彼は愛車の大型トレーラー、それに天涯孤独の数人の仲間たちと共に命を懸けて世界を渡り、広範囲での交易を生業としている。
彼らは、打算的ではあるが義理堅く、受けた恩に相応の礼を返す人情家でもあった。
先にお遣いを済ませた かなたがトラーノ本店にやってきた。
そこには、6輪装甲車が3両と軽戦車が1両停まっている。
だが、キャンプは開いてなかった。
かなた 「あれ、閉まってる・・・」
しばらくは開けていると言っていたのだが?
かなたはテントの中に入ってみた。
かなた 「すいませーん、トラーノさんはいらっしゃいますか?」
トラーノ 「なんでしょう、今日は忙しいんで休みなんですが」
かなた 「あの、昨日、30mmチェインガンの話を聞かせていただいたんですが」
トラーノは奥から小走りで出てきた。
トラーノ 「あー、君か、君のパーティーのリーダーを呼んできてくれないか?」
急な話の展開にかなたは戸惑った。
かなた 「・・・、一応、俺ですけど?」
トラーノ 「・・・、なんだ、そうか、ハァー」
トラーノはガッカリしていた、何だか失礼な。
トラーノ 「あぁー、ごめんごめん、ちょっとあってね」
トラーノ 「誰か知り合いに強いハンターはいないかい?」
かなた 「知り合いですか、うーん・・・、ジャイアントマウスのタイガー、それにアイアンギャングには会ったことがありますよ」
その言葉を聞いたトラーノの顔色が変わった。
トラーノ 「君はアルたちの知り合いかい?」
かなた 「・・・、あの人たちに何かあったんですか?」
トラーノの表情が何か大変なことが起こった事を物語っていた。
----------
この街にやってきたトレーダーの情報によると、彼がスームスーンに滞在していた4日前に、遭難者リストにアイアンギャングが載ったらしい、まだ見つかってなければ、今日で遭難7日目である。
トラーノは自前で足の速い救助部隊を編成していた。
キャンプの撤収が終わり次第スームスーンに向かうそうだ。
通常の2倍、1日で砂漠を150km走破する予定らしい。
かなた 「俺も行きます! お金はいりません、だから連れて行ってください」
トラーノ 「・・・、気持ちはわかるけど、並みの くるまでは2重遭難するのが落ちだ、やめた方がいい」
かなた 「大丈夫! 砂漠の走破性なら誰にも負けない くるまに乗ってます!」
かなたはトラーノにスージーを見せた。
トラーノ 「スージーじゃねー・・・、うわぁっ、な、なんだよこれ!!!」
トラーノもやっぱり驚いた。
かなた 「へへへっ、凄いでしょ♪ だから連れて行ってください!」
トラーノ 「・・・わかったよ、一緒に行こうか。 ただし、脱落したらおいて行くからね」
かなた 「かまいません、よろしくお願いします!」
トラーノ 「そうと決まれば、30mmは貸しにしとこうかな、お代は終わってからでいいから、お互い生きてればだけど・・・」
スージーに30mmを積んでもらい出発することになった。
メギを迎えに行く時間が無いので、隣のキャンプのトレーダーに伝言とお遣いのパーツをあずけて。
あとがき
またまた、かなた君は思い込んで暴走を始めました。
まだロクに操れない、リミターにリミッターのかかった臨戦仕様のスージーで。
トレーダーは風来なのでふらっと現れて、いつの間にかいません。
珍しい掘り出し物があれば、その場で手に入れて置かないと、もう、一生手に入らないかも。
強迫観念にも似たこの衝動によって、ハンターたちの財布の紐は今日も緩むのだった。