まだ知り合ったばかりの かなた だが、大きな冒険を共に乗り越え、感情を共有した信頼できる仲間だ。
そして友としても、彼のことが好きになっていた。
メギ 「無茶なお願いなのはわかってます」
メギ 「あなたのM4を貸してください!」
ニコライ 「・・・・・・・・・・」
ニコライ 「出来ればな」
ニコライ 「・・・あの戦車は今は動かせないんだ」
メギ 「そんなはずはないわ、あたしがチェックしたときには、どこも異常がなかったもの!」
ニコライ 「・・・・・、戦車にはな」
メギ 「えっ?」
ニコライ 「地下室にスロープがあったか?」
メギ 「リフトがあったけど・・・、まさか!?」
ニコライ 「そうだ、あのリフトじゃ上がらないんだ」
メギ 「・・・・・」
ニコラは防犯対策として、 物理的に盗難不可能なガレージ を作っていた。
究極の戦車がそこにある! 状態もパーフェクト♪、だけど、動かせなければただの鉄くずだ!
メギ 「なんて事をするのよ~、いざって時に使えないでどうするのよ!」
ニコライ 「俺にとっちゃー、この戦車を盗まれるより、いざってのは想定してなかったんだ!」
メギ 「あーもう、かなたもニコラも ほんっっっっっと バカ !!!」
ニコライ 「・・・・・、返す言葉もねーよ」
ニコラも、友を助けに行きたかった。
コルセットは腐れ縁の悪友だが、人生で最も気のおけない生身の友人だから。
(彼いわく、それでも親友ではないらしい、ニコラは独特の対人論の持ち主ですから)
メギ 「・・・・・、そうだ!シャーマンの足回りは砂漠仕様でしょ!」
ニコライ 「そうだ」
メギ 「エンジンもスペシャル!」
ニコライ 「これでもかっ!ってぐらいいじってある」
メギ 「フフフフフッ、行けるわ♪」
メギは、砂かき用の強力送風機を持ち出した。
メギ 「早く乗って、さー早く!」
ニコライを戦車に押し込むと、猛烈な勢いで地下のガレージに、外に積もった砂を吹き込み始めた。
ニコライ 「なにぃぃぃぃぃ! メギィー、やめろー!!!」
慌ててエンジンスタート!外気温が高いおかげで、暖気しなくても調子がいいのは幸いだった。
ガレージはみるみる砂で埋まっていく、シャーマンも瞬く間に埋没してしまった。
メギ 「よーし、もうすぐよー♪」
砂に埋もれ、暗闇の中で実験用試作型統合制御コンピューター、「スパシーボスリー」を起動する。
車内が薄暗く緑に光り始め、4台のメインモニターに様々な情報が映し出された。
「M4改ニコラスペシャル」は、ほぼ全自動化されたロボットタンクで、その外見からは想像もつかないほどの能力を秘めている化け物だ。
ニコラは、しばらく眠っていたこの化け物を起こすと、大量の砂による生き埋めからの脱出とゆう、命がけだが超イージーな任務を開始した。
「ウゥゥゥゥ」
「ウォォォォン」
「ウワァァァァァ」
「グヮァァァァァン、グォォォォォォ」
「ザザザザザザザザー、グワァァァァァン」
メギ 「やった♪」
シャーマンが超信地旋回をしながら浮上してきた。
だが、ガレージの壁にあちこちぶつけてキズだらけになっていた。
ニコライ 「メギィー!!!!」
メギ 「ごめんなさい。 だけど、今は一刻を争うはずよ」
ニコライ 「・・・・・、そうだな。 よし、よくやった! メカに大切なのはそれだ、覚えとけ」
メギ 「 ? 」
明らかに顔が怒っているニコラだが、なぜかメギを褒めた。
メギは真意がよくわからなかったが、今はそれを気にしてる場合ではない。
メギ 「ニコラ、補給は済んでるんでしょ、すぐに出発しましょう!」
ニコラ 「わかったから、さっさと乗って待ってろ。 (たく、なんて鉄の穴向きな子なんだ)」
ニコラオートはしばらく休業することになった。
ニコラは店を閉めた後、オフィスで最新の情報を入手して、久しぶりに親友(戦車)と街の外に繰り出した。
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シャーマンは街の外に出てからずっと自動走行を続けている
ゆうに40kmは超えていた。
メギ 「やっぱり凄いわ、ほぼ全開でもオートで自走可能だなんて、聞いたことないもの」
ニコライ 「んー、ああー、・・・・・」
