どうやって登ったのだろうか。
まさか、空が飛べるわけもなし。
柱の高さは20mを超えている。
キザ男 「なんだよ、せっかく運んできたのに・・・・・、潰れてんじゃねーかよ」
驀進(ばくしん)したトラーノ隊だが、巨人の森に到着したのは深夜をまわってからだった。
無線 「ガガガ、ガー、ザーーーーー!!!!!」
電波状態がとても悪い、すぐそばにいるトラーノとすら交信できない。
しばらく前からセンサー類の調子も何だかおかしい。
何かが酷く燃えているが、天候、視界、共に良好なのに。
好天の月夜の大地を、場違いなスーツにサングラスのいでたちで歩いてくる人影があった。
スタスタと、颯爽と、ポケットに手は入れず。
キザ男 「こんばんわ♪」
トラーノ 「・・・・・、あの、もし、我々は遭難したアイアンギャングを探しに来たんですけど、もしかして、何か知りませんか?」
トラーノは、なんとも怪しいこの男だが、ワラにもすがる気持ちで尋ねてみた。
キザ男 「アイアンギャング?、アイアンギャング・・・・・、あー、彼らか! なるほどね♪」
トラーノ 「何か知ってらっしゃるんですか!」
キザ男 「あー、違う違う、ごめんなさい、ちょっと別の件で頷いたんだ」
キザ男 「この辺りには誰もいないよ、俺も別件でこの辺りの調査をしてるんだ」
キザ男 「向こうの丘の方に、まだ新しい戦闘の痕跡があるんみたいなんだ、一緒に行ってみるかい?」
トラーノ 「ありがとう、是非お願いします」
トラーノ達は、その男の案内で戦場跡に移動することになった。
キザ男 「わぁお❤ なんだよ、このキュートな4WDは♪」
キザ男 「ちょっと、キミ! 横に乗せてらってもいいかな♪」
トラーノ 「乗せて上げてくれ、かなた君」
キザ男は、スージーのキュートな姿に惚れた❤
こんな胡散臭い人物など、普段なら絶対に乗せないが、捜索の手助けになるなら!
かなた 「良いですよ、早く乗ってください! トラーノさん急ぎましょう」
キザ男を乗せ、スージーの先導でトラーノ隊は、捜索を再開した。
----------
キザ男 「うわぁぁぁぁぁぁ、ブレーキ、ブレーキィィィ!」
キザ男 「ちょっとまって、ちょっとまったぁぁぁぁぁ!」
キザ男 「何やってんの! ひっくり返る、やばいってぇぇぇぇ!」
かなたのまずい運転、凶暴なスージーの特性もあるが、彼は根本的に乗り物が苦手なようだった。
やむなく かなたは、はやる気持ちを抑え、スピードを落とした。
だが、このくるまの低速走行の難しいことといったら。
ガクブルしながらのスージーの車内だが、それでもさっきよりは落ち着いたキザ男だった。
無線 「ガー、ザッ、どうしたの? かなた君」
かなた 「キザ男さんが、くるまに弱いみたいなんです、スピードを落とします」
無線 「・・・・・、しょうがないね、わかった ザザザ」
無線の状態はすこぶる良好だった。
キザ男 「ごめんね、俺、乗り物苦手なんだった・・・・・、あ、そうそう、場所を教えないとね♪」
キザ男はサングラスをしたまま目を凝らした。
キザ男 「・・・・・その、右の尾根の二つ目の裏側、20kmってとこか」
かなた 「!? えっ、何か見えるんですか?」
キザ男は明らかに何かを見ている。
キザ男 「ん?、あー、いやね、このサングラスは特別あつらえなんだ♪、前時代の遺物ってヤツ」
かなた 「へー、ひょっとしてその服も?」
キザ男 「そうだよー♪ 昔の調査員はみんなこの格好だったんだって」
キザ男 「うちの カンパニー ミーハーでさ、何をするにもまず形からなんだよ、まいったねー、ほんと」
キザ男 「窮屈だし、動きにくいったらないんだ、これ!」
かなた 「カンパニーの人なんですか! すごい♪ はじめて見た!!!」
キザ男 「ナハハハハハッ、そんなたいしたもんじゃないよ、キミと同じただの「ニンゲン」さ!」
キザ男 「俺はアドラと言います、よろしくね♪」
かなた 「かなたです、よろしくお願いします」
