メタルマックス 斜めにまっすぐ見た世界   作:KR410

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かなた達と入れ違いでトレーダーの一団がサウサの街に立ち寄った。


第5話  実は侠客軍団?

 

トレーダーとは、この無法の世界であえて数人から十数人での小集団による行商を生業とする超命知らずの商人達で、直接のつながりは無いものの各トレーダーのネットワークは全世界規模に匹敵し、取り扱う品目も「金になるものは何でも」でトレーダにさばけない物は無いとさえ言われている。

ほとんどのトレーダーは家族、親族営業だが中にはそうでない者もいる。

トレーダーの素性は詮索してはいけないことになっていて、それゆえにかなり胡散臭いトレーダーがガセの情報やインチキ商品、盗品を売っている事もある。

一般的な街ではトレーダーの滞在を嫌い、そのため郊外にキャンプを張り行商を行うことが多い。

素性の知れないトレーダー達ではあるが、情報の伝達手段が人力、陸送に頼るこの世界でオフィスに匹敵する情報網を持つため、害より益が多分に多い。事実、オフィスより先に未開地の探索をするトレーダーも多くオフィスも情報屋として御得意様であるためトレーダーの活動全般が優先的保護対象になっている。

一般的なトレーダーの特徴は臆病だが反面、超強力な好奇心(商いの嗅覚)を持ち驚くほど大胆な行動をとるものが多い。ただし基本は小心者なので大胆なルートでの行商、未開地の探索の末ピンチに陥いって遭難する者があとを絶たない。

 

サウサに立ち寄ったトレーダー集団の屋号は紅幕団(くれないばくだん)。大きいのぼりに「元祖 紅幕団」と謳っている。

「元祖」や「本家」の胡散臭さはこの時代も共通である。

 

トレーダーとしては一般的な家族での構成らしく見た目50代のちょい悪系じじいがリーダーのようだった。

ちょい悪「いいか、お前ら、街でごたつくんじゃねーぞ」

息子達「へい!」

娘達「はい!」

よく統制が取れている。

 

紅幕団はハンターオフィスに入って行く。この世界に旅行者など皆無なので街にたどり着いた旅人はまず、情報を仕入れるためにオフィスや酒場で欲しい情報を仕入れるのが通例になっている。

トレーダーの場合は情報の売買以外にもオフィスとの売買実績によりその街での身元保証書が発行され街での行商や短期の滞在が認められる。

 

ちょい悪がオフィスに入ると奥からトレーダー専属職員が応対に出てきた。

ちょい悪はちょい悪な笑顔でオフィス職員と話していた。どうやら未開地の探索にヨルレイクに行くらしい。

 

手続きを済ませてこの街の宿屋の情報を聞き、宿泊予定の宿屋に向かう。この街へは商売で寄ったわけではないようだ。

オフィスに売った情報はなかなかいい儲けになったらしく懐にしまった唐草模様の大きな巾着がジャラジャラ鳴っている。

サウサの街は街道に近いこともありこのあたりでは比較的大きい。宿屋は4軒あり紅幕団は街で2番目に大きなホテル「ルート99」の竹の間に宿泊予定だった。

 

チェックインを済ませてちょい悪たちは、昼食に一家で街に繰り出した。

行儀良く、礼儀正しく、街を歩くときは右側2列縦隊で。あまりにも徹底された見事な動きが逆にかたぎでないものの凄みをかもし出す。

 

街を歩いていると遠くから爆音が聞こえてきた。爆発音などこの世界では日常茶飯事なので特に気にするものは誰もいない。

しかし、ちょい悪は軽い胸騒ぎを感じていた。

ちょい悪「・・・・・」

爆音のする方をしばらく見つめていた。

 

紅幕団は荷物、帳簿、情報の整理で半日をすごし、次の日の旅支度をしてその日は早めに寝ることにした。

 

  ぷ~~~~ん。

 

松の間にはカトールソリッド(超蚊取り線香)が備え付けられていたが珍しく蚊がでた。

 

ちょい悪「チッ、ついてねーぜ」

 

ちょい悪は蚊に刺された。

 




   これはあくまで自分の妄想です。

トレーダーは一番高い部屋、一番安い部屋への宿泊はしない。
街では厄介者のトレーダーはなるべく目立つ行動を避け、次に滞在するトレーダーのため、ひいては世界中のトレーダーに迷惑をかけないため、劇画時代劇の渡世人のような仁義を持つものが多い。(梅の間に泊まらないのはトレーダーの品位を下げないためと街に最低限お金を落とすため)
根無しのトレーダー達は自分達のコミュニティーを唯一絶対的に信用し、それ以外のものを信用していない。

(ちなみにトレーダーと並ぶ世界浮浪職のハンターは突き詰めれば超個人営業なので単純に金のあるものは豪遊しオケラは堂々と安宿に泊まる者も多い。
ハンターは仲間への風評を気にする者が少なく、一般的な流れのハンターへの評判はトレーダー以上に厄介者扱いだった。)

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