ニコラは、何かをタッチパネルを使って操作していた。
メギ 「それに、スパシーボⅢって何なの? スパシーボシリーズにそんなのないはずだけど」
メギは元トレーダーメカニックである。
普及品のラインナップは一通り心得ている。
手にしたこと、目にした事がなくても、トレーダーの情報網で把握していた。
ニコライ 「あぁー、そー、ん、おぉー詳しいな、スパシーボマニアか、お前?」
ニコラは、モニターとにらめっこしていた。
メギ 「あたしは、車載装備の種類は一通り頭に入ってるのよ」
ニコライ 「んんー、ほー、へぇー、まるでトレーダーだな」
メギ 「あたり、あたしは元トレーダーメカニックだったの♪」
ニコライ 「ふーん、なるほどねー・・・・・、えっ?」
ニコライ 「なぁにぃーっ! トレーダーだっただとー!!!」
ニコライは叫んだ、かなたと同じ嫌な予感がして。
謎の声 「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーい!!!」
突然車内に謎の声が響き渡った!高音の男の声だった。
メギ 「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!!!」
メギ 「なに! 何なのよぉー! 誰かいるの!!!」
メギは辺りを見回した、だが狭い戦車の中だ、誰もいるわけがない。
ニコライ 「おまえ、もしかして・・・・・足抜けとレーダーかよぉぉぉぉぉー!!!」
謎の声 「うるせぇぇぇっつってんだろー、この声は、ニコラァァァァ!!!」
メギ 「うわぁー、またしゃべったぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
謎の声 「うるせぇぇぇぇぇぇ、だれだーこんどはぁぁぁぁ!!!」
呪われた車内でのパーティーはしばらく続いた。
ニコライ 「メギ、メギ、おまえトレーダーだったんだな」
メギ、涙 「そうよ、それよりなんなのよ、あの声は」
謎の声 「女が乗ってんのか?珍しいな!」
メギ 「気持ち悪いぃぃぃ、話しかけてくるぅぅぅぅぅー!」
ニコライ 「メギ、落ち着けって、で、足抜けか、足抜けなのか?」
謎の声 「気持ち悪いだとぉぉぉぉぉ、おいらのどこが気持ち悪いってんだよ!」
メギ 「いやだぁぁぁー、会話が成立してるわぁぁぁ、こわいぃぃぃぃ!!!」
ニコライ 「だから落ち着けって、この声はシャーマンの声だ!」
メギ 「シャーマンって霊的な何かに由来するんでしょ、うわぁぁぁ、やっぱり本物だわぁぁぁぁ!」
謎の声 「俺は幽霊じゃねぇぇぇー!!!」
メギ 「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
メギはハッチを開けて外に逃げ出そうとした。
ニコラは足を必死に掴み阻止している。
頭をボコボコにけられながら。
ニコラ 「まあ待て、あたぁっ!、せ、説明が悪か、痛い、いてぇって! コイツはな、スパシーボの声だよ、いってぇぇぇ!!!」
メギ・涙 「いやぁぁぁぁ、スパシーボの霊なのぉぉぉぉ!」
ニコラ 「ちが、違うって、こいつはしゃべるスパシーボなの!」
謎の声 「喋るだけじゃねー、自分で考えジョークも好きなスパシーボのスリーさんだぜ」
メギ・泣 「うわぁぁぁぁん、ひぃぃぃぃぃん、しくしく、・・・・・、・・・えっ、 なんですってぇー!!!」
メギは、相手が機械だと理解したとたんにメカニックに戻った。
メインモニターの1台を掴み顔を近づける。
メギ 「なんですってぇぇぇぇぇーーーーー!!!!!」
あとがき
やっぱりね、一度は言いたい。
・・・・・も、エンジンがかからなければ瀕死の狸だ!
そして地中から浮上する超兵器。
このシャーマンの名前は、スパシーボのコンピューター人格プログラム、彼の名にちなんで、スリーです。
前に探していたM3は実はこのM4でM4のスリー、M4スリー、Mスリー的な感じでニコラとスネルクは実は同一人物!何て考えていましたが、どんどん二人の方向性が違ってきて整合性がなくなり、やむなく却下。
M3は今もどこかに埋まってます、たぶん。
地中から浮上する人類最後の希望。
その演出に見合う性能をスリーは秘めているのだろうか・・・?