束をした。

 

メギ 「あなたって、見た目より暴力的なのね」

 

かなたは、「あんたのせいだろ!」と思いながらも、人に拳骨を振るったことなど今まで一度も無かったのに、メギに続けて3発も食らわせた事に、ひょっとしたら彼女のゆう通りでは?と少し反省するのだった。

 

 

旅は順調?に進んでいる。

今日中には到着できそうだった。

 

 




   あとがき

トレーダーは自分達のコミュニティー内部の事情をあまり話したがらない。
コミュニティーの構造が複雑で、他の団体に知られてはならない秘密(組織や商売上の情報)が多くトレーダー個人に至るまで、ある種の守秘義務が発生する。
元々、身分の不安定なトレーダーだからトレーダーをやめて他の生き方を手に入れるのは容易でなく、正規の手続き以外で足抜けするとそれを助けたもの共々、命を狙われることもある(漏れた情報の度合いによって)。

戸籍など無いこの世界でも、オフィスとトレーダーのネットワークはバカにならず、偽名を使うぐらいで安全とはいえなかった。

トレーダーメカニックは、車載兵器専門のトレーダーキャンプには必ず1人は必要な人材だった。
商品の調整、輸送車の整備、客のくるまの装備の取り付け、取り外し。
ハンターメカニックと違い直接戦闘に加わることは少ないが、メカとしての腕前は凄腕ぞろいだった。

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