トレーダーの朝は早い。
彼らは言う、 早起きは3ゴールドの得 と。
ちょい悪たちは街を発つ挨拶にオフィスに向かう、まだ地平線を吹きすさぶ砂のカーテンに日が映し出されて間もない早朝だった。
オフィスは夜間は活動してはいないが24時間365日(の概念は失われているが・・・)シャッターが下りることは無い。オフィスが閉店するのは災害や戦闘の緊急時だけだった。
オフィスに入り当直の職員に出発の挨拶をする。
ちょい悪、声が低くて渋い「お世話になりました。あっしたちは出発しやす」
当直、寝癖がひどい「悪いね、無理だ、ヨルレイク方面への通路は立ち入り禁止指定が出たから」
ちょい悪「なんですって!」
寝癖、とても眠そう「なんか街が爆発したんだって、詳しい調査が終わるまでヨルレイクには行けないよ」
ちょい悪「・・・・・」
当直は無線のヘッドホンをつけたまま事務的に状況を説明する、隣町が爆発したとゆうのにこの危機意識の低さ。まだ目を開けて仕事をしているだけこの世界ではましだった。
当直の職員が言うには、昨日ヨルレイクから緊急信号が1本届いたんだけど電波状態が悪化して今は音信不通らしい。
まだ調査隊の編成も終わってないので調査が終わるのは早くても4日ぐらいはかかりそうだ。
ちょい悪「また悪い予感が当たっちまったか・・・」
ちょい悪の悪い予感は良くあたる!とチョイ悪は思い込んでいる。
オフィスで立ち入り禁止区域の地図情報(なぜか有料)をもらい迂回路を探す、なんとかたどり着けそうだが3~4日のロスにはなりそうだった。
紅幕団は幕団会議を開く。その結果(ちょい悪の独断で)しばらく街の近くでキャンプを張ることになった。
トレーダーキャンプ 紅幕団 が開幕した。
・・・あー読みにくい、紅幕団(くれないばくだん)=トレーダーキャンプ紅(赤)です。
キャンプ紅の得意とする商品はドラッグ、薬品である。一般的なものはケミカルと呼ばれ、特に戦闘などで即効性を必要とする種類の薬はドラッグと呼ばれている。当然副作用も激しいがこの世界の旅人には必需品の日用品だ。
カラフルな3角テントに派手な色の のぼりが数本。
カラーに餓えたこの世界では見るものに毒々しい印象さえ与える禍々しさを帯びている。
だが、少し離れていることもあって、そう強くは無いがそれでも常に舞っている砂塵のおかげで近くで見ると禍々しいほどのカラフルなトレーダーキャンプもやっぱり灰色だった。
サウサの街は大きく街道にも近い、こなれた旅人達がキャンプを利用する光景は違和感なくそれなりに絵になる活気があった。
ちょい悪達は商売繁盛、品揃えもなかなかのものらしい。
日が昇り客足が一時遠のく、砂漠に生きるものの感覚で午後は強い砂嵐が来ることに感づくと今日は早めに店じまい。
何をするにも 未練残さず 早めに即実行 生き延びる秘訣だった。
この世界の砂漠で集団を養う、それよりただ生き延びるだけでもちょい悪達の有能さが伺える。
数時間後、まだ日は高く灼熱の砂漠に予想通り嵐が来た。
といっても彼らにとっては日常レベルのものである。
ただし視界はゼロ、テントから外に出れば命は無い。ばたつく布きれ1枚が彼ら全員の命を預かっていた。
そんないつもの地獄の中を疾走する くるま の一段があった。
渡世人、トレーダー達の服装はエジプシャン(ゲーム用語)。
なんともこの世界の渡世人像にピッタリ。
戦闘には向かないが砂漠での活動に適してそれでいて軽くて動きやすい。
彼らのあの羽織布の裏地には見事な日牡丹の刺繍があるに違いない。
そして腰には日牡丹ナイフ。
まれにトレーラーや輸送車を所有するトレーダーがいるが、彼らは商売が最優先だけど地獄の砂漠を渡るには最低限の武装は必要、そして開発されたのがペイロードの犠牲を最小限に抑えた、超軽量日牡丹シリーズ!
砂漠に落ちてる日牡丹はトレーダーの墓標なのだろうか・・・