キザ男 「あー、ごめん。 俺、人の名前おぼえるのが苦手なんだわ、顔は覚えたからね、少年と呼ぶよ、いい?」
かなた 「かまいませんよ♪」
アドラは、外見の通り、軽い感じの印象だった。
だが、人当たり、言葉遣いともに優しく、特に警戒する理由は見つからない。
彼は、サングラス越しに辺りを見回していた。
かなた 「良かったら、スージーのセンサーも使ってください、卸したてのいいのに積み替えたばかりなんです」
キザ男 「うーん、それがねー・・・・・」
キザ男 「どうにも、人間製の自閉式コンピューターはね、俺のゆうことを聞いてくれないんだ」
かなた 「機械が苦てって事ですか?」
キザ男 「まー、そうゆうこと♪」
妙な言い回しで、センサーの操作が苦手と答えたアドラ。
かなたは、さっきから話の節々に違和感を感じているが、「やっぱ、都会の人は違うな~」だって。
キザ男 「見えたよ!ほらあそこ、・・・・・グランドウォーカーじゃねーか!!!」
辺りは暗闇で、かなたにはまだ見えない。
キザ男 「ひでーな、・・・・・穴だらけだ」
戦場跡には、焼け焦げて穴だらけのカメが、死肉をあさる鳥たちにつつかれていた。
アドラはスージーから降り、調査を始めた。
かなた 「アドラァ! 一人で降りるのは危ないよぉー!!!」
キザ男 「だいじょぶ、だいじょぶ。 こう見えても俺、プロだから♪」
かなたは、慌てて武装(トラーノからのレンタル装備)して、スージーを降り、アドラの護衛に着いた。
キザ男 「少年は心配性だ!ハハハハハッ」
かなた 「何言ってんです! こんな場所で冗談はやめてください、死にますよ!!!」
キザ男 「ごめんごめん、だけど、こんな場所だからね。 むやみに発砲しちゃ駄目だよ、少年!」
かなた 「わかてます、それよりこれは?」
キザ男 「見てごらんよ、残骸の飛び散り方と、地面のエグレ方、かなりの遠距離から集中砲火されてる! こりゃすごいね♪」
キザ男 「だけどね、妙なんだよ。 大きな傭兵団ならこんな手際のいい仕事も出来るだろうが・・・・・」
キザ男 「いったい誰の仕業だろうね? 俺の知ってる限りでも、こんなことの出来る連中はそういないんだけどね」
かなた 「アル達がやったんじゃないですか♪」
3人はまだ戦ってる♪ かなたはそんな希望を抱きアドラに聞いてみた。
キザ男 「アル?、アル・・・・・、アル! いや、残念だがアイアンギャングには無理な芸当だね、彼らはどちらかとゆうと、接近戦に特化したチームだからね」
かなた 「・・・・・・」
キザ男 「そー、落ち込みなさんなって、遭難場所のすぐ近くに、バラバラのカメの残骸が転がってるんだよ」
かなた 「そうか! そうですよね♪ それなりの規模のチームのはずだから、その人たちに救助されたかもしれませんよね」
キザ男 「そうゆうことだね、ムフフフフ♪」
しばらくして、トラーノ達も駆けつけてきた。
一向は、カメの調査を終えると砲撃地点に移動した。
だがそこで、完全に手がかりを失った。
キザ男 「残念だけど、ここまでだね」
キザ男 「ここからは俺も、自分の仕事に戻らなければならないからね」
キザ男 「おじさん(トラーノのこと)達は、新しい情報がないんなら、まず、この近くの村や町を調べてまわるといいと思いますよ」
トラーノ 「ありがとうございます、そうしてみます」
キザ男 「少年、なかなか楽しかったよ、またドライブしようね♪」
かなた 「そうですね、またどこかで会いましょうね♪」
キザ男 「ハハハッ、もうちょっと、疑わないと駄目だぞ♪ だけどキミとはまた会いたいな」
そう言って、スタスタと、ポケットに手を入れず、振り向かずに、一直線にどこかに歩き去っていった。
なんとも不思議な男だった。
あとがき
サーガに出てきた、謎の組織とエージェント、そしてウサギマン。
小説版、火炎水晶にも、似たような描写の人物が出てた、そう言えば。
彼らの目的より、正体のほうが謎の設定になってる共通点。
そして、物語の舞台はまさかの宇宙へ・・・